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Original subtitles

孝 大変だ!→

お前のお兄ちゃんが…

《(御上)友達から言われたんだよ》

《お前の兄さん この頃 おかしいぞって》

《(宏太) 孝に そんな思いさせてるのは→》

《申し訳ないと思ってるよ》

入るな お前ら!

兄ちゃん 兄ちゃん!

見るな…

孝くん 見ちゃダメ!

(神崎)俺は

もう大丈夫だから

だから次は

アンタが…

(一色)生理の時は どうしても不安定になるから→

色々あっても おかしくはないんだけど

(是枝)でも 生理用品なら購買でも買えるし

トイレにも 多少は設置してありますよね

なのに ここのところ 毎回 もらいに来てたのは気になってた

《(一色)ちょっと 職員室に行ってくるけど→》

《誰か来たら すぐ戻るって伝えてくれる?》

もしかして 買えなかった?

その可能性あると思うのよね

お地蔵さんのように 固まってますけど大丈夫ですか?

あっ いや すみません 男兄弟で育っているので

(一色)教師をやるなら 避けて通れない問題ですよ

いや でも 買えないって そんなに高いものなんですか?

高いもので500円くらい?

生理の貧困…

そうかなって

椎葉さんの家庭環境は?

交通事故で 小さい頃に ご両親を亡くし

今は和菓子屋を営む 父方の祖父母に育てられています

家庭環境 急激に変化してても おかしくないですよね

うかつでした すぐに面談の段取り 組みます

(ノック) (一色)はい

(溝端)失礼します

こんな所にいたんですか

どうかされました?

これは どういうことですか?

(安西)ヤバくない? これ (波多野)えっ!?

えっ ああ… (香川)どういうこと?

(晴山)えっ 何これ どういうこと?

何で? いや 分かんない

(晴山)これ ホントなの?

分かんない

(足音)

(川島)あっ オカミ

それ 20年以上前のことだから

(櫻井)でも こんなこと書くなんて

そんなゴシップ記事 相手にする価値はないよ

(チャイム)

授業 始めてもいいかな

(東雲)こんなこと書かれて 先生 平気なんですか?

君達には関係ない

私は 許せないです

関係…

ありますから

じゃ 今日は

昨日の続き

181ページ

(御上が板書を始める)

(津吹)これ ホントなんですかね

(槙野)何だろうなあ 官僚

こういう時ばっかり

スポットライト 浴びちゃうの

(津吹)マジ それ

悪いヤツらで あってほしいという

大衆の欲望を感じるわけですよ

批判はされるけど 評価はされない仕事 それが官僚

なりたい人が減るはずだ

学習指導要領の キーワードは「生きる力」

なのに 教師の離職も 子供の自殺も増加の一途

せっかくのキーワードが

ブラックジョークに なっちゃってるからねえ

そりゃ批判もされますよ

体調 大丈夫?

(椎葉)何で

男の先生に生理のこととか 聞かれなきゃならないんですか

女友達にだって

なかなか言えないんですよ そういうの 分かってますか

それは うん…

自分は何もかも隠してるくせに

えっ?

人にばっかり 話せっていうの 暴力です

(鍵をかける)

イッタッ

(富永)勝負しよう

ROUND1 FIGHT

授業中 温 ずっと泣いてたよ

気づいてた?

だから 呼び出し?

そう 説教するから覚悟しといて

何で泣いてたか分かる?

ああ~ もう!

うわ~! うわっ

ZANGIEF WIN ハハハ…

さっすが

考えろ

考えて 自分の頭で

何 突然

それは いいんです 間違ってない

何が問題?

教師と生徒なら これ 大正解です

でも 人と人なら どうですか?

私達 素っ裸です

服 着込んでたら

オカミが出してくる難問 答えられない

みんな 丸腰 丸裸で戦ってる

それ 分かってます?

なのに

何でアンタだけ

鋼の鎧 着込んでるんですか?

うまいこと言うね

ここの出来が違うんで

みんな 分かってますよ

あの記事 見て

オカミが どんな思いで

考えろって言ってたか

分からないヤツなんて いないです

なのに 関係ねえって 鎧着たまま

格好つけやがって 意味 分かんないです

ちゃんと向き合ってください

20年も昔のことって 思えてないのは

オカミ自身なんじゃないですか

(富永がゲームを再開する)

(中岡)困りましたね こんなことが あると また古代さんが

(塚田)そうなんだよ ようやく真山弓弦の事件が

下火になってきた タイミングでよ

実際のところ どうなんですか 古代さんは

いや それが… (中岡)まさか→

東元官房長官のお孫さんの件→

お断りとか言いだしてる?

まさか…

いや ではないですね

まさにです マスコミが学校の周りを

うろついてる状況じゃ とても できないと

それは困るよ

いいんですか 東さんを怒らせたら

来年度の助成金も どうなるか分かりませんよ

それは困ります

でしょう? ここにいる3人

誰も いいことがない

分かりました 何とか説得します

はい あっ…

はい

《(宏太)恐竜ってさ→》

《体の大きさの割に 脳が小さいから→》

《尻尾 踏まれてから 10分ぐらいして》

《ギャアー!》

《っていうらしいんだよね》

《(宏太が笑う)》

《それ 今の日本みたいじゃない?》

学説 変わってさ

だいぶ素早く動けるらしいよ

兄ちゃん

古代の件は 私に お任せください

頼もしいですね

じゃ まいりましょう いい店 知ってるの?

はい 実は 私が懇意にしてるお店が…

(連写)

椎の葉さんね 休業中なんだよね

あの 事情って ご存じですか?

ご主人の認知症が 悪化したらしくてね

ああ そうなんですね 奥様は?

う~ん それがねえ

あれ 夏頃だったかなあ

奥さん 倒れちゃったんだよね

一般面会 2階フロア

77番の方は 2階タワーに お上がりください

(弓弦)私は書かれたくない

ずっと

見て見ないふりをしてたんです

父親に対しての劣等感も

周りの人間への

根拠のない優越感も

それを 御上先生に見抜かれた

俺も

あなたも

もう戻れない

(神崎)このままで いいんですか?

もう…

遅いんだよ

(神崎)遅くても

遅いけど

書かないと

(足音)

お久しぶりです

(苑子)宏太 この方 誰?

えっ?

すみません こんな所に呼んじゃって

ううん

週末は毎週?

できる限りは

宏太 どなたなの?

一色真由美さん 覚えてる?

すみません

ずっとなの?

何がですか? だって…

宏太って

あっちで話しましょうか

大丈夫? 何がですか?

孝くんだって分かる時もあるの?

ないですね

そっか

もう慣れました

慣れちゃダメ

…だと思う

慣れるしかない だって もう20年以上 そうなんですから

宏太は ひどいね

何ですか 今さら

さっき 苑子さんの個室に行ってきたの

ジャングルみたいだったでしょ

(一色) 死んでから20年もたつのに→

色んな人の心を独占して→

ニュースになったりして

目立ちたがりも

大概にしろって思うよね

その言い方

真由美さんも同じじゃないですか

(一色)そうね

《(一色)宏太は間違ってない》

《気休め言うなよ》

孝くんは でも

すごいよね

学校が動き始めてる

真由美さんが けしかけたのに 今さら何言ってんですか

《(一色)御上孝くん?》

…にしても 勇敢すぎますよ 文科省の前で

うちの学校に来て 闇を暴いてって

苦しんでる生徒達を知って

見過ごすわけにはいかないと 思ったのよ

文科省 隣徳 そして永田町

つながってるのは確実なのに

いまだに証拠がつかめない

まあ でも 必ず全容 明らかにしますよ

あなたも

えっ?

私をここに呼んだってことは 先に進もうとしてるのかなって

(一色) あっためれば少しは楽になるから

(椎葉)ありがとうございます

(ノック)

(一色)はい (千木良)失礼します

千木良

また具合悪いって聞いて

うん 大丈夫 ただの生理痛

でも ここんところ ずっとじゃん

うん…

ごめん 千木良→

これ 貼ってくれる?

うん もちろん

(椎葉)ありがとう (千木良)よいしょ

(バイブレーター通知)

(千木良)どの辺りがいいかな

(椎葉)腰の辺りに貼ってほしい

(千木良)腰? OK (椎葉)うん

(千木良)どうだろ この辺? (椎葉)うん ありがとう

(チャイムと戸が開く)

兄の話をする

伝えるべき話だった

なのに ごまかした

時間をもらいたい

死因は 学校への抗議行動による自死

放送部だった兄は

学校への抗議を 全校放送したのちに

自ら作った装置を発動させて

感電死した

君達は兄の行動をどう考える?

(和久井)理由は何でしょうか?

理由?

記事には抗議の内容までは 書かれてなかったから

次元くん

情報 集めてるんだろ 知ってるよね

(次元)抗議の内容は…

《今回》

《中等部から 高等部への進学にあたり》

《学校側は》

《発達障害のある 生徒を落としました》

《テストの 点数には問題ないのに》

《恐らくは 扱いづらいという理由で》

《排除した》

《これは 重大な 人権問題であり》

《平等な社会の実現という》

《我が校の校訓に反しています》

(次元)御上宏太さんは→

署名活動を行いましたが→

当時は発達障害という言葉も 一般的ではない時代で→

クラスメイトの理解を得られず→

クラスの中で 透明化していったそうです→

精神に不調をきたし

ある日 誰もが考えもしなかった 極端な行動に出てしまった

《(宏太)僕は》

《この状況を生み出した》

《学校に抗議します》

《声を上げた僕に対しての》

《冷淡な無視に抗議します》

《そんな環境を生み出した》

《社会に対して抗議します》

《死をもって》

《僕は…》

《(ノック)》

《御上 開けろ!》 《御上くん 御上くん!》

《開けろ 御上!》 《ねえ 御上くん…》

《(ノックが強くなる)》

《この抗議を完遂する!》

僕が知ってるのは ここまでです

ネット情報のつぎはぎで ホントかどうかも…

大丈夫 事実どおりだ

責任があると思うので 最初に言います

抗議内容は理解できます→

間違ってないとも思います→

そして そこまで考えられる人が 死を選んだことが残念です

(和久井)ひと事にはできません

他には?

(倉吉)学校は 宏太さんの心の ケアをしてくれたんでしょうか?

担任は熱心で 家にまで来て 相談に乗ってくれていた

(倉吉)でも 思いとどまらすこと できなかった

担任が来たことで 兄にベッタリだった母が

状況を知ってしまい

兄に泣いて すがった

《(苑子)こんなことしてないで 勉強に集中しなさい》

《誰かが やんなきゃ なんないことなんだよ!》

《もういいでしょう→》

《そんな子達のために→》

《自分の人生を 犠牲にする必要なんてない》

《(苑子が声を上げて泣きだす)》

(富永)オカミは どう思ってるの?

授業の範囲で収めるつもりなら 許さないから

私は

御上先生のおかげで 父のことと向き合えました

聞くことしかできないけど

あの…

兄は僕の全てだった

僕は

全ての価値観が 兄の影響で成り立っている

いや 成り立っていた

読む本 見る映画 音楽

社会へのまなざし 全てを尊敬していた

だから 小さい頃から

兄のようになりたいと思って 生きてきたんだ

あの日まで

人生のモデルが

突然 消えた

母はおかしくなり 家は崩壊した

兄の葬式が終わり

登校した 僕の居場所は どこにもなかった

いたたまれなくなって 別の高校を受験し

僕は逃げた

まあ それでも

引きこもりもせずに ここまで生きてこられたので

根が鈍感なのかもしれない

それさえも劣等感だった

兄のような聡明な人間が

どこで ゆがんでしまったのかと 考え続けていた

いつも自分のことよりも

立場の 弱い人のことを気にかけていた

それが偽善でないと

誰よりも僕が知っていた

なぜなら 兄は

どんな時も僕の速度を 優先できる人だったから

《パーソナル イズ ポリティカルって言葉があってさ》

《いつか孝にも分かると思う》

なのに 僕は

そんな兄の思いを くみ取ろうともせずに

言ったんだ

「友達に言われたんだよ」

《お前の兄さん この頃 おかしいぞって》

《孝に そんな思いさせてるのは 申し訳ないと思ってるよ》

兄に最後の絶望を 与えたのは母じゃない

僕なんだ

そして 今なら分かる

兄が ゆがんでたんじゃない

世界の形が いびつだっただけだ

兄は そのいびつな形の世界に 合わせることができずに

死んだんだ

(宏太)でも…

それ やらないと 自分じゃなくなっちゃうんだよ

そうだね

兄のような存在を

繰り返してはならないと 僕は思った

そのためには教育を変えなければ

と 文科省を目指した

でも そこにあったのは巨大すぎる

思考を停止した組織だった

小さな細胞のいくつかは

必死で動こうとしてるけど

硬直していく本体は どうやったって動かなかった

ここの学校のことを 教えてくれた人がいた

一も二もなく 行くべきだと分かった

小さな細胞は

小さな細胞と せめて向き合うしかないと

でも 全く 向き合えていなかったと気づいた

君達は

こんなにも 向き合ってくれていたのに

これからは絶対に目をそらさない

約束する

(チャイム)

よし 弁当でも食うか

何だよ それ

ご飯 食べよう 弁当 食うか

しゃっ みんな食べるよ

よっしゃ~ よし 行くぞ

行くよ ほら (村岡)やめてください

食べる? 食べよう

オカミ

何?

この前 弓弦さんに会ってきた

会えたんだ

まあ… それだけなんだけど

どうだった?

相変わらず

でも

ちょっと

話せた

そうか

それじゃ

(次元)ヘイ ルパン 御上宏太のプロファイル

(人工知能ルパンの音声)読み込み中

えっ 何すんの?

その関係の 情報 消そうとしてたとこ

消すんだ

そう インターネット上のも

消せるだけ 消そうとは思ってる

インターネット 見てるとさ

人が いかに間違う生き物か よく分かるよね

うん そうだね

インターネットの中で

浮かんでは消えていく ご意見とやらが

命も心も たくさん殺してる

そう これぞホントの

サイレント・キラー

日本でインターネットができて どのくらい?

僕らみたいな一般ピーポーが 手軽に触りだして30年

(富永)うわ~ それで この存在感か→

乗っ取られすぎじゃないか 世界

便利なんだよ

便利だし ない世界が 想像つかないけどさ

ホントだね

そうだ

消す前に

ヘイ ルパン 御上宏太の写真を

39歳に生成して

了解

(富永)何だよ これ

ちょっと老けたオカミじゃん

ヘイ ルパン

御上宏太プロファイル

オールデリート

完全に削除するか?

(次元)よしっ よし…

よしっ

何だよ ジゲン

何だよ 富永

いらないよ

(古代)わざわざ東京まで出向いて 結局 私に聞いてみますって

子供のお使いですか

しかしですね 来年度の予算が そろそろですし

そろそろだから何ですか

いや 東元官房長官が予算面に 絶大な影響力を持っているのは

古代理事長も ご存じのはずです そうやって物欲しそうな

犬みたいな顔をしてるから

つけ込まれるんですよ はっ?

(古代)この学校が 不正をやっているとなったら→

積み上げてきた 隣徳ブランドは どうなりますか

いや しかし…

東さんも塚田さんもね

うちの この

ブランドが欲しいんですよ!

そう簡単には 手に入らないと

思い知らせてやらないと

隣徳に ふさわしい人間になってください

溝端さん

(足音)

(悠子)よく ここが分かったわね

弓弦さんから聞きました

面会できたんだ

はい

弓弦さんが 手紙の住所 教えてくれて

あの子 手紙 読んでくれてた?

いや…

あの…

そっか

(神崎)頑固ですよね

(悠子)そうね

(神崎)冴島先生に似てます

会えてないんですか?

大丈夫です

えっ?

会いたいって 思ってるはずです

ヤダ 成人したら そんな急に 大人の優しさ 身につくもの?

あっ いや 元々 備わってるスペックです

出してなかっただけで

教師になったのは 何でですか?

言ったでしょ 元教師よ

(神崎)でも 心が辞めてないじゃないですか

(神崎)えっ?

誰かが変わる瞬間を

見続けていられる仕事だから

それを俺は…

冴島先生から奪ったんですね

御上先生 とても いい先生なのね

会ったら

絶対 後悔しますよ

何 その言い方

大好きじゃない

ホントのことを

教えてください

それを話したら

私は元教師でさえ なくなるの

いらっしゃいませ

あれっ 今日 中岡さんは?

今日は いらしてないですね

残念

どうぞ

外 行っちゃダメ!

入って (椎葉の祖父)やらせてくれよ

ああ… ハイボールください

かしこまりました

はあ~っ

(椎葉の祖父)お客さんが ほら

あっ はあっ…

ずっと休業中…

椎葉さん バイトもいくつか

掛け持ちしてるみたいなんです

その合間に介護も

こちらは全く うまく ヒアリングできませんでした

とはいえ 見過ごせる状況ではないですね

それは はい そう思います

しかるべき対応を

教師って

ホントに大切な仕事なんですね

どうしたんですか 突然

今日 御上先生のお話を聞いて

もしかして…

その時 御上先生がいたら

お兄さんのこと 止められたかもしれないって

思ってしまって

そんなふうには思いません

でも そうかなって

何としても

椎葉さんの命は つながないと

(電話のベル)

はい 隣徳学院 御上です

はい

えっ?

すぐ行きますので

警察には 連絡しないでいただけると

椎葉春乃は

僕の生徒です

見極めるべき時が来てますよね

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