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(桑野信介くわの しんすけ) 子供部屋に あふれん ばかりの日ざしを…
パパは40代で家を買い
愛する妻には—
アイランドキッチンを プレゼントする
家族の集まるリビングは いつも笑顔が絶えないよう—
照明は明るく
そして 愛するペットが滑らないように—
床は アフリカ産のウエンジ材を使う
できた…
完璧だ
フフフフッ
んっ
でかいな こいつ
チッ
なし
これも違う
ハア… これもだ
やっぱ 1人はいいな…
(吉山よしやままどか) やっくんのブログの 個人情報の開示を—
プロバイダーに 請求しましたが—
予想どおり 開示を拒否してきました
そうですか
ですので お話ししていたとおり 裁判所に訴状を出します
これが訴状です
(信介) “氏名不詳・通称やっくん” いいんですか これで?
そうとしか書きようがないので
ハッ じゃあ これで
分かりました
やっくん 今日も元気に 更新してますね
“桑野信介くんの醜悪な建築を 探訪する” フフフッ
(信介) 僕の過去の建築を訪ね歩いて ケチをつけているんですよ
聖地巡礼か 暇人め
フッ まあ 地道に 対処していきましょう
(信介)何だ…
(まどか)はい?
結構 ちゃんと やってくれてるんですね
そりゃ やりますよ 弁護士ですから
先日は まあ 余計なこと言って…
余計なこと…
さて… どれのことでしょうか?
自分の状況を 一般化することで—
責任を回避しようとする パターンか…
例え話をしただけというか…
ああ そんなに 展望がないんですか
入力が正しくても それ以前に 目的地を勘違いしてたら—
目も当てられないか
(信介)あれは… (まどか)もういいです
ああ〜 でも 1つ
(信介)はい (まどか)あ… あの—
私は 別に 将来を 焦ってるわけじゃないですから
そりゃ いい人がいれば 結婚したいなとは思いますけど
あっ そうだ バナナ
(まどか)ああ… えっ
(信介)そこの八百屋で—
ハエが たかるぐらい 強い匂いを出して—
僕にアピールしてたから—
(まどか)ああ… (信介)つい買っちゃって
(まどか)ハハハハッ
(信介)好きですか?
大好きです
(信介)でしょ (まどか)フフッ…
ああ おいしそう
(においを嗅ぐ音) (まどか)ハア…
(信介)ところで…
いい人と出会うために どんなことされてるんですか?
(まどか)えっ
あっ… 自分磨きとか
(信介)ほう (まどか)ハハハッ…
(信介)どんな? (まどか)あっ
本を読んだり ジムに行ったり
(信介)ジム? (まどか)ええ
ジムのどこに 出会いがあるんですか?
特に ありません
でしょ…
(まどか)ええ…
何だ…
はい?
(信介)分かりました
(まどか) 長年 弁護士をやってきて—
離婚裁判で夫婦の姿も たくさん見てきました
その中で 分かったことがあるんです はっ
あっ… 次のご予定があるんじゃ?
時間 まだあるかな…
どうぞ
あっ…
私は弁護士を目指して—
必死に勉強して 司法試験に合格しました
それって 登る山を決めて—
登山するようなものじゃないかな って思うんです
ああ… でも 結婚って 頂上を目指して—
山登りするみたいなことじゃないと 思うんですよね
(信介)その心は? (まどか)ああ…
散歩です
ハハッ 散歩
ハハッ
散歩って 思いのままに 歩くだけじゃないですか
それが楽しかったり
あっ こんな所に こんな花が咲いてるって—
思わぬところで発見があったり
あっ 理想の相手と出会うのも—
結局は たまたまなんじゃないかなって…
アハハッ
そういう偶然の出会いを—
どれだけ大事にできるかっていう ことだと思うんですよ
散歩ってナビをつけて するものじゃないですよね
話は それだけですか?
(まどか)それだけです
(信介)つまり—
自分が結婚に対して 何の努力もしてないってことを—
正当化したいということですか?
解釈は お任せします
これで きっちり30分か…
何か…
か 関係のない話を 聞いちゃったんで 時間が…
(まどか)ああ…
(信介) どうも ありがとうございました
(まどか)あっ 結構です 関係のない話をしちゃったんで
ハッ
(まどか)バナナ ありがとうございました
(信介)フフッ
(ドアの開く音)
ぐうっ
(まどか)ハア…
(音叉おんさの音)
(まどか)あ…
(山下香織かおり)何してんすか? (まどか)ん…
こうやるとね 邪気が払えるんだって—
風水のサイトで見たの
ここ強いな
(横田詩織)フレームも クラシックに変えません
(村上英治むらかみ えいじ) ああ〜 いいんじゃない これ ポイント使ってってこと?
(詩織)うん (英治)いいね
何?
(英治)えっ 別に
何だよ?
えっ 別に
(信介)何?
(丸山裕太ゆうた)いや 何でも
(信介)な… う (沢村映子)私にも聞きますか?
私は この事務所内で 中立の立場を取っておりますが—
それが 崩れてもいいということでしたら
(信介)ん んん…
う〜ん…
(英治)言いますよ もう
婚活アプリ?
(英治)すいません
婚活アプリって どんなのかなって 興味あったんで—
試しに 桑野さんの名前とデータで 登録したんです
なんで 俺で?
いや この中じゃ 一番 必要な人でしょ
(詩織) …で どんなプロフィールに しようかって—
ちょ〜っと 盛り上がってただけなんで
(詩織)すぐ消しますから (信介)待て
(信介)見せろ
ハア…
“はじめまして 建築家をしています”
“趣味はクラシック音楽鑑賞 特にモーツァルト”
“身長と年収は高いです”
“ついでにプライドも高いです”
(一同)フフフフッ
あっ てか すいません すぐ消します
モーツァルトじゃない シューベルトだよ
(英治)えっ (映子)あの…
(映子)この伝票なんですが… (信介)あとにしてくれ
はい
(英治)あの…
(信介) “結婚なんかしなくていいと 周囲に宣言してきましたが—”
“実は寂しがり屋の僕ちゃんです”
僕ちゃんはないだろ この文章 削除だ
“そんな僕ちゃんですが…”
僕ちゃんはないって言ってんだろ チッ
“独りになった時 鳥肌が立つ様な孤独感に—”
“早く誰かと結婚しないと…”
何だ これ ホント ダメな文章だ
とんでもない
独り寂しく歩いていると—
明らかに 風のにおいが変わる瞬間がある
ハハハハッ
ふと見ると そこには家族のぬくもりが…
割と やる気になってます?
ちょっと添削しただけだよ 消しとけ
(英治)あっ はい
チッ 大体 なんでこんなことやったんだよ?
いや だって 結構 やってる人いるじゃないですか
実際 出会いもあるらしいですよ
(映子) コスパもいいらしいです
バカバカしい
最初はタダでも 結局 金取られんだろ
いや まだ その段階までいってないんで
このあと お互いのデータ見て—
気になった人と メッセージのやり取りするんでしょ
暇人の遊びだよ
(信介)フッ (詩織)ああ すいませんでした
(詩織)あっ ちゃんと 登録削除しときますから
(英治)はい
待て お前らは信用できん
俺が あとで消しとくから
(英治)はい
(詩織)は〜い
♪〜
〜♪
(田中有希江たなか ゆきえ)へえ〜
(太田留美)いらっしゃいませ
(有希江)あっ いらっしゃい (信介)どうも
(携帯電話の通知音)
フウ…
(信介)あれ? 削除したのに
(留美)いらっしゃいませ
(信介)ハア…
あっ 今日のエチオピアは イルガチェフ産かな?
有希江さんに聞いてみて
そうです イルガチェフ産です
詳しいな
勉強中なんで
(信介)じゃあ それで (留美)かしこまりました
(男性)有希江ちゃん 離婚したんだって?
(有希江)はい バツイチの仲間入りです
(男性)どう 俺と2回目
(有希江)結婚は当分いいです (男性)ハハハッ
(携帯電話の通知音)
(信介)チッ (男性)あっ 俺ね 7回目
(信介)ハア… (男性)7回目なの!
(有希江) 先輩 先輩って呼ぶ フフッ
(男性) じゃあ 俺との結婚 ちゃんと考えといて
(有希江)ハハハッ はいはい
(男性)何か 絶対 振られてる感あるんだけど
(男性)すっげえ 大人な対応されてんだけど 俺
(有希江)だから 先輩 フフッ (男性)もう やだ〜
あっ もうお帰りですか?
どうも
また来てください
(留美)ありがとうございました (男性)ショック〜 もう…
(男性)また来てね だって…
(一同の笑い声)
(信介)ハア…
(店員)あっ いらっしゃいませ
(店員)いらっしゃいませ また お安くなりました
(信介)ええ
(店員)ごゆっくり
もっと安くなんの 待ってんのかな?
(店員)さあ…
フウ…
(店員)いらっしゃいませ
(電子音) (店員)あっ
あれ? あっ あっ
あっ えっ ああ…
あれ え〜っと
あっ はあ これじゃなくて…
(ドアの開く音) (店員)あっ
ああ〜
(店員) これ さっき教えましたね これ こうします
(店員)あっ 分かりました
あっ すいません
(信介の鼻歌) (キーボードをたたく音)
(戸波早紀となみ さき)いい加減にしてよ!
あなたは いつもそうなのよ
自分が偉いと思い込んで 上から目線で
人のあらばっかり探して…
世界は自分が中心に 回ってると思ってるんでしょ!
(信介)フッ
ひっどい男だな
何とか言ったらどうなのよ!
ウソよ ウソ…
ホントは そんなあなたが好きなの
離れられない
お願いよ そばにいて
あなたが必要なの
(信介)フッ
(早紀)お願い 行かないで〜
ここで メリハリのある芝居をと
(携帯電話のバイブ音)
あっ お疲れさまです
はい やってます
何か この男も女も 好きにはなれないけど…
はい 女優としての自覚は 持ってるつもりです
あっ 明日は9時入りでしたよね…
はい よろしくお願いします
(信介)やっくん…
1 2 3 4…
5位
また上げやがった
(信介) ハッ リニューアルしてやがる
(携帯電話の通知音)
チッ うるさいな いいところに
削除って どうやんだっけな
まずはログインして…
パスワードって…
事務所の電話番号か
23件
ヨガのインストラクター
ヨガ
(女性) “突然のメッセージ 失礼します”
“ヨガのインストラクターを しています”
“私は これまでずっと1人で 充実した生活をしてきました”
“1人で焼き肉 1人でカラオケ…”
“1人でハワイとか”
“お一人様の暮らしを エンジョイしてきたつもりです”
“でも ふと気づくと アラフォーになり…”
“突然 これまで自分を—”
“ごまかして来たんじゃないかって 気がしてきたんです”
“人肌が恋しくなるこの季節…”
“やっぱり そばに誰かがいるに 越したことはないなって思う—”
“今日この頃です”
“一緒に太陽礼拝とか 三日月のポーズをしませんか?”
“ご存じなければ 手取り足取りお教えします”
“よろしければ メッセージください”
太陽礼拝か
ハア…
(棟梁とうりょう)エロサイトか? (信介)はっ
見るなよ エロじじいが
(棟梁)怪しいな〜
(信介)フッ
これは何だ この素人 この仕上げ 何なんだよ えっ
(棟梁)ああ〜 それな
ちょっと事情があってな…
そこで話そう
(信介)チッ ったく
ハ…
(棟梁)ヒヒヒヒッ (信介)何だ えっ
(棟梁)いい〜 べろべろ (信介)おい ちょっと
(棟梁)ばあ〜 ハハッ
(信介)おい
やめろ お前 見るな!
(信介)ちょっと 見るな! (棟梁)ほいっと
(信介)お前… (棟梁)えっと
(信介)やめろーっ
これ なんで こうなった? 指示と違うぞ
(裕太)あっ そこは 奥さんの要望を聞きました
(信介) あの夫婦は旦那の言うことだけ 聞いてりゃいんだよ
(裕太)そうなんですか
(信介)やり直し (裕太)はい
ああ〜 いいや いいや 俺やった方が早い
はい…
(ノック)
(まどか)失礼しま〜す (英治)あっ
(信介)あれ なんで? (まどか)こんにちは
えっ? えっ
もしかして桑野さんが頼んだ 弁護士さんって…
(まどか)私です (信介)お前 何だよ
いや だって ネットで検索して近所だったし—
きれいな人だったんで
安易だな お前〜
(英治)あっ どうぞ フフッ (まどか)あっ
(まどか)失礼します (英治)どうぞ どうぞ
きれいな事務所ですね
(英治) ああ ありがとうございます
あっ では…
改めまして 村上英治です
(まどか) 吉山まどかと申します お願いいたします
(英治)実は 今やってる住宅で 施主せしゅと近隣住民がもめてまして—
相談に乗っていただけたらって
(まどか)かしこまりました 詳しく聞かせてください
(英治)はい あっ
(英治)これ 相談料です (まどか)すいません
(まどか) あっ 恐れ入ります ありがとうございます
あっ これ よかったら皆さんで
(英治) ああ〜 ありがとうございます
あっ そういえば もうすぐハロウィーンですよね
皆さんは渋谷しぶやとか六本木ろっぽんぎとか 繰り出したりするんですか?
(英治) ああ〜 盛り上がってますからね
(詩織)行きましょうよ (裕太)うん
(詩織)何の格好しよっかな〜 (裕太・まどか)ハハッ
(まどか) 桑野さんは行くんですか?
(信介)フウ…
もちろん 行きませんよ
大体 お前ら ハロウィンの 起源が何か知ってて—
参加するだのしないだの 言ってんだろうな
教えていただかなくて結構ですよ
ハロウィンは古代ケルト民族が 10月31日の夜に行った—
ウィン祭が起源といわれてるんだよ
まあ 日本のお盆みたいなもんだな
(英治)それでですね (まどか)はい
(信介) この時 先祖の霊と一緒に 悪霊がやって来て—
子供をさらったり悪事を働くんだ
そこで人々は 悪霊を驚かして追い払おうと—
仮面を着けたり 仮装したりしたんだ
へえ〜 そうなんですか
(信介)だから ハロウィーンの仮装ってのはね—
魔物を退散させるだけの インパクトが必要なんですよ
(まどか)ああ…
それを何だ
今どきのハロウィーンの なまぬるい仮装は
何か興奮してます?
もう みんな 楽しみでやってるんだから—
いいじゃないですか 仕事していいですか?
どうぞ
(英治)はい それで あの 近隣住民が—
(英治)もめてる件なんですけど (まどか)はい
(英治)日照権でもめてまして (まどか)じゃあ ちょっと拝見…
(まどか)よし (英治)ありがとうございました
(まどか)こちらこそ
村上さんって 桑野さんとは長いんですか?
(英治)ああ〜 前は桑野さんの アシスタントやってたんですよ
(まどか)へえ〜
言いたかないですけど 今の僕があるのは—
桑野さんに 厳しく鍛えられたおかげです
(信介)言いたかないなら言うなよ (まどか)フフッ…
(英治) 今でも 怒られること ばっかりなんですよ
(英治)こないだも… (信介)だから 言うなって
俺たちが勝手に 桑野さんの名前で—
婚活アプリに登録したら 怒られまして
(まどか)婚活アプリ (英治)はい
へえ〜 どんなものなんですか?
(信介)知りません (英治)えっ 興味あるんですか?
まあ 使ってみようとは 思わないですけど
(英治)ああ… (信介)こいつら 勝手に—
俺の名前 登録したんですよ それって犯罪じゃないですか?
(英治)犯罪は言いすぎでしょ (まどか)ああ…
もしかしたら個人情報保護法には 抵触ていしょくする可能性はありますね
(英治)ええ〜 そうなんですか (まどか)まあ…
被害者が訴えたらですよ
被害者… つまり俺だよ
(詩織)すいません
で でも もう 登録 消したんでしょ?
(信介)フッ (英治)あっ
(詩織)あれ (英治)ん?
“パスワードが違います”—
(詩織)…って なんで? (信介)さてと ハア…
(信介)こんな出しちゃって…
(詩織)桑野さん パスワード変えました?
(信介)あれ…
(英治) 登録削除するって 言ってましたよね?
パスワード変えてるって どういうことですか?
俺の勝手だろ
もしかして 使ってるんですか?
誰が…
フッ じゃあ 消すよ
おっ
(英治)ん どうしました?
女の人から メールでも来たんですか
(英治)あっ メール来たんだ (信介)おっと…
(英治)てか やり取りしてんだ
…で その人と会うんですか?
会えばいいじゃないですか
私の散歩理論が 証明されるかもしれないですよ
何ですか その理論?
聞かない方がいいぞ
(中川なかがわ良雄) ヨガのインストラクター
へえ〜 会えよ
(信介) 何だよ みんな 会え 会えって
(中川)会って よくなかったら 二度と会わなきゃいいだけだろ
(中川)どう これ?
(中川)スタイルいいぞ (神崎)いいですね
結婚したくないのに 会って どうする
会って すごくいい女だったら 結婚したくなるかもしれないだろ
ないな
かあ… この人 いくつ?
アラフォーとかって言ってた
40前か〜 ちょい過ぎかな〜
いいな〜
お前は 現状否定だけが望みか
(中川)お前はさ 可能性を持ってるんだよ
人生100年時代って 言ってたじゃないか—
その可能性 試さないでどうする
(信介)あっ
(まどか)あっ (有希江)いらっしゃい
(留美)いらっしゃいませ
(まどか)今 婚活アプリの話 してたんです
(信介)えっ
(有希江)女の人と やり取りしてるそうですね
まあ 成り行きですよ
(留美) 今日 入荷しました パナマのティピカは—
エスペラルド農園で 作られたもので…
ホットミルク
はい
(まどか)…で 会うんですか その女性と?
会いませんよ
会ってみてもいいじゃないですか
えっ
(まどか)自分は結婚は こりごりって言ってたのに?
(有希江)結婚は 慎重にならなきゃダメですけど—
チャンスを増やすのは 悪くないと思うんです
散歩は いくらしても 悪いことないですよね
あっ さっきの散歩理論 そうですよね
(信介) そんなもの布教して 歩いてるんですか
(有希江)桑野さんって…
ぴったり合う人 少なそうじゃないですか
えっ
…っていうか いるんですか そういう人
(有希江)だから もし その人が 桑野さんと ぴったり合ったら—
すごい奇跡っていうか…
この世界って 捨てたもんじゃないなって—
感じると思うんです
フッ しょうがないな
有希江さんが そこまで言うなら 会ってみますよ
(まどか)えっ! (有希江)そうですか…
結果 聞かせてくださいね
別に 試しに会うだけですから
私が言っても全然…
(信介の鼻歌) (まどか)歌ってる
タンザニアか フッ いいよな おお〜
(有希江)あの人—
他人には 興味ないふりしながら—
ホントは 違うんじゃないでしょうか…
桑野さんに 興味あるんですか?
興味っていうか…
いい人じゃないですか
ええ〜
吉山先生は やらないんですか? 婚活アプリ
(まどか)ううん 私は
いいじゃないですか
出会いがあるに 越したことないでしょ
そうよね… なんで ためらってるんだろ
そりゃ 不安ですよ
どんな人だろうとか だまされたら どうしようとか…
一緒にやってみる?
私は まだリハビリ中なんで
ああ…
まずは 桑野さんの結果だな
(英治) うんうん 何でもいい (森山桜子もりやま さくらこ) 主寝室なんですけれども
(英治) 桜子ちゃんの好きな色だったら 何でもいいよ (桜子) 何でもじゃ… いや 私が好きなら…
(信介)じゃあ 俺は 先に帰るな
(英治)あっ お疲れさまでした (裕太)お疲れさまです
(英治)これかな (桜子)違いますよ
デートの相談か?
(桜子)違います
ハハッ ハッ
(一同)お疲れさまでした
会うのかな…
(詩織)会うでしょ
(英治) 桑野さんが どんな顔して 女の人と会うんだろう
(詩織)それ 見たくないっすか (裕太)ハハハッ
(桜子) どっちかと言うと見たくない
(英治)えっ 見たいよな (裕太)はい
(英治)見たいよな お前な (裕太)見たいっすよ
変わった人たち
でも場所が分からないし…
ああ〜 まあ 聞いても言わないだろうしな
分かります
(英治)えっ
先生が今日—
ヒルトンホテルのサイトを 見ているのを目撃したんです
(信介の鼻歌)
(映子)待ち合わせは 大体 お昼過ぎからの可能性が高いです
(一同)おお〜
あっ でも 日にちは?
(英治)“私用早退”… (裕太・詩織)おお〜
(詩織)フフッ
(子供)何食べるの〜 (子供)ええ〜 ガム
(子供)ガム (子供)私ね…
(子供たち) トリック・オア・トリート トリック・オア・トリート
(信介)よし
(早紀)ああ〜 稽古に遅れちゃう
男は選べよ
(裕太)いる?
(英治)あっ いたいた いたいた
(詩織) どうなの あのファッション
(英治)ああ…
(裕太)あっ あの本が目印か
フウ…
(足音)
(信介)ス… あっ すいません (ウェイター)はい
(信介)コーヒー お代わり
(ウェイター) お代わりですね かしこまりました
(英治) う〜わ お代わりしてるよ 結構 前からいたんだな
(足音)
(信介)ハアッ
(英治)あっ…
(小声で)手 振ってるな…
あっ そういえば まどか先生が 結果教えてほしいって言ってたな
(携帯メールのバイブ音)
実況してとは言ってないんだけど
(英治)“かなり緊張状態にあり”
送信
よし
(携帯電話の呼び出し音) (英治)うわっ
(携帯電話のバイブ音)
シーッ ちょっと かかってきた
はい
あっ もしもし 俺だ
夕方 設備の業者が来るから 俺は… ほら
打ち合わせが長引いてて 戻れそうもないから—
対応しといてくんねえか
(英治)あっ 分かりました
…で 何の打ち合わせですか
えっ あっ ほら… あれだよ…
あっ あれ… タイルの…
あっ
えっ
(信介)あっ そうだな うん
もう何だよ
お前 今 どこにいる?
(英治)えっ
えっ いや 外ですけど
(信介)外?
(信介)あっ (英治)あっ
(信介)何やってんだ?
(英治)奇遇っすね
(信介)えっ
(信介)何ですか? (一同)えっ
あれ 待て おい
な 何?
あの…
(英治)えっ
(詩織)誰? (英治)ちょちょ 行くぞ 行くぞ
(裕太)えっ あっ あっ (詩織)あっ えっ えっ
(携帯メールのバイブ音)
ああ… 何
“桑野さん拉致される”
拉致? えっ
(信介)ちょっと何ですか? (高木)いいから
(信介)ちょっと… (高木)とにかく来なさい
(信介)英治〜 (英治)どういうこと?
(詩織・裕太)えっ (英治)桑野さん
(山倉)入って (信介)うっ ちょっと…
(高木)まあ 座ってください
(信介)ハア
あなた あのホテルに 何しに行きました?
ハハッ 行っちゃ悪いのか
ホテルでコーヒーを飲む ケーキを食べる
そんなもの どこの主婦でもやってるでしょ
ハアッ コーヒー代 払うの忘れたよ
(山倉) それは気にしなくて結構です
質問に答えて
(信介)質問? 何でしたっけ?
(高木) あそこに何しに行ったか
黙秘します
(山倉)えっ
(まどか)そうですか…
分かりました 近くの署に問い合わせてみます
はい
(高木)どうして 理由を言わないんですか?
(山倉)言えないことなんですか?
(高木) 奥さんが家で心配してますよ
心配してません 1人です
そうですか おいくつですか?
フッ 53です
ほう… 53で独身ね
あの… 何か?
いえ
(信介)つかぬ事をお伺いしますが
警察では 職場結婚が 流行はやってるそうですね
自給自足体質というか
別に そういうことでは…
職場結婚でしょ?
そうですが
当たった
やっぱり あれですか—
自分たちの罪は 自分たちで 取り締まり合っちゃってんですか
お互い怪しい時には 尾行したり 張り込んだり
逆探知しちゃったり 時には盗聴器 ハハハッ
(高木) そんなことは どうでもいいんだ!
じゃあ 言いましょう
あのホテルで お見合いに来た 女性に声をかけて—
見合い相手と勘違いさせて 外に連れ出し—
よからぬことをしようとする 被害が何件かありましてね
その被疑者の人相が あなたと似ているんですよ
(山倉) 初対面で顔を知らないことを 利用した犯行です
悪いやつだな
あなたじゃないんですか?
当たり前だ!
じゃあ 何しに行ったんですか
強いて言えば—
(信介)散歩です (高木)散歩?
(机をたたく音)
(山倉)ふざけるんじゃない!
真面目ですよ
(ノック)
(高木)はい
(警察官)弁護士の方が
あっ
弁護士の吉山と申します
この人の身元なら私が保証します
(まどか) なんで 黙秘なんかしたんですか?
(信介) 1回やってみたかったんですよ
(まどか)ハア…
(信介)しかし 弁護士が来たら一発で解決だな
世の中 そういうもんですよ
事務所の村上さんたちから 今夜—
渋谷のハロウィンの騒ぎに 参加しないかって—
誘われてるんですけど 行きません?
行きません
(まどか)ハアッ
なまぬるいハロウィンは 認めないんでしたっけ
あっ そういえば
今日 会うはずだった女性 どうなりました?
あっ
メール来てないな…
おわびのメールしといた方が いいですよ
そうですよね
(桑野育代いくよ)うん 信介が 呼びもしないのに来るなんて—
珍しいわね〜
(信介)悪かったな
(中川圭子けいこ)急に来られても 人数分しか ご飯ないし
(中川)この男は食べるしな (圭子)うん
じゃあ いいよ 帰るよ
(中川ゆみ)いいから食べなよ
(圭子)ゆみってさ 意外と お兄ちゃんに優しいね
(ゆみ)えっ 別に…
私 あとで友達と ハロウィン行くから
(圭子)うん (信介)ハロウィン
(信介)ハハッ ちなみに何の仮装するんだよ?
(ゆみ) えっ キティちゃん
(信介)ハッ 意味が分からん いいか ハロウィンっていうのは…
(ゆみ)はいはい
(育代) あっ ねえ ちょちょ ちょっと おもしろいこと考えたの
(中川)何? うん (育代)あのね ゆみがね—
ちょっと結婚したいって男の人 連れてきたんだけど—
その人は… 信介に そっくりだったってこと
(圭子)やだ〜 (ゆみ)ないな
(中川)そういえばさ この間のあれ どうだった?
(信介)何が?
(中川) 会ったんじゃないの? ヨガと
(圭子)ん ヨガ?
(中川)何だ 聞かないでくれってパターン?
それ以上 言うな あれとあれ バラすぞ
(圭子)ん?
あれとあれ?
(中川)ん? ん… (圭子)ん?
(早紀)待ってください
どうしてですか?
なんで 私が降ろされないと いけないんですか?
(佐々木)もう決まったことだから
(川上)もういいだろ 早紀ちゃん
(早紀)納得できません (佐々木)じゃあ 教えてあげよう
はい
いまいちなんだよ 君の芝居
(佐々木) 俺も推薦した手前—
できるだけ かばおうとしたんだけど…
結局 恥をかいたよ
(女性)キャ〜 (男性)やめろ やめろ
(男性)あっ そういえば もう1つあるんだけど 行く?
(女性)行く行く 行く (男性)行く行く〜
(信介)あっ
(女性)“本日は 約束の場所に 行かれなかったとのこと—”
“どうかお気になさらずに”
“実は 私も行かなかったんです”
(信介)えっ
(女性)“実は 私 並行して 会っていた男性がいたんです”
“今日 思いがけず その方からプロポーズを受け…”
“結婚することに決めました”
“二股かけるなんて 卑怯ひきょうな女ですね”
“本当に ごめんなさい”
“どうかあなたにも ステキな出会いがありますように”
(早紀のすすり泣き)
(すすり泣き)
(早紀の泣き声)
(店員)いらっしゃいませ (信介)ハハッ
あれ?
あの これは…
(店員)ああ あの子なら今日 売れました
(信介)あっ そう (店員)はい
(信介)どんな人に?
(店員)若い女性です
いろいろ見るうちに なぜか あの子が気になるとか言って
(信介)ふ〜ん あっ そう
(店員)ありがとうございました
(操作音)
(機械音声)こんにちは ご利用…
キーを センサーに近づけてください
(操作音) (解錠音)
(機械音声) 1つのボックスに 荷物が届いています
2番ボックスに 荷物が届いています
(英治・桜子)ああ〜
(裕太)ああ〜 (詩織のせき込み)
どうしたんですか あの人たち?
ハロウィンの雑踏にもまれて 心が折れたらしい
あの人混み ダメだわ〜
(裕太)僕もです もう年かな〜
(英治)お前が言うなよ (裕太)すいません
(詩織)ハア… 私 自分と同じ格好した人—
300人くらい見て萎なえた
よし ひと休みしたら リベンジしに行きましょうよ
(裕太・英治)えっ (詩織)もう 無理っす
吉山先生は 行かなかったんですか?
私は手前で撤退した
桑野さん 相手の方と 会えずじまいで かわいそう…
大丈夫かな
まあ それなりに 落胆はしてると思いますけど
桑野さん 呼びましょっか
(まどか)えっ (英治)来ませんよ
それにね あの人は 今日のことぐらいじゃ—
(英治)へこんだりしませんからね (詩織)うん 言えてる
僕も あの強じんさが欲しいです
(桜子)もう何か別の話 しません (英治)おお〜
いないのに—
これだけ 話題になるっていうのも 大したもんね
(すすり泣き)
これから仲良くしようね
私 諦めない
(“禿はげ山の一夜”)
(信介) これが ホントのハロウィンだ
(早紀)私のお芝居の 稽古の相手を—
お願いできたり しませんか?
(英治) 隣に女優が—
住んでるって ドキドキしません?
よせやい ハハッ
ケン やっぱり…
(詩織)大変ですよ!
(英治)これ 桑野さんですよね?
相手してほしいんですか 若い女に
(信介) こうすれば 写真を撮られても すれ違ってるようにしか見えない
(まどか)うあっ はっ (有希江)桑野さんも—
悪意が あったわけじゃないんですよね
私のセリフ聞いて
(まどか)人としての価値は デリカシーがあるかないかです
(棟梁)ウハハハッ
(信介)ハハハハッ (棟梁)ちょ ちょ 押さえるなよ
お前は 俺を愛してるんだ
いい加減認めて 俺にすべてを委ねろよ
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