All language subtitles for 2016-直美與加奈子-EP06-J

(直美)いっそ ２人で 殺そうか？ あんたの旦那｡

(直美)旦那が 生きてるかぎり 暴力に おびえ続けるってこと？

(達郎)これから 俺 殺されるかもしれない｡

☎

(加奈子)私 この人 殺したこと 後悔してない｡

(直美)もう 後戻り できないね｡

(直美)林さんを 達郎さんの 替え玉にするの｡

(直美)林さん｡ 今から ＡＴＭで 100万円 下ろしてもらいます｡

(直美)私たちは 二度と あなたと 会うことは ありません｡

(加奈子)実は 夫の持ち物を 調べたんですけど

パスポートが なくなってたんです｡

(山本)先週の 木曜日 1,000万円の 振り込みが されているんです｡

(森崎)その日 あなた こちらに いらっしゃいましたか？

(直美)ええ｡

(直美)服部さんと 一緒に｡ (山本)えっ？

(陽子)加奈子さん｡

(陽子)どうして 達郎は いなくなったの？

(山本)うちの服部が 先週 木曜 こちらに お邪魔したと思います｡

(順子)服部って 誰？

あなた 知ってるんでしょ？ (加奈子)えっ？

達郎は ｢殺される｣って 言ってたのよ｡

(森崎)小田さん｡ どういうことでしょうか？

奥さま｡ 服部さんです｡ 服部さん｡ ことぶき銀行の｡

(順子)だから そんな人 知らない｡

(山本)先週の 木曜｡ こちらに 伺ったのは

小田さんだけなんですね？ (順子)ええ｡

最近は 小田さんしか 来ていません｡

(順子)あっ｡ 嫌だ｡ 皆さん どうなすったの？

仲良く 紅茶 頂きましょう｡

あっ｡ お砂糖が なかったわ｡

(森崎)斎藤さまの お話だと

あなたが 斎藤さまの 口座を お作りになった｡

そして 先週の 木曜日 斎藤さまの 口座から

あなたの親友の 服部 加奈子さんの 口座に

1,000万が 振り込まれている｡

(山本)小田さん｡ 説明していただけませんか？

(加奈子)達郎さんが 殺されるって…｡

あのう｡ どういう意味でしょうか？

(陽子)加奈子さんの話だと 達郎は 土曜の昼すぎに 家を出た｡

(加奈子)はい｡

その前日 金曜の夜 達郎から 電話があったの｡

これが そのときの留守電よ｡

(山本)斎藤さまは 服部を 知らないと おっしゃっている｡

では 服部 加奈子さんの 口座に

誰が 1,000万を 振り込んだんでしょうか？

♬～

(順子)小田さん｡ はい｡

(順子)今日は あの人 来られないの？

えっ？ (順子)お米の人よ｡

口座 開設の お礼に お米を 持ってきてくれた

ことぶき銀行の 服部 達郎さんのことですよね？

そうそう｡ 服部さんって いったわね｡

お米が おいしかったから お礼を言おうと 思ってたの｡

(山本)あのう｡

服部を ご存じなんですか？ (順子)ええ｡ お米の人でしょ？

(山本)こちらに 服部は 伺ってたんですか？

はい｡

(森崎)最近 いつ 来たか 覚えていらっしゃいますか？

先週の 木曜｡ ちょうど 私が

このクッキーを お持ちした日と 同じ日ですよね？

木曜？

♬～

(順子)木曜…｡

(順子)ああ！ そうだったわ｡ 不燃ごみの日だったわ｡

服部さん｡ 出し忘れてた 不燃ごみ

出してくだすったのよね？ はい｡

☎(達郎のﾒｯｾｰｼﾞ)これから 俺 殺されるかもしれない｡

☎(達郎のﾒｯｾｰｼﾞ)銀行にね｡

☎(達郎のﾒｯｾｰｼﾞ)次の人事異動で

本店の 法人営業部の 課長のポストが 決まった｡

今より ハードになるけど 死ぬ気で 頑張るよ｡

☎(陽子のﾒｯｾｰｼﾞ) 《留守電 聞いたよ》

《達郎が やってきた 結果だね》

《くれぐれも 気を付けて｡ 殺されないように》

(加奈子)昇進の話 今 初めて 知りました｡

あのう｡ 何か？

おかしいと 思わない？ えっ？

昇進が 決まって 輝かしい未来が 開けているのに

それを 棒に振って 達郎は なぜ 失踪する必要が あるの？

達郎は 失踪なんて していない｡

(森崎)本日は 大変 失礼いたしました｡

いえ｡

(森崎)あのう｡ 斎藤さまは 高齢のせいか

記憶に 曖昧なところがあると お見受けしましたが｡

私から あまり 詳しいことは｡

(山本)では 一つだけ 教えてください｡

(山本)服部は そのことに 気付いてたんでしょうか？

大変 ご心配いただいていたことは 事実です｡

専門の お医者さまを

探していただく話に なっていました｡

今回のことは われわれの方で 責任を持って 対処しますので

くれぐれも 口外なさらないよう お願いします｡

お互い 大変だったね｡ うん｡

でも 取りあえず 銀行には

達郎さんが 認知症を 知った上で

横領したと 思わせることが できた｡

後は ＡＴＭの 防犯カメラと

出国記録の 裏付けを 待つだけだね｡

問題なのは お姉さん｡

よりによって このタイミングで 昇進の話なんて｡

36で 本店 法人営業部の 課長って｡

そりゃ 失踪なんて しないって 思うよね｡

｢達郎さんは 絶対に 失踪なんか しない｣

そう 断言してた｡

♬～

あの人 何か 気付いてるのかもしれない｡

♬～

Thanks for downloading. This CC is from Jpsubbers.xyz, thank them for the share.

You can share with friends, but please don't upload this file to any online-watching websites, thank you.

(山本)昨夜 本店に呼ばれて

200万が 引き出された それぞれの ＡＴＭの

防犯カメラ映像を 確認してきました｡

奥さまにも 見ていただきたいんです｡

どうですか？

主人だと 思います｡ そうですか｡

今日から 本店の 監査と 労務が 入って

服部君の関わった 仕事について

洗いざらい 調べることに なっています｡

数日後には 正式な結果が 出ると思いますので

それまで お待ちください｡ はい｡

(恵津子)嘘よ｡ 達郎は 横領なんか していない！

私も そんなはずは ないと 思っています｡

でも ＡＴＭの 防犯カメラの 映像には…｡

(恵津子)別人よ｡

親の私が見れば 分かる｡ 今から 見に行ってくるわ｡

あのう｡ お母さん｡ 銀行は まだ 調査中なんです｡

数日後には 詳しい結果が 分かりますので｡

よろしかったら そのとき 同席していただけますか？

(恵津子)だったら うちの方に 来てもらって｡

はい｡

☎(メールの着信音)

｢ＡＴＭの 防犯カメラから

銀行も お金を 引き出したのは 達郎さんだと 判断した｣

｢数日後には 最終結果が出る｣

(内藤)あれ？ 服部さん｡

合同プロジェクトの 打ち合わせ 15時からじゃ…｡

(陽子)その前に 小田さんに 話があって｡

(陽子)達郎のこと 聞いた？

はい｡ 加奈子が すごく 動揺していて 相談を受けて｡

私には そう 見えなかったわ｡ えっ？

加奈子さん｡ 達郎のことで 何か 隠してない？

あなた 達郎が 失踪した 前日｡

金曜の夜 加奈子さんに 会ったのよね？

あの日 あなたは 京都に 泊まることを

執拗に 拒んで 急いで 東京に戻った｡

だから それは…｡ どうしても あの夜

加奈子さんは あなたを 必要としていた｡

達郎には 昇進の話があった｡

しかし 加奈子さんには 話していなかった｡

２人は うまく いってなかった｡

おそらく 夫婦の危機に 陥っていた｡

だから 急な相談で あなたは あの日

加奈子さんに 会った｡ 違う？

ホントに 誤解です｡

それに 加奈子と 達郎さんが うまく いってなかったなんて

聞いてないですよ｡ 親友なのに？

≪(ドアの開く音)

(手塚)あっ｡ すいません｡ 準備しちゃって いいっすか？

お願い｡ (手塚)はい｡

♬～

☎

(修一郎)ありがとう｡ お茶も 用意してもらえるかな？

分かりました｡

≪(ドアの開く音)

お姉さん｡ 今日は 仕事じゃなかったんですか？

(陽子)やるべき仕事は 片付けてきた｡

(森崎)本日は お忙しい中

お時間を頂き ありがとうございます｡

早速ですが 先日 奥さまには 確認していただきましたが

まずは こちらを｡

(恵津子)これは 達郎じゃない｡

違うわよ｡ 似てるけど 別人よ！

(修一郎)落ち着きなさい｡ (恵津子)いや｡ だって…｡

お母さん｡ (恵津子)うん？ あっ｡ ほら｡

(森崎)パスポートが なくなっている件においても

ある事実が 判明しました｡

(西尾)服部君が 先週の土曜 成田空港から 出国して

中国に 入国したという 記録が 残っています｡

(恵津子)えっ!?

(森崎)また 問題となった 斎藤 順子さまですが

認知症の可能性が 高いことが 分かっています｡

服部君は そのことを 把握していたようです｡

以上の事実から 服部君は 認知症の顧客の 口座から

1,000万円を 横領し うち 200万円を 引き出して

中国へ 逃亡したと 考えざるを得ません｡

(恵津子)そんな バカなことが ありますか！

こうなったら 警察に 調べてもらいます｡

(西尾)こちらとしては 自行の行員が

横領したことが 公になると 信用問題に 関わります｡

今回の横領 事件沙汰にされますか？

あのう｡ 夫は どうなるんですか？

本日から ３カ月間 休職扱いにして

それまでに 本人が 出てこない場合は 懲戒解雇｡

調査は これで 終了させて いただくことに なります｡

あっ｡ お金のことは…｡

(森崎)凍結した 奥さまの口座から 800万円は 斎藤さまに戻し

引き出された 200万円は 奥さまに 負担していただきます｡

(陽子)一つ 確認させてください｡

失踪の前日 本店の 法人営業部 課長に

昇進が 決まったと 本人から 連絡がありました｡

そのような 状況下で 翌日に 失踪すると

ホントに 皆さんは お考えですか？

確かに 通常 考え難いことです｡

しかし これだけの証拠がある以上 結論を 覆すわけには いきません｡

(西尾)実を言うと 銀行員の 失踪というのは

そう 珍しいことでは ないんです｡ ストレスの多い 仕事ですから｡

(修一郎)このたびは うちの息子が ご迷惑を お掛けしまして

申し訳ございませんでした｡

♬～

(朱美)これから 一流ホテルにも 取引先 広げたい｡

営業に 小田さんも 一緒に 行くのことね｡

日本人 対面 気にする｡

小田さん いた方が 信用 上がるのことね｡

☎(メールの着信音)

すいません｡

｢全て 終わった｣

｢証明された｡ 銀行の調査は 打ち切り｣

社長｡ 先ほどの 営業に立ち会う件｡ いいですよ｡

せっかくなので 提案する食材｡

日本人が 好みそうなもの 私 リサーチしておきます｡

小田さん｡

さっさと うちに 来なさい｡ えっ？

(朱美)思い切って 決断できる｡ 今の あなたなら｡

どういう意味ですか？ あなたの顔 見れば 分かるね｡

いい返事 待ってるね｡

♬～

終わったね｡ うん｡

ありがとう｡

いただきます｡ はーい｡

でも もう ホントに 自由なんだね｡

何か ぱーっと どっか 行きたいね｡

うん｡

んっ｡ 私 来週だったら 平日でも ２日ぐらい 休み 取れるよ｡

でも 夫が 行方不明なのに 妻が 旅行なんて

周りから 怪しまれるよね？ そっか｡ そうだよね｡

あっ｡ 例えば…｡

帰省するっていう 名目で 北陸に行くのは どうかな？

そうだな｡ 富山とか？ いいね｡ 富山｡ いいね｡

直美と ゆっくりするのなんて ホントに 久しぶりだね｡

これ おいしい｡

(陽子)《そのような 状況下で 翌日に 失踪すると

ホントに 皆さんは お考えですか？》

♬～

≪直美｡

お待たせ｡

あれ？ 加奈子｡ 今日 何か 雰囲気 違う｡

そう？ うん｡ 似合ってる｡

あの人 清楚な服装しか 許さなかったから｡

でも これからは 好きな格好 できる｡

そうだね｡ 自由だね｡

うん｡ 行こう｡

今回の旅行では 加奈子も 運転しなね｡

えっ？

これからは やりたいこと やらなきゃ｡

そうね｡ あっ｡ お昼 どうしよっか？

今の時季だと 氷見の 寒ブリが おいしいらしいよ｡

あと ベニズワイガニと ホタルイカ｡

いいね｡ じゃあ 地元の 漁師料理にしよう｡

うん｡

(陽子)小田さん｡ 今日 いないの？

☎(手塚)はい｡ ２日間 休み 取ってるんですよ｡

携帯に 電話しましょうか？

(手塚)あっ｡ 何なら 僕 小田さんの代役 務めましょうか？

結構です｡

☎(呼び出し音)

☎(修一郎)もしもし｡ 服部ですが｡

お父さん？ 私｡

ねえ？ 加奈子さん｡ どっか行くって 言ってなかった？

☎(修一郎)うん｡ 今日から 実家に 戻るって 連絡があったよ｡

それが どうした？

いや｡ いい｡ ありがとう｡

♬～

(陽子)すいません｡ (女性)少々 お待ちくださいませ｡

☎(達郎のﾒｯｾｰｼﾞ)次の人事異動で

本店の 法人営業部の 課長のポストが 決まった｡

今より ハードになるけど 死ぬ気で 頑張るよ｡

(陽子)達郎に 聞いたことが あります｡

同期が 600人いて 法人営業部に 行けるのは せいぜい 10人｡

達郎は その 10人に入った｡

達郎は 失踪なんか していない｡

あなたも 本当は そう 思ってるんじゃないですか？

山本さん｡

いただきます｡ いただきます｡

うーん｡ 加奈子｡ どう？ おいしい？

おいしい｡

加奈子｡ うん？

これから どうやって 生きていくか 考えてるの？

また 働こうと思って｡

自分の力で 働いて 生きていきたい｡

東京に戻ったら 再就職先 探す｡

まあ でも 難しいよね｡ 事務の経験しか ないし｡

一つ 思い付くところ あるんだけど｡

うん？ 池袋の 李社長のところ｡

実は 私も 誘われてるんだよね｡

でも 200万の腕時計 万引して 開き直った人でしょ？

そうなんだけど｡

すごい バイタリティーがあって 李社長 見てると

自分が いつも くよくよ してるのが バカらしくなるの｡

直美が そう 言うなら

会ってみようかな｡ うん｡

(店員)お待たせしました｡ ありがとうございます｡

≪(一同)友達と ２人で 来たんすか？ どっから

来たんですか？ 今日って どっか この辺とか 泊まる予定なんすか？

≪(一同)地酒が うまい店｡ 一緒に 行きましょうよ｡ ねえ｡

お待たせ｡ ありがとう｡

(一同)こんちは｡ こんちはっす｡ その地酒 みんなで行きます？

あっちで 食べよう｡ (男性)いいね｡ いいこと 言うね｡

(男性)あっ｡ どうっすか？ すいません｡

ねえ？ 今 ナンパされてたの？ そんなわけ ないよ｡

えーっ？ えっ？

(従業員たち)いらっしゃいませ｡

お世話になります｡ (従業員)お荷物 お預かりします｡

ありがとうございます｡ (従業員)どうぞ こちらの方へ｡

あっちかな？

露天風呂が ３種類 あるんだって｡ へえー｡

楽しみだね｡

幸せ｡ だね｡

ねえ？ 直美｡ うん？

直美は 李社長のところで 働く気は あるの？

うーん｡ 迷ってるんだよね｡

でも あそこに行けば

美術関係の仕事 好きにさせてもらえそうだなって｡

直美と 一緒に 働けたら 楽しいだろうな｡

♬～

≪(足音)

(山本)すいません｡ お待たせしました｡

(陽子)いいえ｡

(山本)これから 話すことは

あくまでも 個人的な見解として 聞いてください｡

今回の件 実は おかしなことだらけなんですよ｡

(山本)まず 第一に 通常 顧客の口座から

1,000万円以上が引き落とされたり 振り込まれたときは

支店長が 全て チェックするのが 決まりなんです｡

(陽子)じゃあ 今回の件は 支店長は ご存じだったんですか？

それが あの日 支店長は 急きょ 終日 外出していて

それを やってなかったんです｡ (陽子)急きょ？

じゃあ 達郎の 不正な振り込みが

支店長のチェックを スルーしたのは

まったくの 偶然だったと？ (山本)そういうことです｡

本当に 横領する気なら そんな 場当たり的なこと

彼が するわけが ありません｡

それから 現金の 引き出し方だって｡

ＡＴＭには 限度額があるのに

なぜ そんな 非効率なことを やったのか 理解できない｡

(陽子)ましてや ＡＴＭを使えば 防犯カメラに 映像が残る｡

(山本)仮に 1,000万 全額 横領する気なら

別の銀行に 口座を開設して そちらに 移しますよ｡

それで 窓口で 一度に下ろす｡

他行なら 行内の調査は 及ばないし

発覚にも 時間が かかる｡

おっきいね｡ ホント｡

おいしそう｡ うん｡

(山本)銀行員がやった 犯罪にしては

あまりに 素人っぽいんですよ｡

山本さんは 弟が 横領など するはずがないと？

はい｡

実は 服部君は 法人営業部 １課 それで 僕は ２課にって

同時に 昇進の話が あったんです｡

服部君と ２人して

俺たち 頑張ろうぜって 盛り上がったんですよ｡

そんな矢先に 信じられませんよ｡

木曜日｡ 横領したとされる日だって

服部君は もう 一押しで 斎藤さまから

大口の投資信託の 契約が 取れそうだって

喜んで 話してたんです｡

あしたって 本当に 石川の実家に 帰らなくていいの？

うちの親にね あの人が

お客さんの お金を 横領して 海外に 逃亡したって 言ったら

すぐに 離婚しなさいって｡

それで 服部家に 慰謝料を 請求するって

怒りだしちゃったの｡

もう少し 落ち着いたら 帰る｡ そっか｡

じゃあ あしたは 何しよっか？ お天気 大丈夫かな？

[TV](ｷｬｽﾀｰ)殺人死体遺棄容疑で 指名手配されていた

里崎 真理 容疑者が

逮捕されたという ニュースが 入ってきました｡

≪(仲居)失礼します｡

[TV](ｷｬｽﾀｰ)昨年 ２月 鹿児島県内で 行方不明になり…｡

(仲居)ああ｡ 捕まったがよね この人｡

おてんとさまは ちゃんと 見とる いうことやね｡

悪いことをしたら 必ず 罰が下る｡ それが 世の常やちゃ｡

♬～

ねえ？ 加奈子｡ うん？

あした ちょっと 私に 付き合ってくれない？

どう？ だいぶ 慣れてきた？ うん｡

何か 楽しくなってきた｡

(女性)前から 広げます｡ お花が いい匂い｡

[ｽﾋﾟｰｶ]♬(音楽) お母さん…｡

(女性)最後は アロハ｡

(子供)これ 食べて｡ あっ｡ どうも ありがとう｡

(聡子)帰るんなら 連絡してくれたら よかったのに｡

旅行中に 思い立って｡ すいません｡ 急に｡

(聡子)ええんよ｡ ２人とも 今晩 うち 泊まってく？

ああ｡ 夜には 東京に戻るっけ｡ (聡子)そうけ｡

加奈子ちゃん｡ 結婚したんだって？ 銀行の人と｡

あっ｡ はい｡

それより びっくりしたわ｡ (聡子)うん？

いつから フラダンスなんて 始めたん？

(聡子)半年前よ｡ お父さんが 亡くなってからね｡

おなか すいちゃった｡ ねえ｡ ご飯 食べ 行こう｡

何 食べたい？ 最近 おいしい お店 見つけたんよ｡

(順子)服部さんの お姉さん？ (陽子)はい｡

弟のこと 覚えてらっしゃいますか？

(順子)もちろんですよ｡ お米の人でしょ？

あっ｡ はい｡

失踪？

(陽子)こちらに 先週の木曜 弟が お邪魔したときに

何か 変わった様子は ありませんでしたか？

(順子)変わった様子ね｡

投資信託の説明を させていただいたんですよね？

そうだったかしら？ 私 そういうの よく 分からないのよ｡

(陽子)はあ｡

(順子)ごめんなさいね｡ お役に立てなくて｡

(陽子)ああ｡ いえ｡ (順子)どうぞ｡

(陽子)すいません｡

(陽子)あのう｡ (順子)うん？

(陽子)それは？ (順子)さあ｡ 何だったかしら？

(陽子)見ても よろしいでしょうか？

(順子)どうぞ｡ (陽子)すいません｡

♬～

(山本)えっ？ 半年間の 投資プラン？

(陽子)達郎は 投資信託の説明を するふりをして 横領し 失踪した｡

しかし 半年間の 綿密な 投資プランを 作成し

斎藤さまに 渡していた｡

失踪するなら そんなこと する必要がない｡

ああー｡ 何？

いや｡ お母さん｡ お酒なんて 飲めたん？

(聡子)飲み始めたのよ｡

こうやって 明るいうちから 飲むのが おいしいのよね｡

加奈子ちゃんは？ あっ｡ 交代で 運転するので｡

(聡子)残念｡ すいません｡

(聡子)うん｡ おいしい｡

☎ (聡子)うん？ あら｡

あっ｡ 渡辺さんだ｡ ☎

(聡子)はーい｡ もしもし｡

あんな お母さん 初めて 見た｡

おいしい｡ えっ？ ホント？

うん｡

直美の お母さんも 今の私と 同じなのかもしれない｡

新しい人生が 始まったんだね｡

(陽子)すいません｡ (坂下)はい｡

(陽子)901号室の 服部 達郎の 姉なんですが｡

(聡子)加奈子ちゃん｡ 結婚指輪してなかったね｡

結婚 うまく いってないん？ うん｡ 色々あってね｡

(聡子)大丈夫｡ まだ 若いっけ｡ 人生 何度でも やり直せるって｡

お母さんは どうして 最後まで 離婚しなかったん？

お父さんに ずっと 暴力 振るわれてたでしょ？

(聡子)離婚して あんたたち 連れて 家を出たところで

食べていける 当ても なかったし

周りに 頼れる人も おらんかったけね｡

それに 怖かった｡ 何よりも お父さんのことが｡

(聡子)でも それは 全部 言い訳やった｡

えっ？

動けない自分に対する 言い訳｡

結局 私は 目の前の現実から 逃げていた｡

もっと 早う どんな方法 使ってでも

あの人から 離れるべきだった｡

(聡子)お父さんが 亡くなってね 初めて そのことに 気が付いた｡

(聡子)勇気を持って 踏み出せば もっと 早う 世界が開けてた｡

何よりも あんたたちに

つらい思いをさせなくて 済んだ｡

ごめんね｡ 直美｡

謝らなきゃいけないのは 私｡

(聡子)何で あんたが 謝るん？

私 何も できんかった｡

お母さんが 殴られてるの見て 何にも できんかった｡

早く 家を出たくて 東京の大学に 逃げた｡ ごめん｡

(聡子)バカ｡

(聡子)お母さんね これから 人生 やり直そうと思うの｡

だから 今まで できんかったことは 全部 やる｡

人生は 一度っきりでしょ｡ 反省しても 次は もう ないっけ｡

だから 人生を 楽しむことに 決めたんよ｡

(聡子)ああー｡ おいしい｡

うん｡

(聡子)加奈子ちゃん｡ うちの子のこと よろしくね｡

この子 私に似て いざというときに

臆病なところが あるから｡ はいはい｡

(聡子)運動会の リレーのときなんてね

直前になって おなか 痛いって…｡

♬～

加奈子｡ 私 ようやく 踏ん切りがついた｡

葵百貨店 辞めるよ｡ えっ？

今 やってる プロジェクトが 春には 落ち着く｡

そのときに 辞める｡

今まで 散々 自分の希望してる 部署じゃないとか 言って

自分に 言い訳してきた｡ 現実って こんなもんなんだって｡

でも ホントに やりたいことから 逃げたくない｡

私 やっぱり キュレーターの仕事がしたい｡

雇ってくれるとこなんて ないかもしれない｡ でも 探す｡

おっきな美術館じゃなくても いい｡

日本中 探してみる｡ とにかく 諦めない｡

直美｡

私も 新しい人生を 始める｡

東京 戻ったら お互い 頑張ろう｡

うん｡

♬～

話があるの｡ ２人に｡

♬～

ことぶき銀行の 山本さんに 話を聞いた｡

横領の方法が 場当たり的で ずさん｡

とうてい 銀行員が考えた手口とは 思えないそうよ｡

でも 銀行の 最終調査結果は…｡

公になることを 恐れて 幕引きを 図っただけよ｡

横領した相手 斎藤 順子さんにも 会った｡

えっ？

達郎は こんなものを 送っていたわ｡

さらに 妙なのは 逃亡先の 中国｡

達郎は 中国語を話せない｡ 上海に 行ったこともない｡

逃げるなら 土地勘がある場所でしょ？

そして 中国に失踪したとされる 土曜日にも

おかしなことが 見つかった｡ 何ですか？

加奈子さんは 土曜の昼に 達郎が出ていったと 言ったけど

ここの管理人は 達郎が 出ていく姿を 見ていない｡

代わりに 加奈子さんと

最近 よく見る 友達を 見掛けたそうよ｡

それは 私です｡

加奈子から 達郎さんが 休日出勤だって 聞いて

遊びに 来ていたんです｡

管理人の方だって 住人の出入りを 常に 見ているわけじゃないから

たまたま 達郎さんを

見掛けなかっただけじゃ ないですか？

防犯カメラ｡ えっ？

ここのマンションには エントランス｡ エレベーター｡

そして 駐車場に それぞれに 防犯カメラが 設置してある｡

それら 全てを 確認すれば 真実が 分かる｡

♬～

防犯カメラを 見せてもらう｡

♬～