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Original subtitles

実話に基づく物語

1960年までに 核武装競争が激化

アメリカとソ連は 人類を 滅亡させる武器を保有した

競い合う米ソの動きに⸺

多くの人々が 世界の終焉(しゅうえん)を恐れた

〈帝国主義者どもの時代は じきに終わりを迎える〉

〈連中は虚勢を張り〉

〈我々に脅しをかけている〉

〈だが実は 連中こそ怯えている〉

〈連中は知っているのだ〉

〈我々の核兵器の威力は〉

〈日々 増大の一途で あることを!〉

〈以前も言ったが⸺〉

〈もう一度 言う〉

〈連中を必ず 叩きのめしてみせる!〉

ソ連 モスクワ 1960年8月12日

それから?

チケットでも取るか

交響楽団とか

帰りが遅くなるぞ

終電に乗れる

〈パパ バッジをもらったよ〉

〈オクチャブリアータに 入ったの〉

〈ここがいい〉

〈胸に〉

〈後で出かける〉

〈起こさないよ〉

〈起こして〉

失礼 火を

ええ

アメリカ人?

ええ 夏休みです

これを⸺

大使館へ

とても重要な物だ

帰ろう

まっすぐ大使館へ行き 首席公使に渡してくれ

頼む

〈アメリカ人です〉

“アメリカが 核シェルターを増産”

イギリス ロンドン MI6本部

4か月後

どうも

エミリー 輝いてるな 部屋が明るくなる

お上手ね

エミリー 座って

プレゼントがあるの

ありがとう

外してくれ

“核戦争勃発の危機だ 封じる手助けをしたい”

興味深い

彼は賢いわ

ソ連は持ってない写真なの

数年前のトルコの アメリカ大使館よ

数年前のトルコの アメリカ大使館よ

“これが私”

オレグ・ペンコフスキー大佐

コードネームは “アイアンバーク”

大戦では砲兵将校として 13回 表彰

今は科学委員会の代表を

表向きはね

実際はGRUです

なぜCIAが我々に こんな重要な情報を?

ポポフが捕まった今⸺

モスクワで動ける者が CIAにはいない

そうだね?

人手が足りないの ぜひ協力を

彼と話を

大使館からペンコフスキーに 連絡を取らせます

1ついいですか

彼はGRUの大佐です

大使館関係者の接触は 目立つかと

リスクはあるが… CIAの提案は?

そうね 例えば⸺

大使館に無縁で KGBが 気に留めない人を使っては?

東欧に出張する ビジネスマンとか

そんな人物に 心当たりがあるのか?

言っておきますが きっとキマりますよ

しまった

グレヴィル 残念だったな

調子に乗っちゃいけませんね

元気づけてやらんとな

資料を見よう

その前に一杯どうです?

私の評判を?

いい評判です

私の担当する製造会社は どこも一流です

そして お2人は 業務を熟知しています

私から何か言うより 悩みを聞かせてください

解決できる会社を紹介します

どうです? または飲むだけでも

さあ お困り事は?

ありがとう

計算が合わない

何か見落としてない?

繰り上がりは?

そっか

元気かい

ええ 算数の宿題を 私が代わりにやってるわ

どうだった?

普段どおり ゴマをすりまくって⸺

史上最高に簡単なパットを わざと外し 旋盤(せんばん)を売った

汚(けが)れたよ

ゴルフのミスには 慣れてるでしょ

あと23年で 楽しい老後が待ってる

早期退職もいいか

大学 行かなくていいよな?

別に

よし

養う気はないわよ

アンドリュー 笑いやがって

グレヴィルを

戻ったかしら

お仕事かも

“もうくつろいでる”と

今 帰ってきました

グレヴィル・ウィンです

商務庁のジェームズだ 去年 会った

政府のパーティーですね ジェームズ どうも

ジェームズ

グレヴィル

アメリカ人のコンサルタント ヘレンだ 一緒にと

グレヴィル・ウィンです

ヘレンよ よろしく

東欧での仕事が?

増えてますね

需要が高く チャンスの宝庫です

チェコもハンガリーも

食事はマズい

ソ連は?

そのうち冷戦が 落ち着いたらかな

今はどうだ

いい情報でも?

我々はソ連の動きに 関心がある

国に貢献しないか

世界にも

失礼 何というか…

ジェームズ 商務庁の人だと伺った

だが⸺

もしかして本当は 政府の別の組織では?

まさか…

驚いた

でも理解できないな 僕はただのセールスマンです

政府に関係ない 普通の人だからいいの

今 こうして 昼食を共にしてるのが

スパイとは

でも…

一体 僕は…

僕に何をしろと?

違法行為は不要だ 普段どおりでいい

というと?

ソ連で新規顧客を 開拓するなら⸺

まず何を?

モスクワの科学委員会に 会合を申し込む

結構

ということは 僕はモスクワへ行って…

商売を

詳細を伏せるのは あなたのためよ

詳しく知らないほうが 自然に振る舞える

でも危険があるなら 知っておきたい

遠回しに言っても⸺

君は大酒飲みで 体の緩んだ中年男だ

大戦でも実戦に出てない

この任務に 少しでも危険があるなら

君に頼んだりしない

遠回しにどうも

モスクワで着けて

毒矢を出せるとか?

グレヴィル 秘密を 守ってくれると信じてる

いい一日だった?

普通かな

私のことも聞いてよ

ごめん 契約で 頭がいっぱいでさ

タマーラと 出かけたんだよな?

チャリティ・ディナーの 計画よ 楽しかった

先に言うけど絶対に来てね

面白い打診が

そう

ソ連で仕事するかも

収容所は避けて

〈私としても遺憾だが⸺〉

〈こうするしかない〉

〈ポポフ少佐は情報を アメリカに流していた〉

〈背信行為には代償が伴う〉

パスポート

グレヴィル・ウィンです よろしく

どうも

代表のオレグ・ ペンコフスキーです

どうぞよろしく

ようこそ

ソ連の工業に何が必要かなど 高説は垂れません

皆さんのほうが詳しい

ただ扉を開きに来たんです

西で最高の製造会社を 紹介します

興味深い提案だった

昼食はどうかな

ぜひ

行きましょう

君は経験豊かで頼もしい

だが なぜわざわざ 遠くの国で仕事を?

刺激が好きなんです

とはいえ政治的に微妙な時だ

東西が対立してる

政治家が何をしていようと⸺

工場には機械が 機械には部品が要る

僕はそれを売るだけです

家族は?

いますよ 息子は10歳

息子が欲しかった

だが今は娘が宝物だ

女の子なら家を破壊しない

では一番大切な質問だ

どうしても知っておきたい

何でしょう

酒は強いか?

唯一の取り柄です

ソ連の別の顔を見せたい 今夜は?

暇です どこへ?

「シンデレラ」を?

バレエは初めてです

来たかいがあったな

ここだ

美しいタイピンだ どこで手に入れた?

友人の贈り物です

ご友人はアメリカ人かな?

ええ

ここなら話せる 安全だ

ご友人によると 君は“素人”だとか

ええ まさに素人です

この瞬間を 長年 夢に見てきた

君に この意味が?

知らないでいたい

今後は?

僕は何を?

ただ帰国して⸺

貿易使節団と私を ロンドンに招いてくれ

ソ連政府は?

大喜びする

西の技術を盗むのも 私の仕事だ

ご友人は頭が切れる

オレグ… そう呼んでも?

英語の名前がいい アレックスと

アレックス

君は筋がいい

ボリショイのお礼に ウェストエンドへ

世界的な劇場街だ

うれしいね

〈西は退廃的です〉

〈だから弱いんですね 同志〉

〈乾杯(ザ・ズダローヴィエ)〉

妻のシーラです

よろしく

ザ・ズダローヴィエ!

乾杯の掛け声は “クソ食らえ”

クソ食らえ

クソ食らえ

降りて

やあ

どうも

あなたは愛国者だし さぞつらいはず

こうせざるを得ないほど⸺

何かを恐れているのね

フルシチョフだ

彼が怖い

あんな衝動的な男の手に 核のボタンがあるのは危険だ

だまされるな

ソ連は態度を 和らげる気などない

アメリカと正面から 戦う機会を望んでる

それを裏付ける書類は?

最新版の「軍事思想」だ

約束してほしい

必要な時は 家族と亡命させてくれ

当然よ いつでもいい

当面は職に残り クレムリンの動向を知らせる

君たちの政府に⸺

“情報を賢く使え”と

武器ではなく⸺

平和の礎(いしずえ)にしてほしい

フルシチョフの言葉は嘘だ

我々の核兵器はアメリカより ずっと遅れている

第一撃能力がなく⸺

壊滅的打撃を与えられない

だがソ連は気にしてない

戦争を思いとどまる 理由になる?

もう夜明け近い

大丈夫だ

いえ 続きは明日の夜よ

最後にもう1つ

グレヴィルの件だ

もう会わなくていい

断る

ペンコフスキーの提案よ

民間人だから目を引かないし どうせ仕事でモスクワへ

大丈夫 ただの運び屋だわ

ただの? 運ぶのはソ連の…

本気とは思えない

熟慮したけどリスクは低いし 報酬も出す

金は自分で稼げる

僕には妻子がいるんだ 君たちに家族は?

そうか

個人情報は秘密か “ヘレン”

“ジェームズ”

必要な時には体を張る

今も その時だ

ではふさわしい人物を 見つけろ

僕には無理だ

グレヴィル

“4分前警報”は無意味よ

何?

核爆弾が落ちる4分前の 警報のこと

そうじゃなくて…

これは核戦争に絡む 仕事だったのか?

よく考えて

あなたの会社から自宅まで 急いで10分

4分じゃ とても シーラの元に帰れない

アンドリューの迎えも 間に合わないから⸺

彼は学校の地下壕(ごう)へ

設計図を見たけど 核シェルターとは呼べない

お宅の地下室もね

まともなのは政府のだけ

その時あなたは?

つながらない電話を4分 シーラにかけ続けるか

“この事態を防ぐ チャンスがあった”と⸺

悔やむか

そして全て終わる

脅すのか

彼抜きのほうがいい

彼はやるわ

出るよ

お願い

やあ

ようこそ どうぞ

ウォッカね

ゆうべ飲み足りなかったの

ありがとう 入って

どうも

アンドリューに

ご親切にありがとう

さあ

モスクワ以外の所は どんな感じなの?

美しいよ 私の故郷は特にね

たくさんの木々に 広い空

感じるよ

いい意味で“一人だ”と

ぜひ見たいね

だが外国人は ソ連を自由に回れない

そんなに僕らが嫌い?

礼儀をわきまえなさい アンドリュー

ソ連とイギリスの政治家は いがみ合ってる

でもお父さんと私は 共に仕事をし⸺

家族にも会ったりする

我々のような人間から 世界は変わるのかも

捕まったら?

捕まらない

確証はない

処刑されるだろ?

ただの運び屋なら 拘束されるだけだ

人質交換までな

どれくらい?

数年だ

ほんの数年 ソ連の収容所に?

捕まらないよ KGBは気づかない

私なら出し抜ける

そうか でも僕は違う

君の任務は⸺

感情を制御し 周囲を欺くこと

モスクワでもできた

簡単に言うな

捕まれば私は処刑だ

君の選択だろ

君ならできると 命を懸けて言ってるんだ

シーラには?

隠し通せ

彼女のためだ

何ひとつ話すなと?

君は奥さんに?

反対されるから 黙ってるんだろ?

シーラは鋭いし⸺

僕には 素行を疑われても 仕方ない過去がある

うまく嘘を

いい嘘だ

時に嘘は贈り物であり 愛の行為だ

君には申し訳ない

だがグレヴィル

君しかいない

モスクワでは 常にルールに従え

いわゆる…

“掟(おきて)”

そう スパイの掟だ

誰もがKGBだと思え

店員 ホテル従業員 運転手 全員だ

捜査官ではなくても タレコミ屋かもしれん

皆 監視し合ってる

屋内では盗聴に警戒を

イギリス大使館もな

大使館は特にだ

それでも何かあった時には 大使館は逃げ場になる

誰が読唇術を使っているか 分からない

機密の話は必ず私から始める

ご家族は?

元気だ 君のほうは?

頻繁に会う口実として⸺

君を情報源として雇ったと 同僚に話す

重工業の情報を ペンコフスキーに渡してくれ

機密ではないが 入手困難な情報を

ソ連をだませる?

もちろん

ソ連にとって君は 欲深き資本主義者だからね

今後 モスクワで 君が売り込むものは1つ

ありふれたビジネスマン としての存在だ

では末永く⸺

よろしくお願いします

健康と商売に

空港へ

そうだね

質問は?

また次回

1つ約束してほしい

僕に万一のことがあったら 妻子の生活を保障すると

約束する

政府としてな

〈委員会の客だ 通してくれ〉

アレックス

ずいぶん激しかったわね

会いたかった

今回だけ?

いつもだよ

ソ連は本当に戦争の準備を

“アイアンバーク”は 敏腕だな

“アイアンバーク”は 敏腕だな

アメリカ ラングレー CIA本部

アメリカ ラングレー CIA本部

ソ連関係で最大の情報だ

アメリカ ラングレー CIA本部

ソ連関係で最大の情報だ

このまま君に任せたら⸺

私は後悔を?

決して

鼻持ちならんイギリス人が 役に立ったな

関係は上々か?

持ち上げれば よくしてくれる

任務に感謝を すごく勉強になります

米ソ間に緊張が走っても

東西ベルリンの 行き来は可能でした

しかし突然 共産党が 境界線を封鎖し

ケネディ大統領は 武装強化を表明

クレイ将軍に 直接 指示を与えました

“東ドイツが ベルリン境界線を封鎖”

モスクワへ行って大丈夫?

もちろん 問題ないよ

こんな状況でも?

ベルリンとモスクワは遠い

知ってるけど ソ連とアメリカは…

仕事に口を出すな

本日 北極圏でソ連は

“爆弾の皇帝(ツァーリ・ボンバ)”の 爆発実験に成功

威力は50メガトン

史上最大の破壊力を持つ 核爆弾です

頼まれてた数字だ

助かるよ

現在 この惑星に住む生物や

男性 女性 子供の頭上には

核の“ダモクレスの剣”がある

剣を吊る糸は ごく細く

事故や誤算 狂気によって⸺

いつ何時(なんどき) 切れても おかしくありません

兵器に滅ぼされる前に 兵器を滅ぼしましょう

荷物は?

明日だ

アンドリュー

レインコートは?

そっか…

ごめん

大丈夫 予報は晴れよ

予報が外れて雨が降ったら?

テントで本を読めばいい

レインコートを入れろと 指示しただろ

なぜ入れてない?

せっかく旅行…

答えろ!

僕…

忘れた

忘れただと? そりゃ傑作だ

息子がこんなに鈍いとは…

グレヴィル!

気にしないで

さあ もう一度

アンドリューは?

寝たわ とりあえず安心

ほら

あなたは?

大丈夫だ ただ…

息抜きが必要だったんだ 来てよかった

今日だけじゃない

最近 変よ

どうしたの?

君には言いたくなかった

心配させたくない

仕事の問題だ

不調なんだ

お金の心配があるなら納得よ

夫も去年 些細なピンチで 大騒ぎした

でも それだけじゃないの

体を鍛えるようになったし

夜も激しくて

あら 大変だこと

お気の毒

笑い事じゃないわね

以前 浮気したからって 今回もそうとは…

明らかに隠し事をしてるし 怒りっぽいの

モスクワ帰りが一番ひどい

全ての引き金はモスクワよ

出張を減らせない?

家族のために

金が必要だと言ったろ

お金?

節約してないし 今日も高級レストランへ

だから何だ 人生を 楽しむために働いてる

もうモスクワへ行かないで

浮気はしてない 誓うよ

二度目は許さないから

ニーナ

よろしく

外国人が初めてで

妻はお詫びを

外国人を自宅に招くのは 前例がなく 難しい

いいんだ

分かります

いいご家族だ

ありがとう

アレックス いつ亡命する?

その話はよそう 何か問題でも?

妻とちょっとね

彼女も いつか 全て知れば君を誇りに

それじゃ遅いかも

時々 妻も私の仕事に不安を

だが君はもともと軍人だ

政府は 外国人を モスクワの外に出さず

貧困を隠してる

街中はそれなりだが 田舎は違う

娘には 国に縛られない 人生を与えたい

我々の仕事が成功し 危険が去ったら亡命する

家族でモンタナへ

モンタナ?

写真を見たが 故郷のように美しかった

カウボーイになろうかな

君がカウボーイ? それは見てみたいね

ぜひ見てほしい ご家族と遊びに来てくれ

きっと楽しい

そうだね

よし 行くとも

こちらを

ご苦労さん

何だ

最近 ソ連部門からの 情報が多い

内容は?

詳細は分からないが⸺

盗聴ではなく 内通者からの情報かと

〈キューバはお荷物だ〉

〈南米の拠点として⸺〉

〈重要だ〉

〈だが孤島から 勢力拡大はできん〉

〈むしろ急所になる〉

〈確かに今はそのとおりだ〉

〈だがうまく使えば⸺〉

〈アメリカに付け入る 拠点にできるはず〉

アメリカの裏庭も同然の キューバに核兵器を置く?

フルシチョフも そこまでイカれてない

“アイアンバーク”は 優秀だから今の地位にいます

一考すべきかと

調べてくれ

あらゆる情報源を使え

よい旅を

アレックス

“英露辞典”

〈大佐〉

〈KGBのグリバノフだ 少しいいか〉

〈どうぞ〉

〈話すのは初めてだな〉

〈キエフで君の下にいた者は 皆 口をそろえて⸺〉

〈君は命の恩人だと〉

〈さて〉

〈トルコの思い出を〉

〈輸入禁止品だが…〉

“イギリス大使館”

〈聞きたいのは〉

〈ウィンの件だ〉

〈態度や物言いに 何か気になる点はないか?〉

〈ご心配は無用です〉

〈報告書のとおりです〉

〈隅々まで読んでいる〉

〈だが引っかかるんだ〉

〈不審な点は?〉

〈なぜ今頃 問題に? 前々から来ています〉

〈前々から来ているからだ〉

〈多くの政治家に会い あちこちに出入りしてる〉

〈それが続けば怪しい〉

〈欲張りで 興味があるのは 金儲けだけ〉

〈そんな男です〉

〈ですが警戒します〉

〈頼むよ〉

〈失礼する〉

〈忠告をどうも〉

〈タバコは君に〉

〈1カートン送る〉

“アイアンバーク”が ミサイルを見分けるための⸺

情報をくれた

これで確認できる

核兵器の存在と⸺

アメリカが射程距離内か どうかをな

偵察機を飛ばせます?

いや この時期は雲が多い

10月までは君が頼りだ

ホテルを調べられた

でも無事ね

だから帰国できた

きっと定期的な検査で それに合格したのよ

もう抜けてもらう

ペンコフスキーは? 彼は何も知らない

連絡するから心配するな

のんきなことを

僕が調べられたなら 彼も危険だろ

彼は来月の見本市に?

来る

疑われていたら 国を出られない

彼を亡命させるよな?

望みは何なりと 彼は十分 貢献した

君もな

よくやった

そうか

これで終わりか

キューバの件は?

これ以上 考えるのはよせ 忘れるんだ

分かった

それじゃ ありがとう

何のつもり? 今 ウィンを外すの?

ウィンはイギリス人だ

彼が捕まれば国の恥になる

キューバの情報が必要よ

来月ペンコフスキーが来た時 報告を聞こう

〈オレグさん しっかりしてください〉

〈誰か お願い 助けてちょうだい〉

モスクワの取り引きは 全て終わらせた

もう行かない

そう

手伝うか?

いいの

“1962年10月14日 キューバは快晴”

〈パパ〉

〈ニーナ〉

〈おいで〉

〈大丈夫?〉

〈ああ ずいぶん 楽になったよ〉

〈忙しい日が続いたから 体が悲鳴を上げたんだ〉

〈数日 入院していただけば すっかり元気になりますよ〉

〈感謝します〉

〈ニーナ〉

〈パパと2人で 話してもいい?〉

〈私なら本当に大丈夫だ 心配ないよ〉

〈あなたに早く伝えたかった〉

〈何を?〉

〈妊娠したの〉

〈今度は男の子だと思う〉

〈おいで〉

アメリカ政府は⸺

キューバにおける ソ連軍の動きを

キューバにおける ソ連軍の動きを

1962年10月23日

1962年10月23日

厳しく監視してきました

1962年10月23日

厳しく監視してきました

先週 確たる証拠により 明らかになりました

ソ連は攻撃用ミサイル基地を

キューバに建設しています

その目的は ただ1つ

西半球に核攻撃を仕掛ける 力を持つことです

アメリカの方針を表明します

核ミサイルが⸺

西半球の どの国に向けて 発射されても

ソ連からアメリカへの 攻撃と見なします

そして総力を挙げて ソ連に反撃します

フルシチョフ第一書記は 直ちにミサイルを撤去し…

〈大佐 失礼します 貿易省の者です〉

〈ロンドンの 見本市の件です〉

〈準備は順調だ〉

〈大臣が 大佐は 行かなくていいと〉

〈使節団を送らないのか?〉

〈予定どおり送りますが⸺〉

〈大佐は国内の仕事に 集中すべきだと〉

〈分かった〉

〈期待に応えると 伝えてほしい〉

ソ連もJFKも 意地を張り合ってる

何が起きても⸺

おかしくない

電報です

ありがとう

今だろ?

何が?

彼の亡命

それはできない

できるはず

亡命させると 言ったじゃないか

今 ひそかにモスクワから 脱出させるのは無理だ

MI6とCIAだろ

彼に接触できず 計画を伝えられない

拉致でもしろと?

危険すぎる

それじゃ彼はどうなる?

君を巻き込んで悪かった

それだけ?

黙ってKGBに 処刑させるのか?

現実は厳しい

逆の立場なら 彼は君を見捨てる

あり得ない

プロは人を利用する お互いさまだ

もう帰りなさい

家族の元へ

間違ってる

何て?

君たちは彼を知らないんだ 僕はよく知ってる

彼なら僕を見捨てない だから助けよう

無理だ

計画を伝える手段がないと 言ったが あるぞ

僕だ

僕が伝える

モスクワへ戻る

本気?

まさか 正気の沙汰じゃない

プロが みすみす ソ連の情報源を失うのか?

核戦争勃発の危機なのに?

今こそ僕を利用しろ

私も行くわ

彼女は外交特権で守られる

全力を尽くして2人を救う

はっきり言う やめとけ

あなた…

もう1つだけ 仕事を片付けてくる

これで最後だ

そう

今夜はどこに?

ホテルにでも泊まれば?

アレックス

グレヴィル

新任報道官の カレン・タッカーです

フィンランドから ソスノヴイ・ボールへ船を出し

一家を乗せ 海を渡らせる

あなたは車で KGBを引きつけて

一家をモスクワから 出すことが鍵よ

了解

成功するわ

国際連合に加盟する⸺

多くの国々の大使から 依頼を受け

この緊急事態に際し 米ソ両国に呼びかけます

世界の平和と安全のため

状況を悪化させ 開戦の危険を高める行動は

控えていただきたい

自宅にいる時に 4分前警報が聞こえたら

すぐ避難しましょう

子供を核シェルターに行かせ 電気とガスを切ってください

ゾリン大使

ソ連はキューバに⸺

中距離ミサイルを 配備しましたね?

答えて

〈ここは法廷ではない〉

〈従って その質問には…〉

証拠を提示します

よく確かめてほしい

サンクリストバル付近の ミサイル基地を撮影した⸺

3枚の連続写真です

6基のミサイルと 3台の発射台が写っています

これは一部に過ぎず…

“彼に伝えた”

ブラボー!

ブラボー!

1962年10月28日

1962年10月28日

〈今日は仕事が暇でね 昼過ぎに戻るよ〉

〈今日は仕事が暇でね 昼過ぎに戻るよ〉

〈お出かけしよう〉

〈うん パパ〉

〈赤いワンピースを着て〉

ケネディが了承した

ソ連が核を撤去するなら⸺

“アメリカは引き下がる”と 公式に声明を出す

うまく行くと?

分からん

お願いね

〈どうも〉

〈おはよう〉

空港へ?

助かるよ ありがとう

〈通せ〉

〈どけ〉

〈邪魔だ〉

〈警察だ!〉

〈待って〉

〈通してくれ〉

〈待て 止まれ!〉

〈どけ〉

〈止まれ 今すぐ 止まるんだ!〉

〈出せ〉

〈急げ〉

今 何て?

出発が遅れてすみませんと

ありがとう

〈ベラ〉

〈出発だ〉

〈壁へ!〉

〈抵抗するな〉

〈外交特権があるわ〉

〈座りたまえ〉

〈オレグ どういうこと?〉

〈答えてやれ〉

〈妻は何も知らない〉

〈我々が来た理由を 家族に話せ〉

〈私は裏切り者だ 革命の精神に背いた〉

〈すまない〉

〈ずっと君を信じ⸺〉

〈クレムリンでも かばってやった〉

〈いつ知った?〉

〈毒を盛った後だ〉

〈君の入院中に 秘密の引き出しを見つけ〉

〈監視していた〉

〈昨夜 君の計画を知り⸺〉

〈今朝 詳細を調べた〉

〈全て終わりだ〉

〈家族は関係ない〉

〈家族については 後で話そう〉

〈連行しろ〉

〈嫌よ!〉

〈オレグ〉

〈待って オレグ〉

〈パパ〉

〈ニーナ〉

ウィンさん

悪いけど言葉が分からない

一緒に来てもらう ウィンさん

どうなってる?

ウィンさん さあ

ソビエト社会主義 共和国連邦は

君を国外退去処分とする

24時間以内に この国を出ること

脱げ

脱ぐんだ

〈ほら脱げ〉

〈全部だ!〉

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ありがとう

あなたが正しかった

君も正しかった

手は尽くした

ウィンさん 商務庁の者です お邪魔しても?

どうぞ

そんな

外務省が交渉していますが 難しい状況でして

どうして?

ペンコフスキーも 逮捕されたので⸺

ソ連がご主人に その…

スパイの疑惑を

外務省の連絡を お待ちください

生活費は政府が

事実なのね?

何が?

夫はスパイでしょ?

まさか

電話を 夫と話したい

謝らなきゃいけないの

私ったら てっきり夫が…

何てバカなの

部屋へ

部屋にいて

トロフィーをたくさん 持ってるそうだね

見たいな

お見せして

ごまかさないで

夫は明らかに⸺

何か隠してた

真実を教えて

話せないこともある

1つ言えるのは ご主人は とても勇敢だということ

そして今 あなたの助けを 必要としています

ご主人は無実だと ソ連が認めたら⸺

時間はかかっても 無事に帰国できる

でも もしソ連が⸺

彼もスパイだと 決めつけたら…

残念な結果に

だから いいですか

家族や友人 息子さん 特にマスコミに対して⸺

スパイだなんてあり得ないと 説得力を持って伝えて

できますか?

ご主人のために

ペンコフスキーが 何を自供したって?

全くピンと来ない

ペンコフスキーから 荷物を受け取り 西へ運んだな

ええ 何度か

認めるんだな?

何を? 悪いこととは 思わなかった

ソ連の機密を盗んだのに?

そんなつもりは一切なかった

中身は詮索しなかったんだ

誰に渡した?

ロンドンのあちこちに届けた 深く考えなくて

ウィンさん

君がそんなバカだとは とても思えない

そちらの世界ではバカかも

だが僕はセールスマンだ

顧客に好かれるためなら 何でもする

時折 荷物を運ぶくらい お安い御用と思ってた

優しいのね

上がってもらいたいけど 今 忙しくて

気にしないで

元気でよかった 皆で心配してたの

よろしく伝えて

ええ 例の記事を読んだわ

笑うでしょ?

事実じゃないわよね? ほら グレヴィルが…

バカ言わないで

彼がスパイ? 浮気も隠せない人よ

来てくれてありがとう

今度 お茶しましょ 連絡するわ

ええ

それじゃ

アメリカは核ミサイルを 何年もトルコに配備していた

我々に向けてな

なのにソ連がキューバに 配備したら大騒ぎだ

卑怯だろ

分からない

イギリスは すでに君を見捨てたぞ

そんなわけない

なぜだ

なぜだ

どうしてこんなことを!

僕が何をした?

何もしてないぞ!

それでも人間か!

ケダモノどもめ!

半年後

触れるのは禁止だ

座れ

痩せちゃって…

病気したんだ でも治ってきてる

君に会えたし⸺

もっと元気になれる

あなた方は夫に何を?

大丈夫だ

この状況にしては よくしてくれてる

責めるな

本当だ 頼む

こんなの⸺

ひどすぎる

胸が痛むわ

疑ってごめんなさい

よせ あれは仕方なかった

来てくれてうれしいよ 会いたかった

すごく

面会できるのは いい兆候だって

でも外務省いわく 帰国には時間がかかるかも

ソ連はキューバで 譲歩した分…

キューバが何だ

ミサイルを撤去したの

その話はするな

政府が交渉してる

でも帰国には⸺

あと1年かかるかも

または2年

家の話をしてくれ 心の支えになるように

畑は少しマシになったわ

今年はトマトを植えた

アンドリューは 算数で合格点を取った

奇跡ね

褒めてやって

君は?

私は⸺

大丈夫

本当に

あなたこそすごいわ

帰国したら⸺

やり直しましょう

僕は愚かだった

すまない

だが分かってくれ

ここに来て以来⸺

君の元へ戻ることだけを 考えてきた

本当だ

ええ

必ず戻る

必ず

問題は人選だ

重要人物は出せん

ウィンにはな

ウィンのおかげで 戦争を回避できた

彼は捜査官ではない

ソ連の捜査官を差し出せば 彼の重要性が伝わってしまう

このままじゃウィンは ソ連で死にます

早々にね

MI6が守ってくれると 誰も思わなくなる

後ろめたいのか

分かるが⸺

仕事だった

ウィンは我々の同胞だ

必ず取り戻す

ペンコフスキーが 君をかばうと?

買いかぶりだ

彼は国を裏切った

家族もな

君のことも

自分の身は自分で守れ

アレックス

長い間 鏡を見てない

変わってないと思いたい

思わせてくれ

また会えるとは

本当にすまなかった

こんな結果になったことを 許してほしい

それに私は仕方なく…

仕方なく何だ

できる限り⸺

耐えたんだ

だが家族を守らねば

だからKGBに 真実を告白した

全てを

話したんだ

君に渡した情報で⸺

アメリカは ミサイルを見つけたと

それから君は⸺

荷物の中身を知らなかったと

グレヴィル

世界を平和な場所に したかった

だが失敗した

こうして⸺

国や同胞を 裏切ったというのに

無駄だった

アレックス

もちろん許すとも

僕も家族を守りたい

その意味で 核戦争が防げたのは大きい

フルシチョフは核を撤去した

君のおかげだ

君のおかげだよ

君は偉業を成し遂げた

君は成功した 立派にやり遂げたんだ

君はやってのけたんだよ アレックス

1年後

1964年4月22日 グレヴィル・ウィンは

ソ連のスパイと 引き換えに解放

我々のような人間から⸺

世界は変わるのかも

パパ

どこなの?

ウィンは セールスの仕事を続け

1990年 安らかに 息を引き取った

ペンコフスキーは処刑され 無名墓地に埋葬

妻子はモスクワで 静かに暮らした

ペンコフスキーは ウィンを通じ

5000以上の軍事機密を提供

史上最も価値のある情報源と 考えられている

キューバ危機の 二の舞を避けるため

米ソ官邸は ホットラインで結ばれた

ウィンさん 奥さんとの最初の会話は?

2人とも しばらく絶句してた

今後の人生を どう過ごしますか

可能な限り早く 以前の仕事に戻りたい

同じ会社で?

自分の会社かな

また東欧へ?

その質問には 今日は答えられない

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