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♪~
ご遺体は3日前
大田区 諸山町で発見されました。
男性は至近距離から 拳銃で頭部を撃ち抜かれ即死。
現在 殺人事件として 犯人の行方を追っています。
発砲事件か。 怖いですねぇ。
で 俺たちに何をしろと?
皆さんには この被害者の
身元特定専従班として 捜査に加わっていただきます。
何で? 何で…。
捜査一課さまが俺たちなんかに 協力しろってのは
そりゃ なぁ? うん。
訳あり… ですよね? この事件。
私は上からの命令を
お伝えしに来ただけですので。 まっ いいじゃないですか。
こうして 一課が 泣き付いてきたんですから
小さいこと言わず 助けてあげましょうよ。
いや これ命令ですから。
ですって。 被害者の所持品は?
何もありませんでした 犯人が持ち去った可能性が。
この人って もしかして…。
はい 特別捜査本部も
暴力団対策課と合同で 捜査を進めています。
現場周辺にある組の構成員データに 照会をかけましたが
当該人物は確認できませんでした。
では ご協力 よろしくお願いします。
今日 手嶋君は?
休暇を頂いています。 休暇?
失礼します。
ん~… 構成員データにないってことは
暴力団ではない…。 確かに マル暴は
指定暴力団の顔ぶれを 常に把握してますが
まぁ 半グレの連中までは無理です。
だけど こいつは もう倶利羅紋紋ですから。
くりから…。 もんもん?
ヤクザが昔から好んで 入れてる図柄です。
さすが 元マル暴。 えっ!?
えっ 晴さんってマル暴だったの? 昔の話です。
この彫り筋のタッチは
名彫師 唐島源蔵の流れをくむ 手によるものと思われます。
で その彫師と懇意だったのが
関東近元会系の染野組です。
染野組…。
所在地 大田区諸山町3丁目。
遺体発見現場も諸山町です。
ビンゴ!
すご~い! すご~い!
え… 何ですか?
行かないのか? はっ?
いつもなら 真っ先に手挙げるくせに。
いやいや… さすがに ヤクザ事務所は ちょっと。
それに ほら 今回 ご遺体は
射殺ということですし。 いや~ 案外
男が行くよりも 女性が行った方が
話聞いてくれるかもしれませんよ。 ヘヘヘっ だって。
頑張ってね まこっちゃん。 私 無理。
それに ちょっと 気になることあるから。
はぁ!? いや 今これ以上に 気になることある?
大丈夫 私がお供しましょう。
いざとなったら…。
お守りしますから。
頼りになりますね…。 痛いんでしょ?
久しぶりだなぁ。
お知り合い!?
武藤ちゃんの顔 久しぶりに見れて うれしいよ。
もう何十年も昔の話ですがね。
ああ。
強制捜査でヘルメットかぶって ここに踏み込んできたっけなぁ。
ハハハ…!
おう! 啓次郎。
何やってんだ お前 お菓子出せ お菓子。
あぁ はい。 すいません。
これで3度目です。
その撃たれて亡くなられた というお若い方について
全く存じ上げておりません と お答えするのは。
一課と暴対課と
そして あなた方。
すいません お手間を取らせてしまって。
すいません 失礼します。 ありがとうございます。
組長に あれを。 あっ はい。
あの… 行旅死亡人の方の
生前のお姿を イメージしたものです。
そうか。
ご遺体をご家族の元に おかえししたいんです。
最近 この辺りもねぇ 静かになってねぇ。
生きのいい若いもんの 出入りがなくなってさ。
それはいいことですなぁ。 やっぱ 見たことねえわ。
そうですか…。
組長 そろそろ次が。 あぁ そうか うん。
啓次郎! はい!
よっ…。 お邪魔いたしました。
また何か思い出しましたら ご連絡ください。
おう。
すいません。
すみません 空振りでしたね。
大丈夫でしたか? はい。
何か 思ってたイメージとは だいぶ違いました。
生活も苦しそうで 彼らも大変ですよね。
確かに…。
でも 同情なんかしちゃ ダメですよ。
腐ってもヤクザ 反社です。
この法治国家には 存在しちゃいけない連中なんです。
はい。
♪~
真さん!?
どうも! これ 一緒にどうですか?
ごめんね。 え…。
本当は 誰にも会いたくないかもって
思ったんだけど…。
でも やっぱり どうしても気になっちゃって。
まこっちゃん こんな重大な事件が 起きてるのに
手嶋さんが 休暇を取るのは変だって
沙耶香さんから 話を聞いたんですって。
私をヤクザ事務所に 行かせておいて。
実は自宅謹慎中で
自宅謹慎!? え… 何で?
すいません… これ以上は
楽になれるよ
ちょっと… 助けて
全部 聞いたから。
あいつ…。 いやいや まこっちゃんが
相当しつこく 問い詰めたそうですよ。
私をヤクザ事務所に 行かせておいて。
しつこいなぁ。
すいません ご心配をおかけして。
全て 僕の…。
僕の不注意なんです。 そうだね。
どんな理由があろうと 絶対にあってはならないことだよ。
警察官が拳銃を奪われるなんて。
まこっちゃん。 真さんの言う通りです。
僕は…
刑事失格です。
でも… 無事でよかった。
一歩間違ったら
あなたが殺されても おかしくなかったんだからね。
いっそ…
その方が。
ごめん… なさい。
責任取るなら やるべきことを やってからにして。
やるべきこと?
襲われた時のこと 詳しく話してください。
あの日 通報があったんです。
佐久井町に 刃物を所持した不審者がいると。
銃を携帯して 僕たちが向かうことに。
犯人は2人組だったのね?
はい。
射殺されたのは そのうちの一人で 間違いないと思います。
きっと彼は… 僕の拳銃で…。
まだ そうと 決まったわけじゃ ない。
でも…。 もし仮に そうだったとしても
彼が拳銃を奪った 加害者でもあるなら
あなたへの情状酌量の余地は まだある。
次の事件が起きる前に
絶対 ご遺体の身元を突き止めて 拳銃 取り戻してきますから。
待っててください。
やっぱり ダメです。
銃の件は警視庁内で かん口令が敷かれているんです。
これ以上 お2人を巻き込むわけには…。
手嶋君…。 よく考えたら
お2人が ここに来たこと自体 まずいですし…。
手嶋君。 僕とは 一切接触していない
何も知らないと…。
手嶋ぁ!?
残念だけど もう手遅れ。 だね。
えっ?
さすがに奪った真正拳銃を
すぐオークションに出す バカはいないか。
あれ? いいんですか? え?
今日 結婚記念日とか 言ってませんでしたっけ。
早く帰った方が。 フフっ まぁ…。
結婚記念日は また来年も来ますから。
…ってことを 去年も言ってた気がするな。
はい。
よかったら使ってください。
うわっ! ありがとうございます。
ハハっ カミさんと子供に いい点数稼ぎになりますよ。
普段 暇なのに こういう大事な時に限って
忙しいんですよね 私ら。
これも全部 手嶋のせいだ。
落ち着いたら 月本とデートさせてやる。
何ですか その仕返しは。
だって面白そうじゃないですか。 確かに。
ハハハ…! ハハハ…!
弾丸は頭部を貫通。
現場検証では見つかってません。
薬きょうも見つからないので
使用されたのは おそらく リボルバー 回転式拳銃。
弾丸が見つかれば 手嶋君の拳銃かどうか
線条痕で分かるんだけど。
じゃ 下っ端は これ以上 首を突っ込むと面倒そうなので
仕事に戻ります! ありがとう。
利根川室長。 え?
テッシーのこと よろしくお願いします。
俺 あいつの上司でも 何でもないけどな。
私も彼の同期でも何でもないです。
もう みんな 手嶋さんのために 動いちゃってます。
今まで 散々 私たちに協力しておいて
自分の時は手を出すなって カッコつけるのは なし。
今度は 私たちが あなたに貸しを作るターンです。
うまくやるから ご心配なく。
私たちを信じて。
ってことで 今回の事件のこと
冷静に整理してみよう。 はい。
その2人に 襲われるような心当たりは?
ない… と言いたいところだけど
逮捕した犯人や その関係者から 恨まれることは
いくらでもあると思います。 分かんないのは
奪った本人が 射殺されてるってことよね。
拳銃の使い道を巡って 仲間割れしたとか…。
あるいは 最初から 殺すつもりだったのかも…。
あぁ…。
もし パーカーの彼が 暴力団関係者だとしたら
他に銃を手に入れる方法は ありそうよね。
でも わざわざ こんなり方を 選んだってことは
やっぱり 組の関係者ではないってこと?
ん~… いや 私は やっぱり
彼は染野組の 構成員なんじゃないかって思う。
えっ どうして?
出されたお菓子に プロテインバーがあったんだよね。
組長も他の2人も
体を鍛えてるようには 見えなかったし…。
それと 野球のグローブ。
SK…。
誰かのイニシャル? …だと思うんだけど
構成員リストの中には いなかったんだよね。
それに あの人たち 野球をするような爽やかさ
みじんもなかったし。 野球はしなくても
たまにキャッチボールぐらいだったら するんじゃないですか。
え~ そうかな? いい気分転換になりますし。
あぁ~ 私たちのキックみたいなもんだ。
さすが元高校球児。 えっ!?
手嶋さんって そうだったんですか?
まぁ 一応? へぇ~。
キャッチボールか…。
キャッチボール? はい この辺りで。
1人は20代前半くらいの 男性なんですが。
ハァ…。
キャッチ! キャッチボール。 こうして こうして…。
キャッチボール?
ありますよ 見たこと。 知ってるの?
この辺りで 2人でよく キャッチボールしてました。
ねぇ その2人のうち1人は この人だった?
あ~ そうそう…!
この人は あんまし うまくなかった。
でも エグかったのは もう一人の人 野茂。
野茂? その人 野茂さんっていうの?
違うよ 投げ方がトルネードだったから。
トルネード? 知らないの?
あぁ…。 えっ? えっ?
野茂英雄投手が始めたピッチング。
その人 すんごい うまくてさ
だから俺たち 勝手に野茂って呼んでた。
あっ あだ名か…。 でも
その人 自分でも言ってたよ。
野茂こそが俺の神様だ って。
野茂って何だよ~。
名前 分かったと思ったのに…。
あの…。 ん?
野茂こそが俺の神様だ って
ホントに そう言ったんですか? ん… 何か心当たりあるの?
あ… いや…。
野茂こそが俺の神様だ
おはようございま~す。 おはようございます。
あれ? どうした?
あの… 手嶋さん 知りませんか? 連絡が取れないんです。
はい。
ちょっと 今どこにいるの?
すみません。
今回のことは 自分で まいた種なんです。
どういうこと?
僕は かつて自分がしたことに
落としまえを つけなきゃならない。
手嶋君 きっと 自分を襲った人 分かったんだ。
落としまえ つけるって どういうこと?
いや 私に聞かれても 分かんないよ。
昨日 話したのって…。
野茂! ノも ノも。
野茂って あの野茂か? はい。
確か あいつ 高校野球やってたんだよな。
あっ。
あっ。
手嶋君 キャッチャーだったんですね。
地区大会で決勝戦敗退 甲子園 出場ならず 。
エースのピッチャーが 登板できず 。
ちょちょ… 画面 上に戻してください。
あ~っ!? 何?
ちょちょ… ピッチャーの名前! ほら 梶原真司。
SK!?
♪~
ケータイの番号… 変わってないんだな。
梶原。
梶原なんだろ?
お~ 手嶋か! 久しぶり! 元気だったか?
ああ。 どうした 急に 何かあったか?
あれだろ 誰か結婚すんだろ。
まさか 坂本美加とかじゃないよな。
今思えば どうして うちの野球部のマネジャーは
あんなブスばっか だったんだろうな ハハハ…。
変わってないな。
お前が そうやって 空元気 見せるのは
追い込まれて ピンチの時だって決まってた。
なぁ…。
今から会わないか?
バカ言ってんじゃねえよ 俺を捕まえるつもりだろ。
心配すんな 誰かのせいで俺は今 謹慎中だ。
お前と話がしたいだけだ。
信用できるかよ。
また裏切るつもりだろ あん時みたいに。
違う!
お前を助けたいんだ。
今度こそ。
分かった 会おう。
梶原真司 二十歳のころに
傷害で検挙されてます。 あぁ…。
マエがあったか。 高校の頃から
補導歴も頻繁にあったようです。
えっ 高校球児なのに? 野球一筋だった若者が
甲子園の夢破れて 道を踏み外したって
そういうパターンですかねぇ。
両親は 早くに亡くなったようだが
妹が1人いる。 行こう! まこっちゃん…。
あれ? 遅い!
お兄さんは 染野組の人間なんですね?
あの人にとっては
私より組の人たちの方が 家族なんだと思います。
組長のことを本当の父親のように 慕っていましたし
それに弟分のことも よく面倒見ていました。
それって もしかして…。
この人ですか?
ええ 似てると思います。
もう1枚 ご遺体の写真を 確認していただきたいんですが
よろしいですか?
ええ。
間違い… ありません
池田義人さん。
あの人と いつも一緒にいた弟分です。
まさか… 兄が池田さんを?
あ… まだ そうと決まった わけではありません。
あの… 梶原さんの居場所に 心当たり ありませんか?
さぁ… それこそ
組の人間の方が 知ってるんじゃないですか?
もう一つ 手嶋さんのことをご存じですか?
手嶋さん…。
はい 兄は手嶋さんのことを 恨んでいます。
夢を奪った張本人だから。
恨みですか…。
よくない展開ですねぇ。
ダメだ まだ電源切ってる。
いいか みんな よく聞け。
われわれ身元不明人相談室は 今回の件から 一切 手を引く。
はぁ!? どういうことですか?
特別捜査本部で 今回の発砲事件は
染野組と他の組との 抗争によるものという
見立てになった。 なるほど。
手嶋刑事の失態を もみ消した上に
あの界隈の組を まとめてつぶすって
一石二鳥の方針ってわけですな。
そんなの 手嶋君が納得しません!
それに今は 一刻を争うかも しれないんですよ?
俺もそう思う だが これは上の決定だ。
今回 俺たちは 捜査協力の依頼を受けた
助っ人に過ぎない。 手嶋君を見捨てるんですか?
あとは 一課に任せると 言ってるんだ。
ところで 三田はどうした?
ん?
もしかして…。
あっ どうも。
た… たびたび すいません。
もう一度 組長さんと お話を。
どうぞ。 失礼します。
先日も見ていただいた こちらの方ですが…。
頭悪いんですか 刑事さん。
何回も同じこと 言わせないでくださいよ。
知りません なぁ?
見たこともねえなぁ。 はい 全く。
ハハハ…!
池田義人さん… ですよね?
こちらの組の。 知らねえって言ってんだろ!
あんまり調子乗ると
お姉ちゃんも帰れなくなるよ。
こちらの方みたいに。
分かったら さっさと帰んな。
では… 梶原真司さんのことは ご存じですよね?
さぁねぇ 聞いたこともねえ名前だな。
そのグローブの持ち主です。
あの… 彼の居場所に 心当たりはありませんか?
知らねえよ そんなヤツ! お前
本当に ただの身元捜査官か?
もしかして 暴対の雌犬か?
私は 身元不明人相談室の…。
おい! じっくり話聞いたれや。
はい。
あっ!
おらぁ! うわ~!
うちの若いもんに 手ぇ出してみぃ。
ただじゃ済まさへんから 覚悟しいや。
桜ちゃん 勘弁してよ。
後輩の女性警察官を 一人で行かせたなんて
噂が広まったら 元マル暴の名折れだって
私が昔の同僚に責められます。
何だ てめぇら。
おい! 丁重に おもてなししたれ。
はい!
はいはい… 暴力はダメです。
…って あなた方に言うことほど 無意味なことないんですけど。
上等じゃねぇか!
そこまでだ!
組長さん。 おやっさん。
ここには近づけるなと言ったろ! すんません。
俺がいたら 都合が悪いのかな 田所。
いえ そんなことは…。
お嬢ちゃん 俺に会いに来たんだって?
俺が怖くないのか?
めちゃめちゃ怖いに 決まってるじゃないですか。
正直だな。 でも
もう これしか思い付かなくて…。
た… 助けたい人がいるんです。
その人は 多分 梶原さんと会っています。
自分の過去と決着をつけるって…。
梶原さんは 池田さんを撃った 拳銃を持っていると思われます。
どうしても止めたいんです!
また誰かが 命を落としてしまう前に。
梶原さんの妹さんが 言っていました。
梶原さんは 組長のことを 本当の父親だと思って
誰よりも慕ってたって…。
彼から 何か連絡が あったんじゃないですか?
お願いします! 彼の居場所を教えてください。
分からなければ 何か心当たりはありませんか?
何でもいいんです
何か 手掛かりになるようなことは…。
だから そんなクソガキとは 関係ねえって言ってんだろうが!
では…
池田さんは どんな人でしたか?
彼は 梶原さんと兄弟のように いつも 一緒にいたんですよね?
2人で いつも キャッチボールをしてた…。
もし 梶原さんが池田さんを 撃ってしまったんだとしたら
今 どんな思いでいるのか…。
2人が何をしようとしたのか…。
何で こんなことに なってしまったのか…。
知らなくていいんですか?
彼らは 組長にとって
あなた方にとって
本当に 赤の他人なんですか?
そうだ。
俺たちは この組を 守らなきゃならねえんだ。
もし 仮に てめぇの言う通り だったとしても
認めるわけにはいかねえんだよ。
あいつらだって それを望んでるはずだ。
ヤクザの絆なんて そんなもんですか!
だったら 私たちの方が よっぽど強いですね!
なに?
亡くなった人の気持ちが 分かったようなことを
軽々しく言わないでください!
このアマぁ!
もういい! 田所。
お嬢ちゃん 見て お分かりだと思うが
この組は もはや虫の息だ。
生き残るためにはよ
どっかの大所帯の組と 杯を交わしてだ
そこに 吸収してもらうしかねえんだ。
うちを引き受けてくれる デカい組っつうのは
ここ最近 麻薬の売り買いで 勢いづいてるとこでねぇ。
おやっさん そういう話は…。
俺は この稼業 50年はくだらねえが
そこだけは手を出さねえって 意地があったんだ。
そうでしたね。
けど 生き残るためには 仕方がねえんだって
諭されてなぁ。
でもよ…。
このクソガキと 兄貴分の2人はよ…。
おやっさん!
それだけは絶対ダメだって 言ってくれたんだ。
おい 啓次郎! おやっさん 連れていけ!
おい!
これと同じの 彫らせてくれって
言ってくれたんだ。
事務所をやってく資金繰りが 厳しいんなら
自分たちで何とかしますって 言いやがってよ。
親父 いいかげんに…!
落ち着いてください! おとなしくしろ!
ちょっと前にな 梶原から連絡があったんだよ。
こんなことになって すんません って なぁ。
あのバカ いいから早く戻ってこい って言ったんだよ。
俺が守ってやるってな。
でも そのまま何にも言わずによ 切りやがった。
居場所は聞いてねえ。
ただ 後ろから町田市役所の アナウンスが聞こえてた。
町田市役所…。 2人の学校の近くだな…。
全く あいつら… 最近の若いもんにしちゃあ
義理堅いヤツらだよ。
2人とも間違いなく うちの組の者です。
俺のかわいいバカ息子たちだ。
今日をもって
この染野組は 解散する!
悪いな 田所 俺の最後のわがままだ。
おやっさん。
俺も焼きが回ったぜ。
お前みたいな小娘に 引導を渡されるとはよ。
ハハハハっ。
池田の亡きがらは 俺が引き取らせてもらう。
あとは…。
梶原を助けてやってくれ。
頼む。
はい!
郷山高校…。
分かった。
こちらは町田市役所 防災町田です。
気温が上がり
熱中症の危険性が高まっています。
♪~
梶原! 俺だ。
梶原!
間抜けだなぁ 手嶋刑事。
梶原。 >> マジで 一人で来たのかよ。
お人よしにも程があんだろ。
お前は刑事に向かねえよ 手嶋。
久しぶりだな。
ああ。
こんな再会はしたくなかった。
俺は結構楽しいぜ お前のつらそうな顔が見れて。
で 俺に話って何だよ。
何で こんなマネしたんだ。
あの射殺事件 ホントに お前がやったのか。
ああ そうだ 俺があいつを殺した。
組を守るためには どうしても金が必要だった。
お前から奪った拳銃を使って
現金輸送車を襲う計画だった。
やっぱり出直そう 今更 何言ってんすか
想定より 警備の人数が多過ぎる
これじゃ無理だ
何 ビビってんすか やめろよ 池田
だったら俺一人で行きますよ やめろ 池田
放せって!
銃声
義人? 義人?
義人~!
俺は あいつを…。
お前は 池田を止めようとしたんだな?
だったら
自首するんだ。
拳銃を奪って現金輸送車を 襲おうとしたことは
許されることじゃ ない。
でも 殺人罪にまでは問われない。
今からでも やり直せる。
頼む 自首してくれ 梶原。
やり直せる? また それかよ。
お前は あの時も そう言って 俺から夢を奪ったんだ。
地区大会 決勝戦前
お前が 監督にチクりさえしなければ
俺はマウンドに上がれた。
お前は 肘に爆弾を抱えてた。
予選からの連投で もう限界だった。
それでも… それでも 俺は投げたかった!
それが最後になったっていい。
ずっと 甲子園に行くのを目標にして
俺は野球しかしてこなかったんだ。
別のヤツがマウンドに上がって
試合に負けた時の気持ちが 分かるか?
いいよなぁ お前らは。
グラウンドで悔し涙が流せて。
俺は
お前に あそこで 終わってほしくなかった。
甲子園に行けなくたって
お前なら 大学や社会人野球で…。
簡単に言うなよ!
現実 そんな甘くねえんだよ。
やり直せる? ふざけんなよ!
義人まで死なせちまって…
今更 何をやり直せるってんだよ!
バッテリーってのは 一心同体なんだよな?
だったら 一緒に死んでくれよ。
待ってください!
真さん!
今の話
全部聞きました。
てめぇ…。
もし俺が死んでも
事件の真相は 知らせなきゃならない。
俺は刑事だからな。
梶原さん あなたは
彼のことを憎んでなんか いないんじゃないですか?
拳銃を奪った相手が 手嶋刑事だったのは
ただの偶然だった。
あの現場には 鉄パイプも落ちてました。
でも使われたのは 木の角材です。
手嶋刑事と分かって 手加減したんじゃないですか?
現金輸送車を襲うのをやめた 本当の理由も
彼の拳銃を犯罪に使うことを ためらったからじゃないですか?
でも そのせいで池田さんが あんなことになってしまって
今のあなたは 悔やんでも悔やみきれずに
やり場のない怒りを
手嶋刑事に ぶつけているだけじゃ ないでしょうか。
でも本当は…
彼に助けを求めてる。
うるせぇ!
てめぇは また俺のやろうとする ことを邪魔しやがって。
何で あそこに お前が現れたんだよ。
お前じゃなかったら 遠慮なく 銃ぶっ放して
金 奪って組を守れたはずだった。
そうすれば義人だって…。
何なんだよ お前は。
分かってるよ。
12年前も今も
俺は全部 お前のせいにして 逃げてるだけだって…。
悪かったな 淳之介。
よせ!
く… 組長から あなたに伝言です。
今まで ありがとうよ だが
染野組は解散する。
いいかげん親離れしやがれ このクソガキ。
お前にヤクザは向いてない 。
あっ そのボールは
組長からの餞別です。
悪いけど俺は 12年前のことを 間違ったと思ってない。
今でも お前なら やり直せるって 信じてる。
お前の生き方を 刑事として認めることはできない。
今回 お前がしたことを 絶対に許すわけにはいかない。
でも…
それでも やり直せる!
勝手なこと言うなよ 無理に決まってんだろ。
できる!
二度と立ち上がれないような つらいことがあっても
歯を食いしばって
笑って前に進もうとしている 人のことを
俺は知ってる!
真っすぐな その人は 昔のお前に よく似てる。
どんな相手でも逃げずに バカの一つ覚えみたいに
ストレートで 真っ向勝負してた お前に。
♪~
あぁ…!
また戻れるのかよ…
楽しかった あの頃みたいに。
戻れる。
お前なら絶対に やり直せる!
負けんなよ 真司!
拳銃は2丁あった。
池田を撃った銃は 近くの川に捨てた。
この銃は 1発も撃ってない。
そうか…。
♪~
梶原さん
あなたには 帰る場所があります。
♪~
お兄ちゃん。
ごめん 灯里。
♪~
淳之介。
最後に いいか?
♪~
随分 なまっちまってんな。
うっせぇよ。
♪~
一人でムチャして。
みんな どんだけ心配したと思ってんの?
ホントに… すいませんでした。
うっ…。 次は許さないからね。
はい。
はい 構えて。
ほい どうだ おら!
今日は 月本と 一緒じゃないのか キック。
あ~ ちょっと お腹痛くて。 大丈夫ですか?
…ってことにして 行くの やめたんです~ フフフ。
ねぇ せっかく事件も解決したし
みんなで 何かおいしいものでも 食べに行きません?
悪いけど 俺 用事あるから。 え~!
お先に。 お疲れさまで~す。
堀口さん 今日は大事な用があるんですよ。
あ~!
私で よかったら お付き合いしますよ。
え~ 行きましょ 行きましょ!
ねぇ 室長も。 失礼します どうも。
利根川組は 今日で解散する。 何です 急に。
言うことを聞かない 部下のせいで
今 一課長から散々嫌みを言われて もうやってられん!
そんなこと言わずに かわいい子分のために
頑張ってください 組長! ゴチになります!
ゴチになります! 行かない 行かない。
♪~
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