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♪~ にゃにゃにゃにゃ
♪~ にゃにゃにゃにゃ
♪~ フンフン フンフン にゃん
♪~ にゃにゃにゃにゃ フンフン
♪~ にゃにゃにゃにゃ にゃん
♪~ にゃにゃにゃ
♪~
キャ~!
うわ~! キャ~!
すいません。 キャ~!
新宿の路上で
頭から血を流して 倒れていたそうだ。
所持品は 何もなし。
スマホも財布も? うん。
周囲をくまなく探したが 見つからなかったそうだ。
自殺で間違いないんですか? うん。
防カメに1人でビルに入っていく 彼女の姿が写っていた。
服装とメイクの特徴から
トー横キッズの可能性が 高いとみて
所轄が聞き込みを行ったが
今のところ 身元の特定には至っていない。
トー横キッズって あの 昼間から集まって
地べたに座り込んでる 顔色の悪い連中のことでしょ?
顔色が悪く見えるのは この地雷系メイクのせいです。
地雷… そういう 名前なんですか? このメイク。
薬物摂取やらで 過去に 何度も摘発や補導が行われてる。
所轄にとっちゃ トー横キッズの存在自体が
地雷みたいなもんだ。 でも 家出してたなら
ご家族が 捜してるかもしれませんね。
ん~… 行方不明者届は出てないな。
身体的特徴で 検索かけただけだけど。
ほい。 ありがとうございます。
取りあえず トー横 行って 話 聞いてきます。
行こう まこっちゃん。 気を付けろよ。
われわれ警察は 相当 嫌われてるらしいから。
大丈夫です 私たち 年齢も近いですし…。
私 年齢近いですし。
何で 言い直した?
メイド喫茶は いかがですか?
すいませ~ん すいません。
警視庁身元不明人相談室の 三田です。
月本です。 警察?
ちょっと お聞きしてもいいですか?
よくないで~す。 よくないで~す。
マネすんな。 バイバ~イ またね~!
すみません ちょっと お伺いしたいことが…。
今 警察に声かけられてま~す!
職質 イェ~イ!
この子のこと 知りませんか?
キイちゃん?
あぁ キイちゃん キイちゃん。
彼女のこと ご存じなんですか? 本名は?
ハハハ…! ハハハ…!
本名なんて 俺ら 誰も知らねえし。
それな。
おはよう。 ねぇ 聞いて聞いて。
昨日 オジとの約束ブッチしたのに バカ連絡来るんだけど。
バリ キモくな~い?
あっ。
この子の身元を調べてるんだ。
早瀬所長!?
おかえりなさいませ お姫さま。
あぁ いらっしゃい 郁美ちゃん。
郁美ちゃん…。 ただいま。
いつものお願い。 常連さん…。
トー横の子たちが 通ってるって聞いて
たまに のぞくの。
いつも お店来る子たちの悩み
聞いてくれるんですよ 郁美ちゃん。
えっ? あの子たちと 会話ができるんですか?
地雷 踏まずに? …っていうか
どうして そんなことを?
まぁ… ちょっとした罪滅ぼしかなぁ。
あっ そんなことより ねぇ この子 知らない?
あぁ キイちゃん。
何度か お店 来てくれたことありますよ。
ホントですか!?
これ。 失礼します。
彼女のご家族と 連絡を取りたいんです。
連絡先…。
あぁ ハルピなら知ってるかも。
ハルピ? キイちゃんと一緒に
ネカフェに住んでたんじゃ なかったかなぁ。
この子。 この子がハルピ…。
じゃあ このハルピちゃんって子を 探し出せば…。
無理ねぇ 今のあなたたちには。
え?
あの子たちは 見抜くの。
いつも
大人の顔色をうかがってきた 子たちばかりだから
色眼鏡で見たり こびを売ったり 見下したりしたら
すぐに 心を閉ざしてしまう。
じゃ どうすれば…。 まずは
ありのままの あの子たちを知ること。
…かなぁ。
ありの… まま。
メイドカフェ どうですか? カラオケあります どうですか?
あっ。
いた。
ハルピちゃんだよね?
警視庁身元不明人相談室の 三田です。
月本です。 警察…。
お友達のキイちゃんが 亡くなったこと
ご存じですよね?
ご遺骨を家族の元に おかえしするために
身元を調べてるの。
連絡先 知らないかな?
知らない。
そのリュック…。
あっ もしかして キイちゃんのスマホ?
そのスマホ 確認させてくれないかな。
あり得ないし。 どうして?
キイちゃんは…
家になんか帰りたくないよ 絶対に。
またね! バイバ~イ
取りあえず 今日のところは引き揚げよう。
キイちゃんのアカウントから 何か掴めるかもだし。
桜?
私 もう少し ここで。
むちゃしないでね。 うん。
♪~
はい キイちゃんのケータイ番号。
SNSのアカウントにログインして 登録情報を調べたら
番号が ひも付けられてた。
さすが 菜津。
だれか優しい人
ネカフェ代とご飯代 助けてほしいです。
お願いします 。
やっぱり出ないか。
あと これ。
通信会社からの回答。
キイちゃんのスマホを 契約してたのは
森川真守って男だった。
住所も分かったけど。
森川真守?
キイちゃんのお父さん?
お父さんではなかった…。
あぁ…。
自宅を訪ねたけど そんな子 知らないって。
奥さんから隠れるようにして 追い返された。
そっか… じゃあ そいつから
何かを聞き出すのは 難しそうだね。
うん… やっぱり ハルピちゃんを説得して
あのスマホを 手に入れるしかないね。
うん。
あの街では 珍しいことじゃないって…。
昨日まで楽しげにしてた子が
突然… キイちゃんみたいに。
あの子たち… 自分の命には価値がないって
思ってるんじゃないかな…。
でも本当は 誰かに認められたい。
私は ここにいるよって…。
確かに早瀬所長は
ありのままのあの子たちを 知るべきって言ってたけど。
だから まずは私が
トー横のみんなの ありのままになる!
そういうことじゃない気も…。 あっ!
ハルピちゃん!
こんにちは。 何 その顔。
バカにしてんの? いやいや…
そんなつもりじゃ…。 あの… この子は
大真面目なんです。
大真面目? これでも必死に考えて
彼女なりに みんなの気持ちを 理解しようと努力してるんです。
その結果が… これ?
ハハハ…!
ヤバイって バカ過ぎるよね ダメ? 違う?
まず 濃過ぎ。
あと あり得ないぐらい目元が変。
え? いいんじゃん
ねぇ よくない?
まぁ これが限界かな。
え~っ!?
えっ すごっ ハルピちゃん メイク うまいね。
キイちゃんは もっと上手だった…。
マシ マシ マシ ねぇ キイちゃんのスマホ
ちょっとだけ貸してくれない? 嫌だ。
あ… じゃあ 彼女のご家族のこと 何か知らない?
知らない。
地元の友達とか 知り合いとかは?
知らない。
住んでた場所とか聞かなかった? 通ってた学校とか…。
スマホは どうしてハルピちゃんに?
分かんないよ そんなの。
どこの誰とか 何でここに来たとか
うちら そういうの干渉しないから。
そうそう 彼女は
ホントに 家に帰りたくなかったのかな。
そうだよ それは間違いない そう言ってたもん。
どうして? え?
どうして 帰りたくなかったのかな。
それは…。
干渉しないなら
そんなスマホ さっさと手放しちゃえば?
そうしないのは あなたも本当は
キイちゃんのこと 知りたいからじゃないの?
私たちが必ず突き止めるから 協力して。
無理だよ。
キイちゃんは もう死んじゃったんだから。
できます。
それが 私たちの仕事なの。
またね~! バイバ~イ!
ハルピ またね。 バイバ~イ!
ハルピ これ持ってて
ん? どっか行くの? うん ちょっと
ねぇ また後でメイク直して
もういいかげん 自分で できるようになってよ
だって キイちゃんの方が 圧倒的に うまいしさ
ありがとね
バイバ~イ
森川真守に 話を聞いた?
はい。 え? 何で?
え? あぁ それは…。
最近 トー横の子たちを利用して
金もうけをたくらんでいる 連中もいるので
その取り締まりの中で 事情聴取を。
偶然?
え… ええ。
あ… スマホは 連絡用に持たせたそうです。
彼女とは 何度か食事をした 程度だそうですが
その時 地元の話を聞いたと。
静岡県の御殿場市と 言っていたそうです。
ありがとう!
え… あの!
何やってんだよ。
情報と引き換えに 食事に誘えって言ったろ。
すいません でも 力になれてよかった。
フッ …ったく。
ありがとうございます 心配していただいて。
バカ お前のためじゃねえよ。
え?
いつまでも あいつらの面倒 見てられねえからな。
静岡県御殿場市か。
はい。 ということで いってきます。
待て待て… 待て! 今行ったって らち明かないだろう。
御殿場ったって広いんだから。 でも…。
あっ。
ハルピちゃん!
これ…。 えっ いいの?
ロックかかって見れないけど。
助かります。
その代わり
キイちゃんの地元 私も行く。
私 知りたい…。
キイちゃんが 何で私にスマホを渡したのか…。
だから 一緒に連れてって。
あのね お嬢ちゃん 申し訳ないんだけど
一般市民を捜査に巻き込む わけにはいかないんだよ。
おじいさんには頼んでないから!
おじいさん?
おじいさん!? そう見えてるんですよ。
おじいさん!? まぁ落ち着いて じいじ。
あんたに言われたくないよ。
ハルピちゃん… 気持ちは分かるけど
後は 私たちに任せて。
よし 始めますか。
うわぁ! びっくりした!
ついてきちゃった!?
すいません こんな目立つ格好の 素人に尾行を許すとは
三田 桜 一生の不覚です。
ドンマ~イ。 ドンマイじゃないよ!
おい すぐ帰らせろ。 いやいや それが…。
彼女は たまたま
ここに旅行で来ただけだって 言い張るんです。
どうしたらいいでしょうか?
うぅ…。
うぅ… それはだなぁ…。
彼女を連れて いったん戻りましょうか。
もういいよ!
たまたま行った先が 同じだったんだよな?
だったらしょうがないよ いいか?
くれぐれも その子が トラブルを起こさないよう
十分注意して 捜査 進めろ。
了解!
…というわけだから。 クソじじい。
私 別に トラブルとか起こさないし。
許してもらったんだから 贅沢言わない。
…ったく! 三田のヤツ
最初から こうなるように仕向けたな。
じゃなきゃ気付きますよね あんなメイクで尾行されて。
亡くなった友達のことを 知りたいっていう
ハルピちゃんの思いを 無視できなかったんでしょ。
フッ 桜らしい。
そういうことだったのか。
やられたな~。
ハハハハっ。
よく言いますよ 分かってて許したくせに。
孫には甘いからねぇ じいじは。
あのなぁ! ハハハ…!
で 人探しのプロは これから どうするの?
一人一人 声掛けて キイちゃんを知ってる人を探す。
ウソでしょ?
すいません ちょっと お聞きしたいんですけど。
はい。 この子をご存じありませんか?
普通 …ってか地味!
すいません ちょっと お尋ねしたいんですけど。
この子 見たことありませんか?
何がいいんだか さっぱり分かりませんが
彼女にとっては 大事なものだったんでしょうね。
15万ある… 何だ この大金は。
考えたくはないですけど
パパ活ってやつですかねぇ。
この子をご存じありませんか?
知らないです。 ありがとうございます。
すいません!
いや 見覚えないっすね。
あぁ… ありがとうございます。
どこかで見た記憶ありませんか?
分からないよ ごめんね。
いいえ ありがとうございました。
ダメだ…。
今日は もうおしまい? まだまだ。
でも その前に 大事なこと済ませよ。
大事なこと?
いただきます。 いただきます。
うおっ。
ん~ 生き返る~!
それ 食べづらくないの?
ちょっと… どうした?
おいしい。
おいしくって泣くの?
いつも ネカフェの 無料のカレーしか食べてないから。
ハルピちゃんはさ
何で トー横 行くようになったの?
SNSにアップされてた動画 楽しそうだったから。
みんな 動画見て集まってくるんだ。
どうせ家にも学校にも 居場所ないし
やりたいこともないし。
トー横に行けば 取りあえず誰かに会えるから。
そっか…。
最初に このメイクした時の 親と先生の驚いた顔
マジ ウケたわ。 いやいや そりゃそうでしょ。
突然そんな…。
そっか。
こっちにいた時のキイちゃんも
最初は そういうメイク してなかったはずだよね?
うん。
メイク前の写真?
今のところ
SNSには 1枚もないなぁ。
これでいいですか?
おっ! 晴さん いつの間に。 お~!
こんなこともあろうかと
ノーメイクのパターンも 用意しておきました。
さすが 晴じい!
晴じい! 桜 今からデータで送る。
どう? すごい。
スッピンのキイちゃんだ。
誰が描いたの?
相談室にいた あの小っちゃいおじさん。
えっ!? フフっ。
あのおじさんたちもね やる時は やるんだよ フフっ。
こっちも負けてられん! 聞き込み再開じゃ!
ロック解除 できたよ。
ありがと! あと これは
LINEのトーク履歴を テキスト化したものです。
おぉおぉ おぉおぉ これは助かる。
へぇ~ バ先のオジが
ハタチのタンプレ 渡してきてマジキモ 。
めっちゃプルい リップ見つけた!。
キィちゃんしごできすぎ! 。
これが若者言葉か。
既に 専門家を 手配してあります。
バ先のオジが ハタチのタンプレ
…っていうのは バイト先のおじさんが
二十歳の誕生日プレゼントを 渡してきた 。
マジキモ」は? マジ キモい これは分かる。
プルいリップ」は 唇がプルプルに見えるリップ。
しごでき は 仕事できる人。
あぁ…。 晴さん 絵がうま過ぎて
しごでき~。 ハハハ…!
はい はい 私 しごできで~す。 しごでき~!
どう?
動画が結構ありますね。
♪~ にゃにゃ~にゃ にゃ~にゃ にゃ~にゃ
♪~ にゃ~にゃ にゃにゃにゃ~
ん? これも若者言葉? あっ 違いますね。
誰か 推しのアイドルの歌かも。
鼻歌検索してみれば?
鼻歌検索? 鼻歌で楽曲が特定できるよ。
どうぞ。
♪~ にゃにゃ~にゃ に~に ににゃ
♪~ にゃにゃ~にゃ にゃ~
♪~ にゃにゃ~にゃ にゃ~にゃ…
該当する楽曲はありません。
あっ キイちゃんの歌を
スマホから 直で聞かせればいいか。
わざとでしょ。
ありがとうございました。
あっ すいません ちょっと お尋ねしたいんですけど
この子に見覚えありませんか?
見たことない… かなぁ。 あぁ…。
ちょっと見せてもらっても いいですか? もちろんです。
似てる感じの子は いるんですけど。
ホントですか?
ありがとうございました。
ハァ…。
あ… あの…。
あ… あの… すいま…。
あの… すいません。
あの… あの…。
あっ あの… あの…。
この子 知りませんか?
いや~ 見たことないな。
ごめんね。 よし!
ありがとうございます。
もしもし まこっちゃん?
え? 校歌?
そう キイちゃんが 校歌を歌ってる動画があって
学校名を聞き取ろうと 頑張ってんだけど
今のところ ちゃんと聞き取れたのは
永妻っていう地名だけで…。
♪~ 永妻よ
永妻…。
おぉ! ここで合ってる!
永妻にはね 小学校 中学校 高校が合わせて…。
20校あって 今 みんなで 手分けして問い合わせてる。
あぁ 結構あるんだね…。
分かった 私も こっちで調べてみる。
うわっ!
知ってるって キイちゃんのこと。
えっ ホントですか!?
この人ですよね? はい。
高校の頃 バスが一緒で。
それで いつもノートに 女性の顔を描いてて
それが すごい上手だったから 覚えてます。
同じ高校だったんですか?
いや 彼女とは別で。
えんじ色のブレザーを着てました。
きた… ねぇ まこっちゃん 聞こえてる?
うん 調べてる。
永妻の高校で
えんじのブレザーは…。
永妻西高校しかない!
ハルピちゃん ナイス!
あの… ホントに ありがとうございました。
奈良岡です 間違いないと思います。
奈良岡紗季さん。
キイちゃん 紗季ちゃんだったんだ…。
奈良岡は あまり積極的に クラスの輪に入るような
タイプではなかったと思います。
確かメイクアップアーティストを目指して
東京の専門学校に 進学したんじゃなかったかな…。
彼女のご実家の住所 分かりますか?
はい。
ここだ。
どちらさま?
警視庁身元不明人相談室の 三田です。
紗季… あの子に間違いないんですか?
残念ですが…。
そんな…。
娘さんのご遺骨を 引き取っていただけませんか?
あ… はい… それは。
娘じゃねえし。
紗季は 前の夫との子で…。
引き取ったら引き取ったで いろいろ金かかんだろ。
面倒見てやったのに
勝手に出てったんだから
今更 死んで戻ってこられてもさ 迷惑なんだけど。
まぁ そういうことだからさ。
帰って。
よろしいんですか?
いいから帰れっつってんだよ!
では 今日は これで失礼します。
待った。
やっぱ引き取るわ。
え?
引き取るよ。
♪~
あんなヤツんとこに キイちゃん かえしたくない。
あいつ
キイちゃんが持ってた 15万が目当てなんだよ。
あれは メイクのバイトで
キイちゃんが ちょっとずつ ためてたお金なんだよ。
両親は 引き取ると言ってるんだろ?
でも…。
お金目当てなんですよ。
まともに供養するとは思えません。
それでも ご遺族が引き取ると 言っている以上
それを拒む権利は われわれには ない。
ご遺骨をおかえしした上で
紗季さんが安らかに眠れる環境を 整えてもらうよう お願いする。
われわれにできるのは そこまでだ。
どうするの? これから。
ハルピちゃんは もう帰りな。
桜さんは? ん。
これで帰って。
え?
ちょちょ… 何してんの?
ここに泊まる。 はぁ?
慣れてるから。
ごめんね こんな場所で。
急だったから ホテルとか空いてなくて。
大丈夫 シャワーもトイレもあって快適。
それに 一度キャンプしてみたかったし。
学校で やんなかった?
行かなかった。 そっか。
高2の時
私が トー横で遊んでる動画が アップされて
それをクラスの子が見ちゃったの。
それで
あいつはパパ活やってる って 噂になっちゃって
学校に行けなくなった。
そしたら お母さんが
行かないなら 学費 もったいないから
やめろって。
ん…。
ん?
お~!
初キャンプ記念。 イェ~イ。
ハハハっ。
あぁ いいねぇ。 フフフ。
う~ メイクが微妙。
そう?
キイちゃんがいてくれたらなぁ。
ん! はい どう?
めっちゃいい! ありがと キイちゃん
あぁもう マスク着けたら意味ないじゃん
ハルピ ノーマスクの方が 絶対かわいいのに
無理 無理 無理! ノーマスクとか 一生無理!
写真 撮ろう~ マスク取ってよ
む~り~
カメラのシャッター音
推しが死んじゃったからだと思う。
ん?
キイちゃんが死んだ理由。
え… 推しってアイドルとか?
ううん この人。
え… このキャラ?
うん。
キイちゃん このキャラが大好きで
ずっと追いかけてた…。
でも
この前 娘を守って 壮絶な死を遂げたの。
このキャラが? そう。
キイちゃん 相当 落ち込んでたから。
分かんないよね? そういうの。
うん ごめん… すぐには ちょっと。
だよね。
でも…
それが真実なんだと思う。
だって キイちゃんと 一番親しかった
あなたが言うんだから。
親しくなんかないよ。
え?
私
キイちゃんに言えなかった。
何を?
推しがいなくなっても
キイちゃんには 私が そばにいるからって。
そんなこと言ったら
ウザがられて 嫌われちゃうかと思って。
怖くて…。
私
ずっと それで失敗して
独りぼっちだったから。
キイちゃんのこと…
信じることができなかった。
ごめんね。
ごめんね キイちゃん。
軽はずみなことが 言えなかったのは
それだけ あなたが
キイちゃんのことを 大切に思ってたからだよ。
あなたにとっての推しは
キイちゃんだったんだね。
キイちゃんのスマホのロック 解除できたんだって。
写真フォルダに 何が入ってたと思う?
え?
さっき転送してもらった。
♪~
あなたの写真で いっぱいだね。
♪~
きっと あなたに スマホを渡したのは
もっと 自分に自信を持ってほしいって
伝えたかったんじゃないかな。
ハルピ。
推しがいなくなっても あなたは
いなくならないでね。
私がいい方法 教えてあげる。
まずはね とにかく おいしいものを食べること。
毎日毎日 おいしいものを食べるの。
そしたら 何とか生きていけるから。
生きていれば また必ず推しに巡り会えるから。
桜さんにも 推しいる? フフフっ いるよ。
イケメン? ハハハハ! うん。
すんごい イケメン ハハっ。
たまに天然なところもあるけど。
あぁ~もう また間違えた~。
あぁ! あぁ ちょちょ…!
あぁ~!
いいな~。
推し活の幸せってやつだ。 ハハっ うん。
あっ あとね ムシャクシャした時には
これに限る。
シュっ! シュっ シュっ!
フフっ。 え? 何それ。
ほれ ハルピも やってみ。
いいよ 私は。 ごちゃごちゃ言わないで
はい 立つ!
トー横にはさ 危ない大人も たっくさんいるんだから。
ほれ! 自分の身は自分で守んないと。
ワン ツー! ワン ツー!
よける! ハハハ…!
いいじゃん いいじゃん。
で
いつ持ってきてくれんの?
あいつの遺骨。
その件ですが…。
所持金と同じ額です。
お受け取りください。
その代わりと言っては なんですが
紗季さんのご遺骨は
こちらで 供養させて いただけないでしょうか?
あっ そう。
後は お前に任せるわ。
にしても
若気の至りっての?
生意気なこと言って 家 飛び出して
結局 死んじまうんだかんな。
かわいそうにな フフ…。
キイちゃんは
かわいそうなんかじゃ ない。
ハルピ。 あ?
あんたにDVされて
家を出るしかなかったんじゃん!
DV? 何 言ってんだ。
適当なこと言ってんじゃねえぞ このブス!
キイちゃんは 何も話さなかったけど…。
キイちゃんの体
あざが いっぱいあった。
本当なの?
それは…
しつけだ しつけ!
お前が ちゃんとしてねえから
俺が代わりに やってやったんじゃねえか。
それでも
キイちゃんは かわいそうなんかじゃなかったよ。
どこが。
ホントは 生きててほしかったけど
でも
大好きな推しと一緒に 死んだんだから…。
あんたと一緒に 死んでくれる人がいる?
あんたが死んで 泣いてくれる人がいる?
少なくともキイちゃんには
そういう仲間がいたよ。
あんたなんかより
キイちゃんの方が よっぽど幸せだったんだから!
うるせぇ このガキ!
うっ… あぁ…。
こ… この…。
おい! 暴行事件だぞ!
お前 警察だろ! こいつ逮捕しろ~!
すいません 今 足ぶつけて痛くて 見てませんでした ごめんなさい。
お前ら このままで済むと…。
もうやめて!?
彼女は…
ハルピちゃんは
ずっと紗季さんに 支えられていたんです。
紗季さんも
ハルピちゃんと出会って 救われたと思います。
少なくとも 彼女と一緒にいる間は
楽しい時間を過ごせたと。
でも
それ以上の黒い衝動が
紗季さんを連れ去ってしまった。
紗季さんが亡くなって
一番 悲しんだのは彼女です。
そして
一番 後悔したのも…。
正直 申し上げて
紗季さんが 心から安らげる場所は
ここではないと思います。
紗季さんのご遺骨は こちらで引き取らせてください。
お願いします。
紗季のこと…
よろしくお願いします。
あの…。
このお金も 紗季のために使ってください。
何 勝手に…。 あなたが死んだら
私だけは泣いてあげるから。
あの子のために
そこまで言ってくれて ありがとう。
紗季の供養
どうか よろしくお願いします。
はい。
♪~
こんにちは。
早瀬所長! ハルピちゃん。 お~! ハハっ。
彼女 実家に 戻ることにしたそうよ。
その前に みんなに挨拶したいって。
そっか トー横 卒業だ。
桜さん 皆さんも ありがとうございました。
気にすんなって。
俺たちは 俺たちの仕事しただけだぜ。
だって 俺たちは しごできのイケオジだからさ。
よっぽどショックだったんだよ
おじいさん って呼ばれて。 かえって痛々しいですよ。
あっ そうだ。
はい これ。
私も マスクしてない方が 好きだな。
これから どうするの?
えっと…。
彼女 メイクの勉強をしたいそうよ。
あぁ~。 えっ ホント?
キイちゃんには 及ばないかもだけど
やれるとこまで やってみようかと。
少年育成課に相談したら 学校の紹介も してもらったわ。
あ~ そうなんだ! じゃ お祝いにさ
おいしいランチでも 食べに行こうよ ねぇ!
無理です! 無理 無理! 何で?
そんな恐れ多いことできません。
恐れ…?
そんな見つめられたら 神々し過ぎます。
神々しい? 神々しい…。
もしかして 三田のこと推してる?
はい!
全力で。
うわ~! 私だ!
えっ あのキャンプの時のやつ?
え~ すごくない?
ゾッとする。 ゾッとする は ひどくない?
じゃあ 頑張ってね ハルピ。
美晴です。
私の名前
樋口美晴です。
ステキな名前だね。
♪~
頑張ってね… 美晴さん。
♪~
お疲れ 何か食べに行こっか。
いや~ そんな恐れ多いです。 はぁ?
キャっ! 私は あんたの推しか!
ハハっ。
待ってよ~ 何食べる? 何食べたい?
じゃ それも調べといて。 \分かりました/
あぁ 堀口さん!
実はですね 真さんが大好きな
ビリヤニ料理の専門店 見つけちゃって。
そうか よかったな。
♪~
Can't find what you're looking for?
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