All language subtitles for 光る君へ - E21 旅立ち - [1440-FHD@KTGMC-slw.NV7-h264_qvbr 280_u p7][字]
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1
00:00:05,138 --> 00:00:08,842
(藤原実資)
伊周殿をお迎えに上がりました。
2
00:00:12,980 --> 00:00:17,818
中宮様を牛車にお移しまいらせ
屋敷内を くまなく あらためよ。
3
00:00:17,818 --> 00:00:21,121
(一同)はっ!
こちらへ。
4
00:00:23,290 --> 00:00:27,294
中宮様 何をなさいますか!
(藤原定子)寄るな!
5
00:00:31,632 --> 00:00:34,301
(高階貴子)ああ…。
6
00:00:34,301 --> 00:00:36,603
(髪を切る音)
7
00:00:41,975 --> 00:00:47,281
(悲鳴)
8
00:00:53,320 --> 00:00:56,990
出家いたします。
9
00:00:56,990 --> 00:00:59,993
(ききょう・小声で)ああ…。
(まひろ・小声で)ききょう様。
10
00:01:01,595 --> 00:01:06,600
どうして… 中宮様…。
11
00:01:14,608 --> 00:01:19,279
(一条天皇)
中宮が 自ら髪を下ろしたのか…。
12
00:01:19,279 --> 00:01:21,949
(藤原道長)そのようでございます。
13
00:01:21,949 --> 00:01:24,618
誰も止めはしなかったのか!
14
00:01:24,618 --> 00:01:29,957
一切の責めは この私が負うべきこと。
15
00:01:29,957 --> 00:01:32,626
この身が至らぬゆえのことでございます。
16
00:01:32,626 --> 00:01:35,963
おわびの申し上げようとてございませぬ。
17
00:01:35,963 --> 00:01:38,966
お前を責めておるのではない。
18
00:01:41,635 --> 00:01:44,938
朕のせいである。
19
00:01:46,506 --> 00:01:51,812
中宮は 朕に腹を立て
髪を下ろしたのであろう。
20
00:01:51,812 --> 00:01:55,649
伊周は まだ そう遠くには
行っていないと思われます。
21
00:01:55,649 --> 00:02:00,387
都の内外に追っ手を遣わし
必ず捕らえます。
22
00:02:00,387 --> 00:02:05,192
朝廷の権威を踏みにじった
伊周の行いは許さぬ。
23
00:02:09,596 --> 00:02:14,935
事の重大さもわきまえず
いきなり髪を下ろし➡
24
00:02:14,935 --> 00:02:19,239
朕の政に異を唱えた中宮も同罪である。
25
00:02:39,960 --> 00:02:43,630
(一条天皇)愚かであった…。
26
00:02:43,630 --> 00:02:50,971
中宮は もう 朕には会わぬ覚悟なのか…。
27
00:02:50,971 --> 00:03:04,251
(泣き声)
28
00:03:04,251 --> 00:05:47,948
♬~
29
00:05:49,616 --> 00:05:52,953
(藤原宣孝)その場におったのか?
30
00:05:52,953 --> 00:05:55,288
庭に潜んでおりました。
31
00:05:55,288 --> 00:05:59,793
ならば 伊周が逃げるところも見たのか?
よく覚えておりません。
32
00:05:59,793 --> 00:06:01,728
いや 見ておったのであろう。
33
00:06:01,728 --> 00:06:07,901
いろいろなことが 一度に起きて
何が何だか よく分からぬうちに…。
34
00:06:07,901 --> 00:06:11,771
中宮様のお気持ちも分からぬ。
御髪を下ろされたのなら➡
35
00:06:11,771 --> 00:06:16,243
もう二度と 帝にはお会いになれぬのだぞ。
36
00:06:16,243 --> 00:06:19,246
中宮様のお顔は存じ上げぬが➡
37
00:06:19,246 --> 00:06:23,383
あれだけ帝のお心を
引き付けられるのじゃ。
38
00:06:23,383 --> 00:06:25,752
すこぶる よい女子なのであろう。
39
00:06:25,752 --> 00:06:28,788
女を捨てるには もったいないのう。
ああ 実にもったいない。
40
00:06:28,788 --> 00:06:31,091
おやめくださいませ。
41
00:06:31,091 --> 00:06:33,760
下品な興味でペラペラと…。
42
00:06:33,760 --> 00:06:37,597
下品な興味を抱かぬ者なぞ
この世には おらぬと思うがな。
43
00:06:37,597 --> 00:06:41,268
では どうぞ
別の所で そういうお話はなされませ。
44
00:06:41,268 --> 00:06:46,940
お前が 二条第におったというから
話しておるのではないか。
45
00:06:46,940 --> 00:06:54,814
分かった。 大きにご無礼つかまつった。
46
00:06:54,814 --> 00:06:57,517
あ…。
ハハ…。
47
00:06:59,953 --> 00:07:03,256
見方を変えるといたそう。
48
00:07:04,791 --> 00:07:09,796
この騒動で 得をしたのは誰であろうか。
49
00:07:12,532 --> 00:07:15,235
右大臣様であろう。
50
00:07:15,235 --> 00:07:20,106
花山院との小競り合いを
殊更 大ごとにしたのは右大臣だ。
51
00:07:20,106 --> 00:07:24,244
右大臣は 女院と手を結び
伊周を追い落とした。
52
00:07:24,244 --> 00:07:26,246
さきの さきの関白の嫡男で➡
53
00:07:26,246 --> 00:07:30,116
中宮の兄でもある
伊周を追い落としてしまえば➡
54
00:07:30,116 --> 00:07:32,919
右大臣の敵はいなくなる。
55
00:07:32,919 --> 00:07:40,260
女院も 子も宿さぬのに 帝の心をとらえて
離さぬ 中宮が気に食わない。
56
00:07:40,260 --> 00:07:46,566
これは 右大臣と女院による
はかりごとやもしれぬ。
57
00:07:48,134 --> 00:07:54,107
どうだ?
こういう真面目な話なら よかろう。
58
00:07:54,107 --> 00:07:56,776
いかがいたした?
59
00:07:56,776 --> 00:08:02,549
いえ。 なるほどと思いました。
60
00:08:02,549 --> 00:08:04,584
(藤原為時)ああ…。
61
00:08:04,584 --> 00:08:12,225
式部省や大学の知り合いに挨拶に参ったが
皆 中宮様のご出家の話で持ちきりで➡
62
00:08:12,225 --> 00:08:16,563
相手にされなんだ。
今日は 間が悪かったな。
63
00:08:16,563 --> 00:08:21,234
装束が見違えるように立派になったのう。
64
00:08:21,234 --> 00:08:26,906
ああ…。 早速 右大臣様から
お手当が出たゆえ。
65
00:08:26,906 --> 00:08:30,610
(為時と宣孝の笑い声)
(宣孝)ほう…。
66
00:08:41,254 --> 00:08:44,591
(足音)
67
00:08:44,591 --> 00:08:48,461
少納言が参りました。
68
00:08:48,461 --> 00:08:50,463
帰せ。
69
00:08:50,463 --> 00:08:52,465
(ききょう)帰りませぬ。
70
00:08:57,604 --> 00:09:00,507
(定子)少納言…。
71
00:09:00,507 --> 00:09:06,212
あの時 里に下がったのは
間違いでございました。
72
00:09:08,882 --> 00:09:14,053
どうか再び
私をおそばにお置きくださいませ。
73
00:09:14,053 --> 00:09:16,089
ならぬ。
74
00:09:16,089 --> 00:09:19,559
私は 生きながらに死んだ身である。
75
00:09:19,559 --> 00:09:26,900
何が どうあろうとも
私は 中宮様の おそばにおらねばと思い➡
76
00:09:26,900 --> 00:09:29,369
覚悟を決めてまいりました。
77
00:09:29,369 --> 00:09:36,910
命ある限り
私は 中宮様のおそばを離れません。
78
00:09:36,910 --> 00:09:42,582
ご命とあらば 私も髪を下ろします。
79
00:09:42,582 --> 00:09:44,918
ならぬ。
80
00:09:44,918 --> 00:09:46,853
下がれ。
81
00:09:46,853 --> 00:09:49,556
中宮様!
82
00:09:57,931 --> 00:10:01,801
(実資)
お~ そこじゃ。 そこそこ そこそこ…。
83
00:10:01,801 --> 00:10:05,605
(婉子女王)コチコチにございます。
84
00:10:05,605 --> 00:10:09,943
もう科人の行方捜しなぞ
およしなさいませ。
85
00:10:09,943 --> 00:10:14,280
博識なあなたの おやりになることでは
ございませぬ。
86
00:10:14,280 --> 00:10:16,216
全くだ。
87
00:10:16,216 --> 00:10:23,990
されど 逃げた伊周を見つけねば
検非違使別当を辞めるに辞められぬ。
88
00:10:23,990 --> 00:10:29,796
あいつが見つかれば
配流先に送り 別当を辞するゆえ。
89
00:10:31,631 --> 00:10:34,968
このごろ つまりませぬ。
90
00:10:34,968 --> 00:10:38,838
殿は お帰りになると
疲れた 疲れたと➡
91
00:10:38,838 --> 00:10:42,842
すぐお休みになってしまうんですもの。
92
00:10:42,842 --> 00:10:45,612
いま少し待て いま少しじゃ。
93
00:10:45,612 --> 00:10:49,983
ん~…。
94
00:10:49,983 --> 00:10:54,854
いま少し待て いま少しじゃ。
95
00:10:54,854 --> 00:10:56,856
いま少し。
96
00:10:58,658 --> 00:11:01,961
北山から宇治まで捜しても
見つからぬとは…。
97
00:11:04,464 --> 00:11:08,935
二条第に こっそり戻ってるやもしれぬ。
98
00:11:08,935 --> 00:11:10,870
いま一度 くまなく捜せ。
99
00:11:10,870 --> 00:11:14,407
二条第は
中宮様のご在所にございますれば➡
100
00:11:14,407 --> 00:11:16,943
帝のお許しを賜りとうございます。
101
00:11:16,943 --> 00:11:19,946
うん 今すぐお願いに参る。
102
00:11:24,817 --> 00:11:29,522
(実資)
かしこくも 帝のお許しを頂いた上は➡
103
00:11:29,522 --> 00:11:32,959
二条第の内外を改めて探索する。
104
00:11:32,959 --> 00:11:37,297
心して かかれ!
(一同)はっ!
105
00:11:37,297 --> 00:11:40,600
(藤原伊周)捜さずとも ここにおる!
106
00:11:43,636 --> 00:11:53,646
(伊周)出家したゆえ 任地には赴けぬ。
その旨 帝に そうお伝えせよ。
107
00:11:55,648 --> 00:12:00,353
伊周殿 かぶり物を取られよ。
108
00:12:03,256 --> 00:12:05,191
取られよ。
109
00:12:05,191 --> 00:12:08,194
取られよ!
うるさ~い!
110
00:12:09,929 --> 00:12:12,599
離せ!
111
00:12:12,599 --> 00:12:16,903
やめろ! 離せ!
112
00:12:18,471 --> 00:12:24,210
これから てい髪するゆえ 任地には赴けぬ
帝に そうお伝えせよ。
113
00:12:24,210 --> 00:12:27,213
(定子)見苦しゅうございますよ 兄上。
114
00:12:30,617 --> 00:12:36,923
この上は 帝の命に
速やかにお従いくださいませ。
115
00:12:43,196 --> 00:12:48,434
ただちに 大宰府に向けて ご出立を。
お連れ申せ。
116
00:12:48,434 --> 00:12:51,804
さあ 立ちなさい! さあ!
嫌だ 嫌だ…。
117
00:12:51,804 --> 00:12:55,008
嫌だ 嫌だ 嫌だ!
118
00:12:56,643 --> 00:12:58,645
行かぬ…。
119
00:13:01,914 --> 00:13:07,253
私は ここを離れるわけにはいかぬ。
120
00:13:07,253 --> 00:13:13,126
亡き父上に誓ったのだ。
121
00:13:13,126 --> 00:13:20,433
私が… 私が 我が家を守ると!
122
00:13:26,606 --> 00:13:29,509
私が行かせる。
123
00:13:29,509 --> 00:13:43,623
♬~
124
00:13:43,623 --> 00:13:45,625
(貴子)伊周。
125
00:13:51,497 --> 00:13:54,200
もうよい。
126
00:14:03,576 --> 00:14:14,921
母も共に参るゆえ 大宰府に出立いたそう。
127
00:14:14,921 --> 00:14:18,257
母上…。
128
00:14:18,257 --> 00:14:27,266
♬~
129
00:14:35,808 --> 00:14:40,513
都にとどまるために… 愚かなことを…。
130
00:14:40,513 --> 00:14:45,485
伊周は 母を伴って
配流先へ出立いたしました。
131
00:14:45,485 --> 00:14:50,189
許さぬ。 ただちに引き離せ!
132
00:14:50,189 --> 00:14:52,892
承知つかまつりました。
133
00:15:06,239 --> 00:15:12,578
母上 申し訳ございませぬ。
134
00:15:12,578 --> 00:15:18,918
私が そなたに
多くを背負わせてしまったのよね。
135
00:15:18,918 --> 00:15:22,622
(網代車が止まる音)
136
00:15:33,266 --> 00:15:38,971
母の同行は まかりならぬとの
帝の仰せにござる。
137
00:15:42,608 --> 00:15:44,544
お出しせよ。
138
00:15:44,544 --> 00:15:47,480
伊周!
母上!➡
139
00:15:47,480 --> 00:15:49,482
離せ!
140
00:15:49,482 --> 00:15:52,952
やめろ! 中宮の御母君に何をする!
141
00:15:52,952 --> 00:15:57,290
どうか… どうか お許しを。
142
00:15:57,290 --> 00:16:03,095
定子も出家して
私には この子しかおりませぬ。
143
00:16:03,095 --> 00:16:06,566
どうか どうか…。
144
00:16:06,566 --> 00:16:08,868
母上…。
145
00:16:11,904 --> 00:16:19,078
右大臣殿! 頼む 見逃してくれ…。
146
00:16:19,078 --> 00:16:24,584
お助けください 右大臣様。
147
00:16:24,584 --> 00:16:30,890
右大臣殿! 頼む…。
148
00:16:32,458 --> 00:16:40,466
伊周殿
この先は 騎馬にて下向されるべし。
149
00:16:43,269 --> 00:16:46,939
嫌だ… 母上! 母上!
150
00:16:46,939 --> 00:16:51,277
伊周!
嫌だ! 俺は 病気だ!
151
00:16:51,277 --> 00:16:55,281
馬には 乗れぬ!
(貴子)伊周!母上! 母上!
152
00:16:55,281 --> 00:16:57,416
(貴子)伊周!
153
00:16:57,416 --> 00:17:01,420
父 道隆の死から 僅か1年。
154
00:17:01,420 --> 00:17:07,126
その子供たちは
全て 内裏から姿を消した。
155
00:17:14,567 --> 00:17:17,470
⚟(足音)
156
00:17:17,470 --> 00:17:21,240
(百舌彦)殿。
何だ。
157
00:17:21,240 --> 00:17:25,044
二条第が 火事のようにございます。
158
00:17:35,588 --> 00:17:39,458
どうでしたか?
二条第が燃えているそうだ。➡
159
00:17:39,458 --> 00:17:42,361
ここまで 火の手が及ぶことはない。
160
00:17:42,361 --> 00:17:44,931
中宮様とききょう様は…。
161
00:17:44,931 --> 00:17:47,633
分からぬ。
162
00:18:02,882 --> 00:18:05,584
中宮様!
163
00:18:10,556 --> 00:18:13,893
中宮様 参りましょう。
164
00:18:13,893 --> 00:18:16,796
そなたのみ逃げよ。
165
00:18:16,796 --> 00:18:19,565
私は ここで死ぬ。
166
00:18:19,565 --> 00:18:26,906
なりませぬ。
生きていても むなしいだけだ。
167
00:18:26,906 --> 00:18:29,809
私は もうよい。
168
00:18:29,809 --> 00:18:34,513
もう よいのだ…。
169
00:18:36,248 --> 00:18:38,551
なりませぬ!
170
00:18:41,120 --> 00:18:48,828
おなかのお子のため
中宮様は お生きにならねばなりませぬ。
171
00:18:50,796 --> 00:18:54,266
生きねばなりませぬ。
172
00:18:54,266 --> 00:19:23,429
♬~
173
00:19:23,429 --> 00:19:31,904
(藤原詮子)道隆兄上は 己の命が
短いことを悟っておられたのかしら。
174
00:19:31,904 --> 00:19:38,244
定子を中宮にするのを急ぎ
伊周らの昇進を急がれた。
175
00:19:38,244 --> 00:19:41,580
今日の この悲しいありようは➡
176
00:19:41,580 --> 00:19:46,252
兄上の焦りから
始まっているような気がする。
177
00:19:46,252 --> 00:19:53,926
(源 倫子)一度に 伊周様 隆家様
中宮様を失った貴子様は➡
178
00:19:53,926 --> 00:19:57,797
お気の毒でございますね…。
179
00:19:57,797 --> 00:20:05,104
先のことは分からぬのう…。
180
00:20:05,104 --> 00:20:30,296
〽
181
00:20:39,939 --> 00:20:47,313
こたびの騒ぎにおける働き
まことに見事であった。
182
00:20:47,313 --> 00:20:55,988
一条天皇は 実資を中納言とし
望みどおり 検非違使別当を免じた。
183
00:20:55,988 --> 00:21:01,994
そして 道長を
正二位 左大臣に昇進させた。
184
00:21:04,797 --> 00:21:07,800
浮かないお顔ですな。
185
00:21:10,503 --> 00:21:16,275
お上の恩恵を賜ったのだ。
そのような顔はしておらぬ。
186
00:21:16,275 --> 00:21:20,613
さようでございますか。
気のせいでございました。
187
00:21:20,613 --> 00:21:25,484
気のせい 気のせい。
188
00:21:25,484 --> 00:21:30,956
定子の出家後 次の后探しが始まっていた。
189
00:21:30,956 --> 00:21:33,292
ほかに 年頃の姫はいないの?
190
00:21:33,292 --> 00:21:37,129
右大臣 顕光殿の姫
元子様がおられますが。
191
00:21:37,129 --> 00:21:41,967
その姫 村上天皇の御孫?
はっ。
192
00:21:41,967 --> 00:21:44,303
よいではないの!
193
00:21:44,303 --> 00:21:46,238
それにしなさい!
194
00:21:46,238 --> 00:21:49,809
義子も元子も
定子よりも ず~っと尊い生まれ。
195
00:21:49,809 --> 00:21:52,645
帝のお子を産むには うってつけだわ。
196
00:21:52,645 --> 00:21:57,516
ウフフフフ…。
何かおかしいことを言うたか?
197
00:21:57,516 --> 00:22:01,754
女院様が
あまりにお元気になられましたので。
198
00:22:01,754 --> 00:22:04,256
もう呪詛されてはおらぬゆえ。
199
00:22:04,256 --> 00:22:08,594
あの呪詛は
不思議なことにございましたね。
200
00:22:08,594 --> 00:22:17,603
女院様と殿のお父上は
仮病がお得意であったとか。 フフフ…。
201
00:22:17,603 --> 00:22:21,473
産み月が近く 気が立っておるな。
202
00:22:21,473 --> 00:22:25,477
いたわっておやり。はっ。
フフフフ…。
203
00:22:28,948 --> 00:22:32,618
ご懐妊…。
204
00:22:32,618 --> 00:22:37,489
帝のお子ゆえ
公になると呪詛されるやもしれぬと➡
205
00:22:37,489 --> 00:22:40,960
高階一族が
秘密にしたがっておられまして。
206
00:22:40,960 --> 00:22:44,830
帝は そのこと ご存じなのですか?
207
00:22:44,830 --> 00:22:46,832
いいえ。
208
00:22:46,832 --> 00:22:49,301
なんということでしょう…。
209
00:22:49,301 --> 00:22:55,174
中宮様は ご出家以来
生きる気力を失われてしまって➡
210
00:22:55,174 --> 00:22:58,644
お食事も あまり召し上がらないのです。
211
00:22:58,644 --> 00:23:03,482
このままお体が弱ると
おなかのお子のお命も危ないと思い➡
212
00:23:03,482 --> 00:23:07,253
気が気ではありません。
213
00:23:07,253 --> 00:23:11,590
中宮様をお元気にするには
どうしたらいいかしら?
214
00:23:11,590 --> 00:23:15,928
まひろ様に よいお考えはない?
215
00:23:15,928 --> 00:23:18,264
さあ…。
216
00:23:18,264 --> 00:23:21,267
そうよね。
217
00:23:25,604 --> 00:23:33,479
ききょう様 以前 中宮様から高価な紙を
賜ったと お話ししてくださったでしょ。
218
00:23:33,479 --> 00:23:38,617
ええ。 伊周様が
帝と中宮様に献上された紙ね。
219
00:23:38,617 --> 00:23:40,953
そう それです。
220
00:23:40,953 --> 00:23:47,126
ああ… 帝が それに
司馬遷の「史記」を書き写されたところ➡
221
00:23:47,126 --> 00:23:50,963
中宮様が
「私は 何を書いたらいいかしら」と➡
222
00:23:50,963 --> 00:23:54,633
お尋ねになったのです。
ああ…。
223
00:23:54,633 --> 00:23:58,504
何てお答えになったのですか?
224
00:23:58,504 --> 00:24:05,911
「枕ことばを書かれたら
いかがでしょう」と申し上げました。
225
00:24:05,911 --> 00:24:09,248
「史記」が しき物だから 枕ですか?
226
00:24:09,248 --> 00:24:13,118
フフッ。 よくお分かりだこと。
227
00:24:13,118 --> 00:24:16,388
そうしましたら 中宮様が
大層 面白がられて➡
228
00:24:16,388 --> 00:24:19,291
その紙を私に下さったのです。
229
00:24:19,291 --> 00:24:25,130
でしたら その紙に 中宮様のために
何かお書きになってみたら よいのでは?
230
00:24:25,130 --> 00:24:27,132
え…。
231
00:24:28,934 --> 00:24:33,605
帝が 司馬遷の「史記」だから➡
232
00:24:33,605 --> 00:24:39,945
ききょう様は 春夏秋冬の四季とか。
233
00:24:39,945 --> 00:24:44,283
まひろ様… 言葉遊びがお上手なのね。
234
00:24:44,283 --> 00:24:46,218
え?
しき…。
235
00:24:46,218 --> 00:24:48,921
あっ…。
(笑い声)
236
00:26:00,559 --> 00:27:58,610
♬~
237
00:27:58,610 --> 00:28:05,050
心の声 (定子)「春はあけぼの。➡
238
00:28:05,050 --> 00:28:13,225
やうやう しろくなりゆく山ぎは
すこしあかりて➡
239
00:28:13,225 --> 00:28:19,531
紫だちたる雲のほそくたなびきたる」。
240
00:28:24,236 --> 00:28:33,545
たった一人の悲しき中宮のために
「枕草子」は書き始められた。
241
00:28:43,255 --> 00:28:47,593
わざわざすまぬ。 支度は整ったか?
242
00:28:47,593 --> 00:28:53,265
共に参る娘が
一生懸命 やってくれております。
243
00:28:53,265 --> 00:28:57,135
今日は 越前について
話したいことがあって呼んだ。
244
00:28:57,135 --> 00:29:01,707
はっ。我が国では
筑前の博多の津においてのみ➡
245
00:29:01,707 --> 00:29:03,642
宋との商いを許しておる。
246
00:29:03,642 --> 00:29:08,213
ところが 去年
宋人が 70名余り 若狭に到来し➡
247
00:29:08,213 --> 00:29:10,148
新たな商いを求めてきた。
248
00:29:10,148 --> 00:29:15,887
しかし 若狭には
大湊も異国人を入れる館もないゆえ➡
249
00:29:15,887 --> 00:29:21,226
それらを越前に移し
松原客館に留め置いておる。
250
00:29:21,226 --> 00:29:24,896
まあ これは承知であるな。
もちろんでございます。
251
00:29:24,896 --> 00:29:29,368
彼らは 都とのじかの商いを求めていると。
252
00:29:29,368 --> 00:29:36,908
うん。 朝廷は
越前に新たな商いの場を作る気はない。
253
00:29:36,908 --> 00:29:41,246
はっ。
越前と都は近い。
254
00:29:41,246 --> 00:29:46,118
都に乗り込む足掛かりとなることも
考えられる。
255
00:29:46,118 --> 00:29:50,589
彼らは 商人などと言っておるが
証拠はない。
256
00:29:50,589 --> 00:29:54,092
70人もが
まとまってやって来るというのも➡
257
00:29:54,092 --> 00:29:56,595
妙ではないか?
258
00:29:59,598 --> 00:30:05,270
彼らが商人などとは偽り まことは官人➡
259
00:30:05,270 --> 00:30:09,975
いや それどころか
戦人であるやもしれぬのだ。
260
00:30:11,610 --> 00:30:15,414
彼らに開かれた港は 博多の津のみ。
261
00:30:15,414 --> 00:30:21,620
…と了見させ 穏便に宋に帰すこと。
262
00:30:21,620 --> 00:30:29,494
これが 越前守の最も大きな仕事と心得よ。
はっ。
263
00:30:29,494 --> 00:30:36,168
知恵の限りを尽くし
一心に その任に当たります。
264
00:30:36,168 --> 00:30:51,616
♬~
265
00:30:51,616 --> 00:30:57,322
父上は 出発する日が近づいて
お気が重くなられたか➡
266
00:30:57,322 --> 00:31:00,158
このごろ お顔の色がさえませんの。
267
00:31:00,158 --> 00:31:02,594
行ってしまえば 国司は楽な仕事よ。
268
00:31:02,594 --> 00:31:07,099
土地の者どもと 仲よくやれば
懐も膨らむ一方だ。 ハハハハ。
269
00:31:07,099 --> 00:31:09,935
行けば治る。
また そのような軽薄な。
270
00:31:09,935 --> 00:31:11,870
おっ まひろに叱られた。
271
00:31:11,870 --> 00:31:16,808
父が まだ出立する前から
懐を 肥やせ 肥やせと 人聞きの悪い。
272
00:31:16,808 --> 00:31:20,579
父は そのようなことが
誰よりも苦手でございます。
273
00:31:20,579 --> 00:31:23,482
そのことは 宣孝様が
一番 よくご存じですのに。
274
00:31:23,482 --> 00:31:28,186
これは とんだご無礼をつかまつった。
275
00:31:29,955 --> 00:31:32,791
いつから まひろに
叱られる身になったのかのう…。
276
00:31:32,791 --> 00:31:36,628
(いと)叱られる時 宣孝様は いつも
うれしそうに見えますが。
277
00:31:36,628 --> 00:31:41,967
そうか ハハハハハハ…。
私も 父と越前に行きますので➡
278
00:31:41,967 --> 00:31:45,637
あちらで 宋人に会うのが
楽しみでございます。
279
00:31:45,637 --> 00:31:51,143
宋人の よき殿御を見つけ
宋の国に渡ってしまうやもしれません。
280
00:31:51,143 --> 00:31:53,078
それも いっそ よいかもしれぬな。
281
00:31:53,078 --> 00:31:59,284
もう お前に叱られないかと思うと
さみしいがのう。
282
00:32:00,819 --> 00:32:03,388
(藤原惟規)
父上のご出立に間に合いました!
283
00:32:03,388 --> 00:32:05,390
おっ!
284
00:32:07,092 --> 00:32:10,762
(惟規)本日 文章生になりました!
285
00:32:10,762 --> 00:32:15,267
受かったか ついに!
おめでとう 惟規!
286
00:32:15,267 --> 00:32:17,936
めでたいことばかりだな 為時家は。
287
00:32:17,936 --> 00:32:19,871
ハハハハハハ!
若様!
288
00:32:19,871 --> 00:32:23,175
一杯飲め!
はい!
289
00:32:27,279 --> 00:32:29,581
おめでとう。
290
00:32:35,620 --> 00:32:43,128
殿様 私は 越前にはお供できませぬ。
何故じゃ。
291
00:32:43,128 --> 00:32:47,299
大学を終えられたら
若様も このお屋敷に戻られます。
292
00:32:47,299 --> 00:32:52,637
お世話する者がおらねば
悪い女に たぶらかされるやもしれませぬ。
293
00:32:52,637 --> 00:32:54,573
それは そうだ。
294
00:32:54,573 --> 00:33:00,245
4年後のお帰りを
お待ち申し上げております。
295
00:33:00,245 --> 00:33:05,250
お前も達者でおれ。
296
00:33:49,294 --> 00:33:56,601
(足音)
297
00:34:01,873 --> 00:34:10,181
父を越前守にしてくださり
ありがとうございました。
298
00:34:12,250 --> 00:34:17,923
お前が書いた文 帝がお褒めであった。
299
00:34:17,923 --> 00:34:21,760
私が書いたと
お分かりになったのですか?
300
00:34:21,760 --> 00:34:27,966
お前の字は 分かる。
301
00:34:29,935 --> 00:34:35,640
明日 出立だな。
はい。
302
00:34:38,610 --> 00:34:48,954
最後に お聞きしたいことがあり
文を差し上げました。
303
00:34:48,954 --> 00:34:51,656
何だ?
304
00:34:58,296 --> 00:35:05,604
中宮様を追い詰めたのは 道長様ですか?
305
00:35:08,106 --> 00:35:16,247
小さな騒ぎを 殊更 大ごとにし
伊周様を追い落としたのも➡
306
00:35:16,247 --> 00:35:22,120
あなたの はかりごとなのですか?
307
00:35:22,120 --> 00:35:24,422
そうだ。
308
00:35:27,258 --> 00:35:29,961
だから何だ。
309
00:35:45,276 --> 00:35:49,948
つまらぬことを申しました。
310
00:35:49,948 --> 00:35:56,287
世間のうわさに惑わされ いっときでも
あなたを疑ったことを恥じまする。
311
00:35:56,287 --> 00:35:59,958
お顔を見て分かりました。
312
00:35:59,958 --> 00:36:04,662
あなたは そういう人ではないと。
313
00:36:10,568 --> 00:36:21,880
似たようなものだ。 俺の無力のせいで
誰も彼も全て不幸になった。
314
00:36:23,581 --> 00:36:31,890
お前と交わした約束は
いまだ 何一つ果たせておらぬ。
315
00:36:36,928 --> 00:36:48,273
これから どこへ向かってゆけばよいのか
それも見えぬ。
316
00:36:48,273 --> 00:36:58,616
恐らく俺は あの時 お前と
遠くの国へ逃げていっていても➡
317
00:36:58,616 --> 00:37:02,320
お前を守りきれなかったであろう。
318
00:37:08,893 --> 00:37:20,205
彼の地で あなたと共に滅びるのも
よかったのやもしれませぬ。
319
00:37:25,443 --> 00:37:29,147
越前の冬は 寒いそうだ。
320
00:37:30,915 --> 00:37:33,618
体をいとえ。
321
00:37:35,787 --> 00:37:42,527
はい。 道長様も お健やかに。
322
00:37:42,527 --> 00:38:13,224
♬~
323
00:38:13,224 --> 00:38:17,228
この10年➡
324
00:38:17,228 --> 00:38:25,737
あなたを諦めたことを
後悔しながら生きてまいりました。
325
00:38:25,737 --> 00:38:31,609
妾でもいいから あなたのおそばに
いたいと願っていたのに➡
326
00:38:31,609 --> 00:38:40,585
なぜ あの時 己の心に従わなかったのか。
327
00:38:40,585 --> 00:38:46,758
いつも いつも
そのことを悔やんでおりました。
328
00:38:46,758 --> 00:38:52,964
いつの日も いつの日も…。
329
00:38:55,466 --> 00:39:02,207
いつの日も いつの日も…➡
330
00:39:02,207 --> 00:39:05,543
そなたのことを…。
331
00:39:05,543 --> 00:39:15,553
♬~
332
00:39:15,553 --> 00:39:23,261
今度こそ 越前の地で生まれ変わりたいと
願っておりまする。
333
00:39:25,230 --> 00:39:27,532
そうか。
334
00:39:30,101 --> 00:39:33,104
体をいとえよ。
335
00:39:33,104 --> 00:39:52,257
♬~
336
00:39:52,257 --> 00:40:14,245
〽
337
00:40:25,957 --> 00:40:28,293
大丈夫か?
(乙丸)ああ 大丈夫です。
338
00:40:28,293 --> 00:40:33,965
京を出立した まひろたちは
琵琶湖を舟で北上し➡
339
00:40:33,965 --> 00:40:37,669
越前への山道を進んだ。
340
00:40:45,977 --> 00:40:50,448
慣れぬ道中 さぞかし疲れたであろう。
341
00:40:50,448 --> 00:40:56,988
私は 楽しんでおりますので
お気遣いなく。そうか。
342
00:40:56,988 --> 00:41:03,294
国府に行く前に
立ち寄りたいところがある。
343
00:41:17,942 --> 00:41:24,415
新たに 越前守となった
藤原朝臣為時である。
344
00:41:24,415 --> 00:41:26,484
これは これは。
345
00:41:26,484 --> 00:41:28,619
今 お着きになられたのですか?
346
00:41:28,619 --> 00:41:31,422
(為時)
一刻も早く宋人たちの様子を見たくて➡
347
00:41:31,422 --> 00:41:34,292
立ち寄ってしまった。
迷惑であったか?
348
00:41:34,292 --> 00:41:38,629
いえいえ こちらに寄られるとは
聞いておりませんでしたので。
349
00:41:38,629 --> 00:41:54,178
(宋人たちのどなり声)
350
00:41:54,178 --> 00:41:56,481
(宋語で)
351
00:42:10,561 --> 00:42:27,945
(宋語)
352
00:42:27,945 --> 00:42:30,615
(オウム)ニーハオ。
353
00:42:30,615 --> 00:42:32,550
不可解 不可解。
354
00:42:32,550 --> 00:42:36,421
宋人の扱いを任されて
私は 越前に参った。
355
00:42:36,421 --> 00:42:38,956
この海の向こうは 宋の国よ。
356
00:42:38,956 --> 00:42:41,292
ジョーミン。
ヂョウミン。
357
00:42:41,292 --> 00:42:45,129
何だと!?
国の信用に関わる 一大事じゃ。
358
00:42:45,129 --> 00:42:47,799
この子だけは…。
中宮を内裏に呼び戻す。
359
00:42:47,799 --> 00:42:49,734
なりませぬ。
俺って 優しいからな。
360
00:42:49,734 --> 00:42:52,136
シェシェ。
361
00:42:52,136 --> 00:42:55,339
(叫び声)
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