All language subtitles for 光る君へ - E17 うつろい - [1440-FHD@KTGMC-fstr.NV7-h264_qvbr 280_u p7][字]
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1
00:00:17,284 --> 00:00:19,219
(乙丸)姫様!➡
2
00:00:19,219 --> 00:00:24,157
お庭を眺めるまでに ご回復されて
ようございました。
3
00:00:24,157 --> 00:00:26,293
(まひろ)ありがとう。
4
00:00:26,293 --> 00:00:29,963
姫様のお声が また聞けるなんて…。
5
00:00:29,963 --> 00:00:32,633
心配かけたわね。
6
00:00:32,633 --> 00:00:36,303
とんでもないことでございます。
7
00:00:36,303 --> 00:00:39,806
心の声 悲田院で気を失う直前➡
8
00:00:39,806 --> 00:00:44,611
道長様の姿を
見たような気がするのだけれど…。
9
00:00:48,315 --> 00:00:50,617
姫様!
10
00:00:56,189 --> 00:00:59,326
殿様も仰せにならないことを➡
11
00:00:59,326 --> 00:01:03,764
私が お伝えするのは
いけないことかもしれませぬが…。
12
00:01:03,764 --> 00:01:05,799
どうしたの?
13
00:01:05,799 --> 00:01:09,102
姫様がお倒れになった日➡
14
00:01:09,102 --> 00:01:12,940
姫様を助けて
この屋敷までお連れくださったのは➡
15
00:01:12,940 --> 00:01:15,609
道長様にございます。➡
16
00:01:15,609 --> 00:01:22,482
一晩 寝ずに姫様の看病をされて
翌朝 お帰りになりました。
17
00:01:22,482 --> 00:01:32,626
♬~
18
00:01:32,626 --> 00:01:34,561
(藤原道長)すまない。
19
00:01:34,561 --> 00:01:36,496
まひろ…。
20
00:01:36,496 --> 00:01:39,499
逝くな 戻ってこい!
21
00:01:39,499 --> 00:01:46,506
♬~
22
00:01:48,175 --> 00:03:49,629
♬~
23
00:03:49,629 --> 00:03:52,432
♬~
24
00:03:52,432 --> 00:04:32,239
♬~
25
00:04:33,940 --> 00:04:37,277
悲田院は もう用をなしておりません。
26
00:04:37,277 --> 00:04:41,615
空いておる土地に 救い小屋を建てて
病人を入れねば いずれ➡
27
00:04:41,615 --> 00:04:43,550
疫病は内裏にも及びましょう。
28
00:04:43,550 --> 00:04:49,489
(藤原道隆)お前と道兼は 何のために
そんな所に 2人そろって参ったのだ。
29
00:04:49,489 --> 00:04:56,196
都の中の様子を知らねば 疫病への策は
講じられぬと思ったからにございます。
30
00:04:57,964 --> 00:05:01,835
これまで 幾度も 疫病は はやったが
内裏に及んだことはない。
31
00:05:01,835 --> 00:05:05,138
放っておけば いずれ収まる。
32
00:05:06,773 --> 00:05:11,511
救い小屋なぞ 設けずともよい。
33
00:05:11,511 --> 00:05:14,381
そのような ゆとりは 朝廷にもない。
34
00:05:14,381 --> 00:05:18,251
火事に遭った 弘徽殿の修理だけでも
大変なかかりだ。
35
00:05:18,251 --> 00:05:21,955
ああ 水を持て!
はっ!
36
00:05:23,924 --> 00:05:29,796
放っておけば 都の民は死に絶えますし
その害は 我々にも迫ります。
37
00:05:29,796 --> 00:05:32,399
大げさなことを言うな。
38
00:05:32,399 --> 00:05:35,936
救い小屋を作りたければ
お前の財でやればよい。
39
00:05:35,936 --> 00:05:38,238
朝廷は 関わらぬ。
40
00:05:41,808 --> 00:05:46,580
お前と道兼は 何故 手を組んでおる?➡
41
00:05:46,580 --> 00:05:50,483
不可解 極まりない。
42
00:05:50,483 --> 00:05:58,491
まさか 私を
追い落とそうというのではあるまいな。
43
00:06:03,563 --> 00:06:07,234
追い落としたければ➡
44
00:06:07,234 --> 00:06:09,236
こんな話 いたしません!
45
00:06:09,236 --> 00:06:12,105
お前になくても
道兼には あるやもしれぬ!
46
00:06:12,105 --> 00:06:17,811
疫病の民を思うなぞ
あいつの考えることではない!
47
00:06:23,783 --> 00:06:29,789
(源 明子)では 兄上とお話がありますから
あちらで。
48
00:06:41,134 --> 00:06:45,272
(源 俊賢)お前も 次は 娘を産まねばのう。
49
00:06:45,272 --> 00:06:47,941
なっ。
50
00:06:47,941 --> 00:06:51,645
近頃は お見えにならないわ。
51
00:06:54,281 --> 00:07:00,287
(明子)お見えにならなければ
みごもることは できませぬ。
52
00:07:02,555 --> 00:07:06,226
お忙しいのであろう。
53
00:07:06,226 --> 00:07:11,564
お見えになったら せいぜい励んで
娘をみごもれ。
54
00:07:11,564 --> 00:07:15,235
そして 入内させるのだ。
55
00:07:15,235 --> 00:07:19,572
そういうことしか お考えにならないのね
兄上は。
56
00:07:19,572 --> 00:07:23,910
ハハハ…
男の人生とは そういうものだ。
57
00:07:23,910 --> 00:07:29,783
もし 次の関白が 道兼様なら
道長様は 左大臣やもしれぬ。
58
00:07:29,783 --> 00:07:32,919
まあ どちらにしても 右大臣は堅い。
59
00:07:32,919 --> 00:07:37,590
偉くなれば妬む人も出るゆえ
心配でございます。
60
00:07:37,590 --> 00:07:40,493
すっかり心を持っていかれておるな…。
61
00:07:40,493 --> 00:07:43,797
兄上が お望みになったことですわ。
62
00:07:45,465 --> 00:07:49,169
(源 倫子)私の財も お使いくださいませ。
63
00:07:50,937 --> 00:07:53,273
まことか!
64
00:07:53,273 --> 00:07:56,176
私は 殿を信じております。
65
00:07:56,176 --> 00:08:05,352
思いのままに政をなさいませ。
…すまない。
66
00:08:05,352 --> 00:08:10,190
嫌ですわ。
私が 渋るとでもお思いでしたの?
67
00:08:10,190 --> 00:08:13,893
いや されど…
そこまで太っ腹とは思わなんだ。
68
00:08:13,893 --> 00:08:16,796
オホホホホ…。
69
00:08:16,796 --> 00:08:20,567
平安時代の夫婦は 別財産で➡
70
00:08:20,567 --> 00:08:27,907
この夫婦の場合は
倫子の方が 多くの財を持っていた。
71
00:08:27,907 --> 00:08:30,810
それより殿…。
ん?
72
00:08:30,810 --> 00:08:36,516
悲田院にお出ましになった日
どちらにお泊まりでしたの?
73
00:08:38,551 --> 00:08:43,256
高松殿ではありませんわよね。
74
00:08:43,256 --> 00:08:46,926
うん 高松ではない。
75
00:08:46,926 --> 00:08:52,265
内裏に戻って 朝まで仕事をしておった。
ハハ。
76
00:08:52,265 --> 00:08:55,101
さようでしたか。
77
00:08:55,101 --> 00:08:58,304
お許しを。
うん。
78
00:09:21,728 --> 00:09:28,234
(荒い息遣い)
79
00:09:30,236 --> 00:09:35,575
心の声
まひろは よくなったであろうか…。
80
00:09:35,575 --> 00:09:50,590
♬~
81
00:09:50,590 --> 00:09:54,294
(藤原為時)よいか?
はい。
82
00:10:06,606 --> 00:10:16,282
大納言様とお前の間は
どうなっておるのだ?
83
00:10:16,282 --> 00:10:18,618
どうもなっておりませぬ。
84
00:10:18,618 --> 00:10:23,423
されど お前の看病をする
道長様のまなざしは➡
85
00:10:23,423 --> 00:10:25,959
ただ事ではなかったが…。➡
86
00:10:25,959 --> 00:10:27,994
これを ご縁に➡
87
00:10:27,994 --> 00:10:31,764
お前のお世話をしていただくことは
できぬであろうか…。
88
00:10:31,764 --> 00:10:33,833
父上。
89
00:10:33,833 --> 00:10:39,839
どうでもよい女子の看病を
あのようにするとは思えぬ。
90
00:10:41,508 --> 00:10:44,310
それはないと存じます。
91
00:10:44,310 --> 00:10:48,314
あの時 もし 私を
お気に召したのならば➡
92
00:10:48,314 --> 00:10:51,985
今頃 文の一つくらい
届いておりましょう。
93
00:10:51,985 --> 00:10:54,454
これから来るやもしれぬ。
94
00:10:54,454 --> 00:10:59,659
お望みどおりにならず
申し訳ございません。
95
00:11:06,132 --> 00:11:08,835
おお…。
96
00:11:11,271 --> 00:11:14,607
(いと)あれは 偽りでございますよ。
97
00:11:14,607 --> 00:11:17,277
(ため息)
聞いておったのか…。
98
00:11:17,277 --> 00:11:19,279
女の私には分かります。
99
00:11:19,279 --> 00:11:23,082
姫様と大納言様は 間違いなく深い仲。
100
00:11:23,082 --> 00:11:26,886
私の目に狂いはございません。
101
00:11:31,824 --> 00:11:37,530
明日 まひろの様子を見てきてくれ。
102
00:11:39,299 --> 00:11:44,637
(百舌彦)あの…
様子など お知りにならない方が…。
103
00:11:44,637 --> 00:11:46,639
頼んだぞ。
104
00:11:48,508 --> 00:11:50,810
(百舌彦)え~…。
105
00:12:08,828 --> 00:12:11,531
(犬の鳴きまね)
106
00:12:15,268 --> 00:12:18,104
百舌彦殿!
ども…。
107
00:12:18,104 --> 00:12:22,942
いかがされたのですか?
ん~…。
108
00:12:22,942 --> 00:12:27,280
道長様の命とか…。
そうなのよ。
109
00:12:27,280 --> 00:12:33,152
もう おやめくださいと
そちらの殿様に申してくださいませ。
110
00:12:33,152 --> 00:12:35,622
誰?
111
00:12:35,622 --> 00:12:38,524
野良犬にございます。
112
00:12:38,524 --> 00:12:41,527
百舌彦ではないの?
113
00:12:44,964 --> 00:12:48,801
お久しゅうございま~す…。
114
00:12:48,801 --> 00:12:52,639
お前も 悲田院で 私を助けてくれたの?
115
00:12:52,639 --> 00:12:58,511
な… な… 何のことでございますか?
116
00:12:58,511 --> 00:13:01,914
ありがとう。
117
00:13:01,914 --> 00:13:07,086
ほっつき歩いておりましたら
乙丸に バッタリ会いまして➡
118
00:13:07,086 --> 00:13:11,591
懐かしくて 話し込んでおりました。
ハハハハハ…。
119
00:13:11,591 --> 00:13:17,263
本当に懐かしいわね。
120
00:13:17,263 --> 00:13:21,100
疫病の救い小屋でございますが
人手が 到底足りませぬ。
121
00:13:21,100 --> 00:13:24,604
都に働き手が足らぬなら
近国から召し出せばよいではないか。
122
00:13:24,604 --> 00:13:29,308
疫病のまん延している都に
誰も参りませぬ。
123
00:13:32,478 --> 00:13:36,616
されど やらねばならぬ。
124
00:13:36,616 --> 00:13:40,920
高くついてもよい。 急ぎそうせよ。
は…。
125
00:13:48,961 --> 00:13:53,833
心の声 なぜ あの人が 悲田院に?➡
126
00:13:53,833 --> 00:13:58,304
まさか 7年前の約束を?
127
00:13:58,304 --> 00:14:05,111
地位を得て
まひろの望む世をつくるべく➡
128
00:14:05,111 --> 00:14:09,248
精いっぱい努めようと 胸に誓っておる。
129
00:14:09,248 --> 00:14:20,259
♬~
130
00:14:20,259 --> 00:14:23,963
ああ… ああ 貴子。
131
00:14:27,133 --> 00:14:29,769
ああ~。
132
00:14:29,769 --> 00:14:33,940
(高階貴子)
子供たちの前でございますわよ。
133
00:14:33,940 --> 00:14:42,949
父と母が仲がよいことは
子供の頃から知っておる。 のう。
134
00:14:42,949 --> 00:14:48,621
(藤原伊周)はい。 どうぞご遠慮なく。
(道隆)ああ。
135
00:14:48,621 --> 00:14:54,961
貴子を見染めたのは
内裏の内侍所であった。
136
00:14:54,961 --> 00:14:57,964
そうでございましたわね。
(道隆)うん。
137
00:14:59,632 --> 00:15:02,335
殿。
138
00:15:05,238 --> 00:15:08,908
(藤原隆家)兄上! どちらに?
139
00:15:08,908 --> 00:15:11,577
京極の女ですか? 堀川の?
140
00:15:11,577 --> 00:15:16,749
あっ 西洞院。
さきの太政大臣 三の君だ。
141
00:15:16,749 --> 00:15:20,386
光子様。 ハッ… それは また…。
142
00:15:20,386 --> 00:15:22,321
「また」 何だ?
143
00:15:22,321 --> 00:15:26,926
かりそめの女子にしては大物だなと。
144
00:15:26,926 --> 00:15:31,798
家に帰ると 子が泣いてうるさいのだ。
致し方あるまい。
145
00:15:31,798 --> 00:15:34,667
よし 俺も出かけよう。
146
00:15:34,667 --> 00:15:37,470
あんな父上 見てらんないもんな。
147
00:15:43,276 --> 00:15:46,579
(藤原斉信)なぜ返歌をくれぬのだ?
148
00:15:48,614 --> 00:15:52,285
(ききょう)あら そうでしたかしら?
149
00:15:52,285 --> 00:16:01,561
(斉信)とぼけるな。
俺を こけにするとは けしからん。
150
00:16:01,561 --> 00:16:07,266
深い仲になったからといって
自分の女みたいに言わないで。
151
00:16:09,902 --> 00:16:13,573
男が出来たのか?
152
00:16:13,573 --> 00:16:16,876
前の夫と よりを戻したのか?
153
00:16:19,445 --> 00:16:26,586
だったら どうなの?
…そうなんだ。
154
00:16:26,586 --> 00:16:29,922
そうじゃないけど➡
155
00:16:29,922 --> 00:16:35,628
そういうことネチネチ聞く あなたは
本当に嫌。
156
00:16:38,264 --> 00:16:41,968
そろそろお越しになるわ。
157
00:16:46,939 --> 00:16:53,613
〽
158
00:16:53,613 --> 00:16:56,282
(せきこみ)
159
00:16:56,282 --> 00:16:59,185
〽
160
00:16:59,185 --> 00:17:01,120
(藤原公任)いかがされたのであろう。
161
00:17:01,120 --> 00:17:03,089
(藤原行成)さあ…。
162
00:17:03,089 --> 00:17:07,560
〽
163
00:17:07,560 --> 00:17:11,564
(せきこみ)
164
00:17:22,375 --> 00:17:24,310
関白様!
関白様!
165
00:17:24,310 --> 00:17:27,813
関白様!
薬師を…。
166
00:17:33,920 --> 00:17:36,956
(安倍晴明)失礼いたしまする。
167
00:17:36,956 --> 00:17:42,595
水を… 水を…。
168
00:17:42,595 --> 00:17:56,142
♬~
169
00:17:56,142 --> 00:17:58,844
殿。
170
00:18:04,550 --> 00:18:14,894
(せきこみ)
171
00:18:14,894 --> 00:18:23,602
目がかすむ… 手がしびれる…
喉が渇く…。
172
00:18:23,602 --> 00:18:28,240
これは 誰ぞの呪詛に違いない。
173
00:18:28,240 --> 00:18:30,176
どうじゃ。
174
00:18:30,176 --> 00:18:33,379
どなたか お心当たりでもございますか?
175
00:18:33,379 --> 00:18:36,282
心当たりは あり過ぎる!
176
00:18:36,282 --> 00:18:44,123
道兼 詮子… 道長とて腹の中は分からぬ!
177
00:18:44,123 --> 00:18:46,959
皆 わしの死を望んでおる。
178
00:18:46,959 --> 00:18:49,762
それは 呪詛ではございません。
179
00:18:52,264 --> 00:18:58,571
恐れながら
ご寿命が尽きようとしております。
180
00:19:06,545 --> 00:19:09,548
晴明!
殿!
181
00:19:14,887 --> 00:19:20,893
お前の祈とうで わしの寿命を延ばせ!
182
00:19:22,561 --> 00:19:27,566
難しゅうございますが やってみましょう。
183
00:19:40,579 --> 00:19:42,515
(須麻流)お帰りなさいませ。
184
00:19:42,515 --> 00:19:46,252
関白の病の平癒 祈っておけ。
185
00:19:46,252 --> 00:19:50,089
(須麻流)私がでございますか?
お前でよい。
186
00:19:50,089 --> 00:19:53,592
もう関白は 何をしても助からぬ。
187
00:19:53,592 --> 00:19:55,528
(須麻流)はっ。
188
00:19:55,528 --> 00:19:58,464
せめて お苦しみが和らぐよう
ご祈とういたします。
189
00:19:58,464 --> 00:20:00,933
あ~ 疲れた…。
190
00:20:00,933 --> 00:20:03,602
病の者の穢れをもらった。
191
00:20:03,602 --> 00:20:06,305
いけない いけない。
192
00:20:07,940 --> 00:20:12,278
(まじないをする声)
193
00:20:12,278 --> 00:20:17,149
疫病で傾く
世の流れを
止めるべく➡
194
00:20:17,149 --> 00:20:22,288
道隆は 改元を進言した。
195
00:20:22,288 --> 00:20:30,996
新しき元号は
長徳がよろしかろうと存じます。
196
00:20:45,978 --> 00:20:50,282
(藤原実資)
チョートク… チョートク…。
197
00:20:51,851 --> 00:20:55,321
(平 惟仲)どなたが
お決めになったのでありましょうか。
198
00:20:55,321 --> 00:20:57,323
(源 重信)関白に決まっておろう。
199
00:20:57,323 --> 00:21:01,594
(藤原顕光)チョートク… 何が悪いのだ?
200
00:21:01,594 --> 00:21:05,931
チョートク チョートク… チョードク。
201
00:21:05,931 --> 00:21:08,968
(藤原道綱)チョードク!?
チョードク?
202
00:21:08,968 --> 00:21:13,672
チョー… 長~い毒ですよ!
はあ…。
203
00:21:13,672 --> 00:21:18,944
疫病は 長引くでありましょう。
あっ…。
204
00:21:18,944 --> 00:21:23,816
帝も 関白様の言うことを
お聞きになり過ぎだ。
205
00:21:23,816 --> 00:21:26,619
まだまだお若いのに心配だ。
206
00:21:26,619 --> 00:21:33,392
⚟もはや関白様は 物事の
是非のお見分けも つかぬのであろうか。
207
00:21:33,392 --> 00:21:37,963
⚟(重信)御病も この改元で
悪化してしまうやも…。
208
00:21:37,963 --> 00:21:43,302
⚟(実資)帝は 未熟。
はなはだ未熟であられる!
209
00:21:43,302 --> 00:21:47,173
⚟(俊賢)
帝は 我々で お支えいたしましょう。
210
00:21:47,173 --> 00:21:52,311
いくらお支え申しても
断を下すのは帝である。
211
00:21:52,311 --> 00:21:54,647
心配であるのう…。➡
212
00:21:54,647 --> 00:21:57,149
心配である。➡
213
00:21:57,149 --> 00:22:01,954
長徳という世になれば 禍も多くなろう。
214
00:22:04,256 --> 00:22:10,963
(藤原定子)父が病に倒れてから
一人でいると 心細うございます。
215
00:22:16,835 --> 00:22:21,841
(一条天皇)会いたければ
二条第に行ってもよいぞ。
216
00:22:24,944 --> 00:22:27,847
朕がよいと申せば よい。
217
00:22:27,847 --> 00:22:31,116
私は お上のおそばに いとうございます。
218
00:22:31,116 --> 00:22:36,622
父を見舞う間でも
離れるのは嫌にございます。
219
00:22:36,622 --> 00:22:40,926
兄を呼んで 父の様子を聞いてみますので。
220
00:22:51,637 --> 00:22:58,644
定子は 朕が守るゆえ 好きにいたせ。
221
00:23:01,247 --> 00:23:05,551
はい お上…。
222
00:23:10,256 --> 00:23:13,592
(藤原詮子)そんなに悪いの 関白は。
223
00:23:13,592 --> 00:23:17,296
飲水病であろうと
薬師が申しておりました。
224
00:23:18,931 --> 00:23:22,401
浮かれ過ぎたから 罰が当たったのね。
225
00:23:22,401 --> 00:23:26,906
お若い頃は 優しい兄上だったのに。
226
00:23:28,607 --> 00:23:32,945
次の関白は 道兼兄上であるべきよ。
227
00:23:32,945 --> 00:23:37,283
(藤原道兼)なんと…。
だって それが まっとうな順番でしょう。
228
00:23:37,283 --> 00:23:42,621
だから 今日 道長に 一緒にお連れしてと
言ったのです。
229
00:23:42,621 --> 00:23:45,958
今宵は そういう話だったのか…。
230
00:23:45,958 --> 00:23:52,631
私は 道兼兄上のことが
昔から好きではありません。
231
00:23:52,631 --> 00:23:57,970
されど あの出過ぎ者の伊周に
関白になられるのは もっと嫌なの。
232
00:23:57,970 --> 00:24:00,873
だから 道兼兄上を後押しするわ。
233
00:24:00,873 --> 00:24:06,245
女院様にお助けいただく身になるとは
不思議な気がする。
234
00:24:06,245 --> 00:24:09,548
また道長に借りを作ったな。
235
00:24:11,116 --> 00:24:15,587
では 姉上 帝に お話しいただけますね。
236
00:24:15,587 --> 00:24:17,923
内裏に行くのは嫌。
え?
237
00:24:17,923 --> 00:24:21,794
定子に 首根っこつかまれてるような帝
見たくないもの。
238
00:24:21,794 --> 00:24:27,599
え… ならば
どのようにして 道兼兄上が…。
239
00:24:27,599 --> 00:24:30,502
ほかの公卿を取り込んでおくわ。
240
00:24:30,502 --> 00:24:37,276
そもそも 大納言も中納言も参議も
公卿は 皆 伊周が嫌いだから➡
241
00:24:37,276 --> 00:24:40,946
そこは 私が 一押しすれば
うまくいくはず。
242
00:24:40,946 --> 00:24:43,849
お~…。
243
00:24:43,849 --> 00:24:53,959
♬~
244
00:24:53,959 --> 00:24:57,963
(定子)
内々に先例を調べさせておりました。
245
00:24:59,631 --> 00:25:06,739
父上のお命のあるうちに 兄上は 帝から
内覧のお許しを得られませ。
246
00:25:06,739 --> 00:25:12,544
内覧とは 帝に奏上する文書や
帝が宣下する文書を➡
247
00:25:12,544 --> 00:25:18,250
事前に読むことができる
関白に準ずる職である。
248
00:25:19,918 --> 00:25:24,790
20年ぶりでも何でも
やってしまえばよいのです。
249
00:25:24,790 --> 00:25:28,260
父上から 帝にお願いしていただいて。
250
00:25:28,260 --> 00:25:32,264
私からも 帝に
強くお願いしておきますから。
251
00:25:34,133 --> 00:25:36,602
されど 定子はすごいな。
252
00:25:36,602 --> 00:25:40,606
男であったら 俺なぞ かなわぬやも。
253
00:25:42,274 --> 00:25:45,177
あの女院様から我が身を守り➡
254
00:25:45,177 --> 00:25:50,616
帝をお守りしているうちに
強くなりました。
255
00:25:50,616 --> 00:25:55,421
内覧になってしまえば
関白になったも同じですから➡
256
00:25:55,421 --> 00:25:58,223
ともに力を尽くしましょう。
257
00:26:13,372 --> 00:26:18,911
(道兼)
火急の御用とは 何事でございますか。
258
00:26:18,911 --> 00:26:21,914
こちらへ参れ。
259
00:27:00,886 --> 00:27:12,231
♬~
260
00:27:12,231 --> 00:27:18,904
もし わしが倒れても
いまだ懐妊せぬ中宮様も➡
261
00:27:18,904 --> 00:27:28,914
貴子も 伊周も 隆家も…
支えてやってくれ。
262
00:27:30,916 --> 00:27:35,787
酷なことをしないでくれ。
263
00:27:35,787 --> 00:27:46,798
どうか… どうか どうか どうか…
伊周を…。
264
00:27:49,601 --> 00:27:55,607
我が家を… 頼む。
265
00:28:22,067 --> 00:28:25,571
(乙丸)姫様! あの…。
266
00:28:29,808 --> 00:28:32,511
(さわ)まひろ様…。
267
00:28:38,250 --> 00:28:41,587
(さわ)ご無沙汰いたしました。
268
00:28:41,587 --> 00:28:46,925
その節のことは お許しくださいませ。
269
00:28:46,925 --> 00:28:51,229
どうぞ お上がりくださいませ。
270
00:28:56,935 --> 00:28:59,605
ご息災でした?
271
00:28:59,605 --> 00:29:05,711
はい。 私は 何があっても 病にはならない
頑丈な体なのですが➡
272
00:29:05,711 --> 00:29:09,581
実は 兄弟を疫病で亡くしまして…。
273
00:29:09,581 --> 00:29:13,885
それは お気の毒なことでございました。
274
00:29:13,885 --> 00:29:16,555
あまりに はかないことで…。
275
00:29:16,555 --> 00:29:21,893
人に許された年月は
実に短いのだと知りました。
276
00:29:21,893 --> 00:29:25,230
本当にそうですね。
277
00:29:25,230 --> 00:29:32,904
私が 文字を教えていた子も その親も
つい この間 疫病で逝ってしまいました。
278
00:29:32,904 --> 00:29:37,576
私もかかってしまって 危うく…。
えっ。
279
00:29:37,576 --> 00:29:42,447
今 生きていることも
少し不思議な気がします。
280
00:29:42,447 --> 00:29:46,251
まひろ様!
281
00:29:46,251 --> 00:29:50,756
再び まひろ様にお目にかかれて
本当にうれしい。
282
00:29:50,756 --> 00:29:55,927
生きていてくださって
ありがとうございます。
283
00:29:55,927 --> 00:30:01,633
私も お目にかかれて うれしいです。
284
00:30:03,802 --> 00:30:10,942
石山寺の帰り道のことは
どうかお許しくださいませ。
285
00:30:10,942 --> 00:30:14,813
このとおりでございます。
そんな… 私も…。
286
00:30:14,813 --> 00:30:20,118
頂いたお文を
いちいちお返ししましたことも➡
287
00:30:20,118 --> 00:30:24,956
申し訳ございませんでした。
288
00:30:24,956 --> 00:30:30,629
実は 頂いた文は➡
289
00:30:30,629 --> 00:30:35,634
全て書き写して 持っております。
えっ!
290
00:30:40,639 --> 00:30:48,947
あ… まことに 私の文と同じ…。
291
00:30:50,649 --> 00:30:58,323
まひろ様の文を写すことで まひろ様に
追いつきたいと思っておりました。
292
00:30:58,323 --> 00:31:14,806
♬~
293
00:31:14,806 --> 00:31:20,112
フフフ…。
そんなこと できっこないのに…。
294
00:31:24,950 --> 00:31:31,723
まひろ様。 私の友は
まひろ様だけなのでございます。
295
00:31:31,723 --> 00:31:36,962
いろんなことがあって
そのことが よく分かりました。
296
00:31:36,962 --> 00:31:43,135
まひろ様 また 私と
仲よくしてくださいませ。
297
00:31:43,135 --> 00:31:47,639
末永く 末永く
私の友でいてくださいませ。
298
00:31:47,639 --> 00:31:51,309
フフフフフフ…。
299
00:31:51,309 --> 00:31:58,183
(笑い声)
300
00:31:58,183 --> 00:32:12,264
♬~
301
00:32:12,264 --> 00:32:18,603
心の声
私の書いた文が さわさんの心を…。➡
302
00:32:18,603 --> 00:32:21,506
書くことの何が…。
303
00:32:21,506 --> 00:33:13,258
♬~
304
00:33:13,258 --> 00:33:16,595
心の声
何を書きたいのかは分からない。➡
305
00:33:16,595 --> 00:33:20,932
けれど 筆を執らずにはいられない。
306
00:33:20,932 --> 00:33:44,222
♬~
307
00:33:48,159 --> 00:33:55,433
病の私に代わり 全ての政務を➡
308
00:33:55,433 --> 00:34:03,575
内大臣 伊周に委ねることを
お命じいただきたく➡
309
00:34:03,575 --> 00:34:09,247
伏してお願い申し上げまする。
310
00:34:09,247 --> 00:34:18,256
何とぞ 内大臣に内覧のご宣旨を。
311
00:34:18,256 --> 00:34:24,129
(一条天皇)しばし考えて 後に宣旨を下す。
312
00:34:24,129 --> 00:34:30,769
今 お約束いただかねば
安んじて養生もできませぬ。
313
00:34:30,769 --> 00:34:37,575
どうか 今 お心をお決めくださいませ。
314
00:34:39,945 --> 00:34:49,654
今 ここで 宣旨をお下しくだされ。
315
00:34:51,957 --> 00:34:55,293
下がれ。
316
00:34:55,293 --> 00:34:57,595
はっ…。
317
00:35:04,569 --> 00:35:07,772
蔵人頭は どう思うか。
318
00:35:11,242 --> 00:35:16,581
すぐには 関白のお申し出を
お受けにならぬお上は➡
319
00:35:16,581 --> 00:35:19,918
まことに ご聡明だと存じました。
320
00:35:19,918 --> 00:35:24,789
関白の言うことを
むげに断るわけにもゆかぬ。
321
00:35:24,789 --> 00:35:32,263
されど
言いなりになってもならぬとも思う。
322
00:35:32,263 --> 00:35:34,566
まことに。
323
00:35:37,602 --> 00:35:45,276
伊周のこと 朕は嫌っておらぬ。
324
00:35:45,276 --> 00:35:52,283
しかし 何分 まだ若すぎる。
325
00:35:54,953 --> 00:35:57,856
皇子を産め…。
326
00:35:57,856 --> 00:36:00,759
早く皇子を産め!
327
00:36:00,759 --> 00:36:03,461
いかがされました?
328
00:36:08,233 --> 00:36:15,106
お前は 帝の唯一無二の后であろう。
329
00:36:15,106 --> 00:36:21,579
ほかの姫の入内も阻んでおるのに
何をやっておる。
330
00:36:21,579 --> 00:36:26,284
帝は まだお若くておいでですので。
331
00:36:29,454 --> 00:36:33,758
とっくに元服されておるではないか!
332
00:36:36,928 --> 00:36:44,102
わしが 摂政から関白になったのも
帝を 一人前と認めたからだ。
333
00:36:44,102 --> 00:36:47,939
それなりに つとめております。
334
00:36:47,939 --> 00:36:52,277
帝の毎夜のお召しに お応えしております。
335
00:36:52,277 --> 00:36:59,150
足りない… 足りない… 足りない…
足りない… 足りない… 足りない…。
336
00:36:59,150 --> 00:37:01,953
まだまだ まだまだ 足りない!➡
337
00:37:01,953 --> 00:37:07,559
皇子が出来れば
帝は 我が一族の真の味方となる。➡
338
00:37:07,559 --> 00:37:12,731
皇子がないゆえ 帝のお心が揺れるのだ。➡
339
00:37:12,731 --> 00:37:16,367
皇子を… 皇子を産め。
340
00:37:16,367 --> 00:37:20,572
皇子を… 皇子を産め。➡
341
00:37:20,572 --> 00:37:23,908
皇子を… 皇子を産め。➡
342
00:37:23,908 --> 00:37:26,911
皇子を… 皇子を…。
343
00:37:29,781 --> 00:37:35,386
後に 一条天皇は 伊周に内覧を許すが➡
344
00:37:35,386 --> 00:37:41,926
そこには 関白の病の間という条件が
つけられていた。
345
00:37:41,926 --> 00:37:49,267
ねえ 3月20日に
大納言 朝光殿が亡くなったんだって。
346
00:37:49,267 --> 00:37:51,769
皆さん もう ご存じです。
347
00:37:51,769 --> 00:37:59,511
あっ そうなの?
疫病らしいな 怖いことだ。
348
00:37:59,511 --> 00:38:06,417
この前の陣定の時は
まだ かかっておらなんだと思いたいな。
349
00:38:06,417 --> 00:38:08,887
(藤原公季)
かかれば あっという間らしいから➡
350
00:38:08,887 --> 00:38:13,558
陣定の時は
まだ かかっておられなかったでしょう。
351
00:38:13,558 --> 00:38:18,229
我らは もう
屋敷から出ない方がよいのではないか?
352
00:38:18,229 --> 00:38:21,900
屋敷に籠もっておっては 政はできませぬ。
353
00:38:21,900 --> 00:38:24,569
それは そうだが…。
354
00:38:24,569 --> 00:38:28,373
恐ろしいなあ…。
恐ろしくない?
355
00:38:28,373 --> 00:38:33,211
(実資)疫病が 内裏に入り込んだことは
全て 関白様の横暴のせい。
356
00:38:33,211 --> 00:38:35,246
長徳などという元号にし➡
357
00:38:35,246 --> 00:38:39,751
息子を内覧に据えた積悪の所業
許し難し。
358
00:38:39,751 --> 00:38:41,686
そんなこと… 聞こえたら大変だよ。
359
00:38:41,686 --> 00:38:45,924
私は 間違ったことは申しておりませぬ!
360
00:38:45,924 --> 00:38:50,094
内大臣 伊周殿に 明日はない。
361
00:38:50,094 --> 00:38:54,599
(道綱)それはそうだけど… あっ 来た。
362
00:39:13,418 --> 00:39:22,894
♬~
363
00:39:22,894 --> 00:39:25,797
伊周を… 関白に。
364
00:39:25,797 --> 00:39:31,236
お上 伊周を関白とお定めください!
365
00:39:31,236 --> 00:39:33,538
(俊賢)関白様!
366
00:39:35,106 --> 00:39:40,912
お上… 伊周を関白に!➡
367
00:39:40,912 --> 00:39:43,248
お上!
関白様!
368
00:39:43,248 --> 00:39:49,921
お上… 伊周を関白に!
関白様!
369
00:39:49,921 --> 00:40:09,607
♬~
370
00:40:09,607 --> 00:40:12,510
まだ死ねない…。
371
00:40:12,510 --> 00:40:18,516
殿は まだ大丈夫でございますよ。
372
00:40:21,219 --> 00:40:23,955
伊周は?
373
00:40:23,955 --> 00:40:29,661
伊周は 内裏に上がっております。
374
00:40:41,139 --> 00:40:48,947
そなたに会ったのは
内裏の内侍所であった。
375
00:40:51,649 --> 00:40:56,521
スンと澄ました女子であった。
376
00:40:56,521 --> 00:41:03,594
道隆様は お背が高く➡
377
00:41:03,594 --> 00:41:11,302
キラッキラと輝くような
殿御でございました。
378
00:41:12,937 --> 00:41:51,642
「忘れじの 行く末までは 難ければ
今日を限りの 命ともがな」。
379
00:41:57,315 --> 00:42:04,322
あの歌で 貴子と決めた。
380
00:42:16,801 --> 00:42:20,538
長徳元年4月10日➡
381
00:42:20,538 --> 00:42:26,844
藤原道隆は 43歳で世を去った。
382
00:42:30,615 --> 00:42:33,284
打てば響く よい女になったのう。
383
00:42:33,284 --> 00:42:36,287
皇子を産め。
うつけ者!
384
00:42:36,287 --> 00:42:39,624
母は 自分のことなぞ
どうでもよいのです!
385
00:42:39,624 --> 00:42:42,960
政権の頂に立った…。
(笑い声)
386
00:42:42,960 --> 00:42:46,297
お別れです。
よろしくない流れであるな…。
387
00:42:46,297 --> 00:42:50,168
嫌いにならないでくれ。
兄上!
388
00:42:50,168 --> 00:42:53,171
あら? 道長様 ご存じ?
34531