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・~
(ナレーター)
この世に人間が現れる はるか前>
ドロドロと溶岩のように
漂い流れておりました>
4つの大陸ができました>
とうしょうしんしゅう
東勝神洲の一部に山がありました>
かかざん
何万年たったことでしょう>
不思議な石が生まれました>
まるで霊魂でも
宿っているかのようでした>
(叫び声)
・『モンキー・マジック』
・~
・~
「100里の道を行く者は・
99里をもって
半ばとせよ」と申します>
てんじく
しゃかにょらい
だいらいおんじ
大雷音寺を目指して・
10万8000里の
さんぞうほうし
旅を続ける三蔵法師の一行は・
果たして 何里の道を
来たことでございましょうか>
ごくう
(悟空)10万里は来たはずだ
天竺は もうすぐだぜ
ごじょう
(悟浄)おお…
大雷音寺までは もうひと息さ
ねえ そうでしょう お釈迦さま!
・~
(三蔵法師)
どうしたんでしょう? これは
お釈迦さまがね
答えてくださっているの
だが この熱さは・
まるで火に焼かれるようでは
ありませんか
そやけど 頭の皿が だんだん
だんだん乾いてきよったわ
はっかい
(八戒)これじゃ
俺 なんか焼き豚になっちゃうな
天竺っちゅうより
地獄の釜の底っちゅう感じだな
そりゃ お前 南のほうですもの
我慢しなきゃいけない 我慢な
(八戒)しかし… なあ
もん
兄貴は化け物だから いいですけど
俺なんかは…
化け物だろう お前も
いや そうだけどよ
違うものは違う…
(悟浄)ウワッ!
(八戒)何だよ・ おい
(三蔵)釈迦如来さま
これは何かのお試しでしょうか?
天竺を目の前にして
ひと度 この身を滅ぼせよとの
お諭しでしょうか?
ならば この三蔵
逃げも戸惑いもいたしません
熱さも炎も
決して恐れは いたしません
(悟浄)ちょ… ちょっとお師匠さま
それは ないですよ ええ?
(八戒)焼け死んだら
元も子もないじゃないですか
・(釈迦如来)
よく言いましたね 三蔵
うわぁ お釈迦さま!
(如来)身を滅ぼす覚悟がなければ
到底 私の国には来られません
悟空 八戒 悟浄
よ~く
師の言葉を覚えておきなさい
俺は嫌だぞ!
死んじゃ何にもならねえよ!
(八戒)あのね
この苦しい旅が終わったらね
う~んと楽しもうと思ってるの
それほど
煩悩を捨てきれないのなら
この場は助けてあげましょう
だが それだけ
私の国は遠くなるのですよ
・~
お前たち お釈迦さまに向かって
なんということを!
お師匠さん 天竺は もう近いんだ
おいらが連れてってやりますよ
なんか
せやけど 涼しなってきよったな
ちょっと水が欲しいけど
(八戒)うん ちょっとな
あれ?
あんなとこに泉 湧いてるよ
ほら
本当だ
俺 先 飲んでくるな
なんだよ 兄貴
俺が見っけたんでねえかよ
俺が先じゃねえか
この野郎
まね
出過ぎた真似すんな! お前
何や?
背の低い順だ
ええっ? 珍しい決め方…
(悟浄)お前は関係ない
(八戒)
何だよ? 俺が弟子になったの…
誰だ・ お前
あっ 俺だ…
お… おいおい!
何だよ?
俺が映ってるよ
当たり前だべ
(悟浄)当たり前やないか
いやいやいや 猿の顔じゃなくてよ
人間の顔で映ってんの
ハハハッ… お前の醜い顔が
そのまま映ったんやろう?
ばか
馬鹿 この… 猿の化け物が なんで
人間になるんだよ このおたんこが
今 人間になって
映ったんだよ ここへ!
それは
お前の将来の姿かもしれません
えっ? ちょっと… それじゃ
おいら 人間になれんの?
この旅を無事に終われば
悟空も八戒も悟浄も
人間にして高僧の位に就ける
かんぜおんぼさつ
観世音菩薩さまは
そう おっしゃった
ほな 私も人間になれるんですか?
…ていうことは 私も豚の化け物で
なくなるんでございますか?
みほとけ
御仏は その姿を水鏡に映して
見せてくださったんでしょう
わしも…
(八戒)ちょっと待て 待て
顔の悪い順から見んだよ 馬鹿
俺 もう見たもん
俺 もう見たもん 俺 もう見たもん
あっ!
アア…
これが俺か…
震いつきてえような
いい男だな これな
(悟浄)どどど… どけ!
アア… すばらしいな ええ?
まさしく知性と教養に満ちた・
インテリゲンチャの
顔っちゅうやっちゃな ええ?
やっぱり天竺が近いんだよ
だから ああやって
俺たちの行く末の姿が見えるんだ
そうでしょう? お釈迦さま!
・~
雷音寺だ… 雷音寺が見える!
あのお寺に お釈迦さま
住んでらっしゃるのかしら?
俺たちの長旅も
あそこで終わるんだ…
10万8000里 ようここまで
踏み越えてきたもんやな
あのよ いちばん先に着いたのが
ご褒美
たくさん もらえるんでねえべかね
先に着いたほうから ええ男に
してもらえるというようなことも
ちょっと待て 順番に いい男か
じゃ 俺 1番だ
俺が先やな 俺が
(八戒)何言ってんだよ!
およしなさい!
ここまで
仲良く旅をしてきたことを・
忘れてしまったんですか?
仲良くなんか なかったですもん
俺はよ 天竺へ着いたらよ
こいつらとは きっぱり縁切るから
お前たちは
それでも寂しくないんですか?
私は寂しい…
お前たちと別れるぐらいなら・
このまま いつまでも
旅を続けていたいとさえ思います
どうなんです? 悟空
八戒
ケッ…
悟浄!
・~
(雷鳴)
(八戒)
あれ? どうしたんだ? これ
(風の音)
(悟浄)あっ 砂嵐やぞ!
おい てめえ 砂の親玉だな?
てっさだいおう
(鉄砂大王)鉄砂大王だ
妖怪会議の結果
三蔵法師の天竺行きを阻める者は
このわししか ないことになった
おもしれ
面白えや
止められるもんなら止めてみろ!
ええい こしゃくな!
固まれ!
(悟空たち)
お師匠さま!
(笑い声)
苦しい…
(悟浄)おい
早く…
出しておくれ
あら?
砂が あれになっちまってるよ
鉄になっちまってるよ これ
(悟浄)こら 歯が立たんぞ おい
にょいぼう
俺の如意棒でも
これは どうしようもねえや
なんとか… なんとか出しておくれ
おい 悟空
この砂 ただの水では溶けんぞ
(悟空・八戒)えっ?
しかしな この砂を溶かす水が
ひとつだけある
どこに? どこによ?
(悟浄)地の底の鍾乳洞や
じゃ お前 行って
くんでこい それ なっ?
いや それが
そういうわけにいかんのや
(八戒)なんでよ?
あつこ
(悟浄)その水を扱うとんのは・
てきすいにゃんにゃん
滴水娘々っちゅう娘でな
この娘が
いいなずけ
何を隠そう わしの許婚や
かっぱ
同じ河童の一族やろう
えらいブスなんや
まあ わしも
もうすぐ人間になれるやんな
せやさかい できれば
その娘とは縁を切りたいねや
(八戒)
その気持ちは 俺 よ~く分かるな
俺だってよ 人間になったらよ
めえ
まさか お前 豚の娘と・
結婚してえなんちゅうことは
思わねえべ なあ?
なあ 悟浄
この際 お師匠さま救えんのは
お前しかいねえんだ
頼むから 水くんできてくれよ
しゃあないな わし 行くわ
ああ
その代わり 人間になるときには・
わしが
いちばんの男前になるさかいにな
・~
・(水の音)
(滴水娘々)悟浄!
ああ いい匂いしてきたな
こら 食い物が近いな
(匂いを嗅ぐ音)
あれ?
女の人の匂いもしてきたの あれ?
(匂いを嗅ぐ音)
うん? うん? うん?
あらぁ うまそうだな
うわぁ なんて また
めんごい女の子なんだべ
こんにちは
ハハッ… いや そんなに また
驚かないでくださいませ
私ね 顔は
こういう感じでございますけどね
心は
いたって紳士なんでございますわ
あれ? 俺 あんたのこと
どっかで見たことあんな
あんた 俺のこと覚えてない?
おかしいなぁ
俺よ あんたのことね
こう なんか ぎゅっと・
こういうふうに抱き締めた覚えが
あんだけんどもね
こんなふうに…
れいろう
(玲瓏)アッ…
ちょ… ちょっと
お嬢さん ちょっと…
いや 記憶をあれしようと思って…
ちょっと! ごめんね!
いや しかし 俺 思い出せねえなぁ
あなた!
あなた!
(鉄砂)どうした? 玲瓏
抱いて! 私を抱いて!
(鉄砂)一体 何があったのだ?
私の顔…
変わってませんか?
(鉄砂)うん?
変わってない 相変わらず美しい
ああ 良かった…
おい 早くかけろ
偉そうに言うな
わしの持ってきた水やぞ
お前 よう考えてみいよ
天竺を目の前にして
今ここで お師匠さまを救えるのは
何を隠そう
この私しかおらんわけや
能書き垂れずに かけろ
分かってんのか? お前
分かった
分かったな?
分かった!
よし! おい 娘々
ちょっと
水 さ~っと かけてあげて ねっ?
ウワ~ッ!
(悟浄)おお うまいこと いったぞ
おい 悟空 悟空
は
溶けたぞ 溶けたぞ 早よう来い
立ち直れるかどうか…
お師匠さま 今 上げますからね
早よう来いや お前
ちょっと待った…
よいしょ いきまっせ 大丈夫か?
(悟空・悟浄)せ~の…
(悟浄)よっ!
ああ 良かった 良かった
ああ ご無事で ご無事で
おかげで助かりました
いえいえ なんの これしき
お安いご用でございます
このご恩は 一生忘れません
天竺へ着いたら
お釈迦さまにお話しして
改めて お礼をさせていただきます
アハハッ…
いやぁ おい 悟空 聞いたか
さいゆうき
やっぱし ミスター西遊記
ナンバー1は このわしやのぅ
何を言ってやがんだ 馬鹿野郎
ば… わしが助けたんやぞ
お前 初めてじゃねえか
悟浄 1回だろう お前
八戒 0回だろう 俺 26回連続よ
今 助けたことが大事なの!
西遊記ナンバー1!
フン… そう
ナンバー1に ふさわしい奥さまで
末永く…
悟空!
フン! 分かりましたよ
すみませんでしたね 分かったよ
本当に面白くねえや
こっちにも考えがあらぁ よし!
(口笛)
エイッ!
ほっ! エイッ!
・~
やい お釈迦さま!
直訴だ 駆け込み訴えだよ!
悟空 そなたの言いたいことは
分かっています
はえ
それじゃ 話は早えや
天竺に着いたときのご褒美は
俺を1番にしてくれますね?
そのような
くだらぬことで争っていて
天竺へ着けると思うのですか?
もう着いたも同じ
雷音寺は目の前に見えてるんだ
雷音寺は
遠いようで近く 近いようで遠い
心がけしだいで
遠くも近くもなるのですよ
説教は いいから
俺の質問に答えてくださいよ
三蔵法師の弟子の中で
いちばん偉いのは誰でしょう?
みんな 同じです
そんな馬鹿な!
俺が八戒や悟浄と同じだって?
私の見たところ
違いはありませんね
フン! やめた やめた!
お釈迦さまにまで
そんな目で見られてるんだったら
到底 やってられねえや!
よろしい
そなたが その気なら
供の務めから解放してあげよう
えっ? 本当に やめてもいいの?
ああ よろしい
すいれんどう
故郷の水簾洞に帰るなり
気ままに魔界をさまようなり
好きにするがよい
あっ…
ハハハッ… しめた
これで 俺も昔のとおり自由の身だ
・~
ああ もう!
うちが こんなに思うとんのに!
(悟浄)愛しとるったって…
(滴水娘々)幸せにするから なっ?
悟浄 嫌か? なあ
(玲瓏の悲鳴)
あいたた…
あの… どうしはったんですか?
(玲瓏)足が… 道を急ぐあまり
つい つまずいて…
ああ あの…
それ くじきはったんと違いますか
ちょっと 中で休みましょうか
(玲瓏)休んでは いられません
山の向こうに急用がございます
あっ…
なんと べっぴんさんな人やろう
へえ…
同じ女でも えらい違いやなぁ…
それ 誰のこっちゃ・
(悟浄)決まってるやないか
お前のことじゃ
(滴水娘々)いや 悔しい!
なあ 悟浄 ええやんか!
(悟浄)もう ええやんか!
どけ もう どけ!
(滴水娘々)悟浄!
あの… ちょっと
1人で歩けますか?
(玲瓏)申し訳ございませんが
どうか お助けを…
なんぼでも助けますよ 私 ねっ?
助けましょう 行きましょう
はい 大丈夫ですか 大丈夫ですか
(滴水娘々)悟浄
優しゅうして 私にも なっ?
(悟浄)この人だけ優しゅうする
悟浄! 悔しい もう! あんた!
おい
(手下)はっ!
何をする!
(鉄砂)
三蔵法師 今度こそ逃がさんぞ
離しなさい!
私には お釈迦さまから 大事な
お経をいただく務めがあるのです
釈迦の教えなど広められたら
我々 妖怪は大迷惑だ
気の毒だがな 死んでもらう
おい
(手下)はっ!
(鉄輪のはまる音)
これはな 夜更けとともに
だんだん締まってくる鉄の輪だ
悟空 八戒 悟浄!
出席を取っても無駄だ
誰が来ようと 滴水娘々以外に
この鉄の輪は溶けんのだ
(笑い声)
あっ 大丈夫ですか 歩けますか?
はいはい はい どうぞ
(玲瓏)すいません お水を…
水? はい
おい その水 ちょっと貸してくれ
あかん! 鉄砂大王が
また襲ってきたら どないすんや!
(悟浄)ちょっと飲むだけやろうが
けちけちしやがって お前は!
はい お水です どうぞ
あれ? ちょっと…
(玲瓏)もう大丈夫 出ておいで
何じゃ? お前ら
(笑い声)
私はね 鉄砂大王の女房なのさ
(悟浄)なんやと?
ほら 見てみい!
すけべ根性 出すさかいや!
どないするねん!
あほ まぬけ すかたん!
うるさい!
(滴水娘々)水 返せ!
やかましい! おい その水 返せ!
(滴水娘々)すけべ妖怪 水 返せ!
(悟浄)うるさいねん!
(笑い声)
あれ? また お会いしましたね
アハハッ… あれ?
その手に持ってらっしゃるのは
水ですか? それとも お酒かな?
アハッ… ちょうどよかった
飲み物が足りなくて
困っとったんですわ
一緒に食事でもしませんか
アハッ… まあ そんなに
怖がんなくてもいいでないですか
ひと目 会ったときから 私は・
とりこ
あなたの虜になってしまったんで
ございますからしてから…
アア… 失礼します
アアッ! いや 離して!
うわぁ きれいな顔
しかし この抱き心地 なんか
どっかで抱いたことあるような…
私 知りません 豚なんか!
あっ…
アアッ! アア…
トントン…
トントン…
あん
兄ちゃん!
(泣き声)
抱いたことあるはずだ
俺の… 俺の妹だもんな
(泣き声)
わたす
(玲瓏)私 もう豚じゃねえ…
見てけれ この顔 きれいだべ?
きれいだ… 俺の妹でねえみてえだ
でも なして また こんなに
きれいになっちまったの?
まだ豚だったころ
毎日 水鏡見て泣いてたの
「ああ こったら顔 見ったくねえ
水のねえ国さ 行きてえ」
分かる… 分かるよ…
兄ちゃんだって お前…
毎日 水鏡見る度に・
「うわぁ おっかねえ」ってなもんで
お前 本当にな…
そしたら あの人が来て言ったんだ
「よし
水のない国へ連れてってやる」
「その代わり 魂を俺に売り渡して
女房になれ」って…
誰だ? 「あの人」って
・~
鉄砂大王
(八戒)鉄砂大王…
(鉄輪の締まる音)
ウウッ…
苦しい… 首が絞まる…
悟空… 悟空は どこにいる?
(鉄輪の締まる音)
ウウッ…
・ 悟空…
早く来ておくれ… ウッ… 悟空…
来てくれって言われたって
俺は今 お釈迦さまから解放されて
今 水簾洞へ帰るとこなんだよ
・ は… 八戒… 悟浄…
八戒 悟浄!
また 俺が
行かなくちゃならねえじゃねえか
俺は
もう 人がいい… 猿がいいから…
お師匠さん!
悟空…
かわいそうに
こんな輪っぱ はめられて
大丈夫よ おいらが来たから
もう こんな輪っぱぐらい
(力み声)
(笑い声)
馬鹿な猿めが
わしの鉄輪が
切れるもんなら切ってみろ
(笑い声)
(力み声)
やはり
お前にも切れないんですね…
滴水娘々の水は
間に合わねえだろうし
おいらにも
この輪っぱ どうしようもねえや
きんこ
輪といえば… お前 頭の緊箍は?
そうか 如来さまに
お返ししてきたんですね…
如来さまが外されたとすれば・
お前を自由の身に
してくださったんでしょう
なのに
なぜ 私のもとに戻ってきた?
放っとけるわけないでしょう
お師匠さんが
死にかけてるってのに
あ… ありがとう…
だが 私も覚悟を決めました
死んでもいいっていうんですか
みこころ
お釈迦さまの… 御心に任せます…
おいらは嫌だ!
お師匠さま 死んじゃいけねえよ
ひとつだけ方法がある
にゅうしん
入身の術で
おいらが お師匠さんの所へ
お師匠さんが おいらの所へ
ねっ?
そ… それでは
お前が死んでしまう…
お前は不死身だが
人の代わりとなって死ぬと
本当に死んでしまう
そうでしょう?
それは なりません
お釈迦さまのお許しで
自由の身となったお前に…
ウッ…
そんな務めは ないんですよ…
務めじゃねえ どうしても
お師匠さんを助けてえんだ
悟空…
(鉄輪の締まる音)
ウウッ…
いいかい? 入るぜ
いくぜ
いけません…
お師匠さん 出るんだよ
ほれ 出ろったら!
何をするんです・
あばよ お師匠さん
(鉄輪の締まる音)
ウウッ…
(うめき声)
悟空…
・~
如来さま 悟空は
私の身代わりとなって死にました
これは 御仏のお計らいでしょうか
(如来)そうです 三蔵
私は悟空を試したのです
どうやら悟空は 本当に
そなたの弟子となったようですね
さあ 起こしてやりなさい
・~
ウッ…
痛い痛い! 痛いってんだよ!
何しやがんでえ ちきしょう!
(手下たち)大王さま!
あれ?
あら 俺 どうなってるんかな?
その金の輪は・
お前を苦しめる輪ではなく
お前を生かす輪だったんです
私も今 初めて それを悟りました
ああ… 俺 生き返ったんだ
なあ 生き返ったんだ!
お釈迦さまがさ… そうか!
なんという猿だ
(妖婆)こうなれば
妖怪総動員で襲うほかない
行こうぞ!
(手下たち)オーッ!
あら?
おい お前 滴水娘々と一緒に
地の底へ行ったんじゃねえのか?
あいつは
怒って帰ってしまいよったけどな
わしはな どうしても天竺に行って
ええ男になりたいんや
(八戒)やあやあやあ!
あっ お師匠さん
これ見てください
食料 こんなに どっさり
ねっ? ヘヘッ… これ ほら
おい お前ら ちょっと
ずうずうしいんじゃねえのか
ゆうべ
お師匠さんが危なかったとき
お前ら 一体 どうしてたんだよ?
まあまあ
そう堅いこと言うんでないよ お前
急げばよ 今日中に なんとか
天竺に着けるんでねえのかい?
・~
めいふたいこう
ほう 冥府太后だな?
気をつけろよ この野郎は
地獄を支配してる ばばあだ
・~
・~
(突く音)
(2人)ヤーッ!
(殴る音)
・~
(突く音)
ウッ!
・~
(突く音)
ウッ!
・~
アアッ…
ハハッ…
やつ
これでもう 俺たちの邪魔する奴は
いなくなった ハハッ…
見ろよ もうすぐ雷音寺だ
・~
ああ きれいだな
(悟浄)おお… まるで夢のようやな
天竺っちゅうのは
わしらが思うてたとおりのとこや
(八戒)なあ とうとう着いたんだな
俺たちよ 人間になれんだな
おいおい
お前らよ 人間になったら何やる?
そうやな わしやったら
まあ さしあたり大学教授かな
それで
『西遊記』っちゅう本 書いてね
これがベストセラーになんの
もう
印税が入るから儲かるよ
お前ら 何や?
俺だったらよ
俺はね 中華飯店 開くな
西遊記飯店チェーンなんっつってよ
儲かっぺや これな
お前 食い意地 張ってるからよ
お客も来るよ これ
俺はよ 考えてることあんだよ
何だよ?
俺よ 劇団作るんだよ
劇団作ってよ 世界中 回るんだよ
出し物はよ 『西遊記』でよ
俺 主演 俺 主演だよ おい
お前たちは 経典を広めるために
人間になるんです
ていはつ
3人とも剃髪をして
僧籍に入らなければなりません
坊主に・
ハァ… それは堪忍してくださいよ
じゃ お師匠さま
あれですか 人間になっても・
こいつらと一緒にいなきゃ
なんねえんでございますか?
俺 嫌だよ 俺 嫌だ
やりきれねえもの
やりきれねえもの 俺
それはな 俺が言いてえセリフだよ
お前ら2匹はな
人間になる資格がねえんだから
もうよい!
私たちが ここまで来られたのは
御仏のご加護のおかげですよ
なにが… ご加護っちゅう顔かよ
それを口々に 「俺が 俺が」と
恥ずかしくは ないのですか?
なにが… なにが…
私は恥ずかしい
弟子の不明は師匠の不徳
こんなことで 尊いお経を
いただいてもよいのだろうか
よいも悪いもね もう
雷音寺へ着いちまったんですよ
・~
(如来)三蔵
10万8000里の苦難の旅
誠に ご苦労でした
はい
・~
これが
そなたの求めている経典です
とう
一刻も早く唐の都に持ち帰り
乱れた世を鎮めるがよい
謹んで ちょうだいいたします
あっ はい 分かりました
アハッ… ちょっと すいません
前を失礼いたします
あら いい艶してらっしゃいますね
(悟浄)おい
坊や どうも ご苦労さま
(八戒)じゃ 失礼して…
(悟浄)せ~の…
ちょっと待てよ 重いな おい
こんなの持って帰らんねえぞ おい
「一刻も早く
持ち帰れ」言わはるけども
こんなもんね
いつ帰り着くか分からんぞ
妖怪が帰り道だって
うようよ うようよしてるんだ
これじゃ 兄貴
重量オーバーだよ これ 駄目だよ
じゃ 別送り
…てわけにも いかないわな
いかないでしょうな
こ… 困っちゃったですね これ
困ることはない
きんとんうん
悟空の 斗雲に乗せて帰るがよい
あら
雲に乗ってっていいんですか?
だってな お経をいただく旅はな
楽しちゃいけねえっていうから
おいらなんか えっさえっさ
俺なんか ぶったぶった
(悟浄)かっぱかっぱ
あれなんか もう…
(3人)つっるつる
歩いてきたんですよ
歩いてきたの
それは ここまで来る道のこと
帰り道は許します
そりゃ ありがてえや
斗雲だったらな
今日 大型 呼ぶから
頼むよ おい
ちょうあん
長安までな ひとっ飛びだもんな
あっという間 あっという間
じゃ ちょっと失礼します
今 ちょっと 猿が呼びますから
呼びますから
見ててください
これで呼ぶんですわ これがね…
(口笛)
うるさいよ お前は
(口笛)
エイッ!
(如来)
ひとつ言っておくことがあります
その経典は 長安の都に着くまで
決して開いてはなりませんよ
かしこまりました
たいそうこうてい
太宗皇帝の天覧に供するまで
一指も触れはいたしません
(玲瓏)兄ちゃん!
このお経はニセ物だよ!
(悟空たち)あっ!
これは・
どういうことだ? これは
お釈迦さまもニセ者
この天竺もニセ物だよ
なんだって?
・~
何だ? おい
ここは鉄砂大王の国じゃねえか
(悟浄)天竺やなかったんか
危ないところでした
ニセのお経など持って帰ったら
私は死罪を免れません
だけど トントン
なんで お前 亭主のたくらみを
俺たちに ばらしたんだ?
本当の天竺さ着いたら…
兄ちゃん 人間になれるんだ
いい男に生まれ変われるんだべ
じゃ お前 兄ちゃんのために
亭主 裏切ったのか
玲瓏 裏切ったな!
死ね! ヤーッ!
(鉄輪のはまる音)
アアッ!
トントン! トントン!
(うめき声)
トントン!
(玲瓏)兄ちゃん いいんだ…
私は きれいな女になれて
ちっとは いい思いができたもん…
ウウッ…
兄ちゃんも早く天竺さ着いて
いい男になってけれ…
(鉄輪の締まる音)
ウウッ!
トントン
死ぬな 死ぬな! 死ぬなー!
・~
兄貴!
トントンが死んだ!
(泣き声)
悟浄 妹が… たったひとりの妹が
死んじゃった!
(泣き声)
お師匠さま… お師匠さま…
(泣き声)
三蔵をここから先に進ませるな!
必ず息の根を止めろ!
・~
・~
いかん…
(殴る音)
アアッ!
この猿め…
(蹴る音)
ウッ!
食らえ! この野郎!
(殴る音)
八戒!
(鉄砂)ヘヘッ… くさい豚め!
ヤーッ!
(殴る音)
(うめき声)
かたき
どうだ どうだ! 敵だ 敵だ!
(殴る音)
どうだー!
(殴る音)
・~
(泣き声)
安らかに眠ってくれな トントン…
兄ちゃんな 本当の天竺さ行ってな
世界一
いい男になってみせっかんな
(泣き声)
・~
お師匠さん 元気で行くべ
・~
行きましょう
しかし わしら
ほんまに天竺に着けるんですかね
お釈迦さま 言ってた
天竺は遠いようで近い
近いようで遠いってな
本物のお釈迦さま!
本物の天竺まで
あと どのぐらいあるんですか・
俺たちはさ どの辺まで
来てるんだか 教えてくださいよ!
・(如来)
よろしい 見せてあげましょう
お釈迦さまの声だよ おい
(地鳴り)
何だべ? これ
(悟浄)地震ちゃうか?
おい 手だ
これ お釈迦さまの手のひらだよ
お師匠さま 上がってますよ
上がってますよ これ
(八戒)ああ 上がるよ 上がる!
(悟浄)
おい どこまで上がるんや これ
ちょいちょい ちょいちょい…
ウワ~ッ!
(如来)みんな よ~く見よ
あれが長安の都です
そして あれが天竺
えっ? あんなに遠く?
兄貴
ああ…
あれが天竺…
随分… あっちと…
あれ? あれが長安よ
ほんの これっぽっちしか
来てないってことになんの?
そうです まだまだ半分です
幾度 繰り返してもよい
何年かかってもよい
しっかり性根を据えて
仲良く やって来るのですよ
八戒
(八戒)何だよ?
俺の前 歩くなよ!
いいべ たまには
お前の汚ねえけつが におうんだよ
何言ってんだ
てめえのけつなんか
真っ赤でねえか
(悟浄)やめろ!
目障りは みんな一緒じゃ
てめえなんか 後ろから
いつも こそこそ来やがってよ
(八戒)そうだよ
こそこそ来んじゃねえんだよ
前 歩け お前
なにを・ こけ猿に水豚が
なに? この破れ河童に
薄らモンキー こら
何を言ってやがんだ この…
(八戒)
どうした? 言ってみろよ ええ?
ほら 言ってみろよ
考えてねえんだ 考えてねえんだ
どうやら
まだまだ続くようであります>
苦難の記録 『西遊記』>
いかなる波乱に見舞われますやら>
お楽しみに>
一巻の終わりといたします>
・~
・『ガンダーラ』
・ そこに行けば
・ どんな夢も かなうというよ
・ 誰もみな行きたがるが
はる
・ 遥かな世界
・ その国の名は ガンダーラ
どこ
・ 何処かにある ユートピア
・ どうしたら行けるのだろう
・ 教えて欲しい
・ In Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
・ Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
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