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・~
(ナレーター)
この世に人間が現れる はるか前>
ドロドロと溶岩のように
漂い流れておりました>
4つの大陸ができました>
とうしょうしんしゅう
東勝神洲の一部に山がありました>
かかざん
何万年たったことでしょう>
不思議な石が生まれました>
まるで霊魂でも
宿っているかのようでした>
(叫び声)
・『モンキー・マジック』
・~
・~
・~
てんじく
げんじょう さんぞう
ごくう
求めて 玄奘三蔵と悟空の一行>
折しも さしかかる貧しげな村>
季節外れの ものすごい暑さ>
ただでは済まぬ様子でございます>
はっかい
(八戒)ああ 暑い
もう くそ暑いし 腹は減ったし
もう俺 死にそうだよ
ごじょう
(悟浄)まるで真夏やな これ
てんとう
(悟空)お天道さん これ
どうか なっちゃってんじゃねえの
(八戒)どうなってんだよ?
(八戒)あらら… 兄貴
あららら… すずめが… あちっ…
お前 これ 真っ黒になっちゃって
どうなってんだ? こりゃ
おい またや!
(八戒)あら
(毛を抜く音)
兄貴… あっ… お師匠さん
はい お師匠さん どうぞ
大丈夫か?
(三蔵法師)ハァ… 暑いですね
この村で ひと休みしましょうか
そうしましょう そうしましょう
休みましょう
(男性)
お坊さま どちらから お越しで?
私は三蔵と申す者
とう
ちょうあん
唐の都 長安から
天竺へ経文を求めに行く途中です
これは弟子の者たち
それは それは
ご苦労さまでございます
はじめまして
ところで じいさんよ
ちょっと休みてえんだけどな
(男性)はい あばら家で
うち
ございますが 私の家で どうぞ
あばら家だってよ
(八戒)いいんじゃない?
しょうがないんじゃない?
(男性)どうぞどうぞ
ああ 暑いな 本当に暑いな
この家は なんだか蒸し風呂だな
おい ええ? 本当に
(焼ける音)
あつっ あつっ あつっ!
なんだよ?
ここ 家まで暑いのかよ みんな
(男性)何もございませんが
(八戒)あっ 餅か
アアッ… あつ あつ あつっ…
み… み…
水くれよ 水! 水くれよ
アッ! アアーッ!
何してんだ? お前
汚ねえな 本当に
あちっ! これ 熱湯じゃねえか
この野郎!
俺たちに何か恨みあんのか・
申し訳ございません
でも わざと熱いものを・
差し上げたわけでは
ないのでございまして
(男性)ここは
井戸の水も お湯なのでございます
この村は 四季を通じて
ひどい暑さでございましてな
空を飛ぶ鳥さえも 黒く焦げて
落ちてくる始末でございまして
(悟空・八戒)あっ!
おいしかった… おいしかった
(悟浄)えらいとこやな ここは
(八戒)そりゃまた なんでなの?
かえんざん
(男性)火焔山のせいでございます
火焔山?
はい この村から西へ30里
火焔山という とてつもない
大きな山がございましてな
1年中 異様な炎を
噴き上げておりますのじゃ
天と地が分かれたころより・
恐ろしい炎と煙を
吐き続ける この山は・
旅人にとって
最大の難所であります>
15里四方というものは・
一木一草さえ生えぬ
荒涼たる世界だったのです>
しかし…
西へ行く道は あるのでしょう?
めっそうもない
あの山へ1歩でも入ったら最後
たとえ銅の頭 鉄の体でも
たちまち溶けてしまいますのじゃ
15里四方が その様子やと・
遠回りしても
お師匠さまの足じゃ無理やしなぁ
ハァ… ここまで
やっと たどりついたというのに…
どうやら これまでだな
長い長い旅だったけど
これで おしまいですね きっと
めえ
(八戒)所詮よ 天竺なんて お前
夢幻だったのかもしんないよ
おいら この地で 焼き豚に
なっちゃうんだよな 焼けて
・~
そやけど ここで諦めたら・
今までの長い長い旅が
みんな水の泡や
これまでもやな 何べんも
あかんと思うたとき あったやろう
なんとか
みんなで乗り越えてきたやないか
おい 悟空
うん?
何か ええ手ないかな?
「ええ手」なぁ…
じいさん その火焔山の火を
消すって方法は ないのかい?
はい ひとつだけ ございますが…
おお ひとつありゃ 御の字だ
教えてくれ
らせつじょ
羅刹女さまに お願いするのです
羅刹女?
(男性)ここから西南に60里
すいうんざん
ばしょうどう
翠雲山 芭蕉洞に住む
女仙人でございます
女? どんな女?
まぶいの? まぶいの?
八戒! もう うるさいな お前は
いいから 話続けてくれ
はい その羅刹女さまがお持ちの
ばしょうせん
芭蕉扇という うちわで・
1度あおぐと 火焔山の火が消え
2度あおぐと 風が起こり
3度目には 雨が降りだします
私どもは
年に1度 お願いして 作物を作り
どうにか飢えを しのいで
いるようなわけでございまして
よ~し 分かった
その芭蕉扇というのがありゃ
いいんだな?
はい
いいんだと
うん 芭蕉扇だな うん
(口笛)
エイッ!
ハッ!
・~
「芭蕉洞」か よし
ごめんよ!
(扉をたたく音)
あの… 羅刹女さん いるかい?
(女中)はい あの… 奥さま…
あの… その… あのですね
あの…
奥さまは ただいま… あの…
こら! はっきりしろ!
はい!
(女中)奥さま 大変です
猿の化け物が来て
奥さまに会わせろと…
(羅刹女)猿の化け物? おお 嫌だ
私は猿が大嫌いなんだよ
何の用事か知らないけど
断っておしまい
断ったんですけど
どうしても会わせろと聞かなくて
うちは女ばかりじゃないか
旦那さまの留守に
めったな男を入れては・
あの人に申し訳が立たないんだよ
(女中)はい でも…
・(扉をたたく音)
・ やい 開けろ! 何してんだい?
しつこい猿だね
私は機嫌が悪いんだよ
よ~し 思い知らせてやる
おい 羅刹女!
みじけ
こちとら気が短えんだ おい!
早くしろ!
うるさいね 一体 何の用なの?
あんた 羅刹女かい?
せいてんたいせい
そん
おいら 斉天大聖 孫悟空
うわさ
ああ 噂は聞いてるよ
天竺へお経を取りに行く坊主の
お供をしてるそうだね
はえ
ああ それだったら話が早えや
悪いけどな 芭蕉扇ってのを
貸してくんねえか?
なんだって・
芭蕉扇
火焔山の火を消してえんだよ
西行くには
あの山が邪魔で しょうがねえんだ
お断りだね
なに?
芭蕉扇は 私の大切な宝
それに 何だい? 人に
ものを頼むのに 横柄な口たたいて
芭蕉扇を借りたかったら・
お礼ぐらい持ってくるのが
常識だろう
トンナンシャーペー
あの山の東南西北 どの村だって・
毎年
たんまり お礼を持ってくるんだよ
フン! がめつい女だ
とっとと お帰り!
待ちやがれ! こうなったら
腕ずくでも 芭蕉扇 借りてくぜ
おや? やる気かい?
女だからって この野郎
容赦しねえぞ!
・~
ハッ!
・~
待ちな!
芭蕉扇は貸してやるよ
フン… 最初から
そう素直に言やぁいいんだよ
悪かったね
シッ!
ああ へえ これが芭蕉扇か
さあ 貸してやるよ
ああ
ウワーッ!
飛んでけ 悟空!
エイッ!
ひとたまりもありません>
悟浄
悟空は どうしたんでしょう?
いやぁ 今まで帰らんとこ見ますと
もしかして あの羅刹女に…
いや まあ そういうことは
ないと思いますけどね
あいつのことやから
大丈夫でしょう ええ
八戒は?
奥で ふて寝してますよ
悟空が
羅刹女に会わさんもんですからね
ひがんどるんですよ
フフフフッ…
駄目よ そんなとこ触っちゃ駄目よ
フフフフッ…
そんなに
いっぱい食べれないんでね
大丈夫よ もう要らない
もういいよ
もう食えないからね もういいよ
そんなに勧めなさんな
豚にだって限界があるんだ
食えない 食えないって…
ああ 食えないって…
夢か 食っときゃよかった
(悟浄)おお 悟空 無事やったか
いや まいったよ
あの羅刹女っていうのよ
芭蕉扇でさ
俺 2万4000里も飛ばされたよ
では 駄目だったんですね
いやいやいや
諦めるのは まだ早いですよ
このじいさんからね…
これ!
あっ… このお年寄りから・
お耳寄りなお話を
今 お聞きしたんです
…というのはな
あの羅刹女っていうのはね
ぎゅうまおう
牛魔王っていう亭主が
いるんですよ
もん
化け物なんですけどね
この亭主が
ほかに女作っちゃってさ
女房 全然 かまわねえんだってよ
ようある話やな
ここから南に130里
せきうんざん
まうんどう
積雲山 摩雲洞という所に・
ぎょくめんこうしゅ
玉面公主という
あばずれの浮気女がおりましてな
牛魔王は もう2年間というもの…
そう
それが めっぽう べっぴんでね
牛ちゃん 入れ込んでるらしいよ
どこだ? そのべっぴんって
どこだ?
ええい!
ばかやろう
馬鹿野郎! 寝ぼけるなよ!
アッ…
悟空 …で どないすんねん?
決まってるだろう
さや
牛魔王を元の鞘に納めるんだよ
羅刹女だってさ 2年間
いらいら いらいらしっぱなしで
欲求不満 ヒステリーだよね
それさえ静めてやれば・
芭蕉扇だって すんなり
貸してくれるんじゃない?
なるほどね そうやね
そいつは無理なんでねえか?
ええ?
なあ 男は いったん女に迷ったら
なかなか
お前 目ぇ覚めるもんじゃねえぞ
この馬鹿
馬鹿 いてっ…
この野郎 この野郎 この野郎
(殴る音)
みんな てめえと
一緒だと思ったら大間違いだ!
ちょっと耳貸せ 耳
鼻血 鼻血…
愛の巣でございます>
(牛魔王)
やっ 捕まえた 玉面だろう?
(玉面公主)まあ つまんない
(女中たちの笑い声)
やめたわ 下がりなさい
(牛魔王)ねえ どうしたの? 急に
(玉面公主)別に
なんか変だよ
(玉面公主)そうかしら?
まさか 俺んとこ 嫌いに
なったわけじゃないんだろうね?
あら そんなこと
玉面 愛してるよ
(玉面公主)私も
ねえ あなた
(牛魔王)何だい?
私 絹の服と宝石が欲しいのよ
買ってくださる?
チェッ… またかい?
女房んとこから持ち出した金は・
もう そろそろ
底をついちゃったんだよ
あなた 牛魔王でしょう
また 奥さまの所から
持ってくればいいじゃない
駄目だよ
今更 女房んとこへ帰れるかよ
まあ 冷たいのね
・(手下)申し上げます
(牛魔王)何事だ?
(手下)はっ! ただいま
羅刹女さまからの使いの者が・
牛魔王さまを
お迎えにまいっておりますが
奥さまが?
《女房は あれで誇りの高い女だ》
《自分のほうから
俺を迎えに来るはずがない》
使いとは貴様か?
奥さまが急病で倒れはりましてね
今すぐに戻っていただきたいと・
こういうふうに
おっしゃってるんですけども
なに? 急病だと?
あいた…
なにもん
(牛魔王)何者だ?
さ
ええ 私 沙悟浄といいましてね
天竺にお経をいただきに行く
お坊さんの弟子なんですわ
あんた 悟空の仲間か
(悟浄)ハハッ… そうなんです
ほんでね あの火焔山の火
あれ 消してもらえませんかね?
奥さんに頼んで なんとか 芭蕉扇
貸していただきたいんですけどね
俺は女房と別居中だよ 関係ねえ
何を言ってんですか
ほかの女にうつつを抜かして
そんなこと やめてやね
奥さんとこ戻りゃ
それで済むんじゃないですか
うるさいな
こちょこちょ言わねえで…
・~
(殴る音)
(手下)ウッ!
・~
(殴る音)
アアッ!
・~
(牛魔王)野郎!
・~
どうだ? まいったか
(悟浄)まいりました…
(悟浄)何が まいったか!
牛魔王 なかなかやるな
よ~し
♪(ハミング)
♪~
奥さま
いちごを摘んでまいりました
まあ おいしそうな いちごだこと
ハッ…
(飲み込む音)
変ないちご!
勝手に口に飛び込んじゃったよ
・(笑い声)
誰だい・
・ 俺だよ 悟空さまだよ
えっ? どこにいるんだよ・
・ 鈍いな お前の胃袋の中だい
胃袋?
・ 今のいちごが俺さまだ
・ これは昨日のお返しだぜ
えっ・
(笑い声)
ほ~れ! 弾め弾め オ~ハオ~!
ヤッホー!
あららら… イエーッ!
おい 羅刹女 お前の胃袋は
気持ちがいいな 弾んで
(笑い声)
腸まで行ってやろうか? ええ?
腸まで 1回 行ってみるか
この野郎 ア~ハハッ!
アアッ!
(女中)奥さま!
やめておくれ 悟空
・ 芭蕉扇を貸すか?
ああ 貸すよ 貸すったら!
・ よ~し 芭蕉扇を大きくして
隣の部屋へ置け
エイッ!
早く向こうへ持ってっておくれ
(女中)はい
言うとおりにしたよ
・ 早く立て 立つんだ!
(うめき声)
(女中)奥さま!
アアッ!
ハハハッ… おいらの診断じゃ
あんた 胃潰瘍の気があるぜ
そりゃ 「いかんよう」 ええ?
せいぜい養生しなさい
あばよ
奥さま 旦那さまに ご連絡を
(羅刹女)おやめ
妖怪の誇りも捨て 人間の女に
迷った腰抜けが 頼りになるもんか
でも 芭蕉扇が…
(羅刹女)大丈夫だよ
ああ 熱いな おい
あちち あちち…
あちっ! ちくしょう
・~
1度あおげば 火が消える
2度は風 3度は雨か
記念すべき瞬間は近づいている
♪ 仰げば尊し 芭蕉扇
カーッ!
・~
ヤッ!
・~
エイッ!
(爆発音)
あれ?
・~
(爆発音)
だま
ちくしょう 騙しやがったな!
いずれがタヌキ>
女と火の山には・
どうやら
歯が立たぬようでございます>
あちっ… あつっ…
(口笛)
エイッ!
悟浄 火焔山の火は
本当に消えるでしょうか?
う~ん… そら 悟空が
ほんま物の芭蕉扇を手に入れたら
望み なきにしもあらずですかね
ながとうりゅう
長逗留すれば
この村の人たちにも迷惑をかける
あの火を消せば この村も
豊かになり 恩返しもできるのだが
おっしゃるとおりですね
ハァ…
ちょっと風入れましょう ねっ?
いきますよ
(八戒)
ウッ! 地震か? おい 地震か?
オッ? どうしました?
(悟浄)お師匠さま!
お師匠さん 大丈夫ですか?
ああ びっくりした
ちょっと あおいだら これや
もう えらい勢いやな これ
(八戒)芭蕉扇か?
・ ただいま!
はい! 誰?
兄貴 どこ行ってたの? どこ
あのな 火焔山の北に湖があってね
そこに 牛魔王の知り合いの
竜王ってのが住んでたんだよ
…で それのね
使いに化けて行ってきたんだよ
ご苦労さま
ご苦労さま ご苦労さま
八戒 八戒
あしたはね あなた 出番です!
(悟浄)よっ!
♪ 足は短いが 顔だって悪い
チャチャチャ…
ア~アアアア~!
・~
悟空から いかなる計略を
授けられましたか 八戒>
飛んでまいります>
玉面 竜王の宴会へ行ってくるぞ
本当に竜王さまの所へ?
ゆうべ
使いの者が持ってきた招待状
お前も読んだろう?
(玉面公主)ええ でも…
何すねてるんだ?
だって いつも あなた1人で
遊びに行っちゃうんだもん
妖怪には
妖怪の つきあいがあるんだ
おとなしく留守番をしてなさい
じゃ お土産に 絹の服と宝石を
(牛魔王)また そんなことを…
あなたは神通力があるんだもの
竜王さまの蔵からでも 持ってきて
何を言ってんだ!
これだから人間の女は困る
どうせ私は人間の女よ
なによ! 「妖怪でも金持ちだ」
ぜいたく
「どんな贅沢でも
させてくれる」って口説いたくせに
約束が違うじゃないのよ!
やめろ!
(殴る音)
よくも私をぶったわね!
(牛魔王)ごめん…
なによ!
(牛魔王)やめなさい 悪かった
ごめん いてっ! 痛い痛い痛い…
アア… ごめんなさい
・~
よっしゃ
ああ あそこか フフフフッ…
♪ 摩雲洞 まぶいの
女の子 いっぱい いるのかな
よいしょ!
なにさ! 馬鹿!
ああ 痴話げんかのあとらしいな
こりゃ いいタイミングだなぁ
うわぁ… いい女だ フフッ…
(笑い声)
(八戒)あの… お待ちくださいませ
失礼だけんじょも
玉面公主さまですか?
ええ
(八戒)いがった
(玉面公主)さあ どうぞどうぞ
まあ それじゃ
父とお知り合いでしたの?
旅の途中 いつもお邪魔しては
お世話になったものです
本当に よいお方でした
まあ
そう言ってくださると うれしいわ
いいえ とんでもない
玉面さま 噂では
既に ご主人がいらっしゃるとか
えっ? ええ… でも あんな人…
ああ 真実は いつも悲しい
ここへ来るのが2年遅かった
あっ… あなたったら…
あなたは私の憧れの人でした
ここへ来る度に
いつも 「あなたに会いたい」
「せめて ひと目」
そう思い続けてきたんです
私も
もっと早くお会いしたかったわ
(鼻の鳴る音)
ああ 本当ですか?
でも 今からでも遅くない
いいえ ちょうどよかったわ
ああ 玉面さま!
(玉面公主)なぁに?
もうチューぐらい いいでしょう?
どら
・(銅鑼の音)
ウワッ!
あら? ハハハッ…
あなた
(八戒)はい!
主人は夜遅くまで留守ですの
どうか ゆっくりなさってね
ああ そりゃもう
願ったりかなったりで フフフッ…
召し上がれ
(八戒)ああ これ…
うわぁ! こりゃ… うん これも…
さあ どんどん召し上がれ
何者かに謀られたと知った牛魔王>
玉面公主の身に変事でもと・
急ぎ はせ戻ってまいります>
あっ! おい!
牛魔王や
ちくしょう 予定より早かったな
やつ
八戒の奴
うまいこと 女たらし込めたかな?
駄目だろうなぁ
よし こうなったら最後の手段だ
(八戒)
うめえなぁ これ フフフッ…
珍味だなぁ これ なぁに?
(玉面公主)豚の脳みそよ
ふ~ん… ハッ・
カーッ… 共食い…
(玉面公主)どうか なすったの?
いえ 私は 豚だけは
食べては いけなかったのです
オエッ!
アア… ちょっと失礼
ウエ~ッ!
あっ 耳が…
(八戒)えっ?
ああ これ 何でもないの
これ 病気なの フフフフッ…
・(扉の開く音)
あっ あなた
(八戒)おかえりなさい
浮気者め!
(玉面公主)あら 誰のこと?
黙れ!
におうぞ…
嫌な においだ
豚!
(八戒)そう 俺 豚
じゃ お前 八戒だな?
(八戒)おう
俺を竜王んとこ おびき出したのも
悟空の猿知恵だろう? うん?
俺を女房んとこ 帰す計画だろうが
そんなことで
女房が芭蕉扇なんて貸すもんか
あっ… 目つき変わった
刀抜くでしょう?
・~
(殴る音)
(手下たち)アアッ!
待て!
ちょっと あんた
あの宝石
もう少しで手に入ったのに・
よくも邪魔してくれたわね
(牛魔王)玉面 貴様!
私は
牛でも豚でも かまわないのよ
お金や宝石持ってる人ならさ
金の切れ目が縁の切れ目か
(玉面公主)そういうこと
(扉をたたく音)
開けてくれ!
旦那さまの お帰りだ!
(扉をたたく音)
牛魔王だぞ!
旦那さまだって? 本当に?
(女中)はい
駄目よ 入れちゃ
追い返してちょうだい!
はい…
しばらくだったな
(羅刹女)あなた…
よくも敷居が またげたものね
2年間も あの女のとこに
入り浸ってたくせに
だから 謝りに来たんだ
許してくれ このとおりだ
許してくれるな?
(羅刹女)ウ~ン…
そうだ 悟空が来なかったか?
(羅刹女)あなたの所へも?
やっぱり来たのか
芭蕉扇は大丈夫か?
フフッ… 大丈夫よ
火を消す本物は ここにあるわ
ほら
(牛魔王)それを見て安心したよ
でも それ
どうやって大きくしたっけかな?
やぁね あなた 忘れちゃったの?
いや 2年間ばかり
向こうへ行ってたもんだからな
ちょっと
ぼけちゃったのかもしんない
ハハハハッ…
(羅刹女)馬鹿ね
こうよ
シッ!
なるほど そうか
ねえ あの女の所へ帰らないで
ず~っと ここにいるって約束して
そうは いかねえよ
俺は牛魔王じゃねえからさ
悟空!
今度こそ借りてくぜ
ん~! 野郎!
(突く音)
ハハッ! ゆっくりお休み!
よっ!
・~
悟空め 芭蕉扇を…
・~
おうおうおう 悟空
おう!
お前 待っててくれたのか
どないしてん?
見ろ 本物の芭蕉扇 手に入れたぞ
おお どういうふうにして
手に入れてん?
これか?
俺がよ 牛魔王に化けてよ
…で 羅刹女を
ちょっと騙くらかしたんだよ
牛魔王に?
ああ
ああ 悟空 ちょっと いっぺん
わしに貸してみてくれ
これか?
へえ これが ほんま物の芭蕉扇か
ふ~ん…
(飲み込む音)
悟浄… 貴様…
(笑い声)
何者だ・
牛魔王!
悟空…
俺と女房を
よくも馬鹿にしてくれたな
もう許さんぞ!
・~
よいしょ!
(力み声)
(殴る音)
・~
ウウッ…
(蹴る音)
・~
(力み声)
(女性)ウワッ…
(男性)オッ?
(女性)ウワッ!
(悟浄)誰や?
羅刹女だよ 悟空は いるか?
(悟浄)いませんよ そんな者
お前が三蔵という坊主か?
はい
来い!
何すんねん? お師匠さまに
(羅刹女)三蔵は預かったよ
帰してほしけりゃ
本物の芭蕉扇と引き換えだよ
悟空に そう言っときな
あま
(悟浄)なにを? この女
アーッ!
・~
ンーッ… エイッ!
・~
(叫び声)
・~
(殴る音)
あいたた…
やるな 悟空
・~
ハハハッ… 引き分けだな 悟空
・~
待ちやがれ 牛魔王! ええい!
芭蕉扇は私の宝だからね
しかたがないと思って諦めな
悟空から あなたの話を聞きました
2年間
夫の留守を守ってきたそうですね
立派だと思います
何だよ? 急に
芭蕉扇も そうでしょうが
牛魔王も あなたにとっては
宝なんでしょう?
当たり前だよ 亭主だもの
でもね
あいつは妖怪の誇りを捨てて・
人間の女に
うつつを抜かしちまったんだ
それで2年間 あなたは
何にも しなかったんですか?
一度も夫を呼び戻そうとは
しなかったんですか?
私には女房の誇りがあるんだよ
人間の女になんか
見返られてたまるか!
それは間違いです
何が間違いなんだよ?
夫を愛しているんなら
くだらない誇りなど捨てなさい
は
たとえ地面に這いつくばっても
たとえ そっぽを向かれても
妻として
夫を取り戻しに行くべきなんです
夫の目が覚めるまで
それが 本当の夫婦の
愛というもんじゃありませんか
なに・ お師匠さまが羅刹女に?
すまん 悪かった 恥ずかしい
…たく どじなんだから
かっぱ
この ぼけ河童が この!
よっぽど馬鹿だな お前は
馬鹿に怒られてんだぞ お前
そうなんやなぁ…
本物の芭蕉扇もよ
牛魔王に取り返されたしよ
もう八方塞がりやな
どないしよう?
こうなったら お師匠さま
助けるよりほかねえだろう
(泣き声)
泣いてんじゃねえよ お前も
奥さま! 大変です!
旦那さまが またお帰りです
えっ? 悟空の奴 また来たのか?
よ~し!
あっ!
しばらくだったな
同じ挨拶しかできないのか?
この化け猿!
もう来るなって言っただろう!
アーッ! 化け物め!
ちょっと… ちょっと待てよ
俺は本当の牛魔王だよ
えっ・ 本物?
えっ? ああ そう…
(牛魔王)なっ? 本当に俺だろう?
あれは?
(羅刹女)玄奘三蔵
人質に さらってきたんだよ
悟空の奴に
大事な芭蕉扇 取られたの
(切る音)
あなた!
(牛魔王)もう その必要はないのだ
芭蕉扇は ここにある
あなたが悟空から?
(牛魔王)これは お前の宝だ
二度と取られないように
大切にしろ 用は それだけだ
じゃ
待って!
あの女のとこへ行かないで
ここに いてちょうだい
お願い! 私を許して
もっと
あなたに尽くせばよかったのに
この2年間 本当は 何度
あなたを呼び戻しに行こうかと…
でも
くだらない誇りが邪魔をして…
これからは
きっと いい女房になるわ
ねえ だから 私を許して
許してほしいのは俺のほうだよ
まね
2年間 勝手な真似ばっかりして
俺は もう あの女とは別れたんだ
本当?
あいつは 俺の金だけが目当ての
浮気女だったんだ
それなのに
お前は立派に留守を守ってきた
俺は自分が恥ずかしいよ
(羅刹女)あなた!
おい!
(悟浄)お師匠さん ご無事で
とんだ ぬれ場
邪魔して悪かったな
今度は てめえら たたき殺しても
芭蕉扇 もらってくぜ
シッ!
悟空 遠慮なく使うといいよ
えっ?
どうなってるんだよ? こりゃ
私にゃね
この人のほうが大切な宝なんだよ
そういうこと フフフフッ…
・~
(爆発音)
・~
(八戒)熱い!
いや 兄貴 兄貴
もうこの辺で… この辺で やろう
よし やるか おい 芭蕉扇 貸せ
♪ 1度あおげば 火が消える
ハッ!
・~
・~
(悟空・八戒)やった!
(拍手)
悟浄 悟浄 ほら!
(八戒)よし
2度目にあおげば
風が吹く よっ!
・~
(雷鳴)
(拍手と歓声)
やったー!
八戒 いけ!
いきます
(悟浄)オッ!
♪ 3度あおげば 雨が降る
(悟浄)よっ!
(雷鳴)
(雷鳴)
(八戒)わあ! やった!
やった!
(3人)万歳! 万歳! 万歳!
(八戒)
どうも ありがとうございました!
・『モンキー・マジック』
・~
・~
(雷鳴)
・~
・~
(歓声)
雨が降ったぞ!
・~
再び愛を取り戻した牛魔王夫婦>
使うことを約束いたしまして・
三蔵主従一行は 恐ろしい火焔山も
無事 越えることができました>
更に苦難の旅は続きますが・
それは 次回の講釈で>
・『ガンダーラ』
・ そこに行けば
・ どんな夢も かなうというよ
・ 誰もみな行きたがるが
はる
・ 遥かな世界
・ その国の名は ガンダーラ
どこ
・ 何処かにある ユートピア
・ どうしたら行けるのだろう
・ 教えて欲しい
・ In Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
・ Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
目前にして・
一行の前に立ちふさがったのは
なんと 妖怪大王を中心に・
化け物・妖怪
魑魅魍魎の住み着く妖怪帝国>
一計を案じた悟空たちは大わらわ>
三蔵を妖怪らしく見せるため・
涙ぐましい個人レッスン>
ご期待ください>
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