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・~
(ナレーター)
この世に人間が現れる はるか前>
ドロドロと溶岩のように
漂い流れておりました>
4つの大陸ができました>
とうしょうしんしゅう
東勝神洲の一部に山がありました>
かかざん
何万年たったことでしょう>
不思議な石が生まれました>
まるで霊魂でも
宿っているかのようでした>
(叫び声)
・『モンキー・マジック』
・~
・~
・~
・~
・(地鳴り)
(爆発音)
ぎょくれい
しゅんえい
(玉麗・俊英)あっ!
・~
(爆発音)
・~
(爆発音)
・~
(爆発音)
(玉麗)アアッ…
・~
(爆発音)
(2人)アアッ!
(玉麗)俊英さま
にょいしんせん
(如意真仙)どこへ行く?
にょにんこく
おきて
女人国の掟を破ろうというのか
お許しください 如意真仙さま
私たちは恋をしてしまったのです
(如意真仙)恋だと?
愚か者め!
この国は 女だけの女人国
恋などは許されんのだ
(俊英)ですから 私は この玉麗を
連れて この国から出ていくのです
どうぞ お見逃しください!
(如意真仙)お前は誰だ?
はい 薬の行商をやっている
俊英と申します
(如意真仙)
我が支配する女人国から・
女をたぶらかして
逃げ出そうとは いい度胸だ
どんな目に遭うか
思い知らせてやる
ええい テンパイ!
(俊英)アアッ!
(爆発音)
俊英さま!
俊英さま 俊英さま!
お願いでございます 如意真仙さま
俊英さまを… 私の愛する人を
どうぞ お返しくださいませ
お願いいたします!
(如意真仙)ならん!
(玉麗)あっ… ああっ…
(如意真仙)玉麗よ
お前が元の姿に戻り
あの男との契りを結びたくば
しぼがわ
今日より この子母河の川守となれ
そして この川の悪霊の水を・
何十年かののち
この地を通るであろう東土の高僧
さんぞうほうし
三蔵法師に飲ませるのだ
仏教の徒に 子を身ごもらせるのだ
三蔵法師?
(如意真仙)そうだ
さすれば その体を元の姿に戻し
あの男をお前の手に返してやろう
このこと しかと忘れるでないぞ
(爆発音)
・~
俊英さま 待っていてくださいまし
たとえ
100年でも 1000年でも
いつの日か
きっと あなたをお救いして
めおと
あなたと夫婦になってみせます
歳月は たちまちにして過ぎ去り・
如意真仙の言葉のとおり・
三蔵法師の一行が
この女人国にやって来ました>
(三蔵法師)
ここらで ひと休みしましょう
はっかい
(八戒)わあ 待ってました!
ああ くたびれた
・♪(楽器の演奏)
ごくう
(悟空)何だ? あの音は
(八戒)ひょっとしたらよ
俺たちのこと
歓迎に来たのかも分かんねえな
ごじょう
(悟浄)そうやな
てんじく
わしらの天竺旅行も
随分 有名になったさかいな
(八戒)よう
ちょっと見に行ってみねえか?
おう いいな
・♪~
♪~
(八戒)あっ… 女ばっかり
(悟浄)おい 嫁入りか? おい
♪~
(鐘の音)
こうらん
(香蘭の母親)
おばあさま 水番のおばあさま!
(母親)おばばさま
本日 めでたく 二十歳に
なりました娘の香蘭でございます
お水をいただきに まいりました
(八戒)ああ じゃ 成人式かな?
(玉麗)貢ぎ物は?
(母親)はい
さあ
(玉麗)
おお おお おお ハハハハッ…
ああ そうか そうか
香蘭どのも二十歳になられたか
月日のたつのは早いもんじゃのぅ
このばあが取り上げたのが
まるで昨日のようじゃのぅ
おかげさまで 病ひとつせず
このように健やかに育ちました
おお そうか そうか
さあさあ おいで
大切な水じゃ
ひと口だけだよ
(八戒)けちくせえ ばばあだなぁ
あんだけ貢ぎ物やって
水ひと口だぞ お前
あのばばあよ 独り占めして・
もう
儲けるだけ
儲けようって腹じゃねえのか?
(悟浄)
よっぽど うまい水かもしれんな
それとも 何か
いわくが あんのかもしれねえや
八戒 悟浄 行くか
行くべ
行こう じゃ
行くべ
やいやい 強突くばばあ!
てめえのやり方は汚ねえぞ!
そうよ 天から授かった川の水を
独り占めして 儲けようっちゅう・
その魂胆が気に食わねえ
この野郎 本当に
懲らしめてやっから
そう思え この野郎
何者じゃ? お前たちは
フフン… 聞いて驚くなよ
俺さまはな 東土の高僧
三蔵法師さまの1番弟子
せいてんたいせい
そん
斉天大聖 孫悟空
元猿
てんぽうげんすい
ちょ
そして 同じく 天蓬元帥 猪八戒
家畜だ こりゃ
なに・ 三蔵法師とな?
今 確かに
「三蔵法師」と申されたな?
「三蔵法師」と
言った 言ったよ
だけど うちのお師匠さまが
どうかしたのかい?
そう まさしく…
お前さまたちは 2人とも
三蔵法師さまのお弟子さまか?
あれ? 妙なばばあだね しかし
じゃ なに? おたく あれかい?
うちの… 主人の… あの…
法師 法師
そうそう 一寸法師 知ってんの?
何だっけな?
かい
ばか
そりゃ櫂の舟だよ 馬鹿
ああ 三角帽子
それは時計台だろう 馬鹿
三蔵法師
そう それ知ってんの?
ああ そうだ そうだ
そうと分かれば
このばばあ 何も申さぬ
申し訳ございません
おっしゃるとおり
川の水は天からの授かり物
独り占めした この私が
悪うございました
どうぞ
お好きなだけお持ちになって・
三蔵さまとご一緒に
お飲みになってくださいませ
ちょっと持ってまいりますから
あらら… いや 兄貴よ
うちの何だっけ あの…
今… えっと あの… お師匠さまよ
随分また
有名になったもんじゃねえの
だって あの鬼ばばが ころっと
心入れ替えちゃったんだもの
…んなことより お前
お師匠さまの名前 覚えたのか?
覚えた 「勤労奉仕」さま
かの玉麗の
化身した姿だとは つゆ知らず>
悪霊の水をもらって帰ります>
お師匠さま
お師匠さま! ハハッ…
水・水・水 いや 儲かっちゃったよ
ほら! なっ? 兄貴 なっ?
うん? ああ…
どうしたんです? 八戒
あのね
行列にね ついてったんですよ
そしたらね 川の番をしてるね
妙なばばあが いたんですよ
ほんで 「あんたら どっから
来たの」みたいなこと言うから
お師匠さまの名前
ちょいと出してみたんです
ほしたらば あんた
途端に 腰は抜かすわ あんた
「水持ってけ 水持ってけ」って
…で これも くれたの
儲かっちゃったよ お前
そりゃ ありがたい ちょっと…
わしな ちょうど腹も減ってるし
…でね 皿の水も乾いとるから
(八戒)ちょっと待てよ お前
節操がないな お師匠さまから
先に召し上がっていただかなきゃ
しゃあねえべ
かっぱ
このおたんこ河童が この
はい 冷えてますからね どうぞ
ちょっと待った
俺は どうも
ふ
さっきから腑に落ちねえんだ
あの強突くばばあがよ
こう簡単に
ただで水をくれるわけがねえ
それじゃ なにか? この水に
毒でも入ってるっていうのか?
かもしれねえぞ
何言ってんだよ
だったら あのかわい子ちゃんがよ
貢ぎ物までして
水飲みに来るわけねえべよ
兄貴だって見てたっぺよ
まあ そりゃそうだけども
悟空 取り越し苦労は体の毒やぞ
なんやったら わしが
お師匠さんの前に毒味したるがな
よせ この… お師匠さんが
飲まねえんだったら 俺が先だよ
お前 あの若い女の子が
行列 仕立ててまで・
飲みに来る水なんだもの
ちげ
よっぽど うまいに違えねえんだ
ちょっと失礼します
(悟浄)勝手にせえ もう
はい
それじゃ お先に いただきます
(八戒)ハァ~ッ…
ああ うまかった
ほら 毒なんて とんでもねえ話だ
見てみろ ほら
こうやって
ぴんぴん ぴんぴんしてっぺから
ぴんぴん…
ぴんぴん ぴんぴんしてっぺ
ほら 本当に毒…
(腹の鳴る音)
いて
いてっ… 痛え…
八戒 大丈夫か・
苦しいか? 苦しいか? 水飲め 水
ああ すまねえ
大丈夫か?
この水が原因だべよ 飲ますなよ
あっ…
しっかりしなさい 八戒
近くの町へ行きましょう
医者に診てもらわなければ
それよりも
穴に埋めてしまったほうが…
あほなこと
言うてる場合やないやないか
おい しっかりせえ
しっかりせえ おい
どいたどいた どいたどいた!
どいた どいた どいた! ほら
おい! すまねえけどな
この辺に医者ねえか? 医者
(女性)お医者さん?
ああ
(悟浄)いやね 川の水飲んだら
急に 「腹が痛い」言いだしましてね
毒にでも あたったらしいんですわ
(女性)川の水で?
(悟浄)ああ
(うめき声)
おい! 何が おかしいんだよ
俺の仲間が こんなに
苦しんでんじゃねえか 馬鹿野郎
「おめでた」だからですよ
見てごらんなさい おなかを
(悟浄)あっ…
(八戒)あっ…
(八戒)ああっ!
あの… 妊娠っちゅうのは・
もしかして 赤ちゃんが
できる妊娠のやつですか?
ええ
一体 どういうことなんです?
この八戒は男ですよ
(八戒)そう 男 男
あの川は子母河といって
飲めば子供を宿すのですよ
(八戒)そんな馬鹿な
この国には男がいませんから
二十歳になった娘たちは・
行列を仕立てて
水をもらいに行くんです
お弟子さまの その腹痛は・
赤ん坊が生まれる前の
陣痛ですから
どんな薬をのんだって
治りゃしませんよ
八戒 ママになるのよ
アア… 冗談じゃねえよ 本当に
大体よ
赤ん坊を産むったって 俺 男だよ
どっから産んだらいいの?
念のため
しょうたいせん
この先の照胎泉という泉へ行って
影を映してごらんなさい
おい!
ここだ ここだ ここ おい…
ほれほれ ほれほれ よいしょ…
(八戒)あっ… ひどいわ ひどい
はい 来い よっ…
そっと そっと そっと
大丈夫? つわり来てない?
うん さっぱりした物食べたい
そう あとでね
(悟浄)危ない
気をつけてよ
(八戒)本当に… 本当に しかし…
(八戒)あっ!
・~
おい ちゃんと認知してやれよ
(悟浄)
かわいい子豚ちゃんやないか
良かったな
(八戒)嫌よ 嫌よ 嫌よ
いや いや… 嫌よ
片親しかいないなんて
この子 かわいそうよ かわいそう
産めないわ 産めないわ 産めない
(悟浄)しっかりせえ しっかりせえ
はいはい いい子だ いい子だね
チッ… 本当によ どうも
おかしいと思ったんだ 俺はよ
あのばばあに 一杯食わされたな
あのおばあ
もしかしたら 妖怪かもしれんな
そうだ 大体 お前 川の水飲んで・
ガキが できるなんて話
聞いたことねえよな
待った… 待ってくれよ
分かった 分かった 分かった
(八戒)動くの 動くの…
元気な証拠なのよ
あの川の水には
妖怪の術が かかってるんだよ
そうやけど
考えてみたら危ないとこやったで
これ お師匠さまがやな
あの水 飲んでてみいや
お師匠さんのおなかが
出てるとこや
しかし 悟空
これから どうしたらいいでしょう
(八戒)ウウッ…
兄貴 なんとかしてくれよ
もう産まれそう
産まれそうなの アアッ…
八戒
こうなったら もう観念しろよ
昔の人が言ったでしょう
やす
「案ずるより産むが易し」とね
男の子欲しいの?
女の子欲しいの?
どっちでもいい 五体満足であれば
八戒 子連れの旅っちゅうのも
悪うないぞ
子連れ豚か…
♪ 豚 豚ぴっちゃん 豚ぴっちゃん
♪(悟空たち)豚ぴっちゃん
・~
泣いたら あかん
女の子は 泣いたら あかん
うん? 何だ?
・~
ぶたこ
目をつぶってなさい 豚子
(八戒)ヤーッ!
(殴る音)
(斬る音)
・~
(斬る音)
目を開けてもいいよ 豚子
うん?
アア… 嫌だ もう
おしっこばっか すんだもの
(笑い声)
何が おかしいのよ
人が こんなに苦しんでんのに
すいませんでした 八戒
悟空 悟浄 何か
よい手だては ないものですか?
これは もう
「帝王八戒」しかないですね
(泣き声)
前代未聞の男のお産>
いい知恵は浮かびません>
(玉麗)
ああ うれしや ああ うれしや
かんなんしんく
艱難辛苦の末
ようやく三蔵法師に巡り会えたわ
俊英さま
あなたとお別れして50年
この玉麗の愛は変わりませぬ
・ やいやい くそばばあ!
とっとと出てきやがれ!
ウワーッ!
ウワッ… どうしたんだ 馬鹿野郎
いや なんや わしの
死んだおふくろに そっくり
幽霊とちゃうか? こいつ
なに寝ぼけてんだ この野郎
おい! てめえのおかげでな おい
俺の仲間が1人 妊娠したんだぞ
一体 どうしてくれるんだよ?
今更 何を言う
水をよこせと言ったのは
お前のほうではないか
なに抜かしやがんだよ 本当に
そんな水だと知ってたらな
なぜ最初に そう言わねえんだ?
元に戻す方法を教えればよし
さもないと ばあちゃん
ただじゃ済まねえぞ!
ただでおかなきゃ
どうしようってんだ?
猿酒でも飲ませてくれるってのか
まあ
口の減らねえ ばばあだな おい
悟浄! 早く捕まえろ ほら
わし どうも こういう おばはんは
あかんのや
何言ってんだ お前
早くしなかったら
八戒が生まれちゃうんだよ
分かった 分かった… ちょっと
おばあちゃん 行きましょう
(玉麗)何をするんだ
(悟浄)何をするじゃないの
いいですから
ちょっと行きましょうよ
ワーッ!
(悟浄)ウワーッ!
(水の音)
ばあさん お前 やめろ!
ほら もう…
(うめき声)
悟浄 大丈夫か?
アアーッ… あっ 抜けへん
えっ? 抜けない?
プハッ… アーッ… 悟空
えっ?
アア… 飲んでしもうた この水
えっ・
(悟浄・八戒)産まれる
(八戒)産まれるよ
産まれる 産まれる 産まれるわ
悟空 どうしたものでしょう
「どうしたものでしょう」ったって
おいらにゃ分からねえな
そうだ
腕のいい産婆さん 連れてきますか
(悟浄)悟空 わしは… わしは
そんなこと 真っ平ごめんやぞ
子供を産むなんて嫌や 嫌や…
(八戒)悟浄ちゃん 悟浄ちゃん
そんなに
だだこねたら駄目でしょう
おなかの子に障るわよ
(悟浄)アア…
あっ… 動いた
わあ 元気がいいのね
幸せ フフッ…
あっ あの… ねえ
ちょっと お願いしてもいい?
はっこ
なぁに? 八子
あのね
何か酸っぱい物食べたいの
ねえ 早く酸っぱい物持ってきて
嫌や 嫌や
わしは こんなふうになりたくない
何言ってるの
(悟浄)産みたくない
いい河童 産んでね
貢ぎ物を山と積んで・
如意真仙のもとへ向かう
かの玉麗>
いつもと大いに違っております>
(玉麗)真仙さま 如意真仙さま!
(如意真仙)誰だ?
(玉麗)玉麗でございます
貢ぎ物を持ってまいりました
(如意真仙)玉麗か
ははーっ!
貢ぎ物が少ないではないか
ききん
(玉麗)打ち続く飢饉のため
村人たちは裸同然
何とぞ お許しくださいませ
(如意真仙)馬鹿を申せ!
同じ飢饉の村であっても・
子母河の上流 下流
合わせて23の川守たちの中で
お前の貢ぎ物が
いちばん少ないと言ってるのだ
貢ぎ物は少なくても この玉麗
大仕事を成し遂げてまいりました
うむ… それは面白い
…で どんな仕事をした?
50年前の約束でございます
その約束のとおり この玉麗
ついに あの三蔵法師の一行に
川の水を飲ませたのでございます
真仙さま よもや
お忘れではございますまいな?
忘れはせん
(玉麗)それでは 約束どおり…
あの俊英さま…
私のいとしい俊英さまを
この手にお返しくだされ
(如意真仙)ならん!
(玉麗)何と申されます?
約束は 三蔵法師に川の水を
飲ませることであったろう
川の水を飲み
子を身ごもったのは弟子どもだ
三蔵法師は けがひとつしておらぬ
よいか 俊英を返してほしくば
三蔵法師に水を飲ませるのだ
そうして
天竺への行く手を阻むのじゃ!
(笑い声)
お待ちください 真仙さま!
(泣き声)
(玉麗)
俊英さま きっとお助け申しますぞ
もうしばらくの辛抱じゃ
あっ 動いた ねえねえ 私の
かわいい子豚ちゃんさ 動くのよ
ちょっと触ってみて
(悟浄)あっ… ほんまやな
八戒 ちょっと わしのも
なんか動いたみたいやねんけど
これか?
(八戒)あっ 動いた
かっぱこ
まあ 元気な河童子ちゃん
(悟浄)ハハッ… どうしようかな
そうやけど 困ったな
・(戸をたたく音)
どなたです?
・(女性)
この土地の百姓のばばあです
・ 偉いお坊さまが
お泊まりだと聞いて
ときを持ってまいりました
それは ありがたいお心尽くし
ヘヘヘヘッ…
なんで あいつら こんな
もん
酸っぱい物が食いてえんだろう
本当に もう…
分かりゃしねえ 俺には
ウワッ… 酸っぺえな こりゃ
アッ…
いってえな この!
あっ!
(毛を抜く音)
ウワッ!
お前!
だま
お師匠さん 騙されちゃいけねえ
水番の強突くばばあは この野郎だ
悔しい!
もう少しというところで…
この くそ猿!
あっ 何じゃ? この棒は
折ってやる!
折れない 折れない
折れないんだから…
折れねえんだよ!
ばばあ この野郎
やい!
あっ 離せ!
この猿め!
ひっかくな ひっかくな!
アーッ!
ウッ…
お前たちに
この悔しさが 分かってたまるか
待ち続けた50年の重みが
分かってたまるか!
何だい?
その50年の重みってのは
アア… これで
もう何もかも終わりなんじゃ
情けない 情けない…
ご老人
何か深い訳が おありのようだが
良かったら
聞かせてくださいませんか?
もうええ こうなったら
わしなど生きてても しゃあない
さあ 殺せるもんなら
殺してみろ 殺せー!
ばあさん!
(泣き声)
話の具合によったら
相談に乗ってやらねえでもねえぜ
フン! お前たちに何ができるか!
「何ができるか」とは何だよ おい!
俺は斉天大聖 孫悟空だ
妖怪だろうと何だろうとな
俺の手にかかったら いちころだよ
そう馬鹿にしたもんでもないぜ
妖怪を退治できる?
そう
中で寝ている おいらの兄弟分2人
はらませたの お前さんだろう
だから
あの子供をおろす方法だって
絶対 知ってるに違いねえんだ
教えてくれたら力になる うん?
ご老人
この者は大変な乱暴者ですが
心根は正しい男です
うそ
決して 嘘は つきませんよ
ばあさん 目ぇ見てみな 俺の ほら
どっちなんだよ・
いいかげんにしろよ この野郎
ちょっと待て ちょっと
お話をなさる気になりましたか?
その前に聞くがな
お前さまたち そんなに強いのか?
ハハッ… 自慢じゃねえがよ
おいら 72通りの変化が使える
雲に乗りゃ ひとっ飛びで
10万と8000里だ
へえ 本当かいな?
もう… 分かったよ ばあさん
じゃあな 百聞は一見にしかずだ
よく見てろよ
ヤッ!
ばあさん
種も仕掛けもないのよ これ
また出すからね 見ててちょうだい
アチョー! ヤッ!
ハハハハッ!
どうだい? ばあさん うん?
うん 分かった 分かった うん
騙されたと思って力を借りよう
「騙された」とは何だ
偉そうによ お前!
悟空 穏やかに話をしなさい
では ご老人 教えてください
弟子たちの体を元に戻すには
どうしたらよいのです?
特別なお薬でも お持ちですか?
あの川には・
如意真仙という妖怪の魔法が
かかっておりますからのぅ
たとえ薬があったとて
役に立ちっこはない
じゃが その如意真仙の住む
かいようざん
はじどう
解陽山の破児洞という所に・
らくたいせん
落胎泉という井戸があると
いうことは聞いておるのだが
お弟子さんたちを治すのは・
その井戸の水を
飲ますしかありますまい
解陽山 破児洞?
(玉麗)如意真仙! 如意真仙!
(如意真仙)誰だ?
(玉麗)やい! 如意真仙
お前は すっとこどっこいの
あんぽんたんの 脳足りんだ!
(如意真仙)なに・
玉麗 気でも くるったのか?
三蔵の始末は どうした?
三蔵の始末だと?
三蔵の始末は まだだがな
その前に
お前の始末をつけてやらぁ
なにもん
何者だ? 貴様
三蔵法師の1番弟子 孫悟空だ!
この化け物めが
なんだ? 化け物?
化け物は てめえのほうじゃねえか
何だよ? その格好は
カーニバルでも やってるの?
この野郎 たたき殺してやるから
そこを動くな!
ハッ!
ウワッ!
・~
(殴る音)
・~
エーイッ!
ヤッ!
・(笑い声)
(口笛)
エイッ!
・~
(爆発音)
待てい!
うん?
チッ… しつこいエテ公め
よし それならエンジン全開
マッハ3だ!
(力み声)
・~
(加速音)
・~
ちくしょう
煙に巻こうって寸法だな
・~
(せきこみ)
・~
(力み声)
・~
エイッ エイッ エイッ!
(突く音)
フン… フフッ…
ハッ…
ンンッ!
回れ回れ回れ…
・~
アアッ…
・~
「破児洞」 うん…
(ぶつかる音)
うん?
おかしいな
(突く音)
あれ?
(たたく音)
あら?
そうか バリア張ってたのか
よ~し… エイッ!
(いびき)
あの井戸だ
(いびき)
おい じいさん!
(男性)どなたじゃ?
井戸の水
ちょっと くませてもらうからよ
何をするか!
ああ じいさん 心配いらねえよ
あんたには危害加えねえから
ただ ちょっと
水くませてもらうだけだ なっ?
そんなことをされたら大変じゃ
如意真仙さまとの
50年前からの約束が水の泡
約束? 50年前の?
そうじゃ
わしゃ その約束を守らなければ
永久に下界へ戻れんのじゃ
よう
ちょっと聞くけどな じいさんな
あんたの名前は その…
俊英っていうんじゃないの?
なんじゃ?
なんで わしの名前知っとるの?
やっぱり そうか じいさん
そんなら なおさらのこと
おいらな じいさんの味方
えっ? 味方だ?
わしは 猿の友達は おらんの
チッ… 分からず屋だな おい
よく聞けよ いいか?
おいらはな 子母河の
川守のばあさんに頼まれて…
(突く音)
アーッ!
如意真仙さま あの猿が
井戸の水を狙っております
じいさん! 俺は味方だっての
分からねえのかよ!
うまいこと言うな! この水泥棒め
わしゃ
もう絶対に こっから動かん!
(如意真仙)ハハハハッ…
身の程知らずのエテ公め
性懲りもなく また このわしに
打ち据えられに来たのか ええ?
なんだよ このちゃんちき妖怪め
おう 面白いじゃねえか この野郎
打てるもんなら 打ってみろ
きんこう
この金鈎はな 鉄をも打ち割る
しゃくねつ
灼熱の鋼で鍛えた物だ
少しでも触ってみろ
お前の体は 真っ黒焦げの焦げだ
フン! そんなことで
驚く俺さまじゃねえやい!
おい!
息の根止めてやるから思い知れ!
なにを・
(蹴る音)
おっと…
(かむ音)
痛い痛い 痛い痛い 痛い痛い!
じいさん やめろ この野郎!
警察犬か お前は 馬鹿野郎!
(わめき声)
くそ! この野郎
ンンッ!
ウワッ!
いやおうなしの お産の準備>
(悟浄)痛い痛い痛い…
(玉麗)そんなに動いちゃ駄目じゃ
赤ん坊の場所が変わってしまうぞ
お産前の病に かかるから
そんなこと言うても
いと
死にそうなんやからな 痛うて
ああ
男のくせに だらしがないのぅ
どれどれ?
(悟浄)痛い痛い…
(玉麗)あっ
そろそろ お産が間近いようじゃ
お坊さま お湯を沸かしてくだされ
はい
お師匠さま 産まれてくる子供の
名前 考えてくださいな
私 かわいい名前が いいと思うの
ウフッ…
・(飛来音)
あいた! あいたたた… ああ 痛い
野郎 本当に アアッ…
あいた… あいたた…
ああ お尻割れちゃった お尻
あいたた あいた…
悟空 水は ありましたか?
俊英さまは…
俊英さまは お元気だったか?
水なんか手に入らねえよ
あの俊英とかって野郎がね
邪魔しやがったんだよ
ハァ… なんと… なんと…
ばあさん ばあさん ばあさん
あのな あんたの恋人よ
あれ 相当ぼけててスクラップだよ
そんなはずない
あんたのこと言ったって
信用しねえもん
私たち2人の愛は
そんな もろいもんではないんじゃ
何言ってんだよ 現によ
信用しねえんだから
しょうがねえじゃねえか
あんたのことなんて すっかり
忘れちゃって ふわっとしてるもん
ハハハッ…
馬鹿!
お前が変なこと言ったんだろう
言わねえよ 俺
私のこと ちゃんと言ったのか?
言った言った…
50年待ったと
ちゃんと そう言ったのか?
「あなたのことを ず~っと
愛してる」って そう言ったのか?
いい年して 愛してるとか何とか…
おやめなさい!
おやめなさい
いずれにしても
このままにしてはおけません
あの2人が宿している子供は
妖怪の血を引いています
ご老人 何か証拠になるような品は
ありませんか?
証拠?
そうです
もし証拠の品があるのなら
それを持って
もう一度 悟空に行かせましょう
証拠…
くし
そうじゃ この櫛じゃ
(いびき)
じいさん
(かむ音)
アッ! 痛い痛い いてっ!
この野郎 たぬき寝入りして…
いてて… ちょっと離せよ
しつこい
いや 違う 今度はよ
ちょっと じいさんに お土産
持ってきたんだ お土産 お土産
ちょっと 離せ! 離せ!
アア 痛えな…
ほら これだよ
何だ? そりゃ 女の櫛ではないか
櫛は櫛だけどよ
そんじょそこらにある櫛と
ちょっと わけが違うよ
その目ん玉
よ~く おっ広げて見てみな
ほら 見てみな 見てみな ほれほれ
どうだい? どうだい? ええ?
ハッ… ああ
・~
玉麗…
やっと思い出したな
こ… これを…
これをどこで手に入れたかね?
ハハハハッ…
その前によ まず井戸の水だ
水くませてくれたらよ
その恋人んとこへ
連れてってやるよ うん?
水?
そう
まあ 今の世の中よ
ギブ・アンド・テークでしょう
井戸番 水泥棒を放っとくのか・
また出てきやがった この野郎
てめえなんかに用はねえんだ!
命が惜しかったらな
引っ込んでろい!
なにを 偉そうに!
(殴る音)
アアッ!
(力み声)
ウッ…
俊英 俊英 その金鈎を取れ 早く
じいさん やめろ!
(如意真仙)早く…
さあ さあ
それで思い切り打て 猿を 早く!
(殴る音)
アアーッ!
ハァ… やった!
やった やった やった…
じいさん…
(笑い声)
その姿は…
着物を見てごらんなさい
ハッ…
妖怪の術が解けたんですね?
そうなんですね?
・(俊英)玉麗! 玉麗!
ハッ…
・~
俊英さま…
俊英さま!
玉麗… 玉麗…
(泣き声)
この日をどんなに待ったことか
(泣き声)
憎たらしい じじいと ばばあだと
思ったけども
この2人見てると
なんとなく許すって感じですね
そうですとも 全ては・
ひたむきな愛情が
させたことですからね
・(悟浄)悟空!
アアッ… 悟空 悟空 水!
水は?
「水は」? あっ! これか
いけねえ すっかり忘れちゃった
さかずき
お師匠さん なんか 盃持ってきて
そんな… そんな物要らんわい
そのままでええ
このままでええわ
(玉麗)いけません!
それをみんな飲んだら
はらわたが溶けてしまいます
えっ・
(うめき声)
はいはい
八子さん 回診ですよ はい 起きて
八戒 この水を飲みなさい
すぐ よくなりますよ
水って 何の水ですの?
これな 子おろしの水だ
今 悟浄もな 便所で
ウンウン ウンウン うなってんだ
子おろし・
そう
そんな… むごい…
むごい?
気をしっかり持ちなさい
妖怪の子供を産んで
どうするんです?
でも 母としての私の気持ちが…
(泣き声)
八戒…
いや!
天竺なんか もう どうでもいい!
私 幸せ薄くとも
この子と ひっそり…
ひっそり暮らしてくの
産ませて… 産ませて…
押すなよ 押すなよ
出ちゃう 出ちゃうから
おい 俊英! 玉麗!
このな
あほをちょっと押さえつけろ!
俺が しゃにむに飲ませてやるから
悟空
(騒ぎ声)
(水の音)
ンッ…
どんな具合です?
どうだ? どうだ?
うん? どうだ?
悟空ったら 口移しで… 馬鹿…
(腹の鳴る音)
アッ…
アッ 来た アッ…
ちょっと 便所 便所 便所
ちょっと待って ちょっと待って
あっ… あら? あら? あら?
こんな めんごい人いたの?
あらぁ 本当に
あとで ゆっくり話そうね
アアッ… ちょっと…
いや しかし まあ
手間のかかる豚だね お師匠さん
・(八戒)悟浄 悟浄 早く代われ!
・(戸をたたく音)
・ お前 俺が お前
アーッ… お前 途中で やめろ!
(笑い声)
・~
悟空の活躍で一件落着>
この先
いかなる土地へ行くのでしょうか>
・『ガンダーラ』
・ そこに行けば
・ どんな夢も かなうというよ
・ 誰もみな行きたがるが
はる
・ 遥かな世界
・ その国の名は ガンダーラ
どこ
・ 何処かにある ユートピア
・ どうしたら行けるのだろう
・ 教えて欲しい
・ In Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
・ Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
夏でもないのに猛暑の地獄>
熱さを冷まさぬ妖怪美人>
三角関係 粉砕し・
奪った うちわを3回振れば
火は消え 風吹き 雨が降る>
ご期待ください>
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