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・~
(ナレーター)
この世に人間が現れる はるか前>
ドロドロと溶岩のように
漂い流れておりました>
4つの大陸ができました>
とうしょうしんしゅう
東勝神洲の一部に山がありました>
かかざん
何万年たったことでしょう>
不思議な石が生まれました>
まるで霊魂でも
宿っているかのようでした>
(叫び声)
・『モンキー・マジック』
・~
・~
てんじく
だいらいおんじ
ありがたいお経を・
いただきに上がる旅も
もはや 幾年月>
主従ではありましたが…>
・~
(広良)
とう
唐から天竺へ向かう僧侶の一行が
まもなく ここを通る
我らが この世にあろうと思えば
僧侶の肉を食らい
血をすすらねばならぬ
それを怠るとき 我らは
幽鬼となって さまよわねばならぬ
分かっておろうな?
待ち受けていようとは・
さんぞう
露ほども知らない三蔵一行>
はっかい
ごじょう
殊に 八戒・悟浄の両名は・
いささか この長旅が
嫌になりかけております>
ごくう
(悟空)おい! てめえら!
この野郎
どういうつもりなんだよ・
どいつも こいつも
ぶったるみやがって!
(悟浄)ああ そんなこと言うても
長旅の途中やもん しゃあないぞ
いいかげんにしろよ
何だ? その間の抜けた面は
そんなことでな どうやって
天竺へ行くつもりなんだよ・
この野郎! 八戒!
(蹴る音)
(八戒)アアッ!
(わめき声)
ほら 俺・俺・俺!
俺!
あら おはよう
(三蔵法師)
悟空 何をしているんです?
お師匠さま 猿が
「きん」蹴りやがるの あの野郎
悟空
お師匠さん 聞いてくださいよ
八戒も八戒なら 悟浄も悟浄だ
あんまり ぶったるんでるからね
今 活を入れてやったんだ
もう こいつらと来たら
やる気が ないのか ないのか
すぐ分かるわ
(悟浄)おい おい 悟空
お前 何をかっかしてんねん?
こんなもん
お前 どうせ長旅なんやからな
のんびり行かな 身がもたんぞ
何だ? その言い方は
おやめなさい
旅の途中で仲間割れするほど
みっともないことは ありませんよ
はい
悟空
お前も 八戒や悟浄のことばかり
責めていないで
もう少し 自分が落ち着くことを
考えたら どうなんです
いらいらしたところで 道中が
短くなるわけじゃあるまいし
よう 猿 ほら… なっ? お前な
これ のんびり行こうって
何が悪いんだ お前 なっ? なっ?
あっ そう
ああ 分かった 分かったよ
悟空 お前の気持ちは
いつも ありがたく思っています
だから どうか
ほかの2人とも仲良くしておくれ
そう なっ?
今 谷川で顔を洗っていたら…
桃でも流れてきましたか?
いいえ 麓のほうに小さな村が
見える
あら…
日ごろ お前たちにも
苦労をかけているから
今日は ひとつ
私が おときをいただいてこよう
しゃくじょう
八戒 錫杖と鉢を持ってきておくれ
はい!
お師匠さま…
私とて僧侶 修行のころは・
家々を回って おときを
いただいてきたこともある
お師匠さま お待たせいたしました
鉢と錫杖でございます
この野郎!
いて
何だ・ 痛えな この野郎!
やつ
ちゃんと持ってくる奴がいるか!
持ってこいっつったんだ 坊主が!
お師匠さま…
ばかやろう
「お師匠さま」って言え 馬鹿野郎!
お師匠さまは疲れてんだよ!
俺だって疲れてるよ!
悟空! 頼みますよ
《この村には
誰も おらんのであろうか》
・~
・~
びれい
(美麗)
旅のお坊さまと お見受けしますが
はい おときをちょうだいしようと
思って 来たのですが
人の気配がないので
途方に暮れておりました
ああ
ハハハッ… さようでございますか
おときならば 喜んで差し上げます
それは ご奇特な
さすがに 西域は仏教の国
女人ですら
このように信心をしておられる
ありがたいことです
さあ どうぞ こちらへ
・(門の閉まる音)
♪(笛の演奏)
びほう
(美宝)いらっしゃいませ
びらん
(美爛)ようこそ
(美麗)旅のお坊さまに
おときを差し上げます
用意をしておくれ
(美爛・美宝)はい
どうぞ
・~
ようこそ 旅のお方
・~
(美麗)どうぞ お座りくださいませ
・~
・~
どうなさいました?
失礼ですが 生ぐさ物の
においがするように思います
生ぐさ物?
はい それでしたら お断りします
ご覧のとおり 私は出家の身
生ぐさ物のおときを・
ちょうだいするわけには
いきませんので
お坊さま
私たちの せっかくの もてなしを
受けられぬと
おっしゃるんですか?
はい 出家の道に
背くことになりますから
一体 何を私に?
ひる
蛭 蚊の目玉
人間の脳みそ
同じく 人の爪を煎りあげた物
犬の血 猫のはらわた
(笑い声)
お嫌いかえ?
帰らせていただきます
(広良)お待ちなさい
このまま 黙って帰すとお思いか?
悟浄! 起きろ ほら 悟浄!
おお… いや 起きてるけどな
まあ お師匠さんも ゆっくりせえ
言わはったから ええやないか
いや そのお師匠さんだけどよ
いくら脚が短いからって・
ちょっと
時間かかりすぎやしねえか?
そうやなぁ
俺 ちょっと様子見てくっからよ
ああ 頼むわ おう
チェッ… 本当に もう…
グアーッ!
なんで踏むんだよ この野郎!
(悟浄)悟空やないか 馬鹿野郎
悟空?
こっちが弟分だと思って
つけあがって お前
おかしいなぁ…
お師匠さん どうしたんだろうね
たくはつ
托鉢にしちゃ
時間が かかりすぎるなぁ
あっ… 床屋かな?
ここんとこ伸びてたからね
(美麗)さあ 急ぎましょう
(美爛)楽しみだわ
おかしいな
こんな片田舎に
あんな美女が… それも3人
こんにちは!
どなたか いらっしゃいませんか?
猿でございますが
おかしいな
鍵が開いてると不用心ですよ
誰もいないんなら
返事をしてくださいな
・(うめき声)
あっ! お師匠さん!
何してんの こんなとこで
ああ 怖い女たちだった
お前が助けに来てくれるのが
もう少し遅かったら
私は蒸し焼きにされて
食べられてしまうとこだった
あの3人の女ども?
ああ さあ 悟空 早く逃げましょう
ああ 逃げましょう! よし 行こう
なに? 女?
おう
なんでもな
妖術を使う女どもらしいんだよ
とにかく
私が無事だったのですから
一刻も早く
この国を立ち去りましょう
これからの長い旅を思えば
煩わしいことは ごめんです
(悟浄)
そうですね ほな 行きましょうか
行こう
ちょっと 兄貴
ちょっと甘いんじゃねえか?
何がよ?
相手は妖術を使うんだべ
もん
いわば 魔性の者だべ
黙って お師匠さま 通すかよ
なんで
たたき殺してこなかったんだよ?
魔性の者といったって
お前 相手は女だ
「ましょう」のことは勘弁しよう
何言ってんだ
しゃれてる場合であんめえよ
日ごろ 何つってんだよ 俺のこと
女好きだとか何とかって…
そんなこと言わねえよ 俺
何つってる?
めえ
俺 お前のこと
先天性色気豚としか言わねえんだ
それよ それ
ぐぐ~っと来るんだ 胸に
そういうふうに言ってるくせに
何だよ 自分は
目尻下げて
黙って帰ってきたんだべ この…
先天性発情類人猿ザル
お師匠さま また あれですよ
おい!
は
悟空に八戒 早よう行こう!
悟浄 悪いけどな
ちょっと先行っててくれ
俺は その魔物っての
やっつけてくっからよ なっ?
まあ
悟空よりは若干役に立つってとこ
お目にかけたいと
思っとります ええ
まあ 女のことだったら
任せといてください ハハッ…
(ぶつかる音)
あっ 痛い!
(広良)
なぜ見張っておかなかった?
(美麗)まさか 兄上さま
あの僧侶が 縄を切って
逃げ出すとは思いませんでした
(美爛)
だから 祭壇の支度などせずに
あのまま料理すればよかったのよ
なんとしても いま一度
あの坊主を捕まえねばならぬ
(美宝)でも お兄さま
逃げてしまったのは
致し方のないこと
このまま
逃がしておあげになったら?
何を言うの 美宝
(広良)そなた まだ分からんのか
我が一族は 800年の昔
てんてい
天帝によって滅ぼされたのだぞ
以来 成仏することもならず
うつ
現し身のまま
この世をさまようておるもの
我らが この世にあろうと思えば
僧侶の肉を食らい
血をすすらねばならぬ
それを怠るとき
我らは この姿をも失って
みらいえいごう
未来永劫
幽鬼となって さまよわねばならぬ
だからして 食らわなばならん
すすらねばならん
それが 我が一族の業じゃ
その道理が分からぬか? 美宝
いえ それは よく存じております
・~
誰か来る
女いるって お前
いねえじゃねえかよ
本当になぁ 腹立つなぁ
(扉をたたく音)
ほら
げんじょう
玄奘三蔵の供の者 八戒だ
では 兄上 あのお酒を…
うむ…
は虫類の精を搾り出したもので・
飲めば飲むほどに理性を失い
己の欲望が むき出しになり・
飲み続ければ 気が
くるってしまうという恐ろしい物>
麻薬のような物です>
・~
(広良)分かっておろうな? 美爛
(美爛)はい
お師匠さま どうしはったんですか
八戒が遅いとは思いませんか?
あれから半日もたつ もう とうに
追いついてもいいはずなのに
だから
言わねえこっちゃないんですよ
あいつはね いつだって
こうやって足手まといなんだから
あいつ いなきゃいないでね
変わりねえんだから
行きましょう 行きましょう
悟空
そのようなことを
言うものではない
しばらく ここで休みましょう
悟空 すまないが ちょっと
八戒の様子を見てきてくれないか
おいら? お断りだな そりゃ
では 悟浄
はい
お願いします
ええ もう私は・
もう素直なんが取り柄ですからね
じゃ ひとっ走り行ってきますわ
ほんじゃ
悟空
うん?
大丈夫でしょうか?
「大丈夫でしょうか」?
それにしても
なんか えらい寂しい町やな
誰も おらんのかいな
あの八戒のガキは どこ
行きやがったんやろうな ほんまに
・♪(笛の演奏)
・♪~
♪~
ハァ~ッ… もう笛やめなさい
ねっ?
(美爛)はいはい
これ ちょうだい これ
(美爛)ちょっと待ってね
これ… じゃ お口開けて
(八戒)はい 開けましょう
(美爛)はい あ~ん…
案の定や
なんちゅうこっちゃ
あの あほんだらめ
(悟浄)チッ… おい 八戒!
(八戒)あっ… 何だよ?
(悟浄)お前 なに…
(八戒)びっくりすんなぁ
どないしてんな? この鼻
(八戒)この酒よ この酒
いやいや まいっちゃった これで
(悟浄)そんなこと どうでもええわ
…んなことよりもな
お前が帰ってきいひんさかい
お師匠さま
えらい心配してはんのやないか
なっ? ちょっと もう帰ろう
(八戒)いや ちょっと ちょっと…
(美爛)八戒さま
こちら どういうお方かしら?
ああ これ?
あのね 俺の弟分で あの…
かっぱ
悟浄っていう河童です
(悟浄)なにが弟分じゃ 馬鹿者
…んなことよりも
早よう 行こうっつったら行こう
ちょっと待てっつってんだ
いいから この酒 ちょっと
飲んでごらん
(美爛)召し上がれ
こたえらんねえからな
飲んでごらん ちょっと
(悟浄)こんなとこで 酒なんか
飲んでる場合やないけどなぁ
(八戒)本当に お前
・(美宝)お姉さま
(八戒)あら
いらっしゃいませ
(悟浄)あっ どうも はじめまして
(八戒)悟浄 立ってねえで
座れっちゅうの ほれ 本当に
どうぞ
(悟浄)ええ そんじゃ まあ…
そやけど
お師匠さま 帰り待ってはるしなぁ
悟空の奴は かんかんに怒っとるし
いや
2人の顔が目に浮かんできたな
遅い 遅すぎるとは思いませんか?
だから なにもさ 悟浄まで
行かせることはなかったんだよ
もう日が暮れるではないか
ああ 日が暮れますねえ
どうしたもんだろう 悟空
どうしたもんだろうねえ
まあ 俺は お師匠さまの
言うとおりしますけども
悟空
俺はさ ただの石猿だからね
お師匠さんに言わせればさ
浅はかで 無知でさ 乱暴でさ
分別のないエテ公だからよ
しかたがない 今夜は
ここで夜明かしをするとしよう
ああ そうですか 夜明かしね
ええ 結構でございますよ
お師匠さま ああ どうぞ
お風邪など召しませんように
失礼いたします
あの2人さえ
味方に つけてしまえば
怖いものはないさ
確かに 悟空というのは
相当な者らしいけど
八戒と悟浄の2人が
味方してくれりゃ
あの坊主を生け捕りにすることは
それほど難しいことではない
ねえ? 兄上さま
(広良)フフフフッ…
この赤い酒を飲めば 皆 心を失う
理非を忘れ 道理を忘れ
けだものになる
生き肝から醸した酒の力は
計り知れぬわ
(笑い声)
けらくどう
これぞ まさしく 「快楽道」じゃ
なに? 「けらく」?
(美爛)はい 快く楽しいと書いて
「けらく」と読みます
(八戒)ふ~ん …で
その快楽が どうしたっちゅうの?
私どもの兄が始めた教えですわ
快楽道と申します
この世に生を受けたからには
あらゆることを楽しみ尽くす
これが 人本来の
在り方とでもいうのかしら
食べることも眠ることも
男と女のことも
全て これ 気の向くまま
(八戒)はぁ…
そいつは また結構な話だな
いや ハハハッ… もう…
堅苦しいことも
難しい本を読むことも要りません
ただ 1日楽しく遊べば
それだけでいいんです
あっ… そんじゃ 美爛ちゃん
俺と あんたが
その… お楽しみってなことに
なってもいいの?
フフッ… 何を今更 八戒さま
アハッ アハッ アハハッ!
極楽だ! 極楽だ!
(美麗)さあ 悟浄さま
難しい顔なさらないで
お酒も召し上がって
(悟浄)いや あの… 私ね
たばこ
酒とか煙草
あんまり やらないんですよね
そんなこと おっしゃらないで
美宝 あなたからも勧めて
どうぞ
(悟浄)ほな まあ ちょっとだけ
ほんのちょっとで結構です
はい はい はい…
ああ もう それで結構です
どうです? お味は
いや 何とも言えん味がしますね
(美爛)フフッ… そうでしょう?
さあ もう1杯
(悟浄)いやいや もう結構です
美宝
(悟浄)えっ? いや もう…
じゃ もうちょっとだけ
ちょっとでいいですよ
ちょっと…
いや ちょっとでいいです
いや まあ ハハッ…
じゃ もう1杯いただきます
・~
ハァ~ッ…
・~
アッ… ハァ~ッ…
ハハハッ…
・~
・~
・~
とりこ
八戒と悟浄は もう酒の虜
残る悟空をやれば 三蔵など
赤子の手をひねるようなもの
うむ…
今 あの玄奘三蔵を食らえば
我らは
再び永らえることができるのだ
そのためには
悟空という石猿を殺さねばならぬ
・(鶏の鳴き声)
ああ… よいしょ ハァ…
うん?
なんだ…
おはようございます!
悟空 何やら胸騒ぎがしてならぬ
すまないが 八戒と悟浄の様子を
見てきておくれ
また行くんですか?
放っておくわけにも
いかないではないか
さあ 早く
行けっちゃ行くけどさ
こんな朝早くに もう…
雲だって寝てんじゃねえかな
(口笛)
(あくび)
それ!
エイッ!
・~
(においを嗅ぐ音)
おかしいな
においもしねえってのは
どういうこった?
悟浄! 八戒!
どこへ うせやがった・
出てきやがれ!
悟浄! 八戒!
・(飛来音)
あっ!
危ねえなぁ…
誰だ・ おい 出てきやがれ!
悟浄
お前 これ どうしたんだ? おい!
八戒 どこにいんだよ?
八戒も ここにおるわ
おい 悟空
お前な わしらに かまわんと・
お師匠さまと
さっさと天竺へ行ってしまえ
何言ってるんだ? お前
わしらは もう嫌じゃ
なんぼ ありがたいお経を
いただきに行くか知らんけどもな
もん
わしらは そんな物より この世の
極楽を選ぶことにしたんじゃ
ハハッ… んなこと言わねえで
とにかく お師匠さん
待ってるんだからよ なっ?
八戒置いて
さあ とにかく行こう なっ?
がたがた言うな!
ウワッ!
どういうつもりだよ・
どうもこうも あるか!
この野郎!
(蹴る音)
ウワッ!
(殴る音)
野郎!
アアッ… やめてくれ!
おお お出ましになったな
女だからって手加減しねえぞ!
悟空 手の内を見せてもらおうか
てめえが妖怪の親玉かい
(吹き針の音)
ヤーッ!
エイッ!
(針の刺さる音)
ウッ!
クッ…
悟空 そこまでだな
その針には麻薬が塗ってある
どうあがいても
そのうち 五感が しびれてくる
(呪文)
ウッ… クッ…
・~
ンンッ… ハッ!
さすがの悟空も驚いた>
そう簡単には まいりません>
・(戸の開く音)
おう 悟空は どうした?
(美爛)ハハハハッ…
尻尾を巻いて逃げていったわ
おお ハハッ… そうかそうか
お師匠さまも 1日も早く 天竺に
行かなきゃなんねえんだから
これで 俺を
置いていく気になったべ ハハッ…
それより もっと飲みましょうよ
(八戒)んだな
この酒が また
こたえられないっつうかなぁ
(美爛)ほら はい
ぐ~っと一気に もっともっと
《もっと飲め もっと飲め》
《飲むほどに
おのれらは くるうのだ》
(美爛)あなた
(八戒)アハハ~ッ… かわいいな
あなた お願いがありますの
何だ? お願いって 言うてごらん
あの… 三蔵というお坊さまを
連れてきてほしいのよ
お師匠さまを?
うん 連れてきて どうすんの?
怒るもの…
(八戒)怒りゃせん
本当に怒らない?
(八戒)はい
あのね あのお坊さまを
お兄さまに食べさせたいの
ああ なる…
ええ~っ・ お師匠さまを食う・
ウ~ン… ほら 怒った
お兄さまは病気なんです
徳のあるお坊さまのお肉を
いただくことだけが・
お兄さまにとって 第一の薬なの
よし 分かった
女房にとって兄貴ということは
俺にとっても兄貴だ
兄貴の病気を治すためだったらば
連れてきましょうか
あなた うれしい 本当?
(八戒)お前のこと好きだからね
あんな坊主の1人や2人…
(悟浄)いまいましい悟空め
あいつさえいなけりゃ 何もかも
うまいこと いっとったんや
ちくしょう…
ハァ~ッ…
・~
(割れる音)
何すんのや
酒が もったいないやないか!
ああ もう… おもろうないなぁ
お師匠さん お師匠さん!
そんなに深刻に考えたら駄目よ
ふけが出ちゃうよ
かまうこっちゃねえよ
2人で天竺行きましょうよ
哀れな者たちだとは
思いませんか?
哀れ? フン! 俺に言わせりゃ
たたき殺してやりてえや
急ぎ旅でなかったらね
切り刻んで だんごにして
池の魚の餌にしてやりてえよ!
チッ… ねえ 2人だけで行こうよ
あいつらは無理だよ
行きたくねえっつってんだからさ
ハァ… なりません
大雷音寺へは 私を含めて
一行4人という旅なのです
ぼさつ
それが菩薩さまとの約束です
何が起ころうと 1人でも
欠けることは許されません
悟空
八戒と悟浄を連れ戻しておいで
何言ってんですか
話聞くような玉じゃありませんよ
駄目
悟空…
チッ… お断りだ!
どうしても
行かないというのですか?
行きませんよ!
あいつら 裏切り者だよ
なんで それを
連れてかなくちゃいけねえんだ
分からねえな 俺には
では しかたがない
私が行きます
冗談じゃねえよ!
お師匠さんが行ったってね
「ああ そうですか」って
いう連中じゃねえんだから
・~
分かったよ!
分かったよ 俺が行くよ!
方向が違うじゃねえか こっちだよ
ハァハァ… ああ ちきしょう
なんで俺が こんな目に
遭わなくちゃいけねえんだよ
悟浄! 八戒!
エイッ! この!
この野郎!
・(美麗)八戒さま 悟浄さま!
来ましたよ 悟空が来ました!
(八戒)なに・ 悟空が来た?
しつこい猿だな 本当に もう
おい 悟浄!
悟浄! 八戒! 出てきやがれ!
おじけづきやがったか?
エイッ エイッ!
(たたく音)
あほ! なんで戻ってきたんじゃ?
今度は手加減しねえぞ 来い!
オッ・
(突く音)
ウッ!
・~
・~
(力み声)
ヤーッ!
・~
何をする?
待っていた
お前の来るのを待っていた
ヤッ!
(突く音)
ウワッ…
(吹き針の音)
エイッ!
・(吹き針の音)
ハハッ… 俺に同じ手は通用しねえ
・(吹き針の音)
ヤーッ!
・(笑い声)
どこだ・ どこ行きやがった?
おい 八戒 とっても かなわんわ
お前も出てきてくれ 頼む 頼む
(八戒)
情けねえ 本当に 何やってんだよ
おい 八戒 わし思うんやけどな
こうなったら お師匠さまに
わび入れて 戻る以外ないな
(八戒)今更
わび入れられっと思ってんのかよ
一度 裏切ったらな
とことん裏切るまでよ
・(美宝)悟浄さま!
悟浄さま
お坊さまが兄に捕まえられて…
(悟浄)お師匠さまが・
・~
悟浄!
八戒 早く縄をほどきなさい
(八戒)
おうおう 気の毒だけんじょも
事 ここに至っては・
もう弟子でもなければ
師匠でもねえんだよ
八戒…
おうおうおう 「八戒」って
お前 呼び捨てにするのか?
せめて 「八戒さま」ぐらいのことは
言ってもらいたかったなぁ
そうすれば
縄を緩めねえでもねえんだぞ
ハァ…
よい お前の好きにするがいい
私とて僧侶
見苦しい命ごいは しません
ああ そりゃ いい心がけだわな
あに
兄さん どうする? これ
なんだか
ひと思いに やっちゃったほうが・
いいような気も
すんだけんじょも 兄さん
(広良)いや まだよい
この坊主 生かしておけば
おとり
悟空を捕まえる囮になる
料理するのは
それからでも遅くはない
ああ そりゃ
いい考えでございますね ええ
・ 悟浄! 八戒!
出てきやがれ ちくしょう!
あなたたちは 我が妹の婿
3人で力を合わせれば
悟空ごときは 恐れるには足らん
なっ? なっ? そうだな? 悟浄
(八戒)悟浄!
「毒を食らわば皿までも」って言葉
知らねえのか?
(悟浄)それぐらい お前に
言われんでも分かっとるわい!
こうなったら やけくそじゃ
やるだけ やったるわい!
(笑い声)
ちきしょう! どこ行きやがった・
(笑い声)
この野郎!
また消えやがった この野郎!
どこ行きやがった・
・(八戒)悟空!
あっ! お師匠さん!
・(広良)動くな!
それ以上 動くと
三蔵の命はないぞ
河童!
豚!
うっちゃしい!
悟空 その棒を捨てろ
悟空 私は ここで魔性の者たちの
餌食になってもよい
早くお逃げ
そんな… お師匠さん
天竺は どうするんだよ?
これも天命です
でも お前まで死ぬことはない
逃げなさい
ハァ… しょうがねえや
こうなったら どうにでもしやがれ
お師匠さまと心中だい!
・~
悟空 お前は逃げておくれ
お前なら 縄を切ることぐらい
造作のないことです
お師匠さん こうなったら
成り行きに任せましょうよ
なんとかなるって
鍋の支度は できたか?
もうすぐよ 兄上
あかがね
あの猿 銅を溶かした湯で
煮なければなりますまい
ごぎょうさん
何しろ 五行山では
鉄の球を食べていたそうだから
うむ…
それが済めば あとは八戒と悟浄だ
あれとても 坊主の端くれ
事のついでに
ふ
胃の腑に納めるのも 悪くはないわ
・(笑い声)
《兄は悟浄さままで…》
・~
《兄を殺さなければ
私たちは いつまでも…》
悟浄さま
アア… えらいことしてしもうたな
仮にも わしのお師匠さまや
酒のせいやな あの赤い酒のせいや
悟浄さま
それより 早く逃げてください
なんやて?
夫婦の契りを結んだから
お教えします 逃げてください!
なんでや?
兄は お坊さまを食べたあと
あなたと八戒さまも
殺すつもりなんです
まさか…
(美宝)本当です
私たちは
800年前に 天帝に滅ぼされた者
徳のあるお坊さまを
我が血肉として・
このように
姿を永らえているんです
のが
あなたさまをお逃しすれば
私は一族を裏切ることになります
そして この身は灰となり・
幽鬼となって この世を
さまようことになるでしょう
おい ちょっと待ってくれよ
いいえ 幻の契りにもせよ
私は あなたが
本当に いとおしくなりました
死なせたくないんです!
美宝…
・~
わしは どうしたらええのや
どうしたらええのや わしは
熱かねえや 俺は お釜は
大好きなんだから ハハハハッ…
♪ 旅行け…
あちっ!
(八戒)ハハッ… ゆで猿か
(うめき声)
(読経)
さすがの悟空も あの温度では
まもなく ゆで上がるわ
(笑い声)
(うめき声)
八戒 酒貸せ 酒 酒!
(八戒)おうおう 飲め飲め
(読経)
アア… アア… 熱い…
美麗
これで我らは幽鬼とならずに済む
さあ 三蔵も入れろ
(読経)
(うめき声)
アアッ… あちちちー!
(刺す音)
ウッ!
そなた…
この期に及んで なんていうことを
・~
美宝 お前…
美宝…
悟浄さま これでいいのです
・~
・~
(うめき声)
うん・
あっ…
・~
・~
(八戒)
うち
悟浄 女は? 家 どこ行ったの?
この野郎!
てめえら ぶっ殺してやる!
悟空! おやめ
でも こいつら
お師匠さんを食おうとしたんだ!
よいよい
みほとけ
御仏は 迷える者 弱き者に
救いの手をお差し伸べになる
許しておやり
(読経)
美宝…
・~
さあ 行きましょう
(悟浄・八戒)はい
フン! 調子者が!
・~
(八戒)ウッ…
なお救われるべきだという・
三蔵法師の言葉に
さ
許された八戒と沙悟浄>
いかばかりでありましょうか>
天竺へ向かう一行>
待ち受けるものは何か>
・『ガンダーラ』
・ そこに行けば
・ どんな夢も かなうというよ
・ 誰もみな行きたがるが
はる
・ 遥かな世界
・ その国の名は ガンダーラ
どこ
・ 何処かにある ユートピア
・ どうしたら行けるのだろう
・ 教えて欲しい
・ In Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
・ Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
しぼがわ
この水は ひと口飲むと・
たちどころに妊娠するという
世にも不思議な水>
こしたんたん
三蔵を妊娠させようと虎視眈々>
八戒のおなかが
前代未聞のDライン>
悲しい愛の物語が隠されている>
ご期待ください>
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