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・~
(ナレーター)
この世に人間が現れる はるか前>
ドロドロと溶岩のように
漂い流れておりました>
4つの大陸ができました>
とうしょうしんしゅう
東勝神洲の一部に山がありました>
かかざん
何万年たったことでしょう>
不思議な石が生まれました>
まるで霊魂でも
宿っているかのようでした>
(叫び声)
・『モンキー・マジック』
・~
・~
・~
はっかい
(八戒)「豚 豚」って
ばか
馬鹿にすんじゃねえんだよ
(八戒)俺は その昔
てんぽうげんすい
ちょ
天蓬元帥 猪八戒といってだな
ちょっと上をご覧くださいませ
てんてい
天帝さまのお膝元で・
天の川の警護をする
身分だったんだから この馬鹿たれ
ごくう
(悟空)…んなことは
何度も聞いてらぁ 馬鹿野郎!
そりゃ
元は天蓬元帥かもしんねえけどよ
今は ただの豚じゃねえか
それも 立って歩く異常豚だ
ハハハッ…
めえ
お前な その自慢の熊手でよ
残飯でも あさってくりゃいいべ
「いいべ」って このおたんこ猿が
この馬鹿たれが!
ごじょう
悟浄 何とか言ってやれよ
何とか言ってやれよ この野郎!
(悟浄)
何とかて 何とも言いようがない
そのとおりやないか ハハハッ…
アア~ッ!
♪ エイエイ 豚は木に登れない
♪(悟浄)
ハーハ! 豚は川を泳げまへん
(八戒)お師匠さま~!
さんぞうほうし
(三蔵法師)
悟空も悟浄も おやめなさい
仲間をからかうなんて
聖人のすることじゃありませんよ
そりゃ 豚は馬にも乗れないけど
(八戒)あっ! お師匠さま!
お師匠さま
今 何とおっしゃいました?
仲間をからかうのは よくないと
言ったのです
いや 違う違う!
そのあと どさくさに紛れて
何か おっしゃったでしょうが!
もう立ち直れねえ!
立ち直るな
てんじく
三蔵法師と その一行>
いつも仲良く 和やかにと
いうわけにはまいりませんようで>
・(花火の音)
(八戒)うん?
おい 何だい? この騒ぎはよ
(悟浄)運動会でも しとんのかな?
えっ?
しゅしこく
朱紫国といえば 西方浄土に程近い
何か由緒のある
お祭りかもしれませんね
(爆竹の音)
(男性)1万匹目のお豚さまだ!
(女性)お豚さま!
(女性)お豚さまだわ!
(男性たち)お豚さま お豚さま!
(歓声)
(男性)1万匹目のお豚さま!
(八戒)どうも…
これ どうなってんのかな?
どら
(銅鑼の音)
さいたいさい
(賽太歳)これは これは
1万匹目のお豚さま
ようこそ 我が朱紫国へ
おいでくださいました
(賽太歳)我が国では・
生きとし生けるものの中で
豚ほど高貴なものはなく
かねてより 1万匹目のお豚さまを
神さまと
あがめることに なっておりまして
あなたさまこそ
我らの神さまでござります
うん? 神?
神? 神って…
俺は神か?
さよう あなたさまこそ
尊き神さまにござります
おいおい おいおい
ちょっと待ってくれよ
そんなこと
お前 勝手に決められちゃ困るよ
こいつはな 猪八戒といってな
俺たちと同じ
三蔵法師さまの弟子だ
それも お茶くみだ これは
これから 俺たちはな
天竺まで ありがてえお経を取りに
行かなくちゃいけねえんだよ
そうだろう? おい
そうそう そうそう
1万匹だか
何だか知りませんけどね
こっちには
そんな暇がありませんの
おい 八戒君よ 行こう
ええい! お黙りなさい!
かっぱ
汚らわしい 河童 猿
先ほど 何と言いました?
恐れ多くも この私に
「豚は 木には登れねえ」
「豚は 川は泳げめえ」
「豚は 馬には乗れねえべ」などと
悪口雑言
よもや 忘れたとは言うまいな!
だから あれはよ 道中の
暇つぶしに言っただけじゃねえか
(三蔵)
八戒 悟空たちの言うとおりです
お前には
大事な務めが あるはずですよ
こんな所で道草を食わないで
先を急ぎましょう
げんじょう
お言葉であるが 玄奘三蔵
この私 この国の人々に
このように慕われては・
ここを
黙って通過するわけには まいらん
いや 実は 人品といい…
とんぴん
いや 豚品といおうか 骨柄といい
自分が ただの豚で
納まる器でないということは・
常々 考えておったが
やはり この国の
さだめ
神となる運命だったのでしょうか
(笑い声)
皆の者 豚に祈りを
ぶ~た~!
(賽太歳)1万匹目のお豚さま~!
(国民たち)
1万匹目のお豚さま~!
(悟浄)けどな 悟空
おだてに乗りやすいっちゅうのも
ここまで来ると お見事ですな
ああ ああ…
「お豚さま」 何を言ってやんだい
豚なんか
「さま」付ける必要はねえよ
「君」でいいよ 「お豚君」ぐらいでな
ハハッ… お師匠さま
あいつのことなんか忘れて
早く天竺へ行きましょうよ
そうは いきません
かんぜおんぼさつ
八戒とて 観世音菩薩さまから
預かった大切な弟子
見捨てるわけには いきません
けどね お師匠さま
やつ
八戒の奴はね
こんなとこへ帰ってきませんて
そういうことだよ
もん
今ごろよ うめえ物食ってよ
女に囲まれちゃってよ フン…
「今日は
お前 とっても すてきだったよ」
「お豚さま」
「なに?」
「今夜の あなた
とっても すてきだった」
おやめなさい!
元はといえば 八戒も・
お前たちが あんまりからかうから
こんなことに なったんです
あら? あら?
お師匠さんだって あんときさ
立ち直れないような冗談
言ったじゃないの!
だから
私も こうして心配しているのです
悟空 お前 ちょっと行って
様子を見てきなさい
この夜中に?
いや いいんじゃないですか?
お師匠さま
本人にとったらね
天竺なんか行くよりも
ここに おるほうが
よっぽど幸せかもしれませんよ
なんという言いぐさです
お前は それでも
仏門に帰依する身なのですか?
いやいや まあ そう言われたら…
ハァ… 2人とも さっさと
八戒の様子を探りに行きなさい
でないと 私は いつまでたっても
ここを動きませんよ
(ため息)
(悟空・悟浄)いい役だねえ
八戒ひとりが
いい気になりやがってよ
(悟浄)おい 悟空
今度 あの… どこぞでやな
河童が神さまに なれるような国…
つまり 河童の国っちゅうのは
できんかいな
あるよ 遊園地に
そうやな そらそうや
おい それよりもよ
お前 本気で八戒の様子
見に行くつもりか?
俺は行くよ
お師匠さまが ああいうふうに
言わはったんやから
そら ちゃんと命令聞かな
でく
だから お前は木偶の坊だってんだ
何がや?
ええ?
お前 お師匠さまは人間だよ
俺たちの行動までは
分からねえんだよ
何が言いたいねん? お前
まだ分かんない?
これから お前 八戒の様子を
見に行く必要は ねえってことだよ
ひと寝入りして
朝方 ちらっと街まで行ってよ
で お師匠さまの前では 「ひと晩中
いろいろ やってまいりましたが・
やはり 八戒は神さまとして
奉られているようでござい」…
(あくび)
…と やろうや
・(風の音)
(火の消える音)
せいしゅう
・(成周)法師さま 法師さま
ハッ… 何者ですか?
こりようかい
狐狸妖怪のたぐいであれば
直ちに立ち去りなさい
(成周)とんでもございません
私は この朱紫国の王
り
李成周の亡霊でございます
実は 法師さまの
うわさ
ご高名のお噂を聞き及び
お助けを願おうと 今日まで
お待ち申し上げていたのです
私に助けてほしいとは
一体 どういうことなんです?
(成周)お聞きください
この朱紫国と申しますのは
西方の入り口の国として・
土地は豊かに 民は栄え
人心は和やかでございました
ところが 昨年の秋
賽太歳と名乗る豚の妖怪が
私を殺して王位を奪い
この国を 豚をあがめる
異教の国としてしまったのです
なんですと?
では 昼間 私たちを出迎え
八戒を神さまにしたのは…
あれこそ 賽太歳の化身した姿
その本性は 身の毛もよだつ
黒豚なのでございます
ご存じのとおり・
妖怪たちにとっては
仏教の教えは邪魔
とんきょう
そこで 賽太歳は 豚教などという
よこしまな宗教を作り
仏教徒たちを
排斥してしまったのです
このままでは
人民の不幸は目に見えております
私は 人々の行く末と
捕らわれの身となっている
すいれん
一人娘の翠蓮のことが心配で
成仏もできずに こうして
地上をさまよい続けているのです
法師さま お慈悲でございます
あなたの その尊い仏法のお力で
この国から異教を取り除き
王女 翠蓮の身を
お救いくださいませ
(成周)お救いくださいませ
王よ 分かりました
必ずや
この玄奘三蔵 姫君を救い出し
この朱紫国を 元の尊い仏教の国に
戻してしんぜましょう
(笑い声)
1万匹目の豚は捕まえたし
これで この国は・
わしの意のままに
できる日が来たというものじゃ
(笑い声)
・(鶏の鳴き声)
ア~ッ…
(あくび)
おい 朝だよ
ほら… 起きろよ
本当に この野郎
寝起きが悪いんだから もう
低血圧か? お前は
(あくび)
よいしょ…
♪(はなうた)
♪~
ご~ん…
ハァ~ッ… よしよし
まだ寝てやんのか 起きろ!
この野郎 起きろって…
・~
何だよ? こりゃ
こら お前 踊る宗教やぞ
わしも いっぺん
ちょっと若返らせてもらうわ
(銅鑼の音)
聞け 我が朱紫国の人々よ
尊き豚教の宗徒たちよ
ついに 満願の日は来た
明日の日の出とともに
この国に 仏教などという
邪教を行わせていた・
悪王 成周の忘れ形見
翠蓮王女の処刑を執り行う
そして その生き血を 1万匹目の
お豚さまに ささげたときこそ
この賽太歳が
朱紫国の王となるのじゃ
(国民たち)ははーっ!
王女の生き血?
なんちゅうこっちゃ これは
では 人々よ
満願成就を祈って
1万匹目のお豚さまに
誓いの言葉を
我らの神よ お豚さま
(国民たち)我らの神よ お豚さま!
我らの神よ お豚さま
(国民たち)我らの神よ お豚さま!
我らの神よ お豚さま!
あっ!
ありゃ八戒じゃねえか おい
(悟浄)なんちゅう格好に
なりよったんや あいつ
やいやい やいやいやい!
お豚さまだとか何だとか
調子のいいこと抜かしやがって
俺の仲間
石にして どうしてくれるんだよ
今 成敗してやるから
そこを動くな!
・(八戒)待て! 猿
皆の者 そこにいる猿と河童は
異教徒だ ひっ捕らえろ
馬鹿野郎!
(殴る音)
(殴る音)
(叫び声)
(突く音)
(兵士)アーッ!
者ども ひけ!
(悟浄)悟空 来てくれ!
どうした・ これは
今の風で こんなん なってもうた
今度は
2人とも いっぺんに固めてやるぞ
こいつは いけねえや
ひとまず退散だ おい
(笑い声)
(悟浄)ハァハァハァ…
よ~し ここまで来りゃ安心だ
うん?
何だ? てめえら
こうりゅう
(紅流)
ご安心ください 私たちは味方です
妖怪に この国を奪われ
殺された成周王の
家来たちなのです
ふ~ん… なるほど あれは妖怪か
どうりで
話が おかしいと思ったんだよ
私たちは
こうして 毎日ここへ集まって
捕らわれの身となっている
王女 翠蓮さまを・
お助けする機会を
ねらっているのでございます
王女を助ける?
はい
ああ だったら 早くしねえと
あの妖怪よ あしたになったら
処刑するって言ってたぜ
ええ それは分かってるんですが
何しろ 姫君が 城内の
どこにいるかも分からないし
あの妖怪には
何でも石に変えてしまう…
これ?
はい
不思議な武器が あるものですから
今のところ
我々には とても手が出ないのです
そうや
あの妙な火吹き竹みたいなやつな
かわいそうに 八戒の奴も・
あんな格好に
させられてしまいよってな
あの野郎は自業自得だよ
大体 豚がだよ 神さまに
なろうってのが 間違ってんだから
そうだろう?
(悟浄)なるほど そらそうやな
おい それよりも 悟空
この手を なんとか
元に戻る方法 考えてくれへんかな
そやないと これ1本だけじゃ
どないしようもないのやけどな
そうだな だったら
片っ方のほうも石にしてもらうか
いや そんな殺生な
悟浄 とにかく お前は帰ってな
これから お師匠さまを
しっかりと守ってくれ…
…といっても その手じゃなぁ
あんた 名前 何てえんだい?
はい 紅流と申します
ああ 紅流さん あんたな
こいつと一緒に帰って
おいらのお師匠さまを
しっかり守ってくれ
はい
おいらには やることがある
(悟浄)何や?
これから 城内へ戻ってな
その王女さまのいる所ってのを
捜してみらぁ
ハッ… お願いいたします
(家臣たち)お願いします
お師匠さまをな
しっかり守ってくれよ
(悟浄)うん
頼む
あっ… ハハハハッ…
朱紫国の人々よ
この世の中の
ありとあらゆるものの中で
仏と あがめられるものは
しゃか
お釈迦さまのほかには ありません
偶像を捨てて お釈迦さまの教えに
うそ
(男性)嘘だ!
わしらの守り神は お豚さまだぞ!
(男性)お豚さまをあがめてこそ…
賽太歳さまが そうおっしゃった!
だま
騙されては いけません!
賽太歳と名乗る者こそ
妖怪の化身なのです
お釈迦さまの教えを信じる者は
私の この旗のもとへ集まりなさい
極楽浄土の道を説いて…
・(兵士)ええい どけどけ!
邪教を広めるとは何事だ
引っ立てい!
来い!
(兵士)来るんだ!
・(賽太歳)
これは何じゃ・ これが謝罪文か・
・ わしは 明日の処刑の日に・
国民の前で読み上げる 王女の
謝罪文を書けと言ったのじゃ!
ええーい!
これは
わしの罪を暴いた告発文じゃ!
(役人)それは 確かに姫が
謝罪文を書くと おっしゃったので
ええい 黙れ黙れー!
貴様らには まだ分からんのか!
姫を処刑するだけなら簡単じゃ
しかし この国には まだ前の王を
慕う仏教徒どもが残っておる!
姫に謝罪文を書かせ
それを明日の満願の日に・
人々の前で読み上げてこそ
我々の目的は達成されるのじゃ!
(役人)分かっておりますが
あの姫は 我々の手では…
ええい!
もう お前たちには任せておけん!
わしが じかに姫に会う ええい!
ケッ!
ヘヘヘヘッ… こいつは
捜す手間が省けたってもんだぜ
よっ…
リースー
(翠蓮・李四)じゃんけん ぽん!
あいこで しょ!
(李四)ほら 勝った ハハハハッ…
(翠蓮)やり直し
またですか? じゃんけん ほい!
・(賽太歳)王女! 翠蓮王女
話がある こちらへ顔を見せよ
(翠蓮)
なぁに 鍵は かかっておりません
お話があるんなら
お前から入っておいで
なに・
(扉の開く音)
李四! なぜ鍵をかけておかん
逃げられたら どうする気じゃ?
(翠蓮)ご安心なさい
逃げたりなどしないから
(李四)へい
姫さまが
こうおっしゃってるもんですから
ばかもん
馬鹿者!
ろう
牢というものは
きちんと鍵をかけておくものじゃ
うち
鍵がなければ ただの家じゃ!
(翠蓮)これ 化け物!
なに・ 化け物?
(翠蓮)そうじゃ 化け物
本人が逃げぬと言うておるのに
鍵をかける必要が どこにある?
それより お前
私にお話があると申したな
は
聞いてやるから 早よう言うてみい
(賽太歳)約束の謝罪文
先ほど 読ませていただいたが
あれでは
ちと文面が違うのではなかろうか
うんうん あれね あれ ちょっと
お前のこと からかってみただけ
あとで書くから 安心しなさい
(賽太歳)いや あとでは困るのだ
前にも約束したとおり
明日中にお書きにならなければ
父上の命は ありませんぞ
うん 分かった
分かったから そう とんがるな
よろしいか?
我々は もう待てない!
必ずや 明日までに…
明日までに
本当の謝罪文をお書きください
うん
イ~だ!
・(扉の閉まる音)
お父君の命を奪ったことなんか
とっくの昔に知ってんだから
(李四)しかし 姫さま これから
どうなさるおつもりです?
かたき
父君の敵を取ろうにも
この牢獄の中にいらしては
身動きが取れますまい
せっぱ
それに 切羽詰まると あの妖怪
何をしでかすか分かりませんよ
分かってる 分かってる
分かってるから
こうして考えているのじゃ
ああ 生きるべきか 死ぬべきか
それが とっても問題だわ
そんな ふざけているときじゃ
ありませんよ
姫 私は
姫の本当の心を知っております
ねっ? こうやって
私と遊びながら 敵を欺き
この牢獄から脱出してですよ
亡き父の敵を取りたいばっかりに
しっ! 声が高い 壁に耳あり
障子に目ありというではないか
誰に聞かれてるか分かりませんよ
(李四)聞こえませんよ
・ ハハハッ… 聞こえましたよ
それ見なさい 聞かれたではないか
何者じゃ? 姿を見せなさい
(翠蓮)
くせもの
ウワッ 曲者! …じゃない 猿!
静かにしろ!
猿とは なんだよ?
あんたのこと 助けに来たんだぜ
助けに? 何者じゃ? お前は
東土の高僧 三蔵法師どのの
せいてんたいせい
そん
1番弟子 斉天大聖 孫悟空
孫悟空 変な名前
余計なお世話だよ
とにかく
こっから出してやっからよ
あとのことはな 出てから
相談しよう なっ? さあ 行こう
あっ… ちょ… ちょっと待って
ちょっと待ってよ
ねえ 私は いいけどさ 簡単だけど
ねえ? 出てから
李四が ひどい目に遭うわ
何をおっしゃいます 姫さま
姫さまが この国を取り戻し
父君の敵をお討ちになるためなら
この李四の老いぼれた命など…
(翠蓮)李四! とんでもない
私の
掛けがえのない じいやではないか
姫さま!
分かった 分かった
それじゃよ ここに
替え玉を置いときゃいいんだろう
(吹く音)
あっ… あれ…
あら 私
こんな 目ぇおっきかったかしら?
うりふた
どうだい? 瓜二つだろう?
かわいい~!
ど… どうでもいいけど
おじさんよ
(李四)はい
俺と同じ
黄色いマフラーしてんだからよ
なんとなく
俺も親しみ感じるんだよ
しっかり
あの人形を見張るんだよ いいな?
(口笛)
待てよ この牢ん中じゃ
雲は来ねえかな
雲?
きんとんうん
ああ 斗雲だ
ああ ちゃんね
うん そうそう 外で呼ぶか
とにかく 外へ出ろ
外に? よし
おじさん 頼んだぜ
(李四)はい かしこまりました
あの… おけがは ございませんか
どうも すいませんでした
いえ
はい
姫さま ご無事で…
しかし よくできた人形だなぁ
ちょっと待って
早く早く早く
よ~し この辺なら いいだろう
(口笛)
エイッ!
ほら 来た来た来た…
さあ 行くぞ! ヤッ!
(笑い声)
ちょっと くすぐったい
ハハハハッ!
ちょっと…
あんた 人間なんだからね
おいらが支えてないと
落っこっちまうんだよ!
嫌だ!
ウッ… いてっ!
(悲鳴)
あっ!
アーッ! 助けて!
ああ 危ねえ
そんなに前が嫌だったら
後ろで つかまってろよ
こう?
アッ… アッ… アッ…
ハハッ…
そこは… そんな…
アーッ… ちょっと…
・~
嫌だ 地面に足着いちゃった
着いてる 着いてる
お~い 悟浄! 俺さまだ!
翠蓮王女を助け出してきたぞ!
(家臣たち)姫!
(紅流)よくも ご無事で
(翠蓮)お前たち ここにいたのか
(紅流)悟空さま
何とお礼を申してよいのやら…
なになに なになに
ハハッ… 俺は斉天大聖だよ
へ
こんなの河童の屁だよ
・(悟浄)おい! おい!
悟空 何や? その言い方は
いや 河童…
それは ちょっと馬鹿にしてる…
分かった 分かった 取り消すから
あっ ご紹介します
僕の友達の河童でございます
(翠蓮)あっ どうも 王女です
おう
それより お師匠さん どうした?
それが わしらが帰ってきたら
もう いはらへんのやがな
なに? いねえ?
1人っきりで
どっか行かはったんやろうか?
この野郎!
・(紅流)誰だ・ 捕まえろ
(家臣)こっちへ来い!
(女性)お助けくださいませ
お助けくださいませ
怪しい者ではありません
(紅流)怪しい者でなかったら
何の用事があって ここへ来た・
つじせっぽう
辻説法に出た三蔵法師さまが・
お城の兵士たちに
捕らえられてしまったのです
なに・
お師匠さまが捕まったって?
(賽太歳)明日への祭礼に
神への よいいけにえが できたわ
王女と共に
血祭りにしてやるから そう思え!
邪悪をもってしても
人の心は治められない
魔性の剣では この三蔵を
殺すことは できませんよ
ハハハハッ…
言いたいことは それだけか?
わしの長年の夢も・
ついに 大願成就を
迎えようとしておる フフフフッ…
もはや 貴様の命も
風前のともし火じゃ ハハハハッ!
(悟浄)
ああ もう 一体 どうなっとんねん
八戒の奴は石にされてしまう
お師匠さまは
どこぞへ さらわれてしまう
もう どういうことに なっとん…
うるせえな!
もう べちゃくちゃ関西弁で
黙ってろよ
今 どうやって お師匠さまを
助けるか 考えてるんだい
申し訳ありません
姫と我々のために
いや 元はといや
あの八戒の豚が悪いんだ
あんたたちのせいじゃねえよ
(ため息)
ねえ! ねえねえねえ
決戦しちゃえばいいじゃない
決戦?
そうよ だって
人数も そろったんだからさ
みんなで決戦して 賽太歳
やっつけちゃえばいいじゃない
それが できるぐらいならな
最初っから 苦労は しねえんだよ
あらあら どうしてよ?
「どうしてよ」って あなた
私の この手を見てくださいよ
あの妖怪の持ってるね
火吹き竹みたいなやつ
あれで ふっと吹かれるとね
石に変わってしまうんですよ
ひ… 火吹き…
フフッ…
しゅうきゅうだけ
「繍毬竹」のこと言ってんでしょう
しゅ… 何だよ?
繍毬竹
あのね 繍毬竹っていうのは・
見かけは 普通の竹と
全然 変わんないんだけど
こうらいこく
高麗国の山奥に3000万年に
1本しか育たないっていわれてる
すっごく
不思議な力を持った竹なの
あんた 随分 詳しいね それ
うん だって うちのお父上が
びくにぼさつ
比丘尼菩薩に もらったんだもん
その竹をね こうやって 逆さまに
吹くと この手直るわよ 河童
河童 ハハハハッ…
いや まあ 河童は ええけど
ほんまですかいな?
そりゃ ありがたいな
いや もう この手やと
しんどうて しんどうてね
あっ でもでもでも
その なに… 松竹梅…
(翠蓮)繍毬竹 馬鹿
繍毬竹 そうそう それはよ
妖怪が持ってるんだからよ
それを どうやって
奪い取ればいいかってことだな
大丈夫よ 私に任せてよ 猿
カハーッ!
みんな! 私に力を貸しておくれ!
・~
みんな たくさん切ってよ
(家臣たち)はっ!
・~
ねえ
うまくいってる? 頑張ってね!
ねえ 喉渇かない?
(家臣)大丈夫です
大丈夫? 頑張ってね
(家臣)はい
おい 悟空 あの女
一体 なに考えとんのやろうな
人間のやることは
さっぱり分からねえよ
それより 悟浄
おう
お師匠さん どうしてるかな?
そうや こんなことしてられんがな
どうした?
「どうした」って お師匠さんのこと
助けな いかんやないか
ハハッ… まあまあ まあまあ
相手は いくら妖怪でもな
すぐに殺すことは しねえよ
えらい 今回 のんびりしとんな
うん まあ たまにはね
こういうときもあるよ フフッ…
お師匠さん 生きててよ
・~
どうじゃ? 似合うか?
(紅流)姫 そのお姿は?
よろい
亡き父の形見の鎧じゃ
この日のために取っといた
では… では 姫は
いつか この日の来ることを…
紅流 わしは朱紫国の王女だ
たとえ獄中にあったとて
1日たりとも お前たちのことを
忘れたことはなかったぞ
ありがたきお言葉です
今日より 王女 翠蓮
朱紫国の新しい盟主として
悪を絶ち
永遠の正義を貫かんことを・
ここ 我が父 成周王に誓う
いざ出陣
(翠蓮たち)エイ エイ オーッ!
行くぞ!
(紅流)はい
・~
オーバーな女だね ありゃ
しかし 頼もしいな
翠蓮王女 翠蓮王女 出ませい
(舌打ち)
(扉の開く音)
姫 約束の期日ですぞ
謝罪文は できましたかな?
どうなされた?
できぬと言われても
今日という今日は許しませんぞ
(笑い声)
恐ろしさのあまり
声も出なくなったと見えるな
しかし
今更 意地を張っても詮ないこと
(笑い声)
さあさあ…
カーッ… 何じゃ? こりゃ
ンーッ! 李四! 李四!
・(李四)はいはい
(賽太歳)王女は どうした?
どこ行ったのじゃ・
あら? いらっしゃいませんか?
クーッ…
謀りおったな あのじゃじゃ馬娘!
・(衛兵)
賽太歳さま 大変でございます!
何事じゃ・
(衛兵)はっ!
姫さまを先頭に 成周王の
残党どもの 討ち入りにございます
なに・ 討ち入り?
(殴る音)
(兵士)ウウッ!
(兵士)ヤッ!
(兵士)野郎!
(紅流)ヤーッ!
(叫び声)
(蹴る音)
あっ 姫!
ヤーッ!
(殴る音)
危ない!
(殴る音)
アッ!
危ないのは こっちでしょうが
・~
(突く音)
(兵士)アッ!
(翠蓮)頑張れ
ウーッ!
猿 しっかり!
(殴る音)
あいたー!
ちょっと
あんた 全然 駄目じゃない
(悟浄)お師匠さま!
もう 大事な体なんですからね
1人で うろうろしたら
あきませんよ 本当に
さあ 早よう
早よう行きましょう
静まれい!
者ども ひけ!
それー!
(賽太歳)
あいた あいた あいた… やめろ!
あっ… あれ? 繍毬竹…
俺の繍毬竹 どこ行った?
あっ… これ… これかな?
(吹く音)
あっ 違う あら…
繍毬竹 俺の…
(翠蓮)賽太歳 まいったか!
(賽太歳)繍毬竹がない
おい このお姫さん
なかなか やりよんな
そんな お前… やるなぁ
おのれ 小娘 とうとう
この俺を本気で怒らせおったな
よ~し… あっ どうも すいません
これから先は おいらの出番だ
やい! 黒豚の出来損ない
相手してやらぁ!
この… このエテ公め!
ヤーッ!
ンッ… クッ…
ごうまうん
降魔雲 降魔雲!
ハッ!
(口笛)
・~
ヤッ!
・~
ウワッ… 何だ? これ
ウワーッ!
豚!
ヤーッ!
・~
(折れる音)
馬鹿!
このエテ公!
あっ!
(激突音)
ハハハハッ…
いて
ああ 痛え
・~
(切る音)
オッ… ウワーッ…
・~
ハアーッ!
(雷鳴)
・~
(雷鳴)
・~
ウワッ!
おーっととと… ちょっと…
降魔雲 降魔雲!
・~
オッ・
うわ うわ うわっ!
(激突音)
ヤッ!
ウワーッ!
(岩壁にぶつかる音)
(悲鳴)
・~
ああ 疲れた疲れた
悟空 妖怪は どうしました?
ち
ああ 見事に おっ死にました
悟空さん 本当にどうもありがとう
いやいや…
おかげで この朱紫国も…
ねっ? 元の平和な国に戻ります
そりゃ良かった
すてきな猿!
もう 「猿 猿」ってんだから もう
カッ!
法師さま この度は
危うく異教の国となるところ
お助けくださいまして
本当に ありがとうございました
亡き父も さぞかし 法師さまに
感謝していることと思います
これからは この朱紫国
お釈迦さまの教えをよく守り
尊い仏教の国とします
立派な決心です
その言葉のとおり
まず 自らの身を清め
よい政治を行いなさい
必ず
お釈迦さまのご加護がありますよ
ありがとうございます
・~
(翠蓮)聞け 一同の者
こんにち
この翠蓮 今日ただいまより
朱紫国の女王となるぞ
(家臣たち)オーッ!
・(八戒)
おい 兄貴 助けてくれよ!
・ 兄貴!
ここだ ここだ 俺だよ!
八戒だってば この
本当に分かんねえな これ
ああ そうや そうや おい 悟空
八戒が まだ神さんのままやぞ
それに わしの この手も まだ石や
ああ
おい! 八戒の欲張り野郎!
てめえで なりたくて
なった神さまじゃねえか!
今更 文句言うこともあるめえ
(八戒)
兄貴 そういう意地悪 言わねえで
頼むからよ 元に戻してくれってば
このおたんこが この!
なんだと? 石豚 俺の言うことが
聞けねえような野郎はな
一生 そうしてりゃいいんだい!
聞きます 聞きます
二度と
「おたんこ猿」なんて言わねえか?
言いません 二度と言いませんよ
おたんこだなんて
もう言いませんよ
今まで言いましたか? それほど
何度も言ってるじゃねえか
馬鹿野郎
分かった 分かった
今 直してやるから
悟浄 お前から直してやる
おい どいたどいた どいたどいた
う~んと… よし ああ こっちだ
いくぞ
(吹く音)
違うんだよ これね
捜せよ! おい
頼むで ほんまに
おい ちょっと 一緒にやったら…
これだ これ
(吹く音)
違うんだよ これは
(八戒)もう 神さまなんて…
神さまなんて嫌だ!
・(翠蓮)お~い! 猿!
さよなら!
無事に朱紫国をあとにした
三蔵法師の一行は・
再び 天竺への旅を急ぎます>
待ち受けておりましょうや>
・『ガンダーラ』
・ そこに行けば
・ どんな夢も かなうというよ
・ 誰もみな行きたがるが
はる
・ 遥かな世界
・ その国の名は ガンダーラ
どこ
・ 何処かにある ユートピア
・ どうしたら行けるのだろう
・ 教えて欲しい
・ In Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
・ Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
つい1杯が もう1杯>
酔ってしまった悟浄と八戒>
持ちつ持たれつ いい調子>
何のその>
快楽の道をまっしぐら>
ゆめまぼろし
三蔵 覚悟を決めた夜>
けらく
悟浄 白骨の恋」をお楽しみに>
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