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・~
(ナレーター)
この世に人間が現れる はるか前>
ドロドロと溶岩のように
漂い流れておりました>
4つの大陸ができました>
とうしょうしんしゅう
東勝神洲の一部に山がありました>
かかざん
何万年たったことでしょう>
不思議な石が生まれました>
まるで霊魂でも
宿っているかのようでした>
(叫び声)
・『モンキー・マジック』
・~
・~
旅する者にとって・
一夜の宿が
ままならぬことは しばしばです>
てんじく
さんぞうほうし
向かう三蔵法師と その一行>
はめ
岩を枕に 野宿する羽目とは
なりましたが…>
・~
ごくう
(悟空)
ばか
馬鹿 また ため息ついてやがる
(悟空)おい お前 脳みそ
ねえんだから 物なんか考えんなよ
はっかい
(八戒)ハァ…
(三蔵法師)食も進まぬようだし
体の具合でも悪いのですか?
(八戒)いえ 実は あの…
天の川 見とったんです
プッ…
天の川を?
ごじょう
(悟浄)
お前 天上界にいたころのことを
思い出しとんのやな
(八戒)おう
あのころの俺っつったら お前
てんぽうげんすい
天蓬元帥なんちゅう位まで
いただいてよ
そりゃ あんた
飛ぶ鳥を落とす勢いだったもんな
それが こっちに
落っこっちゃったんだから 本当に
ハハハッ… お前 元帥ったってよ
天の川の見張り やってたんだろう
笛持って 「あっ そこで
泳がないように 危ないから」
なんちゅうこと言うんだよ
天の川って 水泳場じゃねえんだよ
それに
何だよ 役人 馬鹿にして この野郎
本当に あのころの
役人っつったら お前 あれだよ
道の真ん中 大手振って歩いたら
女の子が 「きゃーきゃー
きゃーきゃー」言ってな お前
怖がって逃げたんだろう?
何言ってんだよ このおたんこ猿が
あれだよ 抱きついて
もうキスの嵐だよ ほら
(悟浄)おまけに生活は安定
精神的にも
余裕が できるっちゅうことやな
(八戒)そうよ なんつったって
お前 寄らば大樹の陰だよ
就職するんだったら
やっぱり 役人だべなぁと思うんだ
野郎 いいかげんにしろよ お前!
がたがた がたがた
御託並べやがって
この生活が嫌だったら
とっとと うせろ!
待ちなさい 悟空
私には
2人の気持ちが よく分かります
分かるでしょう
先を急ぐあまり このところ
苦労の度が過ぎたようだ
お前とて 内心 嫌気が
差しているのでは ありませんか?
気持ちを察した三蔵>
きんぽうこく
欽法国という国を
訪れることにいたしました>
人口は僅か数万人の小国ながら・
その名が示すどおり 国民が
こぞって仏法を敬うので有名な所>
国民が こぞって
仏教を敬うということになりゃ
坊さんは
大切にされるってわけだな
ええ そう聞いています
(悟浄)ほんなら 私らは これ
当然 もてもてっちゅうことやね
大歓迎
じゃ あの… ごちそうも
たらふく食べられるんですか?
それどころか 宴会続きで
夜も寝られないかもしれない
(歓声)
俺 もう我慢できねえ!
ひと足先に行くからな!
♪ ごちそうさん ごちそうさん
(八戒)うん?
(道士)待て 何者だ?
(八戒)…とは ご挨拶だな
ちょ
俺は猪八戒
またの名を天蓬元帥といってだね
とう
唐の国より遣わされて
天竺まで ありがたいお経を
もん
いただきに まいる者でございます
(道士)つまり 坊主だな?
(八戒)まあ そういうことですね
まあ いわば あんた方の
お客さんっちゅうわけだ ねっ?
まあ 早速なんですけども
ごちそうは どっちの方面かな?
ちそう
(道士)馳走は これだ!
何すんだよ これじゃ
話が全然 違うじゃねえかよ!
(道士)かかれ!
(八戒)なんだよ この野郎!
あっ!
危ねえ危ねえ 危ねえ危ねえから
おっと… ああ くそ!
あっ 危ない危ない
やめねえか こら!
(殴る音)
(手下)アアッ!
(殴る音)
(殴る音)
おい! ひけ!
(大臣)武器を捨てて 神妙にしろ!
逮捕する!
むちゃ
そんな無茶な
向こうから仕掛けてきたんだよ
俺たちは
身を守っただけじゃねえかよ
(悟浄)そうや 正当防衛やな
(八戒)捕まえるんだったら
捕まえてみろ この野郎
何だ?
かわいがってやろうか? ええ?
悟空 悟空 何事ですか?
あなたは
げんじょう
もしや 玄奘三蔵法師どのでは?
はい 私は三蔵ですが
控えろ!
申し遅れました
私は当欽法国の大臣ですが
あなたが
おいでになるとお伺いして
国王陛下の名代として
お迎えにまいりました
ご無礼の点は お許しください
話は よ~く分かったけども
やつ
さっき 俺たちのことを襲った奴は
あれは 一体 何者なんだい?
彼らは道教の信者です
仏教が盛んな この国にも・
道教を信じる者がいると
おっしゃるのですか?
(大臣)はい 嘆かわしいことに・
日ごとに その数は
増えているのでございます
みほとけ
何しろ 連中は 御仏のお教えを
信ずる者を目の敵にして
力ずくで 改宗を
強いているのでございますから
ふて
ほう 太え奴らだな
…で その張本人ってのは?
それが皆目…
張本人なんか
どうでもよかっぺよ 本当に
それよか ごちそうは
まだなの? ごちそうは
行儀の悪いやっちゃな お前は
国王陛下が お見えになるまで
おとなしい待たんかい あほんだら
そんなこと言ったって 腹が
ぐーぐー ぐーぐーいってんだもん
しゃあねえべ 本当に
・(役人)国王陛下の おな~り~!
(八戒)オッ… 来た来た
どら
・(銅鑼の音)
(一同)ははっ!
(国王)
そのほうが三蔵法師どのか?
さようでございます
陛下には ご機嫌麗しく
この度の過分なおもてなし…
堅苦しい挨拶は無用だ
こよい
今宵は ゆるりと羽を伸ばし
きさき
余と妃に 唐の国のありさまや
旅の土産話を話してくれ
侍従長 宴席の用意は?
(侍従長)はっ! できております
(八戒)ハハッ… 待ってました!
国を挙げての熱烈歓迎を受けた・
三蔵法師と その一行>
泊まることになりました>
(八戒)ああ… よいしょ
おお いや 駄目だ こりゃ
腹が はち切れそうで
もう1歩も歩けねえ 苦しくて
お前 がつがつ がつがつ食うから
ばち当たったんだよ
国王さんも あきれてはったぞ
仲間の恥さらしじゃ お前は
いや すまねえ
やめようかなぁと思ってるの
つい こう手が出ちゃってよ
しかし
俺 根っからの美食家なんだな
腹ごなしの煎じ薬でも
差し上げましょうか?
いやいや どうせならですね
熱いお茶を1杯いただけますかね
それから 甘いあんこの入ったね
お茶うけを2つ3つ いただければ
おい お前 まだ食うのか 馬鹿野郎
ええかげんにせえよ ほんまに
こうらん
・(香蘭)こんばんは
(八戒)はい!
(香蘭)いらっしゃいませ
(口笛)
娘の香蘭です
ご用がありましたら
何でも お申しつけください
(悟空たち)は~い
では ごゆるりと
は~い
なんて めんごいんだべか
俺の好み ぴったしだよ
おなご
ええ女子やなぁ
何だって好みじゃねえか
俺よ
この国 ますます気に入っちゃった
2~3日 泊まってかない?
(悟浄)そら名案やな
骨休めに
ちょうどええやないか 悟空
これからの長旅に備えてな
精力 蓄えましょう!
なっ? ハハハハッ!
お師匠さん
お前たちは 私の気持ちを
理解していないようですね
…というと?
お前たちを
この国に連れてきたのは・
旅の疲れを
癒やすためだけではありません
人々の 私たちへの期待が・
いかに大きいかを
知ってもらいたかったのです
・(鶏の鳴き声)
(悟浄)お師匠さまは
一体 何してはんのかいなぁ
てんとう
お天道さまは
とっくに昇ったっちゅうのに
どないなっとんねん これは もう
(八戒)本当だよ
自分で出発時間 決めといてよ
寝坊するなんて ずるいよ
まあまあまあ
お師匠さまだって人間だ
ゆうべの疲れが出たんだよ なっ?
・(香蘭)大変です!
早くお医者さまを呼んで
(大臣)どうした?
(香蘭)三蔵法師さまが ひどい熱で
苦しんでいらっしゃいます
(一同)えっ・
(医師)う~ん… そうかそうか
あ~んして あ~んして…
うん?
ああ 押さえて 押さえて 押さえて
脈 脈だ
(助手)はい!
うんうん なるほど
いやいや お待たせ お待たせ
(大臣)ああ 先生
いかがでございますかな?
法師どののご容体は
それが どうも芳しくありませんな
まあ 命に 今んとこは
別状は ないと思いますが
先生さ 何の病気なの?
いや それが
ただの風邪のようでもあるし
あるいは
たち
性質の悪い はやり病のようで
はたまた
何か神経性のものかもしれんし
あるいは
何かの毒気にあたったのかも
(悟浄)結局のとこ さっぱり
分からんっちゅうことですか?
まあ
当分は安静にしておくことですな
熱冷ましの薬を
ただいま差し上げましたから
少しは楽になるでしょう
いや 御免 御免
いや 御免
(悟浄)何を…
やぶ医者だな 本当
あれ 医者か? おい
バナナの
たたき売りじゃねえの? あれ
(うなされ声)
ながとうりゅう
長逗留を余儀なくされた
三蔵法師と その一行>
幕開けになるとは・
神ならぬ… いや 御仏ならぬ身の
知る由もありません>
(女性)お坊さま
こんな夜更けに 何のご用ですか?
(悲鳴)
どうも おはようございます
悟空さん おはようございます
どうです? お師匠さんの具合
昨日よりは
だいぶ楽になったようです
ああ そう
熱も下がったみたいですね
良かった 良かった
あなたの看病のおかげですよ
フフッ…
いいえ お薬のせいですわ
何か?
ああ ちょっと…
何でしょう? これは
血だ
血?
(役人たち)どけ!
・~
なに?
若い娘が生き血を吸い取られて?
はい
なきがら
亡骸を調べた役人が言いますに
首筋に牙を立てたと思われる
2つの穴が開いていましたそうで
(王妃)まあ 恐ろしい
一体 犯人は何者だ?
(大臣)いまだ判明しておりません
役人を総集めして
探索させていますが
いくら探索したところで
無駄でしょうな
侍従長どの
それは どういう意味ですかな?
犯人は人間にあらず
妖怪だからですよ
(王妃)妖怪ですって?
(侍従長)さよう
伝え聞くところによりますと
ここより はるか東の山奥に
人間の生き血を
唯一の栄養源とする・
吸血鬼の一族が住みおるとか
この度の事件も
そやつらの仕業に相違ありませぬ
(店主)
はい いらっしゃい いらっしゃい
つゆ知らず>
病の床に伏しているのを幸い・
町の見物などに
精を出しております>
おっと…
(男性)どいた どいた どいた!
危ねえ 危ねえな 本当
(女性)あっ…
あっ あっ あっ… いや どうも
大丈夫ですか?
おけがは なかったですか?
大丈夫ですか? あら あらぁ…
柔らかい手ですね ハハハッ…
あの… つかぬことを伺いますが
今 お暇ですか?
(女性)えっ?
あの… もし お暇でしたらね
この俺と… いや 俺じゃなかった
私めとね 一緒に お茶でも
いかがかなと こう思って
・(役人)やあ 待ったかい?
(女性)いいえ あなた
あなた?
「あなた」っていうと この人は?
私の夫ですわ
夫・ こんな崩れたのが?
(役人)なんだと・
いやいやいや こっちの話です
どうも それは失礼いたしました
本当に どうもね 本当に
行こう
(八戒)はいはい ご苦労さま
しかし まあ どう考えても
釣り合いが取れねえなぁ
やっぱり この…
制服の魅力だべか 本当になぁ…
あら 大臣どの 大臣 大臣
ああ これは八戒どの
いやぁ どうしました? 大臣どの
何か元気がありませんね
何か心配事でも あるんですか?
いや 何も聞いてくださいますな
おぬしに話しても どうにもならぬ
いやいや それは ないでしょうが
はばかりながら この私 ちょっと
この上をご覧くださいませ
その昔 この私は・
天蓬元帥という位まで
いただいた男でございます
あっ 天蓬元帥? おぬしが?
(八戒)はい あっちで
遅いね 八戒の野郎
昼飯も食わねえで
何してやがるんだろうな? あいつ
女の尻でも追い回しとんのやろう
ハァ… お師匠が寝てるのを幸いに
しょうがない奴だね あいつは
・♪(八戒)ちゃり~ん がら~ん
ぱか~ん ぐご~ん びしゃ~ん!
ただいま帰ってきた
めえ
何だよ? 八戒 その格好 お前
あっ 今日 誕生日か?
違うってば 見れば分かっぺよ
役人の格好だよ この国の
しろもん
お前 そんな代物
どっから かっ払ってきてん?
「かっ払ってきた」なんて 人聞きの
悪いこと言うんじゃねえんだよ
俺 大臣に頼んでよ …で
この国の役人にしてもらったんだ
この野郎 お前は!
でたらめ言うな 馬鹿野郎
でたらめじゃねえって
本当のことだってば
もっともよ 妖怪を退治するまでの
臨時雇いだけんじょもな
あら 座りにくいな
役人ってのは立ってんだべか?
立ってろ 立ってろ
おい 今 妖怪退治っつったな
うん
お前も馬鹿だねえ わざわざ面倒に
このね 首突っ込みやがってよ
物好きなやっちゃな こいつは
(八戒)いや そうは言うけどな
兄貴や悟浄たちが・
こうやって うまい飯食えてるのも
みんな大臣のおかげなんだよ
それに お師匠さまだって
世話になってんだしよ
この辺で恩を返すのは
筋っつうもんだべ
俺は筋を通してんだよ 筋をな
言われてみりゃ そのとおりだな
たまには ええこと言うな
んだべ んだべ んだべ
…で
その妖怪ってのは どんな奴だい?
なんでもな 吸血するらしいんだ
赤十字か?
違うわ それは採血だべ
あっ ごめんなさい
本当に ごめんだなぁ 本当に
吸血鬼だ 吸血鬼
(悟浄)吸血鬼? 嫌な相手やな
人の血を吸う… うわぁ… 怖い
お前のほうが よっぽど怖いよ
かっぱ
本当に この臆病河童が この!
本当に しゃあねえなぁ
まあまあまあ 兄貴 見てろ
俺が首を突っ込んだ以上な
絶対に この事件はだな…
迷宮入りだよ
腹立つなぁ…
・~
(八戒)小隊 止まれ!
休め!
第1分隊 そっちの道に
また 第2分隊は 俺について前進
気をつけ
第1分隊 第2分隊 前進!
ああ たまんねえな この気分
フフフフッ…
・~
・~
出やがったな この吸血鬼め
坊主の格好なんかしやがって
この野郎 太え野郎だ!
こら! 待て!
・ 待てー!
止まれ
待て!
(八戒)待て!
(八戒)
兄貴 なんで ここさ来たの?
いや お前のこと心配で 手伝いに
来たんだ
1人でも できたのに
吸血鬼はな この坊主だ
逃がすなよ!
なに・
ハッ・
お師匠…
・~
八戒!
兄貴 夢だべ? これ
いて
痛え!
うそ
夢じゃねえのかよ 嘘! 嘘!
・~
(八戒)ハァ…
なんという穏やかな寝顔なんだべ
とても
吸血鬼とは信じられねえ 俺は
あっ 何すんだよ!
…と来るかもしんねえぞ いきなり
まさか! もう 兄貴ったら…
もう 兄貴ったら 意地悪…
ハッ… 悟空 八戒
何の用です?
あの… つかぬこと伺いますが
お師匠さま 今晩 どっか
お出かけになりましたですか?
やぶから棒に何を言うのです?
私は病の身 出かけられるわけが
ないじゃありませんか
そうですよね
やっぱ違うんだってば
悟空
お前の目には疑いの色があります
一体 私が何をしたというのです?
返事をしなさい!
八戒 どうしたのですか?
はぁ… あの… 実は その…
やめろ
どうも失礼しました
おやすみなさい
それじゃ…
・~
おう!
どうやった? 妖怪捕まえたか?
いや それが どうも…
(悟浄)何や? ドジったんか?
ドジなやっちゃな お前は
(八戒)違うってば
これには複雑な事情があんだよ
(悟浄)何が複雑なんや? ええ?
妖怪の正体な
お師匠さんだったんだ
あっ そう お師匠さま?
ハハッ… まめな人やな あの人
えっ・ お師匠さま?
そうなんだよ
何の因果か お師匠さまは
吸血鬼になっちまったんだ
ハハハハッ! こりゃおもろい
こりゃ傑作やな ええ?
何が おかしいんだ? お前
こんな悲しい話ししてっときに…
そやかてね お前らの芝居が
あんまりにも真に迫っとるからな
それにしても 冗談にしても
こりゃ かなり悪趣味やな
おい
これは芝居でも 冗談でもねえの
本当のことなんだ
えっ?
俺はな この2つの目で
はっきり見たんだよ 妖怪を
あれは お師匠さんだった
ほんまかい
おい 八戒 何かの見間違いやろう
う… うん 俺も まあ そうは
思いたいんだけんじょも また…
おい! お前 ころころ変わるなよ
あれは お師匠さんだった 絶対
頑固だな 兄貴も わりかた
だって さっき部屋でよ
お師匠さま すやすや すやすや
寝てたでねえの
そうや 出ていったんやったら
わしかて気づいてるはずやがな
何言ってんだ? てめえなんか
うたた寝してたくせに
でっけえ口利くな
大事なときに なんで寝てんだよ
何や? 悟空 お前 何か?
そしたら 何が何でもお師匠さまに
罪を着せようっちゅうのか?
俺はな
自分の目を信じてえだけだよ
言わせてもらうけどもな
お師匠さまは
ぼさつ
菩薩さまの信頼を受けた僧侶やぞ
それを信じひんということは・
いわば
仏法に逆らうっちゅうこっちゃ
だから どうだってんだ?
この際な
めっぽう
仏法だろうが 滅法だろうが
はとぽっぽ~だろうがな
どうでもいいよ
(八戒)兄貴 兄貴
今の言葉 取り消せ
地獄に落ちるぞ
フン…
そんときは お師匠も一緒だよ
てめえらだって・
金魚の うんこみてえに
くっついてくるんだろう?
運命共同体だよ
おい 八戒
こういうことに なったのもな
お前が
役人なんかに なったせいやぞ
おい なんで俺のせいにするんだよ
お前だってよ 「役人に なりてえ
なりてえ」って言ってたべよ
それと これとは 話は別
は
こんな服 早よう脱いでしまえ!
(八戒)分かったよ
俺だって窮屈で しょうがねえなと
思ってたんだよ 本当に もう
ほら
是非とも 陛下のお許しを
得なければならない事態が・
発生いたしましたので…
(国王)その事態とは?
(侍従長)
玄奘三蔵の逮捕でございます
三蔵法師どのの? 逮捕の理由は?
ちまた
先日来 巷を
騒がせております妖怪の正体が・
三蔵と判明いたしましたので
(国王)なんだと? それは誠か?
そ… そんな馬鹿な
妖怪の正体が三蔵どのだなどと…
あのように徳の高いお方が・
人の生き血を吸うなどとは
とても考えられませぬ
私も… 法師さまに限って・
そんなひどいことを
するはずがありません
しかし あんただって見たろう?
お師匠さまの衣に
血がついてるのよ
え… ええ
でも あれは何か ほかに原因が…
きっと誰かが
法師さまに疑いをかけるために・
やったことに違いありません
いや そうじゃねえ
あれは娘の生き血を吸ったときに
返り血を浴びたんだ
・ そうですか
私には吸血鬼の疑いが…
お師匠さま
聞いてらっしゃったんで
ございますか
ええ… でも 私は無実です
妖怪なんかじゃありません
悟浄 八戒 信じておくれ
はい そりゃもう
私 いっつも お師匠さまの
味方でございますもの なあ?
うん 私も もちろん
お師匠さまのこと信じてます
このお調子者が
すぐに売り込みやがって
これは 「これ」になんだぞ
悟空
うん?
じゃ お前は どうあっても私を…
(悟浄・八戒)
お師匠さま お師匠さま
お師匠さま
無理したら いけませんよ 本当に
まだ こんな熱があるわ
ちょっと向こう行って…
・(侍従長)それには及ばん!
その男をこっちへ渡してもらおう
侍従長どの 三蔵どのを
捕らえに まいったのか?
さよう
国王陛下おじきじきの ご命令です
国王陛下の・
(侍従長)それ!
(八戒)
ふざけるな! やめろ やめろ!
早く取ってくれ 早く取ってくれ
(殴る音)
何しとんの? お前
ハハハハッ…
(八戒)兄貴
今更 悪あがきするんじゃねえよ
あの吸血鬼 連れていきな
かたじけない それ!
侍従長さんよ
その代わり おいらと豚と河童は・
見逃してもらいますよ
よかろう
我々も おぬしたちの逮捕までは
命じられていない
はい ハハッ…
お師匠さま お師匠さま!
兄貴! 見損なったよ!
(悟浄)まったくや
その気にさえなったら 逃げ道を
切り開くことも できたのに
この恩知らず!
やかましいよ!
なに・
俺が口利いてやんなきゃな
てめえらだって
逮捕されてたんだよ
無事で いられるだけでも
ありがたいと思え
(ぶつける音)
アッ…
・~
(王妃)まあ あの三蔵どのが?
(国王)うむ… 妖怪だったのだ
唐の国では名高いお坊さんだと
信じておりましたのに
うたげ
歓迎の宴を催したのは
間違いでございましたわね
それも 奴の正体を
見抜けなかった余の責任だ
いいえ
陛下に責めは ございませぬ
責めがあるとすれば
やみくもに仏法を敬い
お坊さんとなれば 見境なく
大切にするという国のお定めに…
そのほう 余の先祖が定めた国是を
批判するのか?
そのような大それたつもりは
ございませぬ
ただ いつまた
同じ間違いが起きるかと心配で…
陛下
是非とも 大臣が お目に
かかりたいと申されておりますが
用件は侍従長より聞いた
三蔵法師の弁護に
まいったそうだな
(大臣)はい 三蔵どのは
誓って無実でございます
何とぞ 陛下のお慈悲をもちまして
ろう
牢から
お解き放ちくださいますよう…
駄目だ! 余は
既に あの男を死罪と決めたのだ
死罪・
(国王)そればかりではない
今後 仏法を敬う国是を改め
寺院に与えてきた特権を
廃止することにする
仏教を忌み嫌うようになった国王>
国名も 欽法国から
「滅法国」と改定されました>
大切にされていたお坊さんたちは
1人残らず国外追放という
厳しい処分を受ける始末>
よくいったものでございます>
(八戒)えっ・ 牢破りを?
(大臣)しっ… 静かに
悟空どのに聞かれては また
面倒なことに なるやもしれませぬ
いや そら心配ないですよ
あの恩知らずの山猿はね
とっくに高いびきですよ
それなら よいが
とにかく 三蔵どのを救うには・
力ずくで 地下牢より
連れ出すよりほかないのですよ
だけど うまくいきますかね?
警戒が厳しいんでしょう?
大丈夫 それは私が手引きをします
それよりも あなたたちが
やってくださるかどうかです
のが
やりましょう この機会逃したら・
二度とお師匠さまに
会えねえかもしんねえもんな
こうなったら 破れかぶれやな
(大臣)よく言ってくれました
(八戒)何ですか?
(大臣)王宮の見取り図です
なるほど
(大臣)地下牢が ここ
いちばん近い城門が ここですから
ここから こう行きまして…
・~
「恩知らずの山猿」だと?
チェッ… 今に見てろよ
(口笛)
エイッ!
・~
ハァハァハァ… お願いです
どうか… 水を…
水を1杯…
(牢番)水?
だま
妖怪め 俺たちを騙して
その隙に逃げるつもりだろうが!
(八戒)ヤーッ!
(牢番)オッ・
(殴る音)
(牢番たち)ウワッ!
(八戒)お師匠さま!
ああ 八戒 悟浄
ハァ… かわいそうに
本当に つらかったでしょう
(悟浄)安心してください
今すぐ出してあげますからね
(八戒)さあさあ…
歩けますか? 大丈夫ですか?
ハハハハッ… ご苦労だったな
ちくしょう
(悟浄)くそ…
悟浄!
これで お前たちも牢屋入りだ
ハハッ… 手引きをした
あの老いぼれも一緒にな!
(悟浄)大臣 あんたまで…
あれ? なんで 俺たちの計画
ばれちゃったんだよ?
(侍従長)密告者がいたんだ
(悟浄)密告者? 誰や? それ
俺だ!
悟空 お前が なぜ?
フン… その理由は あんたが
いちばん よく知ってるはずだ
分かりません 私には何のことやら
とぼけるな!
あんた 妖怪のくせによ
口じゃ 偉そうに
説教ばっかり垂れやがって
おいらのこと こき使ったな
おい 八戒
うん?
おう! 悟浄!
(蹴る音)
てめえらもな 弟分のぶんざいで
ことごとく俺に逆らいやがった
その分を
全部 仕返ししてやろうと思ってな
そんな お前 殺生な
馬鹿なことあっか この馬鹿!
言いがかりじゃ それは!
ふざけるな!
俺には もう経文も何もねえ
くそ食らえだ!
坊主は廃業よ
この町で面白おかしく暮らすのよ
(笑い声)
おう! こいつら
早く牢ん中入れろ 早くしろ!
(叫び声)
馬鹿野郎!
(股間を殴る音)
アアーッ!
(八戒)ちくしょう!
もう一生
猿とは つきあわねえからな!
(悟浄)死んだら 化けて
出たるさかいな! 覚えとれよ!
(八戒)馬鹿猿!
お前なんか 猿の格好したって
脳みそはミジンコだよ 馬鹿たれが
(悟浄)この恨みはな
わしは もう絶対忘れんからな!
腹立つやっちゃ もう
ほんまに もう 裏切り者!
(八戒)本当に腹立つべ お前
末代まで語り継いでくからな
この野郎 本当に
飲むか?
ええ 飲みたいと思いますね
さっきも言ったとおりね
おいらは もう坊主じゃないからね
酒だろうと 生ぐせえ物だろうと
何でも来いってとこです
なるほど
ハハハハッ…
それでは 滅法国の誕生を祝して…
乾杯
乾杯!
ああ めっぽう うめえ
ああ うめえな
ところで
おぬし これから どうする気だ?
おいらね
首斬り役人に なりてえんですよ
首斬り役人?
密告しただけじゃ
どうも物足りねえんだ
あの三蔵の首を…
ガッ! はねてえんですよ
ハハッ…
面白い 望みどおりにしてやろう
・(王妃)ここよ あなた
国王には
気づかれなかったろうな?
大丈夫 いつものように
眠り薬をのませてあるから
さあ 早く まいりましょう
みんなが待っているわ
うむ…
・~
・~
きとう
・(祈祷の声)
(祈祷の声)
・~
道士諸君!
三蔵法師は 宴会の馳走に
盛ってあった毒薬の効き目から
予定どおり 自らの知らぬ間に
破廉恥な罪を着せられて
その名声を失った
…と同時に
全ての坊主どもは一掃され
もはや
我が国に仏法の栄える気配はない
余は ここに 近い将来
我が道教を国是とする国家が
誕生するであろうことを予告する
(ざわめき)
静かに!
滅法国に道教が栄えた暁には・
私が必ず国王を殺し
自ら王位に就くことを約束します
その日が1日も早く来るように
さあ 皆さん
ご一緒に祈祷いたしましょう
・~
(祈祷の声)
どこにいるのだ?
わしに会いたいという者は
(殴る音)
ウッ!
これで よし
いよいよ三蔵法師らの処刑の日>
・~
・(香蘭)お父さま!
(役人)ええい 下がれ!
(役人)ええい 歩け!
座れ!
・(銅鑼の音)
これより処刑を行う 処刑役人!
おう!
(八戒)お前
いつから役人になったんだよ?
こんなこと やって お前
なにが… 格好つけんな この野郎
今日から役人だよ
お前らのこと密告した手柄で
役人にしてもらったんだ
どうだ? 羨ましいか?
見下げ果てたやっちゃな
お前みたいな奴のことをな
「猿にして 猿にあらず」
豚より悪いわ!
お前 なんちゅうこと言うんだ
言い過ぎじゃねえか? それは
ハハッ…
お褒めにあずかって ありがとうよ
てめえらな ばっさり これで
殺されるわけじゃねえんだよ
(悟浄・八戒)えっ?
徐々に 徐々に 殺してくんだよ
羽子板なんか
しょっちゃって この野郎
まず お前なんかよ ひげから・
じょり じょり じょりっと
いくんだよ
苦しみながら死んでいくんだ
兄貴!
(笑い声)
何をくずぐずしてる?
早く始めろ!
はっ! ただいま!
三蔵 覚悟
(切る音)
・~
いくぞ!
ヤーッ!
(縄を切る音)
処刑 完了いたしました
貴様 気が違ったのか・
ハハハッ! おあいにくさま
おいらは もともと正気だよ
それどころかな
お前さんとお妃さんの秘密まで・
ちゃ~んと知ってるんだぜ
なんだと・
(国王)
悟空 それは どういう意味だ?
はっ!
陛下 あなたは騙されていたのです
この男と その女は 吸血鬼の化身
この国を乗っ取ろうとしている
道教の親玉だ!
なに? それは誠か?
馬鹿な
何を証拠に そんな言いがかりを…
ハハッ… よし 見せてやろうか
八戒 悟浄
こん中の男を引きずり出せ!
武器も こん中 入ってる
(八戒)おう!
(八戒)よいしょ!
証拠は こいつだ!
この野郎 ちょっと痛めつけたら
何もかも吐いちまったぜ
望みとありゃ
もう1回しゃべらせようか?
兄貴
じゃ 俺らのこと密告したのはよ
こいつらの尻尾 つかまえるために
そうやったの?
敵を欺くには
まず味方からっていってな
心配かけたな
ごめんね うたぐって
おい 吸血鬼ども
そろそろ観念して
正体を現したら どうだい!
ちきしょう 山猿のぶんざいで
よくも謀りやがったな
よ~し こうなったら 望みどおり
貴様らの生き血を吸い取ってやる
・~
妖怪どもを
逃がさないように取り囲め!
お父さま!
(大臣)おお 香蘭
(力み声)
・~
(突く音)
ウッ!
(殴る音)
(突く音)
・~
(殴る音)
・~
ヤッ!
・~
ヤッ!
(殴る音)
(国王)
よし 妖怪どもを牢へぶち込め!
(役人たち)はっ! ほら 立て!
来るんだ! 立つんだ!
悟空 みんなも よくやってくれた
三蔵どの この度のことは
全て 余の不徳のいたすところ
迷惑をかけて 相すまん
陛下 もったいのうございます
それより
追放になった僧侶たちを どうか…
もちろん すぐに呼び戻そう
滅法国は 再び欽法国と名を変え・
明るい平和な国に戻りました>
三蔵法師の一行は
また 旅の空へと踏み出します>
(八戒)
兄貴 いくら何でも ちょっと
やりすぎだったんじゃねえのか?
何が?
兄貴の芝居がよ
(悟浄)
ほんまやな 牢に入れたりやな
処刑場に引っ張り出したり
ちょっと やり方が ひどすぎるぞ
あの場合はな ああするより
しかたなかったんだよ
(悟浄)「しかたがない」じゃ困るの
そういうことはな
お前 きちっと謝っとけよ
(八戒)おい 謝れ謝れ こら 謝れ
分かったよ 謝りゃいいんだろう
悟浄ちゃん
どうも すんませんでした
よし
八戒さん
ごめんなさい!
(頭突きの音)
お師匠さま 反省しています
悟空 もういいんです
私には分かっていましたから
「分かってた」って
おいらの魂胆をですか?
でなければ とっくに…
あーっ!
ちょっと ちょっと やめて
分かった 分かったって もう
お師匠さまには かなわねえよ
(笑い声)
八戒 笑えよ お前
どうした? ハハハハッ!
おい 口紅つけたのか?
待ち受けておりましょうや>
・『ガンダーラ』
・ そこに行けば
・ どんな夢も かなうというよ
・ 誰もみな行きたがるが
はる
・ 遥かな世界
・ その国の名は ガンダーラ
どこ
・ 何処かにある ユートピア
・ どうしたら行けるのだろう
・ 教えて欲しい
・ In Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
・ Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
(悟浄)状況は ますます悪い
このままやと全滅や
誰かが食糧になって
みんなを助けるんだよ
お前の恩は一生忘れん
立派に おっ死んでくれよ
俺 食ったらな
肝臓ジストマが うじょうじょ湧いて
ひどいもんだよ
もしかすると 私が食べたのは…
アアッ…
八戒が! 八戒が私の中にいる!
てめえこそ誰だべ? この ああ?
ご期待ください>
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