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Original subtitles

・~

(ナレーター)

この世に人間が現れる はるか前>

ドロドロと溶岩のように

漂い流れておりました>

4つの大陸ができました>

とうしょうしんしゅう

東勝神洲の一部に山がありました>

かかざん

何万年たったことでしょう>

不思議な石が生まれました>

まるで霊魂でも

宿っているかのようでした>

(叫び声)

・『モンキー・マジック』

・~

・~

ごくう

(悟空)うん?

あれ?

豊かな自然に恵まれ

年中 鳥が歌い 花が咲き乱れる

しゃちこく

貧しさを知らない国 車遅国か

よだれが出そうな国だな

ハハハッ…

だが どうも勝手が違うようだな…

(鳥の鳴き声)

・~

(衛士隊長)

オッ… こやつ 生きとるな

連れてけ!

(衛士)はっ!

この!

(殴る音)

(隊長)こいつも こいつも 死体か

おい 捨てに行かせろ!

生きのいいのは

さっきの兵隊だけかい

死体だらけじゃねえか

フン…

なにが 貧しさを知らねえ国だよ

ここは本当に車遅国かい?

さんぞうほうし

(三蔵法師)

そんなはずはありません

車遅国は 貧しい人間が

1人もいないと いわれている・

豊かな国のはずです

なにが 豊かな国なもんですか

道の真ん中には

がりがりに痩せ衰えた人間が・

骸骨のようになって

ち

おっ死んでるんだ

ごじょう

(悟浄)おい 悟空

お前 あんまり大きい声 出すなよ

そんな話聞いたら あいつ

ますます動かんようになりよるぞ

チッ… あの豚 またか おい

(悟浄)車遅国に着いたらな

腹いっぱい飯食わす言うて

だま

騙し騙し

やっと連れてきたんやから

めえ

今の話なんて聞いたら お前

てこでも動かんようになりよるぞ

悟浄 お前 行って 連れてこいよ

そんな殺生な

俺は 車遅国の実態

見てきちゃったんだからよ

下手したら 口滑らせてしまうかも

しれねえだろう

こういうのは 悟浄

お前が いちばん適任だ なっ?

もう 俺は嫌なんや

あいつの面倒みんの嫌なんや もう

悟浄 早く行って 連れてきなさい

行きますよ 行きゃいいんでしょう

ほんまに もう えらいのと

旅してしもうたなぁ チッ…

はっかい

おい 八戒!

は

早ようせんか お前は!

(蹴る音)

(八戒)もう 俺 歩けねえよ

腹の皮とよ

背中の皮が くっついちゃってよ

俺 もう死ぬぞ 俺 死ぬぞ

(悟浄)ああ そうか 残念ですね

せっかくの車遅国を見ずにして

死んでいくのか

この世の天国を目の前にしながら

お前は ほんまもんの天国に

行こうとしてる

ああ そうか わしは止めませんわ

さようなら フン…

ちょ…

ちょっと待て ちょっと待て

ちょっと待てよ!

(悟浄)何や?

天国って本当かい?

(悟浄)おう

じゃ 腹いっぱい食えんの?

(悟浄)あたぼうよ

それによ

(悟浄)何や?

これなんかも かなりいるわけ?

(悟浄)美人ばっかりや

本当かよ?

行くぞ! 行くぞ 悟浄!

早くしろ! ぐずぐずすんな

がっぱ

この おたんこ河童が!

ウワッ! ウワーッ!

悟浄 悟浄! 見たかよ? 見たか?

嫌なもん見たな 俺…

(衛士)急げ!

おい 止まるな!

(衛士)急げ!

(八戒)ああ 気持ち悪い…

なんか ぺたっとしたんだよ

くっついてねえか? 何か

八戒 車遅国が待ってるから

行こうか なっ?

(八戒)うんうん

向こう行ってみい お前

もん

食い物あるし 女もおるぞ

(八戒)女!

(悟浄)何言うてんねん? お前

ろうき

(老奇)私は もう駄目だ…

おうずいこう

黄瑞香を…

黄瑞香を枯らすんでねえぞ

アア…

(八戒)どうしました?

困ってるんですね?

困ってるんでしょう? 分かります

どうしたんだろうなぁ お名前を

ちょっと教えてください ねえ

ええかげんにしとけ お前は!

(八戒)何だよ? 本当に

やつ

もてねえ奴の気持ちは

よく分かるよ

もてねえからな お前って奴は

おたんこ河童が

どうしたんですか?

何だよ?

よう見てみい あの女 妖怪やぞ

うそ

(八戒)嘘・

(老奇)旅の人…

(八戒)いいの いいの

今 話つけますから

この おたんこ河童と

こら 八戒 お前な

今までに何回 女に化けた妖怪に

騙されてきてん?

それ よう思い出してみい

(八戒)どうなの? その辺は

とうれい

私は老奇 孫娘は桃麗と申します

(桃麗)

おじいちゃん おじいちゃん!

大丈夫ですか? 大丈夫ですか?

さあさあ 向こうへ

よいしょ

(うめき声)

(八戒)

桃麗さんとおっしゃるんですね

娘と… この黄瑞香を…

アアッ!

(桃麗)おじいちゃん!

しっかりするのよ!

(八戒)見ろ! これが妖怪か?

立派な いい人たちじゃねえか

ばか

この馬鹿たれが!

(桃麗)あの…

(八戒)はい はいはい!

どこかに おじいちゃんを休ませて

あげる所は ないでしょうか

はい! はい!

あっ 申し遅れましたが

てんぽうげんすい

ちょ

私 天蓬元帥 猪八戒と申します

暫時 お待ちを

必ず見つけてご覧に入れます

・~

ああ…

申し訳ありませんです

連れの者が 食べ物を

探しに行っています

何か食べると

元気になるでしょう

食べ物は きっと

見つからんでしょう…

えっ?

(老奇)この国では・

3年前から・

穀物の種をまくことは

やめておりますので…

えっ? そうすると あれかい

種まく人いねえの?

畑で働く者が 1人も

いなくなってしまったんです…

(八戒)なんで また

そういうことになったのよ?

どうなっとんねん この畑は

食い物が ひとつもないやないか

大根1本 豆1粒 育ってねえや

百姓は いねえのか この国は

(八戒)黄瑞香っていうのは

紙の原料でしょう? そうよね?

(桃麗)この黄瑞香は

この車遅国でしか作れない・

蛍のように光る紙が

できるのでございます

蛍のように光る紙? すげえなぁ

てんじく

遠く天竺からも

その紙を求めるために・

何十何百という らくだに

金銀を積んで・

はるばる やって来るほどの

貴重な紙でございました

へえ…

(泣き声)

どうしたの?

桃麗ちゃん どうしたの?

どうして泣いてんの?

桃麗ちゃん泣くと

なんだか… 俺の胸が・

なんか痛くなってきちゃうから

泣かないで… ねっ?

(泣き声)

父が…

この黄瑞香を私に渡して

逃げろと言った父が…

処刑されるのでございます…

処刑だって?

一体 どないしたっちゅうねん?

たいせん

御三家の大仙さまに

とが

弓を引いたという科で…

御三家の大仙? 何だい? そりゃ

(笑い声)

こりき

(桃麗)虎力大仙…

ろくりき

鹿力大仙…

ようりき

羊力大仙の妖怪でございます

豊かな車遅国を食いつぶしに

3年前 この国に来た三妖怪は・

働ける人たち みんなを

いしろう

石牢に閉じ込め

無理やり

働かせているのでございます

黄瑞香の世話をしに出かけた父も

待ち構えていた衛士に捕まり

石牢に入れられました

働きづめの石牢から 毎日のように

運び出される死体に紛れて・

やっと 父は逃げ出しました

でも 残った人たちを助けようと…

妖怪に向かって

反旗を翻したんだな

はい

仲間の者3人と力を合わせて…

ところが 事を起こす直前に・

役人に見つかってしまったので

ございます

それで その3匹に

とっ捕まったってわけだな

ええ…

私の父は この国いちばんの

紙作りでございました

このままでは

この国も この黄瑞香も・

全部

取り尽くされてしまうと心配して

これを植え 育てるようにと

私に苗を渡して

ひそかに

逃がしてくれたのでございます

安心なさい 桃麗さん

あなたのお父上は必ず この八戒が

救い出してご覧に入れます

(桃麗)八戒さんが?

(八戒)はい

桃麗さんのためだったらば

たとえ火の中 水の底でございます

なぁに そんな妖怪

ちょいちょいちょいの

ひとひねりでございます

(せきばらい)

待っててくざんしょ

(桃麗)あの…

どないなっとんのや あいつは

八戒さんは大丈夫でしょうか

あの御三家の大仙は

恐ろしい妖術を使うんです

妖術?

一体 どんな妖術 使うんだい?

(衛士)おい そこの太ってるの

身分証を見せろ

(八戒)み… 身分証?

(衛士)ああ

あっ いけねえ

いやいや 忘れてきちゃったな

(衛士)なに? 忘れた?

必ず身に着けておけと言ったのに

命令に背いたな!

(衛士)命令に背いた奴は

見せしめに処刑だ!

火あぶりにしてやる 来い!

アッ! 何しやがんだ この野郎!

大丈夫かよ?

ええ? 本当に この野郎

(衛士)おい お前 手向かう気か?

おい お前たち

この八戒さまをなめたら

とんでもねえことになんだよ

今日が

命日ってことになんだよ あんたら

野郎!

・~

(衛士)一大事でございます!

(虎力大仙)

うん? 何を慌てておる?

(衛士)無双の怪力の持ち主が

暴れておりまして

(鹿力大仙)なに? 無双だと?

クッ…

(羊力大仙)

私たちを差し置いて 無双とは!

(殴る音)

ウワッ!

(力み声)

おらぁ!

(虎力)おのれ 化け物が!

鹿力 羊力!

(鹿力・羊力)はい!

ヤーッ!

・~

(雷鳴)

あららら…

(呪文)

(衛士たち)ウワッ!

(八戒)何すんの? あんたたち

・~

(悲鳴)

アアッ!

食らえ!

(八戒)こりゃ たまらんわ!

・~

撃ってみろ!

ウワッ! ウワッ!

・~

アアッ! けつが けつが けつが!

(悟浄)いくぞ 八戒

(八戒)ああ…

ああ 痛い! お前 この野郎!

もっと優しくできねえのかよ

この野郎!

よし これで大丈夫や

(桃麗)本当に申し訳ありません

私のために こんなことに…

桃麗ちゃん

もう あんたに そういうふうに

優しくしてもらったら

けつの痛みなんか どこかに

ば~っと飛んでっちゃった

痛みが飛んでいったのなら 八戒

約束どおり 処刑される人たちを

助けに行ってくるのです

お師匠さま

そう簡単に おっしゃいますけども

あの3匹の妖怪っていうのは・

まあ ものすごい妖術を

使うわけでございます

おい 八戒

お前 だらしがないにも程があるぞ

さっきから 大きな口たたいてたん

どこの どいつや

悟浄 お前… アア~ッ!

大丈夫…

お前 この野郎 お前 見てねえから

そう簡単なこと言うんだよ

この野郎

(悟浄)何や?

いいか よく聞けよ

あのな ぴかっと光ったら炭

ぽとっと落としたら

粉 粉末 人間の

ぴかっと光ったら炭?

(八戒)はい

もう ああいうの1発食らったら・

あっという間に

あの世行きでございますもんね

よし 決まった そんな恐ろしい

化け物いるわ 食い物はない

なにもね こんな所に

長居する必要ありませんよ

即刻 出発しましょう

悟浄は処刑される人たちを

見捨てて行こうというのですか

いや 見捨てるっちゅうたら

なんですけどもね

我々は本来 一刻も早く・

天竺に お経を

取りに行くんじゃないんですか?

(泣き声)

桃麗ちゃん…

悟浄! お前 桃麗ちゃんの涙見て

お前 何とも思わねえのか!

この野郎 本当に

この冷血の冷え冷え河童が!

フン… おい 八戒

(八戒)何だ?

それを言うならな

「冷静」っちゅうてもらいたいな

情勢の分析っちゅうのは

常に的確でなければいかん

なにを また偉そうに

この野郎 本当に

はたこうか 本当にな

(悟浄)分かった 分かった

八戒 ええ?

そんな不細工な けつ焼かれてまで

ええ格好さらすな!

(八戒)アア…

おい 八戒

ちょっと お伺いしますけどもね

あんた 一体 どないして

その ぴかっと光るやつと・

戦うつもりなんですか?

戦うというよりか

どれだけ防げるか

4人を救い出してる間…

こいつが

もってくれると いいんですけどね

悟空

そんな物で どうやるのです?

ヘヘッ… お師匠さん 細工は流々

ろう

仕上げをご覧じろってね

お師匠さま 馬に たっぷり

くら

水も飲ませて 鞍も置きましたから

いつでも出発できます ええ

ああ 八戒ですか

あんなもんはね

放っといたらいいんですよ

あいつはね 「八戒」っちゅうよりも

「やっかい」ですからね

例の病気ですよ かわい子ちゃん病

あんなもん 放っといてもね

振られて すぐに

あと追ってきますから 大丈夫です

行きましょう 行きましょう

いけません 悟浄

悟空と力を合わせて・

罪もなく処刑される人たちを

助けてあげなさい

いや それは無理やって

言うてるやないですか もう…

ちょっと 悟空 お前からも

ちょっと説明してあげてよ

悟浄 あの4人は救い出す

なんとしてでもだ

あっ それからな この鉄の机

これ ぴっかぴかに磨いてくれるか

こんな さびだらけの物

磨いて どないすんねん?

ぐずぐず言わずに磨けよ

いや そらな わしは河童やからな

この皿かて 毎日 磨かんことには

生きていけへんわけや

そうだろう

…ということは 私はね

殊に 磨くっちゅうことに関しては

熟練工やっちゅうわけやね

うれしそうだなぁ

はい どうぞ

こんな物いらんねん

わしな これだけで ええわけや

ええか 見とれよ

これが

磨き過ぎて鏡みたいになっても・

私は責任持てませんよ

(むちの音)

(笑い声)

(隊長)そりゃ!

(殴る音)

(殴る音)

(陳)ウウッ!

おりゃー!

(むちの音)

(虎力)もっと悲鳴を上げさせろ!

その悲鳴 その うめき

さかな

何よりの酒の肴よ!

(鹿力)宝石の味も

うめき声で 一段と さえてきたわ

(笑い声)

もっと打て! もっと わめけ!

(羊力)この国の紙は もうあらかた

食い尽くしてしまったのよ

ねえ そろそろ この国を

引き揚げる時機だと思わない?

俺は 人間どもの

苦しみ あえぐ声さえ聞けばいい

その声を聞くだけで

天にも昇った心地がするわ!

ちけい

(智敬)俺たちを処刑しても

俺たちの志を継ぐ者 誰かが・

いつかは お前たちを

必ず倒すに決まってる!

そんなに わめきたいか!

よ~し もっと わめかせてやる

(衛士)おい 交代だ

(衛士)はっ!

・~

あぶ

虻 虻!

(羽音)

あいたた!

(衛士)痛~い!

あいたた! あいたた!

よ~し やった! 今だ!

どけどけどけ!

・(八戒)おりゃー!

(悟浄)

おらぁ! 八戒 俺に ついてこい!

鹿力 羊力!

・~

八戒 貸せ!

八戒 早く戻れ! 早く!

(八戒)遅くなったな

・~

来るぞ! 早く逃げろ!

来た!

ほら 逃げろ

早く逃げろ 早く逃げろ!

ざまあみやがれ

エイッ!

(殴る音)

やってくれるな 本当に

・~

溶けちゃった

あちち! こりゃ いけねえや!

(虎力)待て 逃がさんぞ…

(鹿力)ち… 力が尽きた…

ああ もう目の前 真っ暗…

紙 紙 紙…

(鹿力)ほ… 宝石…

(笑い声)

ハァ~ッ…

うわさ

噂に聞く 天竺に向かう

三蔵法師とやらの連れに違いない

草の根分けても捜し出し

黒焦げにしてやるわ

(笑い声)

鹿力!

(鹿力)おう!

羊力!

(羊力)はい

(八戒)桃麗ちゃ~ん!

(桃麗)お父さ~ん!

桃麗ちゃ~ん!

(智敬)お父さん!

・~

(老奇)

良かったな ああ 良かった…

(矢を射る音)

(老奇)アアッ!

おじいちゃん!

ヤーッ!

(殴る音)

桃麗…

智敬…

(智敬)はい

黄瑞香を…

か… 紙を作り続けてくれよ…

私が生きてるかぎり

黄瑞香を育てて 作り続けますよ!

昔のように… この車遅国を…

花が咲き乱れ… 小鳥のさえずる…

父さん!

豊かな国に…

(桃麗)おじいちゃん!

悟空!

(泣き声)

矢を放った奴は始末した

1人だけだったから 連中には

ここは ばれてねえと思うぜ

ひどい… ひどすぎじゃねえか

かわいそうだよ 桃麗ちゃんがよ

悟空さん 皆さん

これ以上

もう ご迷惑は おかけできません

ご心配なく 私は身を隠しますから

どうぞ

このまま旅を続けてください

分かりました 私たちが一緒だと

かえって目立つでしょう

出発しましょう

(悟浄)おい 八戒

お前 そんな物 どないする気や?

これ持ってな

桃麗ちゃんと一緒に旅すんだ

こんな国とは もう おさらばだよ

それにしても お師匠さま 遅いな

八戒 お前 呼んでこい

(八戒)おう

桃麗ちゃんもよ

一緒に連れていくんだ アハッ…

(泣き声)

おじいちゃん…

誰だ・

きんめい

(金明)智敬 無事で良かったな

はつ

そう

(智敬)金明に発に それに荘もか

(荘)アア…

(発)これ みんなの気持ちだで

お前たちな こんなことをして

もし 役人に見つかったら・

殺されてしまうというのに

(金明)わしたちは殺されたって…

智敬

みんな 石牢の中で祈ってるだよ

きっと成功して

釈放させてくれるってな

(発)これを食って 力をつけて

みんなを頼むぞ!

(荘)あんたらが やってくれたら

きっと

みんなだって黙っていないだよ

分かった みんなに伝えてくれ

この心の こもった贈り物

ありがたく

ちょうだいさせてもらうと

(八戒)お師匠さま お師匠さま

さあ 行きましょう

あっ そうだ

桃麗ちゃんも それから お父上も

ねっ? こんな嫌な国

ぱ~っと出ちゃいましょうよ

(智敬)八戒さん

(八戒)はい?

私どもをはじめ 娘や父親も

大変 お世話になりました

(桃麗)ご恩は一生忘れません

(八戒)えっ?

一生忘れないって… 桃麗ちゃん

それ どういうことなの?

私どもは この国で生まれ

育った者でございます

私どもは この国を

離れるわけにはまいりません

(八戒)えっ?

それに この黄瑞香は・

この車遅国でしか

育たないのでございます

しかし

あんたたち この国にいたら…

私たちのことを 心配してくださる

八戒さんのお気持ちは・

心が痛むほど よく分かります

だが

ここを出るわけにはまいりません

おじいちゃんの遺志を継いで・

この黄瑞香を守り

育てていこうと思います

八戒さん 旅のご無事を

桃麗は お祈りしております

しかし 桃麗ちゃん それじゃ

なんですか 俺1人で旅立てって…

こんなに… また それは…

できないような気もするけど…

八戒!

何かい?

私たちだけでまいりましょう

お師匠さま…

それでは 皆さん

ご機嫌よろしゅう…

・~

分かんねえな… なんで

あんな食い物のねえような国

どこがいいんだべな

(悟浄)ほんまやな

黄瑞香なんか

どうでもええと思うねんけども

この広い天地 どっかに ええ国は

あると思うねんけどな わしは

(八戒)どうしたの?

おい 引き返すぞ

(悟浄)何やて?

(八戒)兄貴

あの助け出した4人

おとなしく 身を隠すと思うか?

俺は思えねえんだ

そうです

まだ地下牢には大勢の人々が

閉じ込められているそうです

我々に迷惑をかけまいと

身を隠すと言ったが

あの連中

必ず また妖怪に向かっていくぜ

むちゃくちゃ

そら 無茶苦茶やで

丸焼けになんの 目に見えとるがな

だから

このまま出発はできねえんだ

お師匠さま 引き返しましょう

悟空 よく言ってくれました

偉いな さすが兄貴だな

俺 大好きだ!

ねえ じゃ 早く行こうよ 行こうよ

さあ 悟浄 兄貴 急ぎましょうよ

急ぎましょう はい

しかし

あんたたちには あきれるよ

この4人で 妖怪に

勝ち目があると思ってるのか?

いや 私たちは・

あの御三家大仙の命のもとを

絶とうとしてるんでございます

うん? 命のもと?

はぁ…

あの虎力大仙は酒

それから あの鹿力大仙は

あれは金銀と宝石を食らい・

それから 羊力大仙は

あれは蛍の光の紙を食らって・

それぞれの

命のもとにしてるんでございます

(陳)その力のもとが・

秘密の蔵の中に

入ってるのでございます

じょ

(徐)その秘密蔵の中の物を

全部 盗み出せば…

(金)あの3匹の妖怪どもは

神通力を失ってしまいましょう

ハァ… よし

その詳しい見取り図を書いてくれ

秘密の蔵と石牢は どこにある?

(智敬)秘密蔵も

酒や紙をこしらえている石牢も・

宮殿の後ろの

洞窟の奥にありますが

洞窟の前は 屈強な

武芸に秀でた衛士に警備され・

あり

蟻1匹 近づく余裕すらありません

しかも この洞窟の裏は

三方が そそり立った断崖でして

よほどの名人上手でなければ

よじ登ることができません

(金)私は・

やもりの生まれ変わりみたいな

男でございますから・

よじ登ることができます

ほう…

洞窟の裏の警備は

手薄でございますから

八戒に悟浄

(八戒)うん

お前たちな 秘密蔵の中の物を

がらくたと すり替えてくれ

よ~し!

…で 悟空 お前は何すんだ?

秘密!

(八戒)あら

まあ 任せてくれや

行くぜ

(智敬たち)はい!

(悟浄・八戒)オーッ!

今夜は大丈夫でしょうか?

警戒して 用心深くなっていると

思うのですけど

みほとけ

一同の無事を御仏に祈りましょう

・~

(八戒)

ほう… やるもんだなぁ これ

(悟浄)まるで やもりみたいやな

(八戒)ああ やもりだわ

・~

行くか

八戒 お前 その鏡 置いてけ

(八戒)なんでだよ?

お前の体重に鏡やろう

綱が切れたら どないすんねん

何言ってんだ?

この おたんこ河童

お前

あの ぴかっと来んの味わってみろ

持ってくよ

ええい!

(桃麗)アッ!

(笑い声)

よ~し どんな悲鳴が飛び出すか

楽しみだな

(むちの音)

おやめなさい!

なにぃ・

この娘には何の罪もありません

放してあげなさい

まあ 勇ましいじゃない この坊主

どうしてやろうかしら

坊主の悲鳴ほど 宝石の味を

高めるものは ほかにはない

楽しみだのぅ ハハハッ…

私は どうなってもよい

早く娘を放すのです

おい こら!

それは わしの皿やないか!

肩に乗せ 肩に!

(八戒)手が 手が!

みんな! 体中がしびれる!

引っ張れ! 押せ!

誰だ!

(桃麗)はい 桃麗と申します

御三家さまへ贈り物を…

なに? 贈り物?

(殴る音)

泣け! わめけ!

(殴る音)

(笑い声)

(殴る音)

(笑い声)

野郎!

(殴る音)

・(衛士)申し上げます

大仙さまに贈り物をしたいと・

桃麗という娘がまいっております

(虎力)なに? 桃麗?

《ここまで来りゃ あと ひと息

妖怪め 驚くな》

(綱の切れる音)

アアッ!

(悟浄)おい 八戒

綱が なんか おかしいぞ

(八戒)そんな お前… ええっ?

もう これ 落とせ

(八戒)や… やめろ やめろ

鏡 落としたら

丸焼けになっちまうんだぞ お前!

アアッ! おい 落とせ!

早く落とせっちゅうに!

やめろ やめろ やめろ やめろ!

(悟浄)どっちや!

落とせ 落とせ!

鏡を落とせっちゅうに!

やめろ やめろ! 落とせ!

(落下音)

(羊力)フフフフッ…

フフフッ…

《おかしいぞ

こいつら なに笑ってるんだ?》

《まさか…》

フフフッ… 贈り物とは何だ?

(桃麗)はい…

宝石は どんなのじゃ?

蛍紙じゃないと

私の口には合わないわよ

アアッ!

お師匠さん!

何者だ? 貴様

ええい 化けの皮を脱げ!

そんな 何をおっしゃいます

悟空 逃げなさい!

これは まずいや

先に捕まってたのか

(笑い声)

くそ…

・~

(斬る音)

ウワッ!

(徐)ウッ!

(金)徐!

(智敬)おい しっかりしろ!

(金)徐!

(智敬)しっかりしろ おい

目を… 目を開けてくれ 徐!

石… 石蔵は…

右端の… 踏み石が鍵だ…

(陳)みんなを…

みんなを助け出して… 頼みます…

(智敬)よしよし

必ず みんなを助け出すからな

いいか 分かったか

おい 分かったか おい!

(金)しっかりしろ 徐!

悟浄 すまねえ 俺のせいだ…

・~

・(隊長)申し上げます!

大変です!

秘密蔵が襲われております!

(虎力たち)なに・

(くしゃみ)

アオッ!

ハアッ!

・~

さあさあ! お師匠さま

裏へ 裏へ逃げてください

八戒や悟浄が来てるはずだ

・~

ターッ!

(突く音)

・~

(羽音)

あいたた…

(羊力)どうしたの?

紙… 私の紙…

これで

いいように ぴかっとはさせねえぞ

(衛士)おい 捜せ捜せ!

(隊長)捜せ!

人質にするのだ 逃がすな!

(虎力)どくんだ!

秘密蔵が破られたら どうする!

(羊力)悟空を捜すのが先よ

あんた 手 大丈夫なの?

(鹿力)組み手ができるのか?

よし やってみよう

(虎力)ああ

あいてて…

離してください!

いけません! 何をするのです?

三蔵さま お逃げください

私がいては

足手まといになるだけです

黄瑞香は誰が育てるのです?

おじいさんとの約束は

どうするのです?

・~

(八戒)悟浄!

八戒 ここは食い止めるさかいな

倉庫荒らし あんじょう頼むぞ

(八戒)よし!

(智敬)

徐が言ってた踏み石は これだな

(八戒)いいぞ

・~

(衛士)待て!

(桃麗)三蔵さま 早く!

(騒ぎ声)

・~

おい みんな 出てこい!

早く出ろ出ろ 逃げろ!

あっちだ ほら 行け行け!

ああ 酒が! 俺の酒が!

(鹿力)宝石 宝石!

ざまあみろ!

宝石がない!

何じゃ こりゃ! 宝石が…

エイッ!

(蹴る音)

な… 何するんだ!

お前の紙も めちゃめちゃだぞ!

(笑い声)

笑うな! 気がくるったか?

おい 取り押さえろ!

エイッ!

(殴る音)

(殴る音)

そうよ

せいてんたいせい

そん

俺さまは斉天大聖 孫悟空だい

ヤーッ!

ヤーッ!

おかしいぞ 様子が

(八戒)仲間割れかな?

もめてるよ もめてる

(智敬)踏み込みましょう

踏み込んで

奴らの息の根 止めましょうよ

よし

(八戒)待て待て 待て待て待て

ぺ

ぴかっと最後っ屁が来たら

どうすんだ? 鏡がねえんだよ

・~

(八戒)なんだ 2人きりか

じゃ ぴかっと来ねえな おい

・~

うわぁ もう 虎だか猫だか…

かわいいね 本当に

・~

(殴る音)

(殴る音)

・~

(殴る音)

(蹴る音)

ウワッ!

(悲鳴)

(羊力)助けて!

(金)さあ 来い!

たち

てめえたち 性質が悪すぎるぞ!

たたき殺してやるから

覚悟しろよ!

お待ちなさい 悟空!

待てませんよ お師匠さん

今度ばっかりは

許せねえんだ 俺だって

殺しては なりません

そんな! お師匠さま

もう わしはね 辛抱できませんよ

こんな奴らをね

絶対 許したら いけませんって!

悟空 腕輪を外しなさい

ハァ…

よ~し てめえたち 手ぇ前へ出せ

行け! もう 光は使えねえぞ

このあと

俺の前に 二度と顔を現すなよ

そのときは

必ず息の根 止めてやるから

分かったか!

(虎力たち)は… はい…

(蹴る音)

アアッ…

(蹴る音)

(鹿力・羊力)アアッ…

ごめんなさい ごめんなさい…

(鹿力)お~い

(智敬)いや おかげさまで・

石牢で働いてる みんなを

解放することができました

(金)このご恩は一生忘れません

みんなで力を合わせて・

昔のように豊かな車遅国を

作り上げてください

黄瑞香は…

この人と2人で

大事に育てていきます

・~

(八戒)良かったね

ごめんなさい

これ 2人の お祝いに

(桃麗)こんな高価な物を?

アハハッ…

・~

し… 幸せに… 幸せにね

(泣き声)

すげえ顔だな おい…

(泣き声)

八戒 さっきの贈り物

あれは どさくさ紛れに

盗んだ物であろう?

はぁ? まあ あの… ハハハッ…

あの… 桃麗さんがですね

この八戒の熱き思いを

永遠に忘れることのないようにと

まあ… そういうことでございます

天竺へ貴いお経を取りに行く者が

盗みをはたらくとは…

仏の道に背く大罪です

八戒は ただいまかぎり破門です

破門だ 破門 あ~あ かわいそうに

破門だってよ 八戒が

(笑い声)

兄貴 悟浄

お師匠さまに わび入れてくれよ

わび入れてくれよ なあ!

無事に乗り越えたものの・

行く手は厳しい天竺の旅>

いかがなことに相なりましょうや>

・『ガンダーラ』

・ そこに行けば

・ どんな夢も かなうというよ

・ 誰もみな行きたがるが

はる

・ 遥かな世界

・ その国の名は ガンダーラ

どこ

・ 何処かにある ユートピア

・ どうしたら行けるのだろう

・ 教えて欲しい

・ In Gandhara, Gandhara

・ They say it was in India

・ Gandhara, Gandhara

・ 愛の国 Gandhara

・ Gandhara, Gandhara

・ They say it was in India

・ Gandhara, Gandhara

・ 愛の国 Gandhara

さらわれた村長の娘>

さっそう

八戒に けんもほろろの ご挨拶>

帰らないわよ

ほ

人間が妖怪に惚れて なぜ悪いの?

当の なめくじ妖怪>

怖~いカミさんと3人の子供たち>

妖怪か 女の恋の一念か>

ご期待ください>

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