All language subtitles for 【特集ドラマ】昔はおれと同い年だった田中さんとの友情[解][字]_2024-08-15

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Original subtitles

(宇太佳)あっ ああっ! (拓人)よっしゃ~。

(宇太佳)またやられたよ。 (忍)また拓人がやったん?

決まってるやろ! 弱いなあ。 マジか…。 つよ~。

拓人が強い…。 毎回 おれにもやられてる。

(笑い声) もっかいやろう。

やろう。 いいよ。

・~

[ 回想 ] (田中)ヤー!

協力して 拓人 狙おう。 おう いいやん。

おい それずるいって。

隠せ 隠せ 隠せ。

あの… ほかに誰もおれへんと思って…。

(忍)すいません! 僕ら もう帰ります!

ほんまにごめんなさい! 行くぞ。

(宇太佳)ビックリした~。

(忍)ジーッと黙っとって… お地蔵さんやないんやから。

おれと田中さんとの出会いやった。・

田中さんが どんな人生を送ってきたのか まだ何も知らんかった>

拓人。 うん。

・~

「スケボー禁止」て 先週まで こんなんなかったやん。

小さい子もおるし 危ないいうことやろ。

何をやっても思うようにならへん。・

ここんとこずっと おれはイライラしとった>

あかんいうもんはしゃあない。 帰ろか。 うん。

え…? うちでゲームしてもええしな。

ちょっと待って!

まだある。 スケボーできるとこ。

よっしゃ やるで。 (忍)ここ ヤバいって。・

こないだ 水鉄砲見つかったやろ? ほら あの お地蔵さんに。

(宇太佳)あ~ おったなぁ。 確かに確かに。

大丈夫やって。 あん時も見てるだけやったしさ。

それが一番怖い! 何考えてるか分からへん。

大丈夫やって。

おぉ~。 ほな おれらもやろか。

・君ら…。

ヤバ…。

君ら あけぼの小の子やろ? 何年生や?

逃げるぞ。 待って!

僕は田中です。 田中喜市。 神社の管理人。

で それは?

あ… スケートボード。 スケボーですね。

スケボ… へえ~。

あの いつもは みどり公園で やってたんですけど…・

すいませんでした! (2人)すいませんでした!

何 謝ってんねん。

面白そやな。 ちょっと それ 見せてくれる?

あ… どうぞ。

ふ~ん。 これ 僕 乗れるやろか。

いや やめといたほうが…。

こうか。 これで滑るんやな。

よっ! お…。

ああっ…!

(忍)マジか… ヤバい ヤバい ヤバい…! どうしよう。

わ… 悪い ごめん 君ら 救急車呼んでくれるか?

(忍)あっ はい! おれ 呼ぶわ。

(宇太佳)大丈夫ですか? アハッ 大丈夫や 大丈夫や。

(忍)もしもし けが人です! おれ… 誰か呼んでくる!

(忍)花林神社の前で おじいさんが倒れてて。

お母さん!

お母さん! お母さん! お母さん!

(尚美)拓人 どないしたん? 神社で お地蔵さんが…。

えっ 何の話? だから 神社で おじいさんがこけて・

動かれへんの! あんた 何したん。

早く! 早く早く早く…! ちょっとすいません!

すいません! 大丈夫ですか!? ご家族の方ですか?

いえ うちの子がご迷惑かけたみたいで。 ほんまにすいませんでした!

僕が悪いんですよ 勝手なことしてしもて…。

1 2 3 はい。

付き添います。

拓人 うちで待っとき!

ちょっと下がって。

右手首の骨折。 全治2か月やって。

聞いてるか? あんたに言うてんのやで。

聞いてるよ。

忍と宇太佳のママとも話したけど・

利き手が不自由やったら 田中さん 何もできへんやろ。

そやから 明日から あんたら3人で 田中さんの身の回りの世話をすること。

おれらが? 当たり前やろ?

誰のせいで けがした思てんの。

もう… おれらのせいとちゃう。

しばらく スケボー禁止やから。 は…。

あ~っ! マジでありえへん…。

(忍)そんなん言うたら おれら2人 巻き込まれたみたいなもんやぞ。

(宇太佳)もうええって。 一緒に遊んでたんやから おれらも同罪や。

(忍)まあな…。 そやけど おれ 今日 塾やから途中で帰らんと。

えっ それずるいわ。

拓人も また来始めたらいいやん 塾。

う~ん…。

おれはいい。 勉強向いてへんし。

みんな~ よう来たね~。

(宇太佳)ずっとあそこで待ってたんかな。

笑ってるな。

・~

あれ? そっち?

どうぞ~。 入って。

入って入って。

これ… 家? 家いうか 小屋やな。

まあ 行こか。

お邪魔します。

古っ。

おっ コタツや。 ほんまや。 リアルなやつ 初めて見た。

そうか 今の子はそうかもしれへんな。

どうぞ 上がって。

あの… 今日は僕ら 何したらいいですか?

何もせんでええよ。

お菓子買うてあるから ゆっくりしてって。

いや それやと僕ら お母さんに叱られてしまうんで…。

何か手伝いして帰らんと。

手伝いいうてもなぁ…。

そうやな… そしたら 境内 掃除してもらおうか。

はい! よし 行こ。

田中さん 僕らサボらないんで 座って待ってて下さい。

アハッ ごめんごめん。

いやいや 君らだけにさすのも 何か落ち着かへんから。 ハハッ。

(宇太佳)拓人。 ん?

(宇太佳)見てみ。

去年のかな。 取らへんの?

いい。 ずっとここにあったんやろうし。 頑張れよ。

あ…?

あの… それ 何ですか?

これは 慰霊碑やな。

慰霊碑…。

死んだ人の冥福を祈るやつ。

へえ~。

うわ~ 大したもんやなぁ。

疲れたやろ。 お茶にしよか。

いや お構いなく。 僕らもう失礼しますから。 なっ?

(2人)うん。 そうか…。

まあ 無理強いしても悪いしな。

ほんなら おやつ持って帰ってくれるか?

(小野田)先生! (瀬下)ん?

私 スケボーは危険やと思うんです!

(瀬下) どないした 小野田… スケボーが何て?

(小野田)昨日 うちのおばあちゃんが・

スケボーに乗った男の子に ぶつかったらしいんです。・

歩道で乗るなんて ルール違反やし・

このクラスの人やったら 名乗り出て下さい!

え?

いや おれら ちゃうって! なあ?

(柴田) スケボーなんて お前らしかおらんやろ。・

場所考えて滑れよ。 なあ?

(中野) 正直に名乗り出たほうがええんちゃうか?

(山下)小野田 怒ってんぞ~。 ほんまやぞ~。

謝れ 謝れ~。 僕ら ちゃいます!

(瀬下)分かった 分かった。 犯人捜しは やめよう。

いや ほんまに。

(瀬下)心当たりがある人がおったら 後で こっそり先生に名乗り出てくれ。

うそをついたら 自分の心が傷つくぞ~。・

ほな 保健だより配るからなぁ。

小野田 あいつ 無駄に真面目やねん。

絶対に おれらのこと犯人や思てる。

(忍)ほんまに腹立つ!

最近 ついてないわ…。

ほな。 また明日。

え? 今日も行くんやろ? 田中さんち。

え… 何で?

いや~ 昨日 塾 遅刻してさ。

お母さんに 「ほどほどにしとき」って 言われたんやもん。

おれも 今日 書道教室あるし・

別に毎日行かんでもええやろって お母さんが。

いや おれ一人じゃ気まずいって!

いや 拓人のお母さんも きっと そう言うと思う。

はあ? じゃ。 じゃ。

ちょちょ… 待って。 はあ?

はあ?

(ため息)

・~

拓人く~ん!

・~

お~ 煮物や。 ありがとう。 僕 大好きなんや。 へえ~。

あの 次から直接ここに来るんで 外で待っててもらわなくても。

そうか? いや 何や楽しみで ついな。

へえ~。

今日は 僕 何したらいいですか? 指示してもらったほうが動きやすいです。

「指示」やなんて…。 そんなふうに思わせてしもて ごめんね。

いや そうやなくて…。 それやったら・

今日は おやつだけ食べてってくれへんかな。

え… そんなんでいいんですか? そんなんで十分や。

ちょっと待ってな。

あの 準備やったら 僕やります。

そうか? そしたら そっちの棚に お菓子あるから。

ここか。

これ おれらのために わざわざ用意してくれたんですか?

ほら すぐ下にスーパーあるやろ。

拓人くんは学校楽しいか? 好きな教科とかあるのんか?

あぁ… 体育です。 ふ~ん。

あとは… 算数とか。

給食は どんなんやった?

給食? うん。

何やったかなぁ…。

何で そんなん知りたいんですか? う~ん 何でやろな。

学校の話とか友達の話とか そんなん聞きたいねん。

ん~…。

今日 クラスの女子が スケボーの文句言ってきて・

ムカつきました。 スケボ 好きなんやな。

はい。 技が決まったら マジで気分ええし・

忍と宇太佳が一緒やったら 余計盛り上がるんで。

ええな。

けど この辺やと もうやれる場所 なくなってしまって…。

もう やめなあかんかも。 ん?

ずっと そんなんばっかりなんです。 うん。

小4まで夢中やったサッカーは けがでやめました。

それから お兄ちゃんのまねして 中学受験しよ思たけど・

勉強 おもんなくって。

受験勉強 大変やもんなぁ?

おれね… 中途半端なんですよ。

忍は3年から塾行ってて クラスじゃ トップで頭がいい。

宇太佳は 書道したり スイミングしたり…・

あいつ バタフライできるんですよ?

それやのに… おれは 何もない。

うまっ。

コーラ 買うてあるねん。

おれ やります。 ああ 大丈夫 大丈夫。

あっ…。 あ~あ~ あ~あ~。

あ~あ~。 あ~あ。

2本は無理だ。 フフフ…。

これ…。 ちょちょ… ちょっ! あ~!

あれ? あ~あ~ あ~あ~。 ティッシュ ティッシュ ティッシュ!

こんななるの。 えっ…? 田中さん。

ちょっと待って。 手 拭いて下さい。 はいはいはい。

へえ~ 知らんがな~ こんななるて。

そらそうなるでしょ…。 あ~あ~あ~。

フフ… ハハッ…。

あ~あ~。 こんなふうに… 誰にも言うたらあかんで。

(笑い声) 言っちゃおっかな~。

・~

逢魔が時やな…。 おうまがとき。 何ですか? それ。

夕暮れ時のことや。 昔から 昼と夜の境目は・

魔物が出やすいいうてな。

そやから 早よ帰り。

はい。 今日は ごちそうさまでした。

たった一人の田中さん。・

何で こんなところに一人でおるのか 気になったけど・

聞いたらあかん気がした>

また明日!

拓人 昨日どやった? ん?

ああ 特に手伝うこともないし しゃべって コーラ飲んで帰ってきた。

しゃべってって 何話すん。 話 合わへんやろ?

う~ん… そうでもない。 何や ごちゃごちゃ話してしまった。

今日も行くんか? そら行くやろ。

お前らも来いって。

そやけど あの人 何考えてるか分からへんし。

なあ? うん。

行ってみたら分かるって。 なぁ 行こうや。

あっ。

田中さん まだ無理したらダメですって。 ほら。

ああ みんなも。 いや~ そろそろ 花林祭の時期やろ。

今から ちょっとずつ掃除しとこ思て。

ああ。 おれら やります。 ほんま おおきに。

そしたら 雑巾が足らんやろ。 取ってくるわ。

おい。 あ… あの 僕も行きます。

じゃあ おれも。

よし。

忍 まだ そこ拭いてんの? ちゃんとやれって。

やってるやろ。 ええから ええから。

自分のペースでやろ。 そやけど。

君らがいてくれるだけで十分。 何や 心強いわ。

ほんま ありがとう。

いる?

ここって 田中さんちですよね。

賃貸ですか? おい。

自治会の持ち物や。

管理人する代わりに 家賃は取られへんねん。

今は年金もあるし なんとか生活できてるわ。

ずっと一人ですか? 家族とか 奥さんは。

おい! もうええって。 いや お前も気になる言うてた…。

やめろ! おいおい ほんまにすいません。

忍くんは素直なんやな。

そうなんです。 おれは こいつらみたいに ええかっこせえへんだけで。

誰がええかっこしぃやねん。 お前が無神経なだけやろ。

何やと! まあまあ。

もう 何か 仲ええのか悪いのか 分からへんなぁ。

(笑い声)

はい から揚げ。 はい。

あっ お母さん。 ん? おれ 明日も神社行くから お弁当作って。

明日 土曜日やで? うん。

花林祭に向けて 掃除してたんやけど 大体済んだし 次は家やろうって。

田中さん お風呂入んのも不自由そうやし ついでに それも手伝お思てる。

ふ~ん。 (秀治)何の話や。

花林神社のお手伝いしてるんよ。 なっ? うん。

神社もええけど 勉強は大丈夫なんか?

中学受験かて 今からやり直しても間に合うやろ?

圭太も大学受験に向けて 頑張ってんねんから・

お前も見習ったらどうや?

拓人は拓人で頑張ってんねんから。

拓人 明日 みんなの分も お弁当 作ったげるわ。

うん…。

これ? だから こういうの…。

ああ そんなん 自分でするから大丈夫やて。

一人じゃ無理でしょう? いつまでも出しとくわけにもいかへんし。

そやけど… みんな ありがとうね。

ん…?

これって…。

えらい古いもんが出てきたな。

田中さんですか? そう 僕。 へえ。

11歳 君らと同い年や。

えっ 田中さんて 何年 ここに住んでるんですか?

もう70年くらいになるな。

70年!? ずっと? 一人で? おい。

太平洋戦争って分かるか? 日本が外国と戦争して・

国じゅうに たくさん爆弾が落とされた。 何十万人って人が死んだんや。

この町にも落とされたんやで? えっ…。

たくさん 死んだんですか。

23人。 少な…。

そのうち2人は 僕のお母ちゃんと妹やった。

妹は まだ8歳やった。

ごめんなさい おれ… 「少ない」とか言うてしもて。

ええねん ええねん。 その時に 足もけがしてな。

お父ちゃんも お兄ちゃんも 戦争で死んだあとやったから・

僕は 天涯孤独になってしもた。

それで 心聖寺の先々代の住職が 引き取ってくれたんや。

家族の供養もしてくれて 心から感謝してるわ。

でも 何で お寺から この神社に来たんですか?

戦争が終わってから ここに 空襲で亡くなった人の慰霊碑が立ってな。

お参りに来る人が ぎょうさんおったんや。

ここにですか? そうやで?

昔は さい銭泥棒まで出る始末やったから 管理する人間を置こういう話になって・

それで 家を建てて 僕が管理人することになったんよ。

それからずっと ここに一人でですか。

結婚せえへんかったからな。 まあ 管理人しながらやけど・

八百屋さんとか 電気屋さんでも 働かしてもろた。

みんなにようしてもろて 幸せやった。

住むところにも困らんし ほんまありがたいわ。

この時 おれと同い年やったんですよね。 そやな。

それからずっと一人で…。 うん。

よし。 オーケー! いい湯加減や。

腕 けがしてるから無理でしょ。 ちょっと… こそばいな もう。

おれらがしたほうが早い!

ベルトも僕が脱がしますから。 え~ これ!? いいです いいです。

よしよしよし…。 あ~ もう…。 ちょっと…。

チャック チャック。 ダメ ダメ これ以上はダメ。

あ~ もう! ズボンは自分でやるから。 向こう見てて。 向こう見てて。

向こう見てて。 いいから いいから。

あ~ もう恥ずかしいから 向こう向いてて。

何をそんなにてれてるんですか?

あの傷…。 痛そうやったな。 うん。

・あぁ~ ええお湯や。

・ とんとんとんからりんと となりぐみ~

何の歌やねん。 なっ? うん。

・ 廻して頂だい 回覧板

・ 知らせられたり 知らせたり

・~

(圭太)拓人 風呂空いたぞ。 うん…。

昔 この辺に爆弾が落ちたんやて…。

ああ そうらしいな。 知ってた?

小学生の時 語り部っていう おじいさんが来たわ。

かたりべ…。 戦争の語り部っていうたかな。

自分の戦争体験を みんなの前で話してくれてん。

この町では 23人死んで・

その中に 田中さんのお母さんも妹さんも おったんやって。

へえ~…。

23人なんて少ない思うたけど・

それが家族なんやったら 人数なんて関係ない。

何やお前 えらい田中さんにハマってんな。

田中さん面白い。 それに 中学受験もやめたし 暇やからさ。

拓人。 ん?

お父さんの言うことやったら 気にすんなよ。

おれは言われるまま受験したけど・

お前は自分でせえへんって 決めたんやろ?

うん。

自分のこと ちゃんと自分で考えて 決めれるんやから・

お前は大丈夫やと思う。

おれ ちょっと尊敬してんねん。

何それ…。

はい。 ありがとうございます。 いただきます。

コーラ下さい。

ほんま申し訳ない…。 僕も何かお手伝いできることがあれば。

(佐々木)ええから そこ座っとって。 (長谷川)もう ええって。

ちょっと休憩もらいますね。

はい ご苦労さん ご苦労さん ご苦労さん。

おっ みんな来たんか。

何ですか? 今の人たち。 自治会の人たちや。

家の中は今日一日 自治会の休憩所にしてもろてるから・

僕はもうここで十分なんや。

今年は お手伝いできそうにもないし 申し訳ないわ。

でも ふだんから ここの管理してんの 田中さんなんやし・

もっと堂々としとったらええのに。

あの人ら 祭りとか そんな時にしか 来ぇへんでしょ?

そやからこそや。 楽しんでほしい。

田中さんて 怒ることないんですか?

怒る? 何をや?

僕は恵まれてるよ。

ほら みんなも楽しんでおいで。

じゃあ。

・~(祭り囃子)

[ 回想 ] 僕は恵まれてるよ。

・~(祭り囃子)

田中さん… これ。

ん? お土産です。

僕に? ええの?

チョコバナナです。

ありがとう。 きれいやなぁ。

うれしいわ。 いただきます。

うん… おいしい。

・~

うん… おいしい。

うん。 うまい。

・~

拓人くん。 ありがとう。

うん。

おれ トイレ行ってきます。 うん。

ありがとう。

(話し声と笑い声)

長谷川さんは いつも正しいです。 そんなことないですよ。

ありがとうございます。 僕は正しいことないですけどね。

(佐々木)何や? どないした? いや トイレ借りよ思て。

田中さんには言ったんで。 (佐々木)ん。

(佐々木)田中さん 最近 子どもら集めて 何してはんねやろ。

(長谷川)あ~ けがして あの調子やから・

身の回りのこと してもうてるらしいですよ。

(小岩井)介護か。 (笑い声)

ほんまや 介護や。

(佐々木)田中さん往生しはったあとのこと 考えなあかんな…。

(小岩井)そやけど たまに境内の掃除するぐらいでしょ?・

自治会の持ち回りで済むんとちゃいます?

(長谷川)そう考えたら 田中さん ええご身分ですよねぇ。・

たまの掃除するだけで タダで こんな家まで用意してもろて。

(小岩井)ほんまや。 ちょっとぐらい 家賃取ったったらええんですよ。

(佐々木) 戦争でいろいろ苦労しはったらしい…。

(長谷川) そんなん 昔の人はみ~んな そうでしょ。

そらそのとおりや。 長谷川くん 正しい。

拓人くん?

(忍)拓人?

どしたん? (2人)拓人!

あ~ くそ! 腹立つ! (2人)拓人!

何で あんなこと言えんねん!

どうしたん?

田中さんちにさ 自治会の人ら おったやろ?

田中さんの悪口言っとった。

はぁ? はぁ?

子どもらに介護させてるとか いつ死ぬか分からへんとか。

信じられへん… 最悪や。 意味分からんわ。

拓人? お母さん…。

あんたら いつまで遊んでんの。

田中さん 家入られへんねん。 え?

ご機嫌なとこ すみませんねぇ!

もう遅いので ここ空けて下さい!

田中さん おけがされてますし 家に入れなくて困ってます~。

はい お開き お開き!

ゴミは持ち帰ること!

まだ飲んでます。 (尚美)ええかげんにしいや!

拓人のお母ちゃん 相変わらず すごいな。 うん…。

田中さん 何で怒らへんのやろ。

自治会の人らも 田中さんの悪口言うとってさ…。

えらい酔うとったしな。 そういう問題じゃないって。

あの人ら 田中さんのこと何も知らへんねん。

そやから あんな態度取れるんやと思う。

おれは 絶対 あんな大人にはならへん。

言うやん。 あんたもそやったくせに。 え?

そやろ? 「勝手にスケボーに乗った」とか 文句言うてたやん。

それは… まだ田中さんのこと知らへんかったし。

そやけど 今は そんなふうに思わへん。

みんな 田中さんのこと知ったらいい。 もっとちゃんと知ってほしいわ。

はぁ… やっぱり あんた ええやつやな。

そんなんええって…。

今は田中さんの話 してんねんから。 ふふ…。

どうしたらええやろなぁ。

・~

[ 回想 ] そのうち2人は 僕のお母ちゃんと妹やった。

・~

語り部って 僕に人前で おしゃべりせい いうこと?

そうです。 無理無理。

そんなんが一番苦手やねん。 何で また急に。

僕ら 田中さんのこと みんなに知ってもらいたいんです。

そやけど 僕の話なんて…。 知ってもらいたいんです。

戦争で独りぼっちになって・

それでも田中さんは 立派に生きてきたってこと。

僕は… そんな立派な人間と違う。

でも 田中さんのこと いろいろ知ったら・

きっと みんなも 田中さんのこと好きになると思うんです。

ありがとうね。 うれしいこと言うてくれるわ。

じゃあ…。 けど お断りします。

え?

戦争の話なんて 誰も興味ないんと違うかな。

そんなん分からへんやないですか! もし そうやとしても・

学校とか クラスのみんなとか説得して 興味持ってもらいますから。

[ 回想 ] 武運長久を祈ります!

バンザーイ! (一同)バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!

お兄ちゃんから聞いたんです。

昔は学校に語り部を呼んで 戦争の話をしてもらってたって。

語り部なぁ…。

前に そういうことやってたいうんは 聞いたことあるけど。

田中さんっていう ピッタリの人がおるんです。

ええアイデアやとは思うけど… そもそも誰に聞いてもらうつもりや?

クラス全員か? それとも全校生徒に向けてか。

いや もっとです。

地域の人とか 自治会の人らも呼んで やりたい。

簡単に言うけど そんだけ大がかりな集会やったら・

かなり手間かかるぞ。

まっ お前ら3人が仕切るいうんやったら 話は別やけどな。

は~い 静かに!

3人から みんなに相談があるそうです。

皆さん 花林神社には 管理人の田中喜市さんという人がいます。

地蔵みたいなじいさんやろ?

戦争の時 この町にも空襲がありました。

亡くなったのは 23人… このクラスと同じぐらいの数です。

その23人の中に 田中さんのお母さんと妹さんがいました。

田中さんは 戦争で家族を亡くして 独りぼっちになったんです。

おれらと同じ 11歳の時です。

おれ それ聞いて めっちゃショックでした。

戦争って マジで すぐそこにあったんやなって思った。

(黒柳)あ~あ。 戦争があったなんて み~んな知ってる。

教科書に書いてあるやろ。

そやけど! 田中さんから聞いたら もっと近い感じすんねん。

知ってる人の実体験やからさ。 そう! そういうこと!

そやから 田中さんを戦争の語り部として 学校に呼びませんか?

(浅田)あの~…。 浅田さん。

(浅田)私は 戦争の話なんて聞きたくありません…。・

人が死んだ話なんて 怖くて悲しい気分になるし。

あ… いや 戦争いうか…・

正直言うと おれは ただ・

みんなに田中さんのことを 知ってもらいたいだけやねん。

田中さんは おれらと同い年の時・

お父さん お兄さん お母さん 妹さんを 戦争で亡くして・

それからずっと 一人で生きてきたんです。

けど 田中さんは マジでいい人で。

おれも年取ったら あんな人になりたいって思う。

そやけど…> (拍手)

すばらしい提案やと思います!

私は 田中さんの戦争の話 聞きたいと思います!

響いたようやった>

(中野)出た出た。 相変わらず真面目やの~ 小野田は。

ほんま真面目やな!

(小嶋)何がおもろいの? 冷やかしていい話じゃないと思うけど。

私も 賛成します。

私も。 私も。

(2人)おれも。 じゃあ 私も。 私も賛成。

ありがとう! (拍手)

全校生徒に興味を持ってもらう。・

せっかく田中さんを呼ぶのに 退屈な学校行事やと思われたくなかった>

お~。 どう?

うん ええ感じや。 いいな いいな。

ああ ありがとう。 ありがとう。 ええ感じ。

すいませ~ん! はいはい 何ですか。

これ 聞きに来て下さい。

今度 田中さんが 学校で戦争の語り部するんです。

神社の田中さん? あの人 そんなんできるん?

できます!

はいはい 行けたら行きます。

絶対に来て下さい!

田中さ~ん! 田中さん!

チラシ持ってきました~!

え? あれ? 何かあったんかな…。 まさか。

田中さん!

田中さん! 田中さん!

田中さん! 田中さん!

ただいま。 何してんの。

どこ行ってたんですか!? ビックリした~。

ほら見てみ やっと外れた。

(3人)お~!

はい 分かった 分かった 分かった。 はい お土産。

ありがとうございます。

コーラ コーラ コーラ コーラ!

みんなのおかげや。 ほんまにありがとう。

これまで みんなと過ごせて 楽しかった。

こんな年寄りに つきあわせてしもて…。

そやけど ここ何か月か 今まで生きてきて一番充実してたわ。

急にかしこまって何なんですか。

拓人くん 忍くん 宇太佳くん 僕は もう一人で大丈夫やから・

これからは 大事な時間を 自分らのために使てほしい。

それは… もう来るないうことですか?

そうは言うてへん。

そうやのうて… みんなには お友達や勉強を優先してほしいんや。

それやったら また来ます。 ん?

友達やし。 なっ? (忍 宇太佳)うん。

あっ もしかして 語り部するのが 嫌になったんとちゃいますよね?

え? あっ これ。

ん?

そんなわけないやろ。 友達の頼みやぞ?

語り部 立派に務めさせてもらうわ。

よかった…。

・~

金曜日の5~6時間目を使って行われた>

・~

あ あ~。

皆さん 今日はお集まり頂き ありがとうございます。

それでは 田中喜市さん よろしくお願いします。

出番です。

(拍手)

皆さん こんにちは。 田中喜市と申します。

花林神社の管理人をしています。

これから 私が体験した 戦争の話をしたいと思います。

今から70年ほど前 私が皆さんと同じ まだ子どもだった頃・

この地域で起こった出来事です。

私には 父 母 兄 そして3歳下の妹がいました。

そのころ 日本はアメリカと戦争をしていました。

誰もが皆 日本が絶対に勝つと信じていました。

私たちは そう学校で教えられ・

近所の大人たちも みんな そう口にしていました。

私も 正義の戦争を信じた 軍国少年でした。

そんな中 父が戦争に行くことになりました。

家族や近所の人たちと一緒になって・

バンザーイ! バンザーイ! と送り出しました。

父を追うように 兄も戦争に行きました。

お国のため 戦地へ向かう兄は・

勉強も運動も得意で 私の憧れでした。

[ 回想 ] (勝一)チヨ お母ちゃんの 言うこと よう聞くんやで?

(チヨ)うん…。

(勝一)ほな 行てきます。

武運長久を祈ります!

お国のため 勇敢に戦ってまいります!

バンザーイ! (一同)バンザーイ! バンザーイ!

バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!

(ラジオ)「大本営発表」。

そして 家には 母と私 妹のチヨが残されました。

(ラジオ)「本戦闘において 我が方の収めたる戦果・

轟撃沈 航空母艦11隻…」。

私は連日 戦果を伝える大本営発表を 日記に書き写しました。

日本の勝利を信じていました。

妹は 兄に折ってもらった折り鶴で いつまでも遊んでいました。

[ 回想 ] (黒田)不撓不屈の精神を持って 勝利の日まで戦い抜く。・

この戦争は 欧米に植民地にされた アジアを解放するための・

正義の戦争なんや!

戦況は不利になっていました。

ですが 父も兄も 日本が勝てば帰ってきます。

私も母も妹も その日を楽しみに待っていました。

[ 回想 ] (黒田)勉学に励まねばならん! (一同)はい!

そして ある日 出征していた父が 死んだという知らせが届きました。

みんな お国のために命をささげた父を たたえました。

[ 回想 ] この度は名誉の戦死を遂げられ まことにご立派なことです。

私は 父を誇らしく思い・

悲しかった気持ちが 少し軽くなった気がしました。

[ 回想 ] ヤー! えいっ!

学校では 敵から身を守る方法と 敵を打ち倒す方法を教えられました。

[ 回想 ] 構え! 突け~!

父の仇です。 私は一生懸命に鍛錬しました。

[ 回想 ] 構え!

突け~! ヤー! えいっ!

田中さん。 はい。

そのころ たった一つの楽しみは 戦地にいる兄からの手紙です。

[ 回想 ] (シズ)「どうかお体にお気を付け下さい」。

勇敢に戦っている様子や 戦友との 笑い話などが書かれてありました。

そして 最後にはいつも こうありました。

[ 回想 ] 「我々は皆 お国のために 精いっぱい戦っています。・

喜市くん お母さんとチヨをお願いします」。

勝一も頑張っとる。 喜市も しっかり頼むで。 うん。

しかし 間もなく 兄が戦死したという知らせがありました。

[ 回想 ] (すすり泣き)

お兄ちゃん!

(すすり泣き)

何すんの! メソメソすな!

兄やんは 名誉の戦死やぞ?

おれらが胸張らんでどうする!?

(泣き声)

私は 日本が絶対に勝つと信じていました。

正義の戦争です。

父も兄も日本が勝つために死んだのだから しかたがないと思っていました。

そして昭和20年。

終戦を前にして この町は空襲に遭いました。

夜中です。 寝ていたら 突然 ものすごい音がしました。

すぐに 私の家にも火がつきました。

母と妹は 逃げ遅れました。

[ 回想 ] お母ちゃん…。

チヨ!

あっ あっ…。

お母ちゃ~ん! チヨ~!

お母ちゃん… チヨ… 何で 何で…。

お母ちゃ~ん!

チヨ~!

堪え難きを堪え 忍び難きを忍び

以て 万世の為に 太平を開かんと欲す。

朕は 茲に 国体を護持し得て 忠良なる爾臣民の

・えらいことや。 ・どういうこと? どういうこと?

負けた… 日本は負けたぞ。

戦争は終わったんやね…。

これが 私が70年前に経験したことです。

戦争のない平和な世の中が一番です。

命の重さは何ものにも代えられません。

皆さんには どうかどうか 一人一人が強い意識を持って・

未来へ向かって 幸せに過ごしてほしいと 心から願います。

ご清聴 ありがとうございました。

(拍手)

田中喜市さんのお話でした。 ありがとうございました!

では このまま質問コーナーを始めます。

皆さんの中に 質問のある人はいますか?

(鈴華)あの~。 どうぞ。

(鈴華)どうして 妹に意地悪をしちゃったんですか。

意地悪…。 折り紙を捨てたから…。

ああ。 意地悪やったと思います。

何やろ… 悔しかったのかもしれません。

本当は僕も 妹のように 死んだお兄ちゃんを思って泣きたかった。

でも 我慢するしかありませんでした。

そやから 悔しくて 意地悪してしまったのかもしれません。

(鈴華)ありがとうございました。

すいません 一つ いいですか? どうぞ。

6年2組の黒柳宗也です。

田中さんは 子どもの頃 軍国少年やったんですよね?

戦争をするのが おかしいことやとは 思わなかったんですよね?

思いませんでした。

戦争にも絶対に勝つと 心から信じていました。

いつから考えが変わったんですか?

戦争を体験した人は 同じようなこと言いますが・

そんな急に考えって変わりますか?

そやね…。

母と妹は 炎に包まれて死にました。

(黒柳)それは もう聞きました。

日本は戦争に負けて…。 (黒柳)それも分かってます。

あの もし答えにくかったら…。

大丈夫 大丈夫。

僕の先生は ある日 教科書の 戦争に関することを全て・

墨で塗り潰すように言いました。

戦争中の教科書には 戦意高揚… 戦う気持ちを盛り上げるための内容が・

たくさん書かれてありました。

でも 戦争が終わったら なかったことにされたんです。

[ 回想 ] (梅宮)え~ 皆さん これからは民主主義の時代です。・

あしき軍国主義を排除すべく 不適切な記述は塗り潰しましょう。 ねっ。

では 教科書を開いて!

教科書が 先生や大人たちが 間違ってんのやったら・

何が正しいのか分からへん… 僕は訳が分かりませんでした。

教科書を塗り潰してた時…。

担任の先生が 泣きだしたんです。

当時は どうして泣くんか 分からへんかった。

僕は それから何年も考え続けて こう思うようになりました。

あれは 先生は 自分が情けなかったんや。

ちゃんと考えることができひんまま 周りに流されてしまったことが。

僕も一緒です。 周りに流されて 「バンザイ! バンザイ!」言うて・

お父ちゃんや お兄ちゃんを送り出して…。

子どもに そんなんされたら 死ぬ気で戦うしかない。

僕が そうしむけてしまった…。

僕が 父や兄を死なせたようなもんや…。

戦争が終わって 一人になって。

僕は自分の頭で考えて・

自分が正しいと思うことをしようと 決めました。

人間として どう振る舞うのがいいのか 一生懸命考えました。

それが 人として生まれてきた意味やと 思うからです。

名誉の戦死や お国のためやて そんなん間違うてる!

人が死んでええわけない! そんなん おかしい!

そやから 僕は 戦争には反対です。

ほかに 質問はありますか?

なければ これで。 (朋香)はい。

(朋香)1年1組の上野朋香です。

田中さんの好きな食べ物 何ですか? (笑い声)

上野朋香さん 質問ありがとう。

僕の好きなものは… チョコバナナです。

何でですか?

5月に 花林神社でお祭りがあったでしょ。

その夜に 僕の友達が チョコバナナを買うてくれたんです。

僕は その時初めて チョコバナナを食べました。

何十年生きてきて 初めて食べたんです。

甘くて やわらかくて キラキラしてて・

まるで 夢を食べてるようでした。

ほんまに幸せやった。

そやから 僕は チョコバナナが一番好きです。

何か 田中さんを責めるみたいな質問が 出てしまって すいませんでした。

ありがとうな。

おかげで 初めて言えたわ。

ず~っと抱えてた気持ち 考えてたこと 全部話せた。

ほんまによかった。

君のおかげや。 ありがとう。

そんな…。

もう ここでええよ。 はい。

それじゃ 田中さん また。

うん またな。

・~

田中さんは体調を崩して亡くなった。・

でも おれは 田中さんのことを 伝えていこうと決めた>

・~

何これ。 「スケボ」って何?

「スケボー」やろ。 なぁ? どっちでもええって。

早よ やろ。 うん やろ。

「スケボ」でええねん。 田中さん風に言うと 「スケボ」や。

田中さん? …て 誰ですか?

田中さんはな 菩みたいな人や…。

何の話ですか? 気になる?

よっしゃ 来い。 ええもん見せたるから。

これ 分かるか? 慰霊碑でしょ。

そう これは空襲で亡くなった人の慰霊碑や。

いや おれら ただスケボーしたいだけなんですけど。

田中さんのこと 知ってほしいねん。 いや 知らなあかん。

田中さんはな 70年以上 この神社の管理人をしとった人なんや。

(3人)70年! なっ すごいやろ。

田中さんは 君らくらいの頃から めっちゃ苦労しててな。

あっ そや その前に 太平洋戦争知ってるか?

・~

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