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(汽笛)
(汽笛)
・~
・~
・~
・~
・~
・~
(美紀)おかえりなさい
暑かったでしょう (吾郎)ああ
冷たい物 飲む? ああ
ママも飲みますか?
いいわよ 私がやるから 見てるほうが つらいわよ
・
はい 「オーク」でございます
はい
中沢様から ハウスボートの 宮本杏子様へですね
パーティーの飾りつけですね
はい 分かりました 早速 お届けしておきます
俺が行くよ
・♪(ステレオの音楽)
♪~
(杏子)あなた 誰なの?
中沢さんの注文で これ
そう
♪~
♪~
いいわ この中に ばらまいてちょうだい
こうやるのよ
♪~
花の しとね
♪~
(エンジン音)
(男性)ヤバいぜ あの子 睡眠薬 のんでんじゃないのかな
いいのかねえ
いけねえ やっぱり そうだ ありゃ 自殺する気だぜ!
死にてえヤツは 勝手に死んでいくさ
えっ?
(セルモーターの音)
(セルモーターの音)
救急車 呼んどいたほうがいい
(エンジン音)
おい
おい!
お願い 逃がして 遠くへ
(男性)ダメだったかな もう (男性)死んだんだろう
(女性)まだ生きてるわよ
(男性)ああ いい女だね (男性)いい女だぜ
(男性)もったいないね (救急隊員)どいて!
(シャッター音)
(記者)おい 君! 何をするんだよ 人命救助じゃないか
せっかくの美談… 美談だっていうのに
すまんな フィルム代だ
(里香)いつもの 吾郎ちゃんらしくないわね
コーヒーでも飲むか フフフ… そのほうが無難ね
お給料 全部 取られてしまうわよ (ドアが開く音)
(マモル)ねえねえ ねえねえ ほら 吾郎さんの写真 出てるよ これ
(美紀) ホント? わあ すごい 写真入りよ
どうしたんだ? この写真
(マモル)新聞記者が来てさ 「写真ないか?」って言うから
渡したのか? うん
でも 怒ることないでしょ 人命救助 美談だもの
そうだよ 助けたお嬢さんのお屋敷から・
今度の土曜日のパーティーに 花を 届けてくれって注文が来てるし
(美紀)そうなれば 命の恩人と感激の再会ってわけね
ひょっとすると… (美紀)かもね
なっ? いいかげんにしろ
♪(ピアノ)
(宮本)あっ 君
(宮本) 私からも 改めて お礼を言います
(中沢)やあ 君
君がいなかったら こうした 婚約披露もできなかったし
婚約者の中沢君にも 申し開きが できなくなるところだったよ
(笑い声)
これは 少ないが 私の気持ちだ そんな
今夜は めでたい日でもあるし 受けてくれたまえ
偶然 ああなっただけですから 失礼します
待って
(拍手)
あっ そうだった 杏子
お前からも お礼を言っておきなさい
なぜ 余計なことをしたの?
ねえ どうしてなの?
分かんないさ 俺にも
それじゃ 答えになってないわ
花が かわいそうだったんでね
(殴る音)
どうしたの?
人命救助の英雄のくせに 殴り返すこともできないの?
あんまり甘えなさんなよ
何ですって?
今度 やるときは 誰もいない所でやるんだな
はた迷惑だよ
さあ 杏子 冗談は それぐらいにして・
皆さんに ご挨拶しなさい
♪(店内のBGM)
お待ちどお
♪~
♪~
「出ていけ」って言わないの?
経営者は あの人なんでね 何にします?
ブランデー
「何しに来た?」って聞かないの?
何にも聞かないのね
自殺の理由も 殴った理由も
聞いてもしょうがねえ そう
人生相談なら よそでやってくれ
興味ないのね 私のこと ああ
あなた 私を抱いたでしょ
モーターボートの中で
うっすらと覚えてるわ
死に損ないの体なんて 丸太棒みたいなもんだよ
・(オートバイの音)
(せき込み)
・(オートバイの音)
(騒ぎ声)
(男性)おい ビールだよ ビール (男性)おい かけ直そうぜ!
♪(ジャズ)
(男性)おい ビール まだかよ!
おう こっちにも くれ
イエーイ! いいぞ いいぞ!
(笑い声)
(男性)おう 最高だぜ! (男性)いいねえ この店は!
(男性) かわい子ちゃん 一緒に踊ろうぜ
(歓声)
(男性)いいね! (男性)ほらほら!
♪~
(男性)ウオー!
♪~
(歓声)
♪~
(男性)ノッてるな ねえちゃん!
♪~
(男性)おい! もっと広いとこ行こうぜ おい
(歓声)
(男性)おい 早く来いよ!
行こうぜ!
・(オートバイのエンジン音)
♪~
(停止ボタンを押す音)
(さいころの音)
(ニック) フフフフ… ええ女子やないか
(倉田)ほんまや もったいないわ
7人か ガタガタにされてまうで
(歓声)
(さいころの音)
(歓声)
(笑い声)
(男性)ヘヘヘヘッ…
(男性)ほら!
イヤ! 離して! アアーッ!
イヤーッ! アアーッ!
離して! イヤーッ!
アアッ!
アアッ…
(服を破く音) アアッ!
(破く音) イヤーッ!
(悲鳴)
離して
イヤ イヤ!
下ろして
下ろして イヤ… ハア ハア…
アアッ… イヤ
アア… ハア ハア…
(男性)ヤーッ! アア アアーッ! (殴る音)
(男性)ウッ… ウワッ! (男性)アアッ!
(男性)ウワッ! (男性)この! アアッ…
(男性)ウッ… ウウッ!
(殴る音) (男性)アアッ!
(蹴る音) (男性)ウッ!
(殴る音) (男性)ウッ! ウワッ!
(殴る音) (男性)ウッ…
(殴る音) (男性)ウワッ!
(男性)ンンッ!
(殴る音) (男性)ウッ…
(殴る音)
(男性)ンッ!
(蹴る音) (男性)アアッ…
(男性)アアッ! (男性)ウッ…
(男性)ダーッ! ウッ…
(殴る音) ウワッ!
(殴る音) (男性)ウッ… アアッ! ウワッ…
(男性)ンンッ!
(殴る音) アア…
(殴る音) ウッ!
(殴る音) ウワーッ!
♪(ピアノ)
♪~
(女性)旦那様 心当たりは全部 電話しましたが…
いないのか? (女性)はい
(中沢)どこへ行ったんでしょう?
さあ… ちょっと その辺を 散歩でもしてるんでしょう
そんなバカな! こんな大事なときに
気まぐれなヤツで困ったもんです
また この間のような…
それはないでしょう もう大人なんだから
どうも 男親の手で・
わがままいっぱいに 育てたもんだから
あんなのを嫁にすると 亭主は大変ですよ
いいんです 僕は 杏子さんを愛しています
まあ それは ありがたいんだが (ドアが開く音)
杏子…
どうしたんです? 君 説明したまえ
(笑い声)
そう そんなに知りたいの
何が起こったか分かるでしょ 私の この格好を見れば
想像力をたくましくして
そう そのとおりよ
何人いたかしら 獣みたいなヤツら
4人 5人 6人
牙をむいて 私に襲いかかってきたわ
やめないか 杏子 何を言うんだね
私は逃げたわ 波の中を転がりながら
でも ヤツらは私に追いついた
私の体に手をかけた
ビリビリっと私のドレスが破れ 倒れた私の上に・
野獣たちは 次から次へと のしかかってきたのよ
杏子さん!
お前 気がくるったのかね?
そう
きちがいの 犯され 辱められた女と・
あなた 結婚できる?
どう? いかが? ジェントルマン
(笑い声)
待って! ダメよ
掛けて
私 寝酒を飲むの
これでも 傷の手当てだけは慣れてるのよ
脱いで
なに ぼんやりしてるの?
アッ… ウッ…
しみる?
よかったわ 大したことなくて
ごめんなさい こんな物で
うまいでしょう?
私はね…
興味ない?
仲間が機動隊にやられるの
そりゃ もうメチャクチャなの
みんな 血みどろになって
女子学生が手当てするのよ
よそう
面白い話じゃない
ありがとう
行彦君
バカなことをするんじゃないよ
・~
・~
・~
どうしたの? ねえ
ねえ
・(ノック) ・(宮本)杏子
・(ノック)
・ 開けなさい ・(ノック)
・ 杏子
(ノック) 杏子?
(ノック)
・~
杏子 お前…
なあに?
いいね?
今夜のことは 誰にも言っちゃいかん
お前は病気だ
結婚式までに治すんだ
そう 病気よ
精神病って言いたいんでしょ
こんな くるった娘を まだ結婚させようっていうの
中沢商事の社長の息子と くっつけっていうの
お父さんも あの人も最低だわ
バカ! (殴る音)
すまん
手を上げたことは お父さん 悪かった
どうして謝るの?
悪いのは私なのよ
もっともっと ぶって怒ればいいのよ
杏子
私たちは いつから こうなったんだろう
死んだお母さんに すがりついて 泣いているお前を見ながら・
私は どんなことがあっても この子だけは幸せにしてやろうと
そう
いつも 温かい目で 私を見ている あなたは・
完璧な父親よ
でも 私が逃げ出したいのは その完璧さからなのよ
何でもよかった 学生運動でも何でも
私は あなたから逃げたかった
熱いのよ 重いのよ
放っといてくれればいいのよ
しかしね 女にとって 結婚は 放っとくわけにはいかないよ
今 お前が どう思おうと・
お前にとって いちばん幸せになる道を・
選んでやるのが私の務めだ
出てって
いいね?
お願いだから 1人にして
(倉田)へい
間違いなく武井吾郎でっせ そうです
それから 実は…
(大和田)何やて・ 女?
確かやな?
感づかれんように見張りを続けろ ええな?
(スイッチを押す音)
会長 今 連絡が入りまして 武井に間違いないそうです
それに あの野郎 宮本産業の 社長の娘と何かあるそうですが
(内線:会長)宮本? うん
すぐに 私が行きましょうか? (内線)いや あかん
どうしてです? (内線)お前が行くと・
すぐに片つけそうやからな
お前に その脚の恨みがあるように わいにもイヤな思い出や
大和田 うまい料理は ゆっくり味おうて食うもんやで
はい
(内線) 三杉 送っとけ 逃がさんようにな
それから 女のこと もうちょっと よう調べさせとき
・~
(里香)コーヒー入ったわよ
・(オートバイの音)
動物園の熊みたいね
(男性)いた! (男性)いたぞ!
外へ出ろ (男性)うるせえ!
(男性)場所は こっちで決めるよ
(殴る音) (美紀)アアッ!
(男性)フンッ! ウワッ!
(男性)フンッ! ウッ! (男性)ウワッ!
(男性)ウワッ! アアッ! (男性)動くんじゃねえ!
(男性)これが見えねえのか?
(男性)ヘヘヘヘッ…
(殴る音) (男性)よいしょ!
(男性)野郎 (男性)おら! くそ!
(男性)おら… こら! (蹴る音)
(蹴る音) (男性)おっと!
(男性)この野郎! (殴る音)
(男性)こら! (男性)おら もういっちょう こら
(男性)何だい? てめえたちは
離したり (男性)なにを・
その男に用があんのや
(男性)ふざけんじゃねえ!
ふざけてるんやないで 真面目や
真面目やで
(男性)野郎!
(殴る音) (男性)ウワッ!
ヘヘヘヘッ…
・(オートバイの音)
神戸から来たのか
一緒に来てんか?
(急ブレーキの音) どアホ!
・~
・~
おい
後ろから撃たれるのは ゾッとしねえぜ
(三杉)しばらくやな 吾郎
三杉
いつかは こうなると思っていたが それにしても お前が来るとはな
吾郎 そら 殺生やで
そやないか
何年ぶりで会うたんやないか もっと懐かしそうな顔せんかい
お前が おらんように なってしもうてから・
わいは 随分と寂しい思いしてたんやで
(笑い声)
そやそや そうやって 笑うてくれたらええのや
しばらく 会わなんだからっちゅうて・
しゃちこ張ることなんかあらへん
わい お前の仲やないか なっ?
殺しに来たんだろ 俺を
お前が おらんうちに 神戸も変わったで
そや お前 トラ公 覚えとるやろ?
あいつな 去年 死によった
それが ほんまに あいつらしいのや
真っ昼間から 裸で かあちゃんの 上に乗っかっとる最中に・
撃ち殺されてまいよった
撃たれる前から 天国におったんやから・
別に びっくりもせなんだやろう 言うてな
みんなで大笑いや どうや? おもろいやろ
相変わらずだな お前も 当ったり前やがな
「三つ子の魂 百まで」っちゅうてな 人間 そう簡単に変わるかいな
お前かて そんなに変わっとらへんやないか
相変わらず 女 泣かしてんやろ
そや 女っていえばな・
わいがホレて通うてたミドリ 覚えとるやろ?
あのガキ とうとう 男つくって 逃げてまいよったわ
わいもツイとらんわ
今 やるのか?
アホやなあ お前も
なんで逃げへんかったんや
外国でも どこでも 行ったらよかったんや
なんぼ執念深い親分かて 外国まで手ぇ出せへんやないか
そら わいは お前と 二度と会えへんから寂しいけど・
お前を殺さんならんほうが よっぽどイヤやで
今度かて お前が 見つかったっちゅうのを聞いて・
わいは ほんまに 頭 抱えてしもうたんや
海を越えて 逃げて 何があるんだよ
何があると聞かれても・
そら 分からへんやん
分からんやさかい おもろいと違うか?
少なくとも 今よりええやろ?
それとも お前 宮本とかっちゅう 金持ちの娘にホレたんか?
バカな
お前ほどの男が なんで 1匹の女にホレんならんねん
わいは かねがね 不思議に思うとるんやけど
女っちゅう動物はやね 寝て 適当に…
うるせえな
関係ねえよ あんなドラ娘
あっ もう その顔が違うねん
悪い病気やな
アホや お前は
ゴタゴタ言ってねえで 俺をやりに来たんだろ?
慌てんかてええ
わいも商売や やるときは やるよってな
ほんまは 2人で ゆっくり 酒でも飲みたかったんやけどな
今度ばっかりは そうもいかへんしな
分かっとると思うけど 覚悟だけはしといてや
ほな またな
念のため申し上げておきますが・
娘は近々 結婚することになっております
もし こちらに入院したことが 世間に知れますと…
(院長)よく承知しております
私の所の患者さんは みんな 上流家庭の方ばかりです
その点については 特に注意しておりますから・
ご心配なく (宮本)はあ
監禁するのね 「病院」なんて体のいいこと言って
杏子さん あなたは病気なんだ
イヤよ!
私にも ちょうだい
来たのね 神戸から
・
もしもし もしもし
すいませんが 吾郎さんを
・ お願い 助けて 助けてください!
・(通話が切れた音)
イヤ! ンッ… ウウッ!
出して! こっから出して! (ドアをたたく音)
バカ! きちがい! 泥棒!
出して! アア…
どうして 俺に?
女には分かるのよ 本能的に
自分にとって誰が必要なのか
俺のことなんか 何にも知らねえくせに
ブルジョアの娘と あした 死ぬ やくざだ
私には分かってた
知らないけど分かってたわ
あんたが 初めて この店に来たときから
どうして?
そっくりの男がいたの
顔形じゃなくて
でも そっくりなの
どうしたんだい? その男は
死んだ
いえ 殺されたんでしょうね
ある日 いなくなっちゃった
そうか
やくざだったのか?
だから 私 じっと あんたを見てた
とっても楽しかったわ
なんだか 昔に返ったような気がして
行きなさい
何にもしないで死を待つより 生きることに懸けるのよ
あんたは もう独りぼっちじゃないわ
あとで連絡ちょうだい
遠くへ行きたいときは いつでも手伝ってあげるわ
退職金よ
それから これ
彼女にあげて あんたからの贈り物として
でも こんな… いいの
女は うれしいもんなのよ
その人からの…
あんたは死んじゃダメよ
抱いて 優しく
(社員)おはようございます
(中沢)君 こんな所へ…
何か用かね?
彼女は どこです?
一体 何のことだ?
彼女は 君になんか会いたがっていない
何のつもりか知らんが帰ってくれ
ここは 君のような男の来る所じゃない
女は どこだい
帰れと言ったら帰れ 杏子は 私のフィアンセだ
君のような汚い野良犬に 構ってる暇はない
もう一度 聞く
スケは どこだ?
杏子は 私の女だ!
・~
(社員)おはようございます 専務 どちらへ?
こんなことをしていいのかね? 君
・~
困りましたな 退院までは面会謝絶なんですが
そこをなんとか
(院長) 鎮静剤を与えて 眠らせてあります
ヤッ!
君! 何をするんですか
(殴る音) (中沢)ウッ!
(看護師)こら! ウワッ!
動かないほうがいい てめえらは関係ねえんだ
おい!
しっかりしろ 立つんだ
(中沢)杏子さん!
(鍵をかける音)
いいか?
しっかりするんだよ
(ドアが開く音)
吾郎さん
目が覚めたかい?
とりあえず 着る物 買ってきた
夢じゃないのね
私 ホントに目が覚めてるのね
ほっぺ つねってごらん
そう 私は病院を抜け出したわ
とにかく 今は ここにいるんだ
あなたと2人でね
私 逃げ出せたのね
父からも 中沢からも
そして あなたと2人でいるのね
ウソじゃないのね
夢じゃないのね
もっと もっと 私の体が折れるまで
・~
この傷だけ 人を斬った
知ってたわ
父は警察にも顔が広いの
だから すぐに あなたのこと調べたわ
日本最大の暴力団 神竜会の元幹部
1年前 刑務所を出て 以後 行方不明
ねえ
どうして 行方をくらまして あの花屋さんにいたの?
私が聞いちゃいけないこと?
でも 私 知りたい
あなたのことは みんな
俺は 会長の女を取った
かわいそうなヤツだった
どんなに 贅沢をさせてもらっても・
所詮 やくざの親分の情婦に 納まってられる女じゃなかった
そのころの俺も
2人とも 優しい心に飢えてたんだ
(汽笛)
会長の女を奪って逃げることが どんなことか・
俺も沙智子も 百も承知だった
だが 「たとえ1週間でもいい」
沙智子が そう言って泣いたとき 俺は…
(銃声)
・(パトカーのサイレン)
パトカーなど来るはずがない
俺を助けようとして・
ガキのころからのダチ公の 三杉が呼んだんだ
とにかく命拾いして ムショへ入った
もちろん ムショを出てからも 神戸へは帰れない
流れ歩き・
それにも疲れて 俺は花屋に住み着いた
必ず来る追っ手を 俺は ただ じっと待った
半年が過ぎ・
1年がたっても 俺は まだ生きていた
俺は だんだん忘れ始めていた
甘い野郎だぜ
なぜ見つかったの?
人命救助の新聞
じゃあ 私が?
気にすんな 君のせいじゃない
・~
死にたいと思った私は助けられ・
そして あなたは狙われる
ツイてないのね 2人とも
どうして死のうと思った?
どうでもよくなったの
私を取り巻く世界を ぶち壊したかった
いろんなことも やってみたけど・
とても 私に そんな力がないって 分かったとき・
何もかも どうでもよくなったの
分かんねえな
いいの
多分 あなたが その女の人と 逃げようとしたことと・
同じことだったのよ
あなたにも私にも 道は ひとつしか残されてないわ
逃げるのか?
ううん
死んだつもりで生き直すのよ
俺に ついてくるのか?
来てるじゃない
あなたも私も ここまで
・~
どうしたの?
・~
そうですか ご用件は よく分かりました
身内の不始末は 自分たちで片をつける
でないと 世間様に顔が立ちませんからね
男のことは 私に関わりはない
いいえ
だから 必ず お嬢さんは 私が責任 持って お返ししますよ
間違いないでしょうな?
私は神竜会の男ですよ 神戸の神竜会
…で 費用は どのぐらい?
そうでんな 1000万ぐらいは
宮本家の名誉が守れるんでっせ
安いもんやおまへんか?
・
(里香)もしもし
ああ あなた
どうなの? 彼女は元気?
指輪 喜んだよ
そう よかった
これから どうするの?
全く当てがねえよ
香港?
そう 日本を捨てる気があるならね
私の友達が香港にいるの
船の手配もしてあげるわ
ありがとう きっと行く
・~
・~
・~
・~
そんなに変だったかな? 俺が買ってきた洋服
アハハッ… いいの そういう あなたが好きよ
女の着る物は 下着まで よく知ってる男の人がいるでしょ
でも そういうのはイヤ
ムダしちまったな ううん
私 何日ぶりかしら 太陽の下を歩くなんて
いい匂い アハハハッ…
排気ガスでも何でもいい
私には いちばん懐かしいわ
・~
杏子 帰ろう だって…
帰るんだ イヤよ
さあ イヤだってば ウン
何するのよ 離してよ
痛いわよ ちょっと ねえ ウン!
イヤよ アハハッ… ハハハッ…
(村上)バカ野郎! 本気で やってんのか 本気で! ええ?
何日目だと思ってるんだ
ヘヘヘヘ… すまねえ 兄貴
いや どうも ドジな野郎ばっかりでして
ヘヘヘヘ…
俺に頭下げてもしゃあないやろ ボケ
今朝から 黒崎組も 応援してくれてるし もうすぐ
・ (園田)組長
俺だ! なに・
そうか よし 場所は?
逃がすんじゃねえぞ 目を離すな!
化粧なんか どうでもいい 早くしろ
どうしたの? 一体
バカ! 捕まりたいのか?
バカ?
私がバカ?
そう どならないで話してよ
話してる間なんかねえんだ どうして?
私は楽しかったのよ
今までの世界から抜け出して・
あなたと一緒に お買い物して・
一緒に手をつないで歩いて
私は 初めて 私の空気を吸っていたのよ
それを 何にも言わないで駆け出して
ねえ 何があったの?
どうしたの? 話して
殺しに来たんだ 俺を
あいつらだけじゃねえ
あいつらの後ろには何百何千
ひと声かければ 日本中に網が敷かれる
俺を殺すための
そんな男なんだ お前の男は
・~
あしたは 血まみれになって死んでいる
そんな男なんだ 俺は やめて!
君は帰れ
親父と婚約者の平和な暮らしに
バカ
バカ バカ バカ!
バカは あなたよ
(泣き声)
・(花瓶が割れる音) ・(悲鳴)
(殴る音) (組員)ウワーッ! ウッ…
(銃声)
(殴る音) ウウッ…ンッ!
(殴る音) ウッ!
(殴る音) ウッ! ウッ…
ウッ! ウッ… ウウ…
ウッ!
(蹴る音) ウワッ! ウッ… ウウ…
おう
(村上)あっ!
ウワッ! (組員)ウワーッ!
(倉田)いよった!
(ニック)武井!
(倉田)待て! 待たんかい!
タクシーのナンバー 覚えたか? (組員)へい
怖かっただろ
・~
・~
・~
・~
3日間 ここで辛抱してね
火曜日に船が入るの 迎えに来るわ
すまねえっす
まだ 安心するのは早いわよ
ここから 一歩も外へ出てはダメよ
杏子さんっておっしゃったわね
はい
あなたの目 生き返ったわ
吾郎ちゃんもね
いつまでも その目を 忘れないように頑張ってね
じゃ
はい
(殴る音) (運転手)ウッ!
ほれ! 言えよ 2人をどこへ運んだ?
ウウ… よ… 横浜
(舌打ち) (大和田)横浜か
密出国する気だな
三杉 横浜の花井のとこへ連絡しろ
(汽笛)
(組員)お~い ボースン!
(組員) 女連れの男を見なかったかよ?
(組員)若いヤツ2人だ! (組員)スポーツ刈り!
(船員)えっ? なに?
(花井)ハア ハア ハア…
(組員)分かったか?
まるっきり 情報がありませんぜ
俺たちの知らねえルートを 使うんじゃありませんかね
三国人ルートか
…となると 支那町の どっかだな
どうや?
あっ! ウーン もう
ダメだね ・(ノック)
食事よ
親切なのは ありがてえが 三度三度 中華料理じゃなあ
アア… みそ汁が飲みてえ
贅沢 あと1日よ 辛抱しなさい
バカ 香港 行ってみろ
あっ そうか
フフフ… ウフフ… はい
・~
・~
・~
・~
あら 起きてたの?
出るなと言われてるのが 分かんねえのか!
だって…
(殴る音)
(泣き声)
痛かったか? ううん
楽しかったわ
私 初めてだったの 市場のお買い物
おみそ汁 うまく作れるかしら?
やっぱり帰れ
えっ?
帰るんだ
どこへ?
こんな男と一緒にいたら・
お前 一生 みそ汁ひとつ作れねえ
追われ追われて 女の幸せなんかねえんだよ
同じよ
私だって 帰るとこなんか どこにもないわ
もう 今夜 香港に たつんじゃない
きっと うまくいくわ
私たち 何もかも 最初からやり直すのよ
信じるのよ
私は離れない
どんなことがあっても 私…
・~
・~
おい
三杉 お前は ここにいろ (三杉)なんでや?
見張りも大事な仕事なんだ
さあ 急いで 早く支度して
まだ時間がある 表に変な男たちがいるの 早くして
窓から逃げるんだ 俺は あとから行く
吾郎さん
いいんだ 大丈夫だよ
でも…
・(足音)
12時 7号桟橋 分かったわね?
・(足音)
分かった
ダメ
・(ドアをたたく音) ・(組員)吾郎 開けんかい 吾郎!
・(ドアをたたく音)
(銃声) ・(組員たちの悲鳴)
(組員)ウワッ! (殴る音)
(組員)こら! ウウッ! ウッ… (蹴る音)
(組員)フンッ! (殴る音)
(組員)フンッ!
(組員)死ね!
(殴る音) ウウッ!
(組員)こら! ウウッ…
(殴る音)
(組員)野郎! ンッ… ンン…
やっと会えたな 吾郎
組長! 女が逃げよった
なに・
この! (殴る音)
吾郎
三杉 連れてけ
会長が言うとったわ
うまい料理は ゆっくり味おうて 食えいうてな ああ?
(中国語)
(殴る音) アアッ…
(殴る音) ウッ…
(殴る音) アアッ…
(殴る音)
(大和田)ええかげんに 吐いたら どうや? 吾郎
女は どこにいる?
(中沢)言え! 言わないか! 杏子さんは どこにいる?
貴様みたいな野良犬に… ちくしょう
言え! 言わないか! おい どこにいるんだ?
(蹴る音) ウウッ!
ちくしょう
殺してやる (大和田)よせ!
俺のほうは そうはいかねえんだ
会長のためにも 俺の この脚のためにも
俺たちの掟のためにも まだまだ そうはいかねえんだよ!
(殴る音) ウッ!
フンッ! (殴る音)
(殴る音) アッ… ウウ…
(笑い声)
(里香)逃げられなかったようね
殺されたんだわ きっと
まだ殺しはしない あんたが捕まるまではね
ヤツらは あんたをお父さんに売りつけて・
金を巻き上げる
それがヤツらの手口
(中国語)
どうなさる?
・
もしもし! 杏子
今 どこにいる? どうしているんだ?
・ 帰ってきておくれ とにかく 帰ってきておくれ
私 帰るわ ・ えっ 本当か?
私 お父さんの言うように 何でもするわ
結婚もするわ
そのことは お父さん 考えていることがある
あとで ゆっくり話そう
とにかく 顔を見せておくれ
そのかわり 吾郎さんを助けてください
私は 財産も何も要らないわ
ただひとつ 吾郎さんを助けて
(うめき声)
・
杏子から電話があった 家に帰ると言っているんだ
ただ それには条件がある あの男と交換だ
男の命だけは助けてやってほしい
なに? 俺たちのことに 口出しをするんですかい
いや そうじゃないが 娘が帰ってくるために 頼む
金なら できるだけのことはしよう
金? 金か
いいね? いいんだね? 君
(大和田)三杉 前へ出ろ
杏子 お前の言うとおりにした 出てきなさい
吾郎君も大丈夫だ
行け
・~
・~
ひどいわ
私のために こんな ひどい目に
いいんだよ
生きていてね
どんなことがあっても 生きていてね
・~
いつか 必ず また会えるのよ
(銃声)
やめろ 何をするんだ!
大丈夫 娘さんは撃ちやしない
だが 吾郎は 助けるわけにはいかないんだ
金じゃない 俺たちの掟なんだ
それじゃ 約束が違う (大和田)違ってもいいんだ!
杏子 逃げなさい 吾郎君と一緒に逃げなさい
お前には吾郎君が必要なんだ (中沢)何を言うんです?
三杉!
やっぱり お前か
つらいんや わいも
三杉! 早く やれ!
やれ
お前なら しょうがねえや
杏子!
三杉!
吾郎 逃げろ!
(銃声)
すまねえ
(銃声) ウッ! ウウ…
吾郎さん
(うめき声)
アホ 早よう行かんかい
・~
アホやなあ ウッ…
・~
吾郎さん…
・~
(銃声) ウッ… アア…
(銃声) アッ…
(銃声)
アア…
三杉…
ウッ…
(泣き声)
(汽笛)
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