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Original subtitles

♪~

~♪

(山口久美子やまぐちくみこ)卒業 おめでとう

もう お別れなんだな

(内山春彦うちやまはるひこ)やめろよ

しめっぽくなんだろ?

(南みなみ 陽一よういち) 笑ってバイバイしようや

(野田のだ 猛たけし)そうだよ

全員そろって卒業できたんだからさ

そうだな

(熊井輝夫くまいてるお) 何もかも ヤンクミのおかげだよ

そうだな

(生徒たち)えっ?

あっ…

(せきばらい)

お前らと出会ってからの この一年―

いろんなことがあったよな

どれもこれも みんな すばらしい思い出だ

もう… 思い残すことはない

しっかりと生きていけよ

(生徒たち)ヤンクミ!

(沢田さわだ 慎しん)どこ行くんだよ

(久美子)すまねえ!

私には 行かなきゃならない所がある

お前らのことは…

絶対に忘れねえ!

(生徒たち)ヤンクミ!

(篠原智也しのはらともや)久美子さん!

篠原さん!

(篠原)ホントに いいんですか?

はい

わたくし これからの人生―

教師としてではなく 一人の女として―

篠原様と ご一緒に 生きてまいります

久美子さん!

篠原さん!

(2人の笑い声)

(達川たつかわミノル)お嬢!

ちょ… やめてください お嬢!

(久美子)ん~っ (ミノル)お嬢!

ミノル!

お前~ この野郎!

(ミノル)違いますって!

(てつ・菅原すがわら)お嬢!

(ミノル)わあ~っ!

(黒田龍一郎くろだりゅういちろう)なんだよ なんだよ 騒がしいな おい

(若松弘三わかまつこうぞう)一体いってえ 何事だ?

ミノル! 寝込み襲うなんて ひ… 卑怯ひきょうじゃねえか!

(朝倉あさくらてつ)何? てめえ お嬢に何したんだ!

とんでもねえことしやがって この野郎が!

(ミノル)あっしは お嬢が 風邪ひいちゃいけねえと思って―

毛布 掛けただけ… 痛い 痛い!

何? 毛布?

ハハハッ また寝ぼけか?

(若松)かわいいじゃないっすか

お嬢 よだれが

(菅原)マイドリーム (ミノル)イタタタ…

ハア… 篠原さん すてきだったな~

(篠原)久美子さん!

(藤山静香ふじやましずか)おっはよ~

(川嶋菊乃かわしまきくの)おはよ

山口先生

山口先生だなんて… 久美子って呼んでください

(2人)久美子?

はい!

おう…

(野田たち)オーストラリア?

(南)ああ

それって 合格祝いに?

海外旅行ってやつですか?

名前も知られてねえような 四流大学なのにさ―

親父おやじもおふくろも 超喜んじゃって

(内山・野田)いいよな~

(熊井) 食いもん うめえんだろうな

いつから行くんだよ

今日から10日間

今日から?

なんで いんだよ

今日からって お前 学校休むのか?

親父の仕事の都合でさ 今日行くしかチャンスがねえんだよ

平気だろ? 3年は もう授業ねえんだし…

お前 例のやつ どうすんだよ

ああ 悪わりい

親があんまり喜んじゃってるからさ 断れなくて

何コソコソ話してんだよ

お前には関係ねえよ

まっ そういうことで ヤンクミ よろしく頼むわ

ね?

チクショ~ 土産 忘れんなよ!

俺さ 食いもんだったら なんだっていいからな!

っていうか あいつ 何しに来たの?

卒業式でな! 南

じゃあな~!

(猿渡五郎さわたりごろう) 3年生の授業も本日で終了

あとは登校日と卒業式を 残すのみとなりました

先生たちの ご努力のかいあって 生徒たちの進路も―

あのとおり! 見事な結果となりました

(鷲尾わしお寛治) 我が3Aは全員決まりました

(大山おおやまはじめ)さすがですね

(拍手)

(岩本いわもとのせきばらい)

(岩本康平) まっ わしのクラスもよ―

まっ 浪人が3人おるけど… がじゃ

(猿渡)しかし 浪人が3人とは 実に優秀だ

(拍手)

ちょっとヒヤヒヤしましたけど―

うちのクラスも 先週 やっと全員決まりました

(拍手) (鷲尾)おお~

(安藤あんどう 治)教頭

これで落ち着いた卒業式 迎えられそうですね

ええ

一つのクラスを除いてはね

山口先生

まだ5人も決まってないとは 一体どういうことですか!

でも あとの5人は 来週 発表ですし―

多分 合格してると思いま…

多分じゃ困るでしょ! 多分じゃ

(菊乃)でも 3Dには 大金星が1人いますけどね

(久美子)そうなんですよ

沢田のヤツ 早稲田わせだと慶応けいおうに合格したんですよ

その上 卒業式で卒業生代表の 答辞まで任されるなんて

大したヤツですよね?

あいつは 我が3Dの… いや―

我が白金しろきん学院の誇り

この輝かしい実績は 永遠に 語り継がれることになるでしょう

ねっ?

(猿渡)それではね 皆さんね 卒業式まで気を抜かないように

頑張ってください

(教師たち)はい!

一時は どうなることかと 思ったけど―

3Dも全員卒業できそうで よかったね

ええ おかげさまで

(猿渡)甘い!

むしろ これから卒業式までの間が―

ハメを外して問題を起こす 最も危険な時期なんですよ!

油断大敵 一寸先は闇!

いや~ でも あいつらも最近は 大人になりましたから―

そんな心配はないです

(ガラスが割れる音)

(近松)ヤッバ…

(大石おおいし)バカ野郎 お前

廊下で… キャッチボール

これが大人のやることですかねえ? 山口先生

すいません

いいか 気を抜くんじゃないぞ

何か問題を起こしたら―

卒業式当日に退学ということも ありえるんだからな

(久美子)退学?

もちろん 山口先生―

そのときは あなたにも 責任を取っていただきます

ちょっ… なんだよ それ

ヤンクミもクビってことかよ

(久美子)おい

生徒の不始末は担任の責任 当然だろ

教頭 こいつらも このとおり反省してるようなんで

まだ にらんでますよ?

おい!

まっ 今回は大目に見ますけどね

ありがとうございます

ほら お前らも早く教室戻れ

早く戻れって ほら 戻れ

いやあ~ 心がお広い さすが 次期校長

(岩本) はあ? 今 なんちゅうた?

次期校長?

ちょっと早すぎますよ 鷲尾次期教頭

教頭?

あの それはどういう…

(鷲尾) あら ご存じなかったんですか?

白川しらかわ校長が4月から 教育委員会のほうに行かれるんですよ

(教師たち)きょ… 教育委員会?

(白川権三ごんぞう)白金学院と お別れするのは さみしいんですが

校長 いつからそこに?

ええ つい今しがた

ついては4月からは 教頭が校長に おなりになるというわけですな

猿渡次期校長

ですから 気が早すぎるんですよ 鷲尾次期教頭

(2人)ウハッ!

そうですよ

もし女性問題でも起こしたら どうなるんですか?

(菊乃) 油断大敵 一寸先は闇ですからね

(岩本) パラダイスのサツキちゃん…

(一同)ハッ!

とにかく 山口先生

卒業式の当日まで 3Dの連中を しっかり管理するように

お任せください

必ずや全員そろって 卒業証書もらってみせますから

(白川)ハア…

(熊井)集合時間は8時だからな!

遅れんなよ~

(明智) こんなもんまで作ったのかよ

当然でしょ 卒業旅行なんだからさ

(織田) けどさ 南の野郎 いいよな~

(今川)いや コアラより 温泉のほうが絶対 面白おもしれえよ

ハハッ 耕平こうへい君 羨ましがってんのバレバレ!

(大内)なあ ホントに ヤンクミ 誘わなくてもいいのか?

(武田) バレたら すねんじゃないの?

そっか…

そうだな…

いいんじゃねえの?

あれでも一応 先公だし

思いっ切りハメ外すには ご遠慮いただくってことで

珍しいじゃん

慎ちゃんから“思いっ切り ハメ外したい”なんてさ

そうか?

つうことで みんな―

ヤンクミには ぜってえ バレないようにしてくれるかな?

(一同)もちろんさ!

あったまくんな~ あの野郎

(毛利)教頭の野郎 ムカつく~

(北条) おい なんかあったのかよ?

(柳生)俺らが問題起こしたら 卒業式の日でも退学にすんだってさ

(熊井たち)えっ?

(松平まつだいら) そしたらヤンクミもクビだってよ

(一同)クビ?

卒業旅行 ヤバくねえか?

(仙石) 旅行すんのは校則違反じゃねえだろ

(間)旅行だけならな

(服部)“だけ”って 酒は?

タバコと女は?

(上杉)女はいねえだろうよ

(島津しまづ)酒とタバコ抜きの 卒業旅行なんて ありかよ?

(一同)ないない!

バレなきゃいいんじゃねえの?

(野田)なるほど

ハハッ そうだよな?

(内山)バレなきゃ ヤンクミのクビもないってことか

(一同)うんうん

(熊井) 全員でそろってバカやれんのも―

これで最後なんだからよ

卒業旅行 思いっ切り楽しむぞ!

(一同)オ~ッ!

お前らも やっと―

先生が来たら静かに着席する ってルールが分かったのか?

この1年 諦めずに やってきたかいがあったよ

(堀部) そうそう ヤンクミのおかげやわ

(細川) ヤンクミには本当に感謝しています

お前ら…

ホントに立派になって!

だまされるか? 普通

3学期の授業は 今日で おしまいです

(生徒たち)うぇ~い!

(久美子) でも まだ卒業したわけじゃないぞ

登校日もあるしな

とにかく 浮かれてハメを外すなよ

特に! ケンカなんて するんじゃないぞ

ケガして入院なんてことになったら 卒業式 出られないからな

分かったな?

(生徒たち)は~い!

あっ… それから 野田 大石 島津 前田まえだ 藤原ふじわら

お前ら 来週の月曜日が 発表だったよな

ちゃんと報告に来るんだぞ

はいよ

(前田)あ~ 俺 絶対無理

(藤原)俺も

何 弱気なこと言ってんだよ

自信を持て いいな?

よし

3年D組 全員そろって卒業するぞ

(生徒たち)オ~ッ!

5人の合格発表まで落ち着かないな

(菊乃)ちょ~ ちょちょちょ…

ねえねえ ねえねえ…

明日から1泊で温泉行かへん?

温泉?

友達と行く約束してたんやけど キャンセルされてさ

3人分あるんやけど どう?

行く~!

せっかくですけど 私 温泉に行く気分じゃないんで

(菊乃)まあな 落ち着かへんのは分かるけど―

あとは ほら 発表を待つしかないんやしさあ

まあ そうなんですけどね

担任の先生が疲れた顔してたら 縁起悪いって

え… 縁起悪い?

頑張ってる あいつらのためにも―

あんたが勝利の女神に なったらななあ?

女神?

女神といったら お肌も心も きれいじゃなきゃね

そう! だから温泉

行きます!

(3人)温泉?

うん 藤山先生と川嶋先生と3人で

それじゃあ あっしらも一緒に

(3人)へい

来なくていいから

(3人)へい…

しかし 温泉にしちゃ また妙なもんを…

卒業式に向けて これから もっと忙しくなるってのに―

温泉なんか行って 浮かれてていいのかなって―

私も ちょっと迷ったんだけどさ

そういうときだからこそ 息抜きも必要なんじゃないか?

(久美子)そうだよね?

(龍一郎)ああ ハハッ (久美子)フフッ

生徒さんたちも いよいよ卒業か

めでたいな

うん

(若松)お嬢 ちょっと見ていただきたいもんが

卒業式といえば お嬢にとっても 一世一代の晴れ舞台

しかも 初の教え子さんの卒業だ

そんな大事でえじな日のために

あっしたちからの気持ちです

受け取っておくんなせえ

いいの?

さあさあ

(久美子)なんだろう? (龍一郎)へえ~

(てつたちの笑い声)

覚悟しいや

って だから どこで こんなもん買ってくんだよ

お気に召しませんでしたか…

いや… ありがとな

一応 候補には入れさせてもらうよ

(4人)へい! ハハッ

しかし あいつらが 無事 卒業できますかね?

縁起でもねえこと言うんじゃねえ!

すいやせん

フフッ さあ メシだ メシだ

(てつたち)へい!

私だけ温泉なんて…

すまん! かわいい教え子たちよ

(内山)じゃ~ん!

明日から1泊で卒業旅行!

(熊井たち)うぇ~い!

(女の子) いいな~ このお風呂 入りたい

(蒲生)じゃ 一緒に入っちゃお ね? 入っちゃお

(女の子たち)やだ~ (堀部)あかん!

(女の子)ねえねえ みんな 卒業したらどうすんの?

はい! 俺 美大 目指してます

将来はデザイナーになって―

自分のブランド立ち上げんのが 夢だったりして

(一同)かっこいい~!

(野田) でも 2つ 落っこっちゃってさ

来週 ミカド芸大の発表が あんだけど―

もう それが頼みの綱なわけよ

俺も来週 発表なんだよね

新日本平成しんにっぽんへいせい大学

どこ それ? 初めて聞いた

俺も~!

(内山)あっ 俺も 俺も~!

(堀部)まだ 望みあるだけ ええやん お前ら

俺らなんか 大学全滅で 浪人決定やで なあ?

(女の子)熊井君は?

(熊井)俺はね 調理師専門学校

親父のやってたラーメン屋 継ぐんだけどさ

どうせだったら 本格的な中華料理屋にしよっかな…

って思って?

(内山)クマ 偉い!

(野田)親父さんが喜んでんぞ

泣かせるよな? これな?

(女の子)内山君は?

あっ… 俺は就職 菱山ひしやま工務店

(女の子)大工さんになるの?

うん

将来は 建築士の資格 取るつもりだから―

そしたら お前らの家 建ててやるよ

(女の子たち)かっこいい~!

(内山) ちょっと かっこよすぎたかな

(女の子)ねえ 沢田君は?

え?

慎はねえ 早稲田と慶応 受かったんだよ

スゲえだろ? なあ?

(女の子たち)すご~い!

(女の子) えっ それで どっち行くの?

まだ決めてねえけど

(堀部)うわっ! ぜいたくやな~ 選べんねんから

いいよな~ 慎は

(熊井たち)いいよな~

(内山) ねえ~ あやや歌って あやや

(女の子)あっ 歌う~

(島津) じゃあ 俺が歌ってやるよ!

(静香)うわあ~ すてき~! (菊乃)でしょう?

温泉! 温泉!

(仲居)いらっしゃいませ

(静香たち)お世話になります

(仲居)お待ちしておりました 川嶋様でいらっしゃいますね?

(菊乃)はい

(仲居)どうぞ

お荷物お持ちいたしましょうね どうぞ~!

(生徒たち)お~ スッゲえ

うわあ~!

(野田)大人って感じ?

(仲居たち)いらっしゃいませ

(生徒たち)うい~っす…

(若葉わかば)お待ちしておりました こちらへどうぞ

(生徒たち)はい! はいはい…

(若葉)お疲れさまでございました

お疲れさまでございました

どうぞ

お疲れになったでしょう?

(静香)いいえ それほどでも

(菊乃)私たち 若いんで

はい! ありがとうございます

アハハハハッ

(男たちの歌声)

随分 にぎやかですね

社員旅行かなんかですか?

大学の温泉同好会の皆さんですって

(男たち)♪ いい湯だな ハハハン

♪ 湯気が天井から ポタリと背中に

大学生か…

(菊乃)高校生にも飽きたし たまには大学生でもええかな

ええかな~って

よ~し 逆ナン突撃!

(菊乃)よっしゃ!

えっ? 温泉…

(若葉)こちらのお部屋になります

(生徒たち)お~っ スッゲえ!

(野田)すばらしい日本庭園 (熊井)いいねえ~!

ウッチィ もしかして ひと目惚ぼれ?

バカ 何言ってんだ

(野田)え~? (熊井)照てれんなよ

違うって

ねえねえ 彼女 なんつう名前?

若葉です

若葉

ねえねえ 若葉ちゃん

こいつなんか 超オススメなんだけど いかが?

バカ! 人を品物みてえに言うなよ

何言ってんだよ バカ

ヘヘッ す… すいません

(静香)早く早く

(菊乃) グズグズしとったら置いてくで

おいおいおい! 女だ

ナンパしに行きますか?

(久美子)ちょっと待ってください

待ってくだ… あっ ボールが!

ちょ… 待って… ちょっと待ってください

フッ… まさかな

(若葉)何かありましたら ご遠慮なくお申しつけくださいませ

(野田たち) は~い お申しつけちゃいま~す

(若葉)では失礼します

ウッチィ 絶対 惚れたな

バカ 何 違う… 違うっつってんだろ

(熊井)隠しても~ (一同)ムダムダ

うっせえなあ

ホント分かりやすいよな

タイプ…

私 右

(大きな声で)ねえ どうする~?

虹の郷さとに行きたいな~!

虹の郷 ちょっと待って さっきパンプレットに…

でも 私たち 車ないし~

どうする~?

こっからだとバスで…

(男性) あの 俺たちもそこ行くんだけど

よかったら 一緒にどう?

いいんですか?

(男性)全然いいっすよ

あっ 車あるから

じゃあ せっかくなんで お言葉に甘えて

行きましょう!

ちょ… ちょっと ちょっと

2・2やからな

2・2って…

(男性)OLさんですか?

(菊乃・静香)女子大生なんです~

見えねっつうの

フウ… ったく もう

女子大生だとか 2・2だとかって よく言うよ 2人とも

3・2だっつうの 私を忘れんなっつう…

(缶が落ちた音)

落としましたよ

あっ すいません

いいえ

(2人)ああ~っ!

お前 なんでここに?

いや…

大体 何持ってんだ お前!

だから これは風呂で…

あ~っ! 違う 違う

お前…

なんか隠してるな!

(騒ぎ声)

(久美子) てめえら 何やってんだ!

(久美子) お前ら 内緒ないしょで卒業旅行なんて―

私の目の届かない所で 悪さしようとは―

いい根性してるじゃねえか

(熊井)別に悪さなんかしてねえよ

(久美子)クマは現行犯だろ!

ハア… よし

お前ら酒とタバコ 全部ここに出せ

(生徒たち)え~っ!

“え~っ”って 持ってんのか お前ら

(生徒たち)あっ…

(久美子)ハア…

沢田 お前 さっきから 何笑ってんだ

楽しいからに決まってんだろ

楽しい?

こうやって みんなでバカやんのも ヤンクミに説教されんのも

ふざけたこと言ってんじゃねえよ

なあ ここは おとなしく 全部出そうぜ

(生徒たち)しゃあねえな~ (野田)しょうがねっか

(久美子)出しゃあいい… 出しゃあいいんだよ

お前ら こんなに持ってきてたのか

あ~あ ついてねえな~

(間)けど ヤンクミなだけ マシか

(柳生) 教頭だったら大変だったよな

そうだよ 下手すりゃ退学だぞ

けどさ 俺たちだって 思い出 作りてえよ

卒業したら みんな バラバラだもんな

そうだよな

よし せっかく来たんだ

高校生らしく 健全に楽しめばいいんだよ

なっ?

よ~し! “3年D組 卒業旅行大作戦”

ファイト オ~!

(久美子)修善寺しゅぜんじといえば虹の郷

イギリス村とかカナダ村とかな いろいろあんだよ

楽しいな おめえら

(女子大生たち)行ってみよう~

見て かわいい~

ヤバい

あんなナイスバディな おねえさん方と一緒だなんて―

こいつらには目の毒だな

え~

虹の郷は なくなりました

(生徒たち)はあ? えっ?

(久美子)はい 回れ右

1 2 1 2 1 2…

1 2 1 2… 温泉といえば卓球だ 行くぞ!

1 2…

(男)俺は強つええぜ

げっ… 目と目が合った瞬間に ゴング鳴っちまうじゃねえか

みんな 大変です

卓球台も なくなりました

(生徒たち)はあ? えっ?

なんだ? それ

なんでしょう…

とにかく あの… 部屋に帰って考えよう

なっ? 部屋に戻れ~

戻れ~

(久美子)というわけで 先生方―

せっかくの卒業旅行を 楽しませてやりたいんですが―

目 離したら何するか分かりません

(静香)そうだよね

こんなとこで なんか問題でも起こして―

教頭の耳にでも入ったら 大変だもんね

みんなを楽しませながら 監督したらいいんやろ?

しゃあないな

3Dのヤツらのためやし 協力するわ

ありがとうございます

(久美子)トップバッター 山口久美子 いきます

“覚悟しいや”

いやっ…

なんだよ? それ

え? なんだよって 岩下志麻いわしたしまさんだよ

お前ら「極妻ごくつま」見たことないのか?

あっ 私もやります!

じゃあ 私も!

(拍手と歓声)

なんで急に盛り上がる?

(生徒たち)待ってました!

あたたたたたたぁ~

フッ… お前はもう死んでいる

ハハッ 何をバカな… ぴっ

ぴっ ぴぴぴ…

ぴぶう~!

お前が死ぬのか!

(笑い声)

(生徒)全然ダメだ (大石)投げんなよ

引っ込めや お前 コラ

引っ込め 引っ込め

(手拍子)

(生徒たち) ソレ ソレ ソレ ソレ!

(静香)フフッ 楽しそうだね

(久美子)ありがとうございます 先生たちのおかげです

(菊乃)感謝してや~

(久美子)はい

あいつら あんなふうに バカなことしてるけど―

ホントは 心ん中に いろいろ抱えてると思うんです

進路が決まったっていっても 希望どおりじゃなかったり―

家うちの事情で しかたなくだったり

どうした?

(内山)実はさ 仲居のあの子と デートする約束しちゃった

(野田・熊井)若葉ちゃんと?

だったら早く行けよ

でも あれじゃ 出んの無理じゃね?

(久美子)って 分かるよ

この部屋から出るときは 私の許可をもらうように

トイレは1分以内 分かったな?

出れるようにしとけよ

アハハハ! バカ お前ら!

アハハハ!

ん?

ホントか?

ああ

沢田 あと頼んだぞ

ああ

(内山)お~ 慎 すごいな!

(熊井) ヤンクミに なんて言ったんだよ

(沢田) 岩下志麻が女風呂にいるらしいって

(熊井・野田)マジで?

あいつ 「極妻」大好きだもんな~

早く行けよ 待ってんだろ?

ああ サンキュ

よっ! この色男!

うまくやれよ この野郎!

クソ…

沢田のヤツ だましやがったな

あ… うっす

(若葉)おしるこの おいしいお店があるんですけど―

一緒に行きませんか?

(内山)うっす

(沢田)おい (野田)クマ

(沢田)行くぞ (野田)大食いも卒業しろよ

待ってよ

おしるこ あんまり 好きじゃなかったですか?

あっ いえ… 大好きっす!

(若葉)よかった

アッチ

大丈夫ですか?

全然 大丈夫っす

(若葉)フフッ

フフフフッ

(野田)当たんねえし!

(沢田)当たった!

クマ! 早くしろ! クマ 早く!

(熊井)はい ポーズ

この辺って よく 雑誌に載ってるんですよ

あっ そう なんか 竹も たくましいっすね

(野田)スッゲ! わっ…

(熊井)すごくない?

(野田)わっ… (熊井)走んのかな これ

乗りてえ! スッゲえ

よし…

はい

あ~ そろそろ帰んねえとね

あ… そうだね 行こっか

今度 メールするね

うっす

(チンピラ)あれ~?

旅館のおねえさんじゃないの?

(チンピラ) こんなとこで何してんの?

なんすか? あんたら

(チンピラ) おにいさんに用はないの

(チンピラ) 彼女 俺たちと遊んでくんねえ?

おい 汚きたねえ手で触んじゃねえよ

あら つかんじゃったよ

(チンピラ)面白えじゃん

(熊井)ウッチィ 今頃 若葉ちゃんと盛り上がってんのかな

(野田)いいよな~

今頃 チュ~ なんか しちゃったりして!

(沢田) なあ そろそろ戻んねえか?

(熊井)あっ そうだよな もう食えねえし

帰ろ

助けて!

内山君が!

(チンピラたち) オラ! 立てよ オラ!

オラ!

オラ!

寝てんじゃねえよ オラ

どうした? おい!

(内山)うっ…

たった3000円かよ シケてんなあ

なんだよ ガキだよ

ガキか

(沢田)ウッチィ!

(熊井)てめえら!

何しやがんだよ!

(野田)ウッチィ 大丈夫か?

(チンピラ)お前らも こいつと おんなじ高校か?

(野田) だったらどうだってんだよ

いいのかな~? 高校生が こんな夜遅くにフラフラしてよ

学校に報告して 先生に注意してもらおっかな

(野田)うるせえんだよ (沢田)やめろよ!

やんのか!

(熊井)上等じゃねえかよ! (沢田)クマ やめろよ!

ウッチィが こんな目に遭わされて 黙ってられっかよ

やめろ! 手ぇ出すな

もし こいつらにチクられてみろ 退学だぞ

関係ねえよ

関係あんだろ!

ヤンクミが クビに なっちまうかもしんねえだろ

卒業しなくっちゃ

みんな一緒に

それがヤンクミの夢だろ?

あいつの夢 壊すわけにいかねえだろ

(チンピラ) ごちゃごちゃ言ってんじゃねえよ!

(久美子)遅いね

どうしよっか?

君たち…

死んでみる?

めちゃくちゃ怖こええよ

あいつら どこ行ってんだよ

またバカなことやってんだろうな

あ~ さっみい~

(若葉)大変なんです!

内山さんたちが…

内山たちが?

(チンピラたち)オラ! オラ!

(久美子)待て

いいか? おめえら 絶対 手ぇ出すんじゃねえぞ

(チンピラたち)オラ! おい~!

(チンピラ)ザマねえよな

大したことねえじゃねえか この野郎

まっ これぐらいで勘弁してやるよ

(久美子)待ちやがれ!

ヤンクミ…

なんだ? おめえは!

しっかりしろ 大丈夫か?

悪い

お前ら… なんで こんなになるまで…

約束破るわけにいかねえだろ

(内山) 全員そろって卒業すんだろ?

お前ら…

無抵抗な人間相手に―

ここまでするとは見下げた根性だな

(チンピラ)おい コラ 相手見てから もの言えよ

(生徒たち)おい! ヤンクミ!

おめえらは手ぇ出すんじゃねえって 言っただろ!

イキがってんじゃねえよ!

うあっ

(チンピラ)この!

お前 何者なにもんだよ

(久美子)私?

私は この子たちの担任の先生だよ

(チンピラ)先公?

(チンピラ) 先公が暴力ふるっていいのかよ!

暴力?

笑わせんじゃねえよ!

暴力ってのはな―

おめえらみたいに 人を傷つけるためだけに―

一方的に殴る蹴るするのを 言うんだよ

(チンピラ) グダグダ言ってんじゃねえよ!

(チンピラ)ぐあっ!

うわっ…

イタタタタ…

あいつらから取り上げた金 返してもらおうか

(チンピラ)返すから!

(生徒たち)アホ~! うぇ~い!

大丈夫か? お前ら

よいしょ!

お前ら

ホント 悪い 俺のせいで

ヤンクミが先公だってのも バレちまったな

クビに なっちまうんじゃねえのか

クビが怖くて先公なんかできるかよ

お前たちは やられてた仲間を助けた

その上 私のために 一切 手出ししなかった

そんなお前らを 私が守って どこが悪い

もし それがいけないってんなら 私は…

喜んで教師辞めるよ

ヤンクミ

フフッ

お前ら よく我慢した!

よく頑張った!

さすが私の教え子たちだ

お前ら 何がなんでも 全員そろって卒業するぞ!

(一同)オ~ッ!

(篠原)温泉か~ もう何年も行ってないな

(柏木かしわぎ 豊) 誘ってくれればよかったのに

でも ホントいいですよ 温泉って

ねえ~ 肌なんて ツルツル すべすべ

一度も入れなかった

そのうち 休み取って 行ってみようかな

じゃあ 今度一緒に

春休みなんか どうですか?

春休み?

卒業式 済んだら 暇なんで ぜひ 私と1・1で…

(柏木) 自分は いつでもかまいませんよ

そっか もうすぐ卒業式なんだ

はい!

かわいい教え子たちとの別れが―

もうそこまで 迫っているかと思うと―

さみしいような うれしいような気持ちに…

篠原さん 相談に乗っていただけますか?

卒業式 スーツがいいか それとも…

やっぱり 袴はかまですかね?

なんならコスプレ系とかでも いいですよね…

私も迷ってるんです

ジャージでいいんじゃない?

ジャージ?

山口先生みたいに ジャージの似合う女性って―

そうはいませんよ

僕は好きだな

そんな… “好き”だなんて

あっ…

(静香)行きましょ

婦人警官なんて どうです?

えっ?

「西部警察」 コスプレ

一緒にどうです?

いや…

(柏木)ああ…

(静香)卒業式まで いよいよ あと5日ですね

長かったような 短かったような

私はね 式で泣くんじゃないかと 心配でね

あっ… 私もなんです

(大山)何しろ 生徒たちとの 別れの日ですからね

(岩本) 入学してからの3年間の毎日みゃあにちが―

ひとつひとつ… 走馬灯

生徒一人一人の顔が 浮かんできたりして

(鷲尾)クライマックスは 生徒全員の「仰げば尊し」

(久美子)さみしいですよね (猿渡)うれしいですよね

えっ?

“さみしい”じゃ ないですか?

“うれしい”ですよ

もう あの3Dの連中と おさらばできると思うとね!

は?

分かります よ~く分かりますよ

3Dの連中は 本当に…

世話が焼けましたからね

なんだ そういうことか

沢田 どうした?

私が呼んだんですよ

沢田 早稲田と慶応 どちらにするか決めたか?

まだだけど

“まだだけど”?

早急に決めるように

おい 沢田

迷ってんならな 私に いつでも相談しろよ

ああ

あのさ…

ん? なんだ 沢田

俺…

うん どした?

やっぱ いいや

いや 遠慮すんなよ

してねえよ

いつでも待ってるからな!

大石君たちの合格発表 始まったんじゃない?

そうだ

新日本平成大学と 野田のミカド芸大も―

10時に発表のはず

受かっていれば―

そろそろ電話が鳴っても いいころなんですけどね

いや きっと あいつら 電話じゃなくて―

職員室に直接 報告に来るつもりじゃないですかね

(猿渡)ああ~ (岩本)そうかもしれんな うん

どうだった?

見りゃあ 分かるっしょ

その様子じゃ お前も…

(野田)そういうこと

やった~! 俺 大学受かった! 合格しちゃった 俺

(藤原) 俺も! 新日本平成大学 合格!

(生徒たち) やった~! うぇ~い!

なあ 大石と島津は?

あいつらも同じとこ受けたんだろ?

(前田) いや それがさ… ダメだったんだ

(近松)えっ マジかよ

野田は?

野田も美大落ちちゃってよ

信じらんねえ

厳しいよな~

お前ら…

野田

大石 島津

フッ… グッモーニン

(大石)うぃ~っす

あ~ 野田 猛―

見事 ミカド芸大 落っこっちゃいました

あっ え~ 俺も 新日本平成大 アウト

俺も

あ~あ 浪人決定か

(仙石)まっ 元気出せよ

ああ

ドンマイ

そうだ! おい クマ あれ 出来てんだろ?

え?

“え?”じゃねえだろ

卒業旅行の写真だよ

あっ そうそう…

(明智)お~っ 見てえ!

(内山) お前 なんか いっつも食ってんな

(熊井)このまんじゅうな 最高に うまかったんだよな

(毛利) また行きたいよな~ みんなでさ

(熊井)行こうぜ

クラス会旅行

(柳生)それ賛成

(間)じゃあさ ゴールデンウイーク辺り どうよ?

(織田)行く 行く~!

おい

うん

ほ~ら スゲえよく撮れてんぞ

うっせえな

俺は それどころじゃねえんだよ

悪い

(内山)おいおい

何も そんな言い方すること ねえんじゃねえの?

クマはさ ちょっとでも 雰囲気 盛り上げようと思ってさ

(細川)つうかさ…

それが大きなお世話だって ことじゃないの?

はあ?

なんだと!

やめろよ

俺 パス

(熊井)え?

クラス会旅行なんか 行ってられへんわ

俺も就職するしよ

のんきな学生じゃねえんだよね

(大石)俺も浪人して そんなもん 行ってる場合じゃねえから

俺 浪人したかったな~

てめえ! 嫌みか?

違ちげえよ

俺んち 浪人する余裕なんかねえから

滑り止め行くしかないから

大学行けるだけええやんけ!

行きたくたって家の都合で 就職するヤツだっていんだからよ

なあ そんな行きたきゃさ 働いて夜学行きゃいいじゃん

偉そうに言ってんじゃねえよ!

(蒲生)たかが 三流大学受かったくらいで―

浮かれちゃってんじゃないよ

三流だと?

(生徒たち)おい やめろよ! (生徒)なんだ コラ!

(熊井)やめろよ!

みんな いろいろあんだからさ

(内山)自分の 望んだ道に 進めなかったヤツもいる

おめえらもさ もうちょっと気ぃ使えよ

(野田)気ぃ使え?

ハッ… 随分 余裕があんだな

はあ?

同情ってやつか?

同情なんかじゃねえよ

じゃあ なんだよ はあ?

ウッチィは お前らのこと 心配してるだけだろ

そんぐらい分かんだろ

分かんないね 俺 慎と違って頭悪いからよ

なんだよ その言い方!

お前ら いいかげんにしろよ!

ケンカしてどうすんだよ

ケンカしちゃマズいよなあ?

ヤンクミ クビになっちゃうもんなあ?

(野田)さすが優等生は違うよな 先公思いでさ

おい 野田!

(細川)ヤンクミだって 卒業したら関係ねえもんな

関係ねえ?

(上杉) 卒業したら みんなバラバラだろ?

そんなことねえよ!

(野田)そんなことあるって

お前はエリート 俺らは落ちこぼれ

そんなこと関係ねえだろ!

俺たち仲間だろ!

何が仲間だよ

どうせ お前は腹ん中で 俺たちのこと笑ってんだろ

バカにしてんだろ?

おい

お前 ずっと そんなふうに思ってたのか?

ああ そうだよ

(生徒たち)おい 慎!

何すんだよ!

何やってんだよ お前ら!

おい! やめろよ お前ら! 離れろ!

何やってんだ 離れろってば!

おい 野田! 沢田!

やめろ お前ら!

何やってんだよ!

おい 野田!

沢田 一体 何があったんだよ

何もねえよ

沢田!

(熊井たち)慎!

(生徒)クソッ いってえな!

(生徒たちのどなり声)

どうしちゃったんだよ あいつら

(静香)山口先生 電話

すいません

はい

南?

(熊井) おい 慎! どうしたんだよ

(内山)らしくねえぞ

悪い

(細川)あいつらに 俺らの気持ちが分かんのかよ

(蒲生)何が仲間だ ふざけんな!

(仙石)あ~ ムカつく!

(看板にぶつかる音)

(野田)痛いてえ

(主人)何やってんだ!

(野田)うるせえんだよ

(堀部)文句あんのか!

(主人)お前たち 白金の生徒だな

だったら なんだっつうんだよ! ああ?

警察だ 警察呼んでくれ~!

おい ヤベえよ

逃げんぞ 早く!

こんなときに警察沙汰とはね

(久美子)申し訳ありませんでした

(柏木)まあ ちょっと 元気がよすぎましたね

でも 先方も―

彼らが反省してるなら 大ごとにはしないそうですから

あとは学校のご指導に お任せします

お前たち もう学校来なくていい!

(久美子)退学ですか?

退学はさせません

卒業するまで自宅謹慎を していろと言っているんです

自宅謹慎?

それが約束できるのであれば 卒業させることを約束しましょう

もちろん 卒業式も自宅謹慎ですよ

ちょっと教頭

晴れの舞台で悪さでもされたら たまりませんからね!

ちょっと待ってください

卒業証書をもらえるだけでも ありがたいと思いなさい

分かったよ

来ねえよ!

(久美子)おい 野田!

お前ら!

なあ… なあ 教頭に もう一回頼んでみよう

(野田)冗談じゃねえよ

教頭に詫わび入れてまで 卒業式なんか出たくねえって

(久美子)卒業式に 出なくていいわけないだろう

なんで? 別にいいんじゃん?

そうだよな 卒業できんだから

(篠原)違うだろ

そんなんじゃないだろ

山口先生が どれだけ 君たちのことを心配してるか―

君たちだって分かってるはずだ

友達だって心配してんだぞ

何が… 友達だよ

南 大学行くの諦めたんだ

なんでだよ

あいつ 受験勉強 スゲえ頑張って 合格したんじゃねえかよ

さっき電話があった

親父さんの会社が倒産したんだ

あいつ…

どんなにショックだったか

けどな あいつの声 いつもと おんなじだった

目いっぱい前向きに考えてんだよ

お前らの気持ち 分かるよ

そりゃあ イライラするよな

不満もあるよな

けどな 何ひとつ不満なく―

思いどおりに生きてるヤツなんか いないんだよ

みんな おんなじだ

お前ら たったの18だ

受験だの 就職だのって―

将来決めろって 言われてるようなもんだけど―

そんな簡単なもんじゃねえ

迷って もがいて―

立ち止まって 寄り道して また戻って

そうやって みんな 生きてくんじゃねえのか?

そうやって いつか―

自分の人生 見つけていくんじゃないのか

だから 諦めないでくれよ

逃げないでくれよ

そんな簡単に 答えなんか出さないでくれ

フウ…

行くぞ

(内山)野田!

大石! 島津!

(久美子)迷って もがいて―

立ち止まって 寄り道して また戻って

そうやって みんな 生きてくんじゃねえのか?

(てつ) お嬢の生徒さん方は幸せもんだ

(久美子)何言ってんだよ

私が頼りないから こんなことになっちまって

(てつ)お嬢は分かってねえ

(久美子)え?

(てつ)四六時中 自分のことを 心配してくれる人がいりゃあ―

人ってのは まっすぐ歩いていけるんすよ

お嬢の気持ちが伝わらねえような ヤツらじゃねえでしょう

人の優しさも 心の痛みも―

ちゃんと知ってる 生徒さん方じゃねえんですか?

フッ…

そうだな

あいつら 人一倍 心の出来の いいヤツらばっかりだもんな

(着メロ“兄弟仁義”)

(久美子)はい

教頭

山口先生 一体 どういうことなんですか!

は?

沢田が 早稲田にも慶応にも 行かないと言ってるんですよ!

沢田が?

(久美子)沢田!

教頭から えらい剣幕けんまくで 電話あったぞ

(沢田)フッ… マズかったか?

(久美子) いや… マズくはないけど

お前が決めたことだからな なんか理由があるんだろ?

(沢田)俺さ… 最近ずっと イライラしてたんだ

え?

野田 殴ったのは それをぶつけたようなもんだよ

俺… みんなが羨ましかったんだ

はい! 俺 美大 目指してます

将来はデザイナーになって―

自分のブランド立ち上げんのが 夢だったりして

どうせだったら 本格的な中華料理屋にしよっかな…

って思ってな

将来は 建築士の資格 取るつもりだから―

そしたら お前らの家 建ててやるよ

あいつらには ちゃんと やりたいことがあってさ

けど 俺には なんもねえ

ただ親父に対する意地だけで―

勉強して 受験しただけだった

ハア…

昨日の夜 初めて親父に頭下げたよ

大学には行かねえ 許してくれって

そしたら親父のヤツ “分かった”って

結構 意気込んでったのにさ

あっさりし過ぎて 拍子抜けだよ

いい親父さんじゃねえか

そうか?

お前 卒業したら どうするんだ

アフリカにさ 小学校作る仕事があってさ

給料は出ないけど メシは出るらしいから

ほかにも 井戸掘る仕事とか なんか たくさんあんだって

へえ~ ボランティアってやつか

フッ… そんなもんじゃねえよ

まだ一度も行ったことない場所で―

やったことねえ何かを やってみてえだけだ

そうか

もしかしたら そこで―

俺のやりたいことに 出会えるかもしれないし

まあ 出会えねえかもしんねえけど

お前なら きっと見つけられる

しっかり前を向いて 何かを探し続けてればな

あんときの言葉…

ん?

人生なんて そう簡単に決めらんねえって

どう転ぶか分かんねえ

何回でも やり直せばいい

ヤンクミが言った あんときの言葉で―

やっと分かったんだよ

沢田…

けど…

卒業式は たった一回なんだよな

俺…

仲間と一緒に 全員そろって卒業したかった

(龍一郎)おう 一杯どうだい?

(久美子)うん (龍一郎)ヘヘッ

(龍一郎)生徒さんたちは まだ 仲たがいしたまんまか?

(久美子)うん

あいつら 卒業式には出ねえって 言い張ってて

(龍一郎)そうかい

人間ってやつは そう利口じゃねえからな

何が大事かってことを 見失っちまうことがあるんだ

つまらねえものに邪魔されてさ

つまらねえもの?

おう

意地とか見栄みえってやつだ

それが また厄介やっかいなもんでさ

自分じゃ なかなか 取っ払ぱらえねえもんなんだよ

俺も それができなかった

え?

それができたら―

堅気の男と一緒になりますって 飛び出してった お前の母さんと―

そのまんま 二度と会えなくなる なんてことは なかったろうな

久美子

おめえの生徒さんたちには―

おじいちゃんみたいな思いを させちゃいけねえよ

おじいちゃん…

ありがとう

ファイト~ オ~!

よう!

私さ 卒業式に ボディコン着ようと思うんだけど―

どうかな?

(仙石)怖えよ ヤンクミのボディコンなんて

怖えって お前 失礼だな

イケてんだぞ 結構

(久美子)ゲーセンもいいけど 卒業式もいいぞ

藤山先生な ミニスカートで出席するらしいぞ

(野田)遊ぼうよ ねえねえ

なんだよ

引っ掛かってやんの バ~カ

おい ちょっと待てよ

ナンパに成功する100の方法 教えてやるから―

卒業式 出てみない?

待ってるからな!

必ず来いよ

全員そろって 卒業すんだからな

ついに明日は卒業式か

3Dは どうなるんでしょうね

(久美子)松平 (松平)え?

(久美子)お前 (松平)え? いや…

何急いでんだよ

いや その… 失礼します

おい

隠し事なんて なんもねえよ!

隠し事 あるのか?

はい

(野田)用があんなら さっさと言ってくれよな

俺たちも忙しいんだからさ

(沢田)こないだは悪かった

(野田)別に 用って そんだけか?

(沢田) 明日の卒業式 来てほしいんだ

(大石)そんな くだらねえことで 呼ぶんじゃねえよ

みんなそろって 卒業してえんだよ!

いつまで仲間ごっこ やってるつもりだよ

俺ら そういうガキっぽいのは 飽き飽きなんだよね

(内山)ガキっぽいだと!

(沢田)やめろよ

みんなで 卒業証書 もらいたいんだよ

別にさ いいんじゃないの?

出たくないっつってんだからさ

うるせえ!

みんなそろって卒業するって 約束しただろ?

卒業式が 俺らが3Dでいられる 最後の日なんだぞ!

関係ねえよ

俺 明日 予定あんだよね

ふざけんなよ

おい 慎 もういいじゃん ほっとけよ

ほっとけねえんだよ!

(久美子)おめえら!

何やってんだよ

(野田)なんでもねえよ

(久美子)おい お前ら 待て!

このまんま クラスのヤツらと―

離れ離れになっちまっても いいのかよ

こんなふうに 気持ちが 擦れ違ったまんま―

バラバラのまんま―

仲間たちと離れちゃって いいのかよ!

関係ねえよ どうせバラバラになんだからよ

お前らにとって 3Dのヤツらとの 絆って そんなもんだったのかよ

(蒲生)何が絆だよ

(島津)たかが高校の クラスメイトじゃねえかよ

たかが?

(大石)卒業したら “はい さよなら”でしょ

違うだろ

(服部)ヤンクミ

もういいよ

みんな それぞれ 考え方 違うんだからよ

お前ら…

(野田)どうせ みんな違うんだよ

生き方も 考え方もバラバラ

いつまでもツルんでられっかよ

野田?

たった3年間 同じ学校だった ってだけだろ

仲間だの 絆だの 押しつけんなよ!

うおっ!

(久美子)野田!

ここにいるのは お前の仲間じゃねえのかよ!

心の底から信じ合える 仲間じゃねえのかよ!

つまんねえ意地や 擦れ違いで―

一生の宝物 なくしちまっても いいのかよ

なあ どうなんだよ?

お前らは どうなんだよ

野田が ふてくされて どうしようもなかったとき―

お前ら一緒になって 尻拭いしたじゃねえかよ

沢田が一番苦しんでるとき―

みんな必死になって 沢田 支えたじゃねえかよ

私が 教師 辞めさせられそうになったとき―

お前ら みんなで 助けてくれたじゃねえかよ!

お前らがいてくれたから 今の私があるんだよ

いろんなこと一緒になって 乗り越えてきたじゃねえかよ

それが 仲間ってもんじゃねえのかよ

(沢田) 俺 今日 南に会ってきたんだ

あいつが どうして―

オーストラリアなんて ウソついたと思う?

親父さんの会社が倒産して―

あいつ 卒業旅行どころじゃ なかったんだよ

けど 俺らに 心配かけたくないから…

卒業旅行 楽しんでほしかったんだよ

お前ら 分かるだろ?

どうなんだよ!

おめえら 分かんねえのかよ!

なあ!

あいつは俺らのこと 大事な仲間だと思ってんだよ!

南は…

全員そろって 明日の卒業式 出られるって信じてるんだよ!

なあ お前ら

野田!

うるせえんだよ!

ハア…

フッ… 今更 行けねえよな

(着信音)

なんだよ

えっ?

おっす!

(一同)南!

(南)久しぶり

なんだよ お前 また太ったんじゃねえの?

あいつら マジで来ねえのかよ

ああ

(戸が開く音)

山…

先生…

申し訳ありません 遅くなりました

なんですか? その格好は

今日は卒業式ですよ

私は この一年 これで 生徒たちと向き合ってきましたから

しかしですね 卒業式というのは…

(静香)山口先生らしくて いいんじゃないですか?

生徒たちも きっと そのほうがうれしいと思う

(菊乃)卒業式だからって かっこつけることないし―

ヤンクミらしく―

自信持って生徒たち 送り出したらいいんじゃない?

はい

大変じゃあ~

菱山工務店から電話で―

内山の内定 取り消す ゆうてから

内定が取り消された?

なんでだよ

野田たちが看板壊した店が―

俺の内定した会社の 取引先だったんだ

(主人)何やってんだ!

あんなことするヤツらとおんなじ 白金の卒業生は使えねえってさ

あ~ チクショウ!

あいつら ぜってえ許せねえよ

内山

ホントなのか?

ハッ… なんだよ もうヤンクミも知ってんのか

でも あいつらには絶対言うなよ

気にすっから

そりゃあ ほかのヤツらだったらさ ヤキ入れてるとこだけどさ

仲間のやっちまったことだからな

(沢田)おい ヤンクミ!

(生徒たち)おい ヤンクミ! どこ行くんだよ?

このままにしてられるか

(猿渡)おい… おい お前ら どこ行くんだ!

卒業式だぞ おい! クマ~!

(野田)お願いします!

内山の内定 取り消さないでください!

(大石) ホントに俺たちの責任なんです

あいつに なんの関係も ないんです!

(社長)そう言われてもな…

あんな乱暴する生徒と 友達だとなると―

同じように見られて…

俺たちは どうしようもないヤツだけど―

内山は違うんです

あいつ 誰よりも親思いで―

母ちゃんに 楽させてやりたいからって―

就職決めたんです

手に職つけたいからって 大工の仕事選んで―

頑張ろうって言ってるんです

(上杉)自分のことより ダチのこと先に考えるようなヤツで

(細川)口は悪いけど 心の中 あったかいヤツなんです

もう一回考え直してくれませんか?

お願いします!

(大石たち)お願いします!

(社長) 君たち 今日 卒業式なんだろ?

なのに なんで こんなことまで

仲間… だから

俺たち… 仲間だから

お願いします このとおりです!

(大石たち)お願いします!

(沢田)お願いします!

(熊井)お願いします!

内山の人生が かかってんです このとおりです

(生徒たち)お願いします!

(野田)お願いします!

(大石たち)お願いします!

やっと… やっと全員そろったな

(社長)内山君

どういうことだ? これは

俺 頑張ります

どんな きつい仕事来ても 絶対 投げ出しません

だから…

お願いします!

(生徒たち)お願いします!

(拍手)

校長先生は?

校長は?

あっ それが さっきから姿が…

チッ… 何をしてんすか まったく

ハア…

負けたよ

内山君

頼んだよ?

はい

(生徒たち)やったぜ~!

やった! やったやった!

ウッチィ…

みんな…

(久美子)おめえら!

卒業式だ 行くぞ!

(生徒たち)オ~ッ!

あいつら まだ来んのですか

(猿渡) 校長先生 何やってんですか

はい もうちょっと 待ってみようかと

待てません

卒業証書 授与

3年A組

(久美子)おめえら 急げ! 間に合わねえぞ!

(白川)卒業 おめでとう

(拍手)

(白川)3年B組

(白川)3年C組

え~ 3年D組は事情により 全員 欠席となっております

やっぱり間に合いませんでしたね

従いまして 卒業証書授与は 以上をもって終了

続きまして…

なんですか? 今頃

申し訳ありません

出ていきなさい 卒業証書はあとで

(白川)3年D組!

3年… D組

はい!

ほら お前ら早く並べ

急げ

(白川)“卒業証書”

“右の者は本校で 所定の課程を修め”

“その業を卒おえたので これを証する”

“平成15年3月7日”

“白金学院高等学校 校長 白川権三”

卒業 おめでとう!

(拍手)

答辞 卒業生代表―

3年D組 沢田 慎

沢田

これ読んどけ

どうせ ろくなもの 書いてないんだ…

おいっ…

(沢田)俺は…

先公なんか信用できねえ 学校なんて みんな同じだ―

そう思ってた

けど 違った

ここには たった一人だけど―

信用できる先公がいた

ここには 本物の仲間がいた

本気でケンカして―

本気でバカやって―

本気で泣ける 仲間がいた

ケンカに勝つより 一緒に たたきのめされて―

ボロボロになってもいい って思える 仲間がいた

俺は こいつらと 一生 ツルんでたいって思ってる

みんな それぞれ 違う道に進むけど―

そんなもん 全然関係ねえよ

仲間なんだよ 俺たちは

こんなに卒業すんのが さみしいなんて思わなかった

明日から もう 白金の門をくぐることも―

3Dの汚きたねえ教室行くことも―

ヤンクミの説教聞くことも―

そんなこともないのかって思うと―

さみしくてたまんねえよ

けど きっと また いろんな人に出会えるんだよな

いろんな人と出会って いろんなこと知ってくんだよな

それが大切なことだって 教えてくれたのは―

ヤンクミだ

ヤンクミ

ありがとう

ありがとう

ありがとう

ありがとう

ありがとう

(一同)ありがとうございました!

お前ら…

俺たちは―

ここで出会った人たちとの思い出と―

ここで学んだことを胸に刻み―

白金学院の 卒業生であることを誇りに―

一生懸命 まっすぐに生きていきます

3年間…

ありがとうございました

(拍手)

ハア… 泣くな 泣くんじゃないぞ

よし!

(笑い声)

引っ掛かってやんの!

ホント学習しねえヤツだな

お前ら

学習しねえのは 一体どっちだ

ホント やんなっちまうよ

(笑い声)

ヤンクミ…

私は…

お前らに…

仲間だの ケンカだのって―

偉そうに説教してきたような 気がする

でも ホントは ひとつひとつが手探りで―

いつも その…

どこか自信がなかったような 気がする

でも…

お前たちは 私に教えてくれた

本気で ぶつかれば 応えてくれるってことを

お前らみたいに―

バカみたいに まっすぐで 素直なヤツら―

めったに いないだろうから―

教師として大変なのは これからなのかもしれない

けど だからこそ―

最初の生徒が お前たちでよかった

心から… 心から そう思ってる

ありがとう みんな

私がお前らの先生でいられるのは 今日までだ

先生として 最後に言っておきたいことがある

仲間ってのはな どんなに離れても―

何年会えなくったって―

一生もんだ

そのこと 忘れんなよ

(生徒)ヤンクミ

俺 働きながら夜学行くことにした

頑張れよ 南

俺も 来年こそ 絶対 美大受かってみせっから

お前ならできる 野田

ラーメン 食いに来いよな

ああ お前んちの最高だもんな クマ

さみしくなったら いつでも電話しな

母ちゃん大事にしろよ 内山

ヤンクミ

ヤンクミが 俺らの先公でいられんのは―

今日までだって言ったけど―

お前は これからも 俺らの担任の先公だよ

ずっと…

一生な

お前ら…

(野田)せ~の!

(生徒たち)チ~ッス!

♪~

(生徒たち)じゃあな! バイバイ じゃ~ね~!

じゃあな お前ら!

たまには顔見せに来いよ!

じゃあな~!

元気でね~!

バイバ~イ

(かしわ手)

(龍一郎) おい 久美子!

(久美子)え?

(龍一郎) ちょっと待った

いってきます

(4人) お気をつけなすって

(篠原)今日から 新学期ですね

はい

今度はどんな 生徒たちなのか

楽しみですね

はい

久美子さん

何か困ったことが ありましたら―

いつでも わたくしが―

あなたのそばに いるということを―

決して忘れな…

(久美子) あの 篠原さん

今度 一緒に映画 見に行きませんか

ああ いいですよ

ホントですか?

(猿渡) わたくし 猿渡が―

校長になりました からには―

何がなんでも 進学率アップ!

有名私大国立大への 合格率アップ!

アップアップ うるさいのう

今年は3年の 担任ですって?

朝からずっと 胃が痛むんですよ

新入生に かわいい子が いたんですよ

チェック早いな~

ちょっと 2人とも 静かに

(猿渡)山口先生! (久美子)は?

聞いてるんですか!

えっ? いや…

すいません

~♪

ファイト~ オ~

(騒ぎ声)

おはよう

ハア…

は~い 静かにして!

静かにしろって言ってんだろうが!

いいか よ~く聞けよ

人が話してるときには―

黙って相手の話を聞くのが 礼儀ってもんなんだよ

今日から3年間 きっちり面倒見てやる

何がなんでも お前ら 引っ張ってく

全員そろって 卒業させてやる

さあ 授業 始めるよ

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