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Original subtitles

・~

(ナレーター)

この世に人間が現れる はるか前>

ドロドロと溶岩のように

漂い流れておりました>

4つの大陸ができました>

とうしょうしんしゅう

東勝神洲の一部に山がありました>

かかざん

何万年たったことでしょう>

不思議な石が生まれました>

まるで霊魂でも

宿っているかのようでした>

・『モンキー・マジック』

・~

・~

さんぞうしんぎょう

てんじく

だいらいおんじ

げんじょう

ごくう

大雷音寺を目指す玄奘・悟空の旅>

りょうえん

そして 都は既に遠い雲のかなた>

広漠たる西域の砂漠であります>

(悟空)お師匠さま

どのくらい来たのかね? これ

ちょうあん

(三蔵法師)長安の都から

かれこれ もう200里

200里? 200里か…

天竺の大雷音寺までは

10万と8000里だろう?

10万8000

引くことの200は・

8000だから

7000おいといて 1000借りてきて

1000…

1000引くことの200は…

10万7800

今 言おうと思ったんじゃねえかよ

もう!

やめたよ 俺は! 冗談じゃないよ

おいらならね 10万里だろうが

100万里だろうが

きんとんうん

斗雲に乗りゃ ひとっ飛びだよ

フン… それ なまじ 人間のお供を

仰せつかったばっかりに…

見てよ これ! ほら このとおり

足の裏 まめだらけだ!

すいませんけどね おいらはここで

もう勘弁させてもらいますよ!

お師匠さん!

本当に行っちゃうの?

行っちゃうのかよ!

知らねえぞ おい!

ぬす

と

盗っ人 出るよ! 怖いよ 怖いよ?

もん

化け物だって出る!

ほら 化け物 化け物!

本当に もう… 頑固なんだから…

ちょっと 待ちなさいよ!

ハイーッ!

負けた… 負けましたよ!

あんたも物好きな人だね もう

・(からすの鳴き声)

悟空 あれは何ですか?

(鳴き声)

おい 貴様 何者だい?

そんな所で 一体 何してんだ?

うそうぜんじ

(烏巣禅師)来たな 猿め

なんだと?

鳥みてえに

そんな所へ止まりやがって

下りてこいよ

これ 悟空 なんということを

来いよ 下りてこねえのか!

なら こっちから

たたき落としてやるぞ この野郎!

(禅師)ハハハハッ…

笑ったな こら!

ヤーッ!

オワッ!

ヤッ! ヤーッ!

アアッ アアッ アアッ…

(鳴き声)

・ ウワッ ウワッ ウワッ!

玄奘法師と お見受けしたが

はい あなたは?

烏巣禅師と申す者

かんぜおんぼさつ

観世音菩薩より 貴僧の旅立ちを

見届けるように仰せつかった

これから この先は

ちみもうりょう

ばっこ

魑魅魍魎 怪しき者が跋扈する世界

ただし あなたの味方は

この猿だけではない

豚の化け物

水の化け物が供に加わるはず

その旨

お伝えくだされとのことであった

豚と水の化け物?

さよう

あまり ぞっとせぬお供ですな

ハハハッ…

あっ そうそう 途中

魔性の者に会ったら この経を…

ぎゃーていぎゃーてい

はらぎゃーてい

はんにゃしんぎょう

「羯諦羯諦 波羅羯諦」の般若心経>

ハァハァ… ハァハァ…

だいぶ回りおったのぅ

この野郎!

さらばじゃ 三蔵法師 猿

達者で まいれよ

こうろうそう

こちらは高老荘の村>

(女中)おまちどおさま

(高才)

おう みんな 聞いてくれ ハハッ…

誰か いないかな

1000貫だぞ 1000貫

ちょごうりょう

「あの猪剛鬣を お屋敷から

追っ払ってくれたら これをやる」

旦那さまが

そう おっしゃってるんだ

誰か いないか?

(男性)とんでもねえ

(男性)あんな乱暴者を誰が

(男性)触らぬ神に たたりなしだ

(男性)相手が悪すぎらぁ

めえ

(男性)お前がやったら どうだ

(高才)いやいや なにも

力で追い出せとは言っとらん

まじないでもいい

おはらいでもいい

とにかく あいつを

追っ払ってくれたらいいんだ

おい おいおい

一体 何の話だ? そりゃ

フン… お前みたいな流れ者に

聞かせる話じゃねえ

フフフッ… あっ そう

さあ あっちへ行け シッシッ!

「シッシッ」…

ヘヘッ… 犬だね 俺は猿だよ

エイッ!

(男性)お前 どっから来たんだ・

(男性)どうした どうした?

うるせえな どいてな!

この野郎! 野郎!

おやめなさい 悟空!

(高太公)貴きお方とも知らず

無礼の段

お許しくださいまするよう…

一体

屋敷に住み着いた化け物とは?

(高太公)はい

お恥ずかしい話でございますが

すいらん

当家の末娘 翠蘭の婿でございます

婿?

ちょごうりょう

はい 名を猪剛鬣と申し

婿入りの当初は

大変な働き者でございましたが

そのうち 本性を現し

仕事は怠ける 乱暴は働く

女どもをからかい その上

信じられないような大飯食らいで

どこにいるんだい?

その どうしようもねえ

大飯食らいってのは

はい 近ごろは

風に乗って外を出歩きますので・

まだ帰っておりません

…で 娘さんは?

(高太公の妻)はい それが…

おい 鍵

鍵など何の役に立ちましょう

このとおり 鍵穴に

銅金が流し込んでございます

ああ…

ちょっと どいてな 危ないから

(息を吸う音)

(呪文)

ハアッ!

(殴る音)

つ~っ… あいたた…

やっぱり駄目ですか

ヘヘヘヘッ…

(鍵の外れる音)

・~

(高太公)翠蘭!

(妻)翠蘭!

(高太公)無事だったか

(翠蘭)お父さま お母さま!

(高才)旦那さま!

大変です!ちょごうりょう

ちょ… 猪剛鬣が帰ってきます

こいつは いかん!

(妻)あなた!

かわいそうにね

(高才)急いでください

こんなありさまを見られると

何をされるか分かりませんよ

お坊さま さあさあ どうぞ

(高太公)おい

娘のためだ 早くせんか はいはい

(翠蘭)お母さま

・~

(泣き声)

(ため息)

・~

・~

はっかい

・(八戒)おい 翠蘭!

来やがったな

・ ご亭主さまのお帰りだ!

出迎えんか!

出迎えい! あら?

(八戒)もう寝てたのか アハハッ…

待ちくたびれたのか?

うん? 翠蘭 アハハッ…

かわいいな

その後ろ姿 アハハッ…

食べるよ?

うん? うん? この… ほら

(殴る音)

ウッ!

何すんの! この子は 本当に

いや! いや!

この…

ウウッ!

なによ この豚野郎!

なんだと? かわいい顔して・

こ憎らしいことばっか言って

はたくよ?

(殴る音)

ウッ!

やるでないの この子は

また その気にさせて…

翠蘭ちゃん 翠蘭ちゃん これ こら

(蹴る音)

ウワッ!

効いた… 効きましたよ

たまんねえな

効いたか

ばか

馬鹿

この野郎 化けてたのか

うん? 貴様 確か…

そん

孫悟空

そうよ

我こそは 天上天下にその名も高い

せいてんたいせい

斉天大聖 孫悟空さまだ!

(八戒)悟空

天上界の恨み 今こそ思い知れ!

ヤーッ!

・~

ヤーッ!

ちょごうりょう

こやつの本拠地

ふくりょう

うんさんどう

福陵山中の雲桟洞>

ちょごうりょう

待て! 出てこい 猪剛鬣!

ええい 臆病豚!

俺は豚じゃねえ

忘れたか 斉天大聖

てんぽうげんすい

俺は天上界にいた天蓬元帥だ

なんだと?

元はといえば 貴様のおかげだ

貴様が天上界を荒らし回った

そのどさくさ紛れに

こうが

俺は嫦娥を口説いた

てんてい

おかげで 天帝の怒りに触れ

人間界に追放されたんだ!

俺のせい?

よし

そっから出てきたら信じてやるわ

・~

(殴る音)

ウワッ!

ヤーッ!

ちょっと待て

うわぁ しびれた 今

「びりびり びりびり」だって

来たか 来たか?

来たよ

効くべえ これは効くんだ

つえ

何だよ? この杖は

これか

これは しんぴょう老公

きゅうし

自ら鍛えた九歯の杖だ

それじゃ お前 本当の天蓬元帥か

そうよ

(2人)ヤーッ!

(殴る音)

くそ… それじゃ

貴様こそ 本物の斉天大聖か?

証拠 見せろ

よし

じゃあな その九歯の杖で・

俺の脳天

思いっきり ぶん殴ってみろ やれ

馬鹿 馬鹿

何だよ?

この九歯の杖で お前の頭

ひっぱたいたら どうなるか・

分かってんのか?

何だよ?

お前の頭は 花びらのように

夜空に飛び散るんだよ ぺらぺらと

やれよ やれよ

できねえ 俺は

やれよ! やれよ 豚

この野郎!

やれってんだよ!

できねえ!

(殴る音)

効いてねえな…

ほいほい ほいほい!

(殴る音)

随分たくさん もらっちゃって

いやいや

ごちそうさまでした

いや お粗末さんでした

ばんとうえん

だがよ 俺は蟠桃園のよ

不老不死の お前 桃食ってんだぞ

死ぬわけねえじゃねえか 馬鹿

つまんないもんだけど…

(殴る音)

アハハッ…

ねえ あれ なぁに?

お日さま 真っ赤っか

(笑い声)

♪(はなうた)

お花になったみたい…

そうか 烏巣禅師の

言われた豚の化け物とは・

お前のことだったのか

はい そのとおりでございます

では 改めて尋ねますぞ

私と悟空に従い 天竺までの

苦しい旅の供をしますか?

はい それで罪が許されるならば

たとえ火の中 水の中

油の中でも 大丈夫ですから…

ついていきます…

今までの行いを全て改め・

心を入れ替えて

旅が続けられるのですね?

はい 続けますでございます

ちょごのう

猪悟能

そなたは 人一倍 欲望に弱い男

よって 8つの戒めを与えます

その第1 淫らなる色欲の戒め

その第2 大食いの貪欲の戒め

ちょうだいした猪悟能>

天竺へと旅立ちます>

・~

兄貴

うん?

何が面白いんだ?

あんな石の上に座って

分からん 人間のすることは

分からんことだらけだ

兄貴

うん?

天の川だ

豚の言うことも分からんわ

俺は豚じゃねえもん

俺は あの… あの天の川で

100万の水軍を操った天蓬元帥だ

それが今じゃ荷物担ぎの猪八戒だ

さぞかし

月の中の嫦娥は笑ってるだろうな

八戒が地上に追放されたのも・

元はといえば

この美女を口説いたおかげ>

嫦娥…

・~

(いびき)

ウ~ン…

(いびき)

・~

うん?

かじょ

(賈女)八戒さま

ウ~ン…

・~

(賈女)起きてください

(八戒)

来てくれたの? あんた 誰?

お願いがございます

どうぞ 私と一緒に

は~い

どうぞ

あの… どうでもいいんですけど

一体 何の用なんでしょう?

・~

行きます もう何でもいい

何も聞かん 行きます

おお… なんという…

ハハッ…

悪魔ちゃん 目の毒!

アア… ねえ? ねえ?

お邪魔します!

あっ これまた にっこり笑って

愛くるしいなや 愛くるしいなや

ちょっと ゴミがついてるよ

アハハッ… いいの いいの

いや たまんねえな

うん?

なに? 何すんの?

(賈女)天婚でございます

天婚?

(賈女)はい

娘3人に婿1人 いずれの1人を

選んでも不平のもと

こうして目隠しをして選べば

さだめ

天の与えたもうた その子の運命

しんしん

あいあい

れんれん

さあ 真々 愛々 憐々

(娘たち)は~い!

(八戒)うん?

捕まえちゃうぞ

捕まえちゃうぞ 捕まえちゃうぞ

もう 誰が誰だか

分かんなくなっちゃった

目ぇ回っちゃった

ウワッ!

お~い 助けてくれ!

誰か! お師匠さま! 兄貴!

ハハハハッ… どうだ 懲りたか?

懲りたかって…

それじゃ あんたが?

そうだ あの女たちはな

お前の意志を試すために

つちぐも

私が遣わした土蜘蛛の化身だ

土蜘蛛・ そんな…

もう 女は一生こりごりです 私

うそ

嘘をつけ

お前に女が忘れることができるか

ただしな

今度の旅は ただの旅ではない

その間 慎め

よいな 分かったな? うむ…

シーッ!

(切る音)

アアッ!

はい 分かりました あいた…

玄奘法師が心配しているだろう

さあ 早く行け

はい…

お師匠さま もう行きましょうよ

所詮 豚は豚ですよ

あの野郎なんか当てにしてたら

こっちが損しちゃうよ

あの野郎ね 今ごろは あの村で・

女の尻 追っかけ回してるに

違いないんだから

もう! 行きますよ

待ちなさい 悟空!

あれをご覧なさい

ああ いや

どうも すいません 遅れちゃって

(笑い声)

八戒は お前の言うほど

悪くはありませんよ

甘いなぁ

もう すぐそれなんだから

おい! もっと走れよ

転がれ 転がれ 転がれ!

(悲鳴)

フフッ… 触っちゃった

今 ご覧になったでしょう

あいつは全然 直ってねえんだから

それでも待っててやるって…

直ります!

この旅の間に直してみせます

(八戒)飯!

(女中)あの… もうありません

なに? ねえ?

家中の料理を

出し尽くしてしまいました

作れ作れ 早く作れ!

(女中)作る材料もありません

なに・

(女中)ごめんなさい

ごめんなさいって これから お前

調子よく食えるんじゃないか

八戒 いいかげんにしろ お前

お茶飲め ほら

お茶 嫌だよ 俺

お茶飲むと 余計 腹減るんだもの

私の残りでよかったら

お食べなさい

はい でも 1個ですか

そこにも1個 残ってます

これじゃ

しかし 腹の足しにもなんないぜ

(ため息)

逃げよう 兄貴

俺 もう我慢できねえよ

こんな ないない尽くしの旅なんて

真っ平だよ

第一よ 俺だって兄貴だって・

雲に乗りゃ 10万8000里なんて

ひとっ飛びじゃねえか

なにも あんな坊主のお供でよ

自分の足 すり減らすことは

ねえんじゃねえかと思うんだ 俺は

ハァ… それが できねえんだよ

なんでだよ?

この輪っか

輪っか?

これだよ

これはな 俺が悪さするとな

あの坊主が呪文唱えるんだ

すると この輪っかが

ぎゅ~っと締まってきてよ

その痛さったら

お前に味わわせてやりてえよ

だから 俺は あの坊主の前から

逃げも隠れもできねえんだよ

じゃ その輪っか

取っちゃえばいいじゃねえの

取れるぐらいなら

もう取ってるよ 馬鹿!

なぁんだ 俺 また

はやりの飾りかと思った ハハッ…

飾りで こんな物するかよ お前

取れねえんだ これが

おい そんじゃ 俺 取ってやるよ

取れねえんだよ

簡単だよ こんなもん 簡単

取れねえんだろう?

取れねえんだよ

じゃ

これがあるんだもの ほれ ほら

何だ? それ

香の油

なんで

お前 こんな物 持ってんだ?

いや ある人からの… まあ それは

いいじゃねえか いいじゃねえかよ

詳しいこと聞くなよ

これ ともかく この縁に塗ればよ

つるつるになって

すぽ~んと取れるはずだから

取れるわけねえじゃねえか

大丈夫だよ

取れ… 取れるかなぁ

取れるよ

取れるといいね

取れる 取れる 絶対 取れるよ

取ってくれる?

うん

俺 もう取っちゃうもん

取っちゃうぞ いいか?

あれ?

ウウッ…

(うめき声)

いて

痛えな もう! 諦めたよ もう

これ 一体 どうなってんだよ

兄貴の頭より

しっかりしてんだもんな

うん

なっ?

なに?

怒ったら いかん 怒ったら いかん

一行の前途に立ちふさがったのが

じゃくすい

りゅうさが

弱水 またの名を流沙河という

砂漠中の大河>

ははぁ… この川だと

まあ 1000里はあるな

いいかげんなこと言うなよ

1000里なんか

あるわけねえじゃねえか

あるよ

ないよ… ほら ないよ

ほら あるよ

ない

あるっつってんのに

へえ… おい ほら

「800流沙河」って書いてある

800しかねえだろう やっぱり

ええっ? 800しかねえか?

1000里はあると思ったけどな

なんだったら 俺 斗雲で

ぴゅ~っと調べてこようか

いやいや 俺だって 天界ではよ

水軍の元帥としてやってきたから

泳ぎには自信があんだ これが

ねえ お師匠さまは?

私は泳げない 雲にも乗れない

あらららら 人間ってのは

まあ ぶざまなもん…

舟はねえかな 舟は

あるわけねえべや こんなとこで

(殴る音)

・~

ごじょう

(悟浄)人が せっかく

昼寝をしようとしてんのに・

うるさいぞ!

かっぱ

何だ? この河童!

あっ! おい ちょっと待て!

おい! おい ちょっと待て こら

河童 待てっつうんだよ おい!

待て 河童!

オッ…

この野郎 ぬるぬるしやがって

おら ちくしょう!

(2人)アア~ッ!

・~

ほ~ら ほらほら

待て!

しつこいやっちゃな

河童!

ウワ~ッ!

・~

おい おい おい

また お前か

しつこいやっちゃな お前は

ちょっとな

頼みたいことがあるんだ

何や?

川を渡りてえんだ

そう

舟を1艘 それから

お前 ちゃんと水先案内しろ

ほほう… 命令形で来たな

なに?

おい わしはな お前のような猿に

命令を受ける覚えは ないのじゃ

何だ? この…

この野郎!

(笑い声)

おい 猿 大体 お前は無礼やぞ

人の家に勝手に入り込みやがって

不法侵入っちゅうことを

知らんのか

なんだと? この野郎

不法侵入だ?

おっと… こら アハハッ…

おい 猿

お前も困ったやっちゃのぅ

物事を知らんっちゅうのは

怖いな ええ?

こら! 斉天大聖 孫悟空さまに

説教垂れる気か?

なに? そうか… 貴様 孫悟空か

そういう お前は?

けんれんたいしょう

忘れたか? 捲簾大将

お前にはな 消しても消えん

大きな恨みがあるんじゃ

天帝近く仕える近衛の大将>

追放された男だから たまらない>

(悟浄)

さあ 悟空 死んでもらうぞ!

俺がな 河童に落とされたんも

そもそもは お前のおかげじゃ

天上界の恨みを

今 ここで晴らしてやるぞ

うわぁ ちょっと待った待った!

何や?

今な

お前と勝負してる暇はねえんだ

この勝負な 天竺の旅から

帰ってくるまで お預けだ

なに? 天竺の旅?

そうか

烏巣禅師の言われた水の怪とは・

そのほうだったのか

(悟浄)はい

ご覧のとおりの

色男でございますが

(八戒)よく言うよね

(悟浄)うるさい

金も力もございません

しかしながら・

是非とも天竺への尊い旅のお供を

仰せ願いたいと思います

お前の名は?

はい

観世音菩薩より 沙悟浄の名前を

ちょうだいいたしております

沙悟浄 よい名だ

悟空 八戒 そして悟浄

心を合わせ

必ずや天竺へまいりましょうぞ

しかし この川を

どうやって渡るおつもりですか

おい 新入り

何か知恵出せ 知恵 知恵出せよ

そんな急に 知恵出せ言われても

簡単に出ませんよ

「出ません」? なんだよ

なんとかなんねえのかよ この野郎

ちょっと

(八戒)何だ?

あんた その言い方

おかしいと思いません?

「おかしいと思いません?」じゃ

ないんだよ

知恵出せっつってんじゃねえか

(悟浄)威張り過ぎじゃないですか

威張り過ぎだって?

俺 先輩だぞ この野郎

先輩って…

(八戒)何だ? お前

待てよ!

(八戒)ええ? 何だよ?

はたいてやるから

はたいてやるから!

(ひょうたんの当たる音)

(八戒)何だ? ころっと

うん?

何だい? この赤びょうたんは

(からすの鳴き声)

沙悟浄 そのひょうたんを使え

(鳴き声)

はっ! 貸せ

何だ? 態度変わって この野郎

これを使えんのはな

このわししか おらんのや

さあ どいた どいた!

どいた どいた どいた

何やんだよ?

(悟浄)こっから向こう

こっから向こう

・~

ウン!

さあ できた できたぞ ハハッ…

おお…

大丈夫かよ?

でも こんな ひょうたんでよ

(悟浄)何を言うてんねん

わしの作った物 信用せい

さあさあ 乗った乗った 乗った

(八戒)偉そうに

無事 流沙河を越えた一行>

こうふうれい

黄風嶺にさしかかります>

地上最悪の難所といわれる所>

・~

お師匠さん

こりゃ駄目だよ もう無理だ!

さじん

(八戒)この砂塵に巻き込まれたら

お師匠さま

野たれ死にしちまいますよ

さあ 早く!

大丈夫ですか? お師匠さま

引き返して

風が静まるのを待ちましょう

2~3日 辛抱すりゃ

嵐も収まるって

2~3日…

とても そんなには待てませぬ

どうして?

三蔵真経を手にするのが

1日遅れれば1日だけ・

救われぬ人間が地獄へ落ちていく

2日待てば その倍の人が…

うん なるほど

そのとおりや

突っ切りまひょう ねっ?

そう簡単に

突っ切れるわけねえだろう この中

そうだよ そう簡単に

突っ切れるわけねえべ この馬鹿!

お前 ころころ変わるな

ころころ太ってますもん

いいや 私は行く

たとえ1人になっても…

(悟浄)お師匠さま 大丈夫ですか?

(風の音)

無理ですよ! 様子を見ましょうよ

待て言うたかてな そんなもん

嵐のやむ保証はありませんよ

お師匠さま

行きましょうよ ねっ?

・~

兄貴 あの おたんこ河童

行っちゃったよ

こりゃ

どうも ただの風じゃなさそうだな

ねえ ひどいもんですよね

(風の音)

何だ? あの影は

何だ? ありゃ

(毛を抜く音)

八戒 見ろ この毛

あっ これ 虎だよ

お師匠さん… 大変だ!

(虎のほえる声)

オッ・

こぜんえい

(虎前衛)我は

黄風大王 親衛隊長 虎前衛なり

貴様らは何者か?

ヘヘン… なんじゃ 虎の化け物か

おもろ

面白い顔しやがって

何を言うとんねん

くそ…

(悟浄)ヤッ!

そら!

・ 悟浄!

(力み声)

トリャー! 来い!

悟浄!

・~

(虎前衛)やれやれ! やっちまえ!

・~

アッ!

坊主!

(笑い声)

ハハハッ…

大王さまに お伝えしろ

虎前衛が

さかな

珍しい酒の肴を手に入れたとな

(手下たち)はっ!

(笑い声)

(黄風大王)ちょっと 隊長

まずい それは まずいよ

(虎前衛の笑い声)

いやいや うまそうではないですか

色は白いし ぷりぷりしてるし

ハハハッ…

なんなら まず私めが毒味を…

(大王)そうじゃない! どうして

君たち軍人は 思慮が浅いのだ

いいかね

あの坊主を取って食らえば・

その手下の猿と豚を

敵に回すということだ

それは すなわち 全天上世界を

敵にするということだ

全世界 全宇宙を相手に戦って

勝ち目があると思うのかね!

(笑い声)

いや しかし…

しかしも お菓子もない!

ちん

これは 朕の命令である

あの坊主を地下の食糧倉庫に

3日の間 監禁せよ!

お師匠さん!

お師匠さまは?

(悟浄)お師匠さん?

(白馬の鼻息)

いねえじゃねえの

しもうた… 分身幻影の術に

引っ掛かってしもうたがな

俺 お師匠さん捜してくるからな

おい! なんちゅうこった

この ドジ河童!

・ 八戒!

おい 相手は一体 何なんだよ?

なんでもな… 何っつったけな?

何だよ?

黄風大王の

親衛隊とか何とかって言ってたな

じゃ お前 あとから来いよ

うん

(口笛)

・~

それ行け!

・~

(手下)あっ!

(手下)何だ? おい!

(手下)どうした!

(手下)見ろ!

・~

(笑い声)

う~む… 今度は猿か

よ~し 下りてこい!

(羽音)

(大王)お… おい 猿は どうした?

・(羽音)

アッ! あいた!

悟空!

いてて…

あいた…

お師匠さん 頼みますよ もう

人が せっかく助けに来てるのに…

すまぬ けがはなかったか?

ないような あるような…

あいた…

八戒と悟浄は どうした?

ああ 大丈夫 大丈夫

おっつけ

こっちへ やって来ますよ

それより すごいね ここは

食べ物の山だな これ

あっ お師匠さま

あっしは黄風大王とやらを ぐっと

ひとひねりしてきますからね

しばらく ご辛抱を

・~

・~

トリャー!

(八戒)ウオーッ!

・~

(力み声)

あっ これ うまそうな匂いだな

これは まさしく山海の珍味

こんなこと してらんねえんだ

ンガーッ!

(殴る音)

たまんねえ この匂い フフッ…

・~

(殴る音)

ウッ!

・~

(切る音)

アッ…

(虎のほえる声)

(伝令)虎前衛隊長が戦死しました

(伝令)

地下の守備隊も猿に破られました

だから わしは言ったんだ

坊主なぞを捕らえると

ろくなことはない

酒の肴は

漬物か小魚で十分なんじゃ!

(侍従)大王 ひとまず ご避難を

・ 待て待て 待て待て待て!

大王 逃がさんぞ!

ヤーッ!

(殴る音)

ウワッ!

(突く音)

・ ウワッ!

パッ!

ハハハッ… 覚えたか 猿め

これが 黄風大王の奥の手

さんまいふう

三昧風というものじゃ

この風を浴びたからには・

もはや

一生 その目は開かぬ 物は見えぬ

(笑い声)

(手下)ヤーッ!

目が… 目が…

目が見えねえ!

・~

ヤーッ!

(殴る音)

ヤーッ!

・~

(大王)ヤーッ!

アーッ! アイアイアイアイ

ヤーッ!

・~

アアーッ!

(股間に当たる音)

オオ~ッ! 痛い!

悟空 悟空

ちょっと待て ちょっと待て!

俺! 河童や 河童や ほら

ああ…

野郎 どこだ? ぶっ殺してやる!

待ちなさい 悟空!

殺してはなりませぬ!

でも!

黄風大王とやら

そなたは何者です?

なぜ 万丈の黄塵をもって

旅人を苦しめるのですか?

(大王)わしは白虎だ

白虎?

そうだ かつて この地は

わしの一族のものだった

いっかけんぞく

一家眷族3万匹

平和に暮らしていたものを…

人間の猟師が現れて

一族ことごとく毛皮にされた

だから 人間を襲い

その食い物を巻き上げるんだ

わしは…

こうなったのは 全て人間のせいだ

人間のためなのだ

罪深い人間を殺せば そなたも

その罪を負わなければなりませぬ

さあ 行きなさい

二度と戻ってきてはなりませぬぞ

・~

(悟浄)おい 悟空 お前 ほんまに

何も見えへんのか? ええ?

何も見えねえよ

悟空!

あっ…

大王の三昧風に やられたんだ

あれが目に入った以上

おいらの目は

もう一生 使い物にならねえ

お師匠さま!

おいら もう お供できねえよ

悟空

目を閉じなさい

・~

目を開けてごらんなさい

・~

見える…

あっ 見える!

おい 八戒!

お前 何じゃ? お前は

人が苦労して虎退治してる間に

そうやって ずっと食ってたんか?

ええかげん 怒るぞ 俺は

もう ほんまに

悟浄 怒るな そんなに

お前も一緒に食わねえか?

うまいぞ

もうちょっとだけな

なっ? なっ? なっ?

そして いささか怠け者の悟浄と・

さいゆうき

『西遊記』全編の主役 打ちそろい

はるばると遠き天竺への旅>

いかなる波乱が巻き起こるか>

・『ガンダーラ』

・ そこに行けば

・ どんな夢も かなうというよ

・ 誰もみな行きたがるが

はる

・ 遥かな世界

・ その国の名は ガンダーラ

どこ

・ 何処かにある ユートピア

・ どうしたら行けるのだろう

・ 教えて欲しい

・ In Gandhara, Gandhara

・ They say it was in India

・ Gandhara, Gandhara

・ 愛の国 Gandhara

・ Gandhara, Gandhara

・ They say it was in India

・ Gandhara, Gandhara

・ 愛の国 Gandhara

へいちょうざん

れんげどう

金角と銀角>

三蔵たちを・

救いに向かった悟空も

ひょうたんの中に>

ご期待ください>

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