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1
00:00:18,513 --> 00:00:20,513
何だろう。
分からん。
2
00:00:29,557 --> 00:00:34,357
その人は 映画監督として
一度は死んだはずだった。
3
00:00:36,331 --> 00:00:38,331
タタリ神だ!
4
00:00:46,307 --> 00:00:50,607
だが 死にきれず 戻ってきた。
5
00:00:52,780 --> 00:00:56,017
め め めんどくせえ。
(鈴木)すみませんね。
6
00:00:56,017 --> 00:00:57,952
サッと飛び上がって。
7
00:00:57,952 --> 00:01:01,952
終われない人 宮 駿。
8
00:01:05,627 --> 00:01:09,627
一瞬でも気を失えば それで済むんだけど
そういうわけにもいかないから。
9
00:01:13,735 --> 00:01:15,703
(鈴木)引退をすると。
10
00:01:15,703 --> 00:01:19,307
今回は… 本気です。
11
00:01:19,307 --> 00:01:21,843
だが。
12
00:01:21,843 --> 00:01:23,943
(宮)ジジイに怖いものはなし。
13
00:01:26,414 --> 00:01:29,183
まさかの引退撤回。
14
00:01:29,183 --> 00:01:31,483
それでも…
15
00:01:41,095 --> 00:01:44,795
数々の栄誉を手にしながら この人は…
16
00:02:03,685 --> 00:02:06,485
(咆哮)
17
00:02:09,223 --> 00:02:12,523
(鈴木)
何が楽しくて生きてるのよ 宮さんは?
18
00:02:35,016 --> 00:02:39,554
狂気と正気の 境界線。
19
00:02:39,554 --> 00:02:43,054
その果てに 見たもの。
20
00:02:46,327 --> 00:02:51,927
♬~
21
00:03:02,543 --> 00:03:04,479
行こう!
22
00:03:04,479 --> 00:03:06,414
しめた!
23
00:03:06,414 --> 00:03:08,414
時間がないよ。
24
00:03:10,385 --> 00:03:12,385
タバコ吸いたい。
25
00:03:15,490 --> 00:03:18,393
うああぁぁぁ…。
26
00:03:18,393 --> 00:03:21,963
どうなることやら心配だね。
決めたらすぐの人だから。
27
00:03:21,963 --> 00:03:26,934
♬~
28
00:03:26,934 --> 00:03:51,034
♬~
29
00:03:53,828 --> 00:03:56,728
≪あ 鈴木さん
タイトル何になったんですか?
30
00:04:05,206 --> 00:04:10,778
ヒリヒリするような日々が
また 始まろうとしていた。
31
00:04:10,778 --> 00:04:12,778
あ 来た。
32
00:04:15,616 --> 00:04:20,421
その人は へそ曲がり。
33
00:04:20,421 --> 00:04:23,091
大の カメラ嫌い。
34
00:04:23,091 --> 00:04:25,026
おはようございます。
35
00:04:25,026 --> 00:04:30,598
日々寄せられる取材依頼には目もくれず
映画だけに生きている。
36
00:04:30,598 --> 00:04:32,598
≪おはようございます。
37
00:04:34,569 --> 00:04:37,105
≪いや まだクビになってないです。
38
00:04:37,105 --> 00:04:42,944
この取材は カメラ片手に「書生」として
通うことを条件に➡
39
00:04:42,944 --> 00:04:46,044
20年近く続いていた。
40
00:04:50,418 --> 00:04:52,920
はい。
41
00:04:52,920 --> 00:04:54,920
こうですね。
そうそう。
42
00:05:04,465 --> 00:05:06,565
這ってますか。
43
00:05:16,077 --> 00:05:18,077
分かりました。
44
00:05:19,881 --> 00:05:25,681
宮は 映画の脚本に当たる「絵コンテ」を
書き進めている最中だった。
45
00:05:28,589 --> 00:05:32,389
半分近くまで 進んでいるという。
46
00:05:34,061 --> 00:05:36,061
≪すいません。
47
00:05:47,975 --> 00:05:53,275
机の傍らに 主人公と思わしき
少年のスケッチ。
48
00:05:54,849 --> 00:05:57,849
不気味な 鳥。
49
00:06:16,103 --> 00:06:20,041
宮アニメのキャラクターには
必ずと言っていいほど➡
50
00:06:20,041 --> 00:06:23,711
実在のモデルがいる。
51
00:06:23,711 --> 00:06:28,316
「サギ男」のモデルは
プロデューサーの鈴木だという。
52
00:06:28,316 --> 00:06:30,416
アハハハハハッ!
53
00:06:38,492 --> 00:06:43,331
宮は お騒がせな人だった。
54
00:06:43,331 --> 00:06:46,831
≪スタジオジブリ記者会見を
始めさせていただきます。
55
00:06:53,307 --> 00:06:57,807
え~ ほんとに長い間
いろいろ お世話になりました。
56
00:07:00,014 --> 00:07:01,949
(笑い声)
57
00:07:01,949 --> 00:07:05,549
(拍手)
58
00:07:07,455 --> 00:07:10,655
だが 引退からわずか3年。
59
00:07:16,864 --> 00:07:20,964
何食わぬ顔で
企画書を書き上げたのだった。
60
00:07:29,110 --> 00:07:31,110
≪宮さん。
61
00:07:36,817 --> 00:07:38,817
うん。
62
00:07:41,956 --> 00:07:43,891
≪え?
63
00:07:43,891 --> 00:07:47,194
≪フフッ…
忘れたという?
64
00:07:47,194 --> 00:07:49,294
うん。
65
00:08:09,783 --> 00:08:11,983
≪狼少年ハヤオ。
66
00:08:26,233 --> 00:08:29,002
開いた。
ほら いるじゃん。
67
00:08:29,002 --> 00:08:31,271
≪おはようございます。
68
00:08:31,271 --> 00:08:34,871
(一同)お誕生日おめでとう!
69
00:08:36,810 --> 00:08:39,279
≪え 何歳?
≪3歳じゃない?
70
00:08:39,279 --> 00:08:42,379
懸念がないわけではなかった。
71
00:08:44,117 --> 00:08:47,988
(宮)当たり!
(歓声と拍手)
お~ すごい!
72
00:08:47,988 --> 00:08:52,888
映画完成の頃には 80歳をこえる。
73
00:09:11,044 --> 00:09:13,044
あ~。
74
00:09:15,348 --> 00:09:19,686
そこで鈴木は 恐ろしい手に出た。
75
00:09:19,686 --> 00:09:22,986
宮に 刺客を差し向けたのだ。
76
00:09:39,372 --> 00:09:45,172
庵野秀明率いる スタジオカラーの
天才アニメーター 本田 雄。
77
00:09:46,980 --> 00:09:50,780
鈴木が庵野に直談判し 引き抜いた。
78
00:09:55,489 --> 00:09:57,489
はぁ…。
79
00:09:59,493 --> 00:10:03,693
本田の登場が 宮を追い詰めていく。
80
00:10:07,834 --> 00:10:10,334
≪いやいや 今の宮さんを。
81
00:10:16,276 --> 00:10:18,276
≪ハハハハッ。
82
00:10:35,529 --> 00:10:39,029
つらい渡世は 続いた。
83
00:10:41,268 --> 00:10:43,737
(音声)「ただいま警備中です」。
(電子音)
84
00:10:43,737 --> 00:10:45,737
(音声)「警備を解除します」。
85
00:10:50,277 --> 00:10:54,677
「パクさん」こと
高畑 勲が亡くなった。
86
00:10:57,450 --> 00:11:02,656
ジブリを共に立ち上げ
競い合うように映画を作り続けてきた➡
87
00:11:02,656 --> 00:11:06,256
宮にとって無二の存在。
88
00:11:10,263 --> 00:11:12,265
人間を追い出せ!
89
00:11:12,265 --> 00:11:19,306
「人間と自然」という難しいテーマを
エンターテインメントに昇華させた…
90
00:11:19,306 --> 00:11:22,075
ヨォーッ!
91
00:11:22,075 --> 00:11:24,811
私は今度の旅行に➡
92
00:11:24,811 --> 00:11:28,911
小学校5年生の私を連れてくるつもりは
なかった。
93
00:11:31,284 --> 00:11:34,921
ニューヨーク近代美術館の永久収蔵品に➡
94
00:11:34,921 --> 00:11:38,221
ジブリで初めて選ばれた…
95
00:11:42,095 --> 00:11:44,531
お母ちゃんのおべべあかん!
96
00:11:44,531 --> 00:11:49,531
宮が ただひとり畏れた
映画監督だった。
97
00:12:08,622 --> 00:12:15,222
高畑の存命中 カメラの前では
決して口にしなかった 高畑批判。
98
00:12:34,648 --> 00:12:37,450
≪すごい雪ですね 高畑さん 今日。
そうですね。
99
00:12:37,450 --> 00:12:41,950
かつて 高畑を取材したことがあった。
100
00:12:54,000 --> 00:12:56,100
≪すいません はい。
101
00:12:58,338 --> 00:13:04,144
宮が畏れたわけは すぐ分かった。
102
00:13:04,144 --> 00:13:08,744
凄まじいまでの 理想を具現化する力。
103
00:13:15,855 --> 00:13:21,995
映画製作が遅れに遅れ
公開が危ぶまれる異常事態に陥っても➡
104
00:13:21,995 --> 00:13:25,095
たじろぎもしなかった。
105
00:13:58,565 --> 00:14:03,336
妥協 迎合 一切なし。
106
00:14:03,336 --> 00:14:09,936
間に合わせるためならば
何をもいとわぬ宮とは まるで違った。
107
00:14:27,827 --> 00:14:30,530
≪最後間に合わせる
イコール質を落とすってことには➡
108
00:14:30,530 --> 00:14:32,830
直接にはつながらないとは思いますけど。
109
00:14:40,073 --> 00:14:42,008
(ドアが閉まる音)
110
00:14:42,008 --> 00:14:45,208
(風の音)
111
00:15:19,746 --> 00:15:22,046
主人公の あのタヌキ 正吉。
112
00:15:24,384 --> 00:15:26,684
で 権太って出てくるでしょ。
113
00:15:46,506 --> 00:15:49,809
来ないね。
≪来ないですね。
114
00:15:49,809 --> 00:15:51,809
あ 来た。
115
00:16:20,140 --> 00:16:22,240
アハハハハッ。
116
00:16:29,382 --> 00:16:34,182
高畑は 全てを教えてくれた人だった。
117
00:17:52,498 --> 00:17:55,401
≪その映画作りの
しかたって。
118
00:17:55,401 --> 00:17:57,501
≪全くですか?
119
00:18:01,507 --> 00:18:03,507
≪ああ。
120
00:18:07,146 --> 00:18:10,146
と 言っていたものの。
121
00:18:38,244 --> 00:18:40,344
ほんとに。
122
00:19:02,302 --> 00:19:05,204
高畑の死を受け入れられず➡
123
00:19:05,204 --> 00:19:09,204
通夜がひとつき以上 連日繰り返された。
124
00:19:34,967 --> 00:19:37,167
≪あ 止まってるんですか。
125
00:20:02,061 --> 00:20:04,961
(雷鳴)
126
00:20:23,349 --> 00:20:27,149
それから まもなくのことだった。
127
00:20:30,990 --> 00:20:32,990
うん。
128
00:20:39,098 --> 00:20:42,101
(雷鳴)
129
00:20:42,101 --> 00:20:45,872
高畑は 死んではいなかった。
130
00:20:45,872 --> 00:20:50,109
主人公に立ちはだかる男
「大伯父」として➡
131
00:20:50,109 --> 00:20:53,009
映画の中に現れた。
132
00:21:22,642 --> 00:21:25,211
≪はい。
133
00:21:25,211 --> 00:21:27,211
≪はい。
134
00:21:30,116 --> 00:21:33,116
困ったわ この辺のはずなんだけど…。
135
00:21:46,532 --> 00:21:50,832
ごめんください!
≪はーい。 今手が離せないの。
136
00:21:53,005 --> 00:21:55,005
≪上がってきてくれる?
137
00:21:57,643 --> 00:22:03,343
夏休み。 山小屋で絵コンテを書くという
宮を訪ねた。
138
00:22:24,537 --> 00:22:26,937
≪はい すいません お邪魔します。
139
00:22:30,476 --> 00:22:32,576
≪失礼します。
140
00:22:36,215 --> 00:22:41,115
いくつもの映画の絵コンテが
この部屋から生まれた。
141
00:22:53,966 --> 00:22:58,166
だが 高畑のことは
書けずにいるようだった。
142
00:23:00,072 --> 00:23:04,310
こういう帆は
斜め前の風を こう受けると➡
143
00:23:04,310 --> 00:23:07,210
これで斜め前に行けるんですよ。
144
00:23:33,906 --> 00:23:38,306
連れていかれたのは 不思議な場所だった。
145
00:23:53,259 --> 00:23:56,959
現実と映画が 交錯していく。
146
00:23:58,664 --> 00:24:02,868
(雷鳴)
147
00:24:02,868 --> 00:24:06,739
高畑を 探していた。
148
00:24:06,739 --> 00:24:09,039
(雷鳴と雨音)
149
00:24:12,645 --> 00:24:14,645
ああ そうですか。
150
00:24:19,285 --> 00:24:31,731
(雷鳴)
151
00:24:31,731 --> 00:24:35,334
「高畑は雷神になった」と宮は言った。
152
00:24:35,334 --> 00:24:37,269
(雷鳴)
153
00:24:37,269 --> 00:24:39,739
そして こうも言った。
154
00:24:39,739 --> 00:24:44,577
「もう 映画を作らなくて済む」。
155
00:24:44,577 --> 00:24:52,377
(雷鳴)
156
00:25:07,833 --> 00:25:15,141
(雨音)
157
00:25:15,141 --> 00:25:18,441
(雷鳴)
158
00:26:30,983 --> 00:26:33,252
高畑さんと出会う前。
159
00:26:33,252 --> 00:26:37,052
宮さんは まるで別人だった。
160
00:26:40,993 --> 00:26:44,430
新作の主人公・眞人のように➡
161
00:26:44,430 --> 00:26:49,130
影があり 死の匂いをぷんぷんさせた少年。
162
00:26:51,170 --> 00:26:54,807
母が 不治の病に侵されていた。
163
00:26:54,807 --> 00:26:57,209
いらっしゃい。
164
00:26:57,209 --> 00:26:59,812
メイの髪の毛
サツキが結ってあげてるの?
165
00:26:59,812 --> 00:27:01,747
うん。
166
00:27:01,747 --> 00:27:05,217
母に心配をかけまいと振る舞う
サツキの姿は➡
167
00:27:05,217 --> 00:27:08,817
少年時代の宮さんだという。
168
00:27:28,440 --> 00:27:31,343
変えたのは 高畑さんだった。
169
00:27:31,343 --> 00:27:33,712
(雷鳴)
170
00:27:33,712 --> 00:27:38,112
東映動画の
5つ年上の先輩監督。
171
00:27:40,820 --> 00:27:46,225
♬~
172
00:27:46,225 --> 00:27:50,696
高畑さんは むちゃな要求を
次々繰り出してきた。
173
00:27:50,696 --> 00:27:52,631
ウゥッ!
174
00:27:52,631 --> 00:27:56,435
駆け出しのアニメーターだった
宮さんは➡
175
00:27:56,435 --> 00:27:58,938
それに食らいつくたび 変わっていった。
176
00:27:58,938 --> 00:28:00,873
エイッ!
177
00:28:00,873 --> 00:28:03,073
ヒロイン ヒルダ。
178
00:28:06,779 --> 00:28:09,079
怒られた。
179
00:28:21,193 --> 00:28:25,593
敬愛の情が募りに募り ついには。
180
00:28:48,721 --> 00:28:53,692
♬~
181
00:28:53,692 --> 00:28:57,396
宮さんが 全カットを設計。
182
00:28:57,396 --> 00:29:01,267
文字どおり
高畑さんの手足となった作品は➡
183
00:29:01,267 --> 00:29:05,967
平均視聴率20%を超える
お化けアニメーションとなった。
184
00:29:07,840 --> 00:29:09,775
でも。
185
00:29:09,775 --> 00:29:14,713
♬~
186
00:29:14,713 --> 00:29:19,051
行き過ぎた片思いは
ふたりの関係を軋ませていく。
187
00:29:19,051 --> 00:29:21,851
お母さん お母さん! あっ!
マルコ!
188
00:29:35,968 --> 00:29:40,172
アイデアを出しても
受け入れてくれない高畑さんに➡
189
00:29:40,172 --> 00:29:42,372
憎しみが湧いた。
190
00:29:50,416 --> 00:29:52,885
ターーーッ!
191
00:29:52,885 --> 00:29:56,288
高畑さんと別れ 自分も監督になった。
192
00:29:56,288 --> 00:29:58,223
エイッ!
193
00:29:58,223 --> 00:30:01,160
宮さん自ら超人的に書き続け➡
194
00:30:01,160 --> 00:30:05,130
高畑さんとできなかったことを
描きまくった。
195
00:30:05,130 --> 00:30:07,530
ラナー! 死ぬなーっ!
196
00:30:10,402 --> 00:30:16,402
けれど 8話で早々に力尽き
絵コンテが書けなくなった。
197
00:30:21,113 --> 00:30:24,717
そのとき助けにきてくれたのは➡
198
00:30:24,717 --> 00:30:26,719
高畑さんだった。
199
00:30:26,719 --> 00:30:30,255
コナンのやつ 助かったんだ!
(ラナ)地震だわ!
200
00:30:30,255 --> 00:30:35,094
高畑さんの書いた絵コンテによって
作品の世界が広がり➡
201
00:30:35,094 --> 00:30:37,894
「傑作」と言われた。
おじいさん!
202
00:30:45,537 --> 00:30:52,311
♬~
203
00:30:52,311 --> 00:30:56,849
再び 高畑さんのもとに戻った。
204
00:30:56,849 --> 00:30:58,849
でも。
205
00:31:01,020 --> 00:31:04,490
高畑さんはこのとき 宮さんではなく➡
206
00:31:04,490 --> 00:31:08,490
近藤喜文さんに
信頼を置くようになっていた。
207
00:31:26,512 --> 00:31:29,012
そこへ現れたのが…。
208
00:31:39,658 --> 00:31:43,095
その漫画が サギのような話ながら➡
209
00:31:43,095 --> 00:31:46,295
とんとん拍子で映画化されることに。
210
00:31:47,933 --> 00:31:50,033
そのとき宮さんは…
211
00:31:52,337 --> 00:31:54,437
…と言った。
212
00:31:58,844 --> 00:32:00,844
(鈴木)それで いきなり…
213
00:32:07,553 --> 00:32:09,553
それでさ いきなり…
214
00:32:20,732 --> 00:32:23,332
「何も返してもらってない」って。
215
00:32:36,215 --> 00:32:38,815
それでバーッ!なのよ ハハハッ。
216
00:32:52,164 --> 00:32:58,070
高畑さんへの復讐が
宮さんの人生を変えた。
217
00:32:58,070 --> 00:33:00,205
よかった。
218
00:33:00,205 --> 00:33:03,405
けれど 高畑さんは手厳しかった。
219
00:33:06,011 --> 00:33:08,111
「ナウシカは 30点」。
220
00:33:44,716 --> 00:33:46,685
むしろ。
221
00:33:46,685 --> 00:33:49,785
(拍手)
222
00:33:52,291 --> 00:33:55,294
花が見えないね ちょっと。
≪(笑い声)
223
00:33:55,294 --> 00:33:58,096
♬ ババンババンバン バンババン
224
00:33:58,096 --> 00:34:02,267
♬ いつも同じ走りで どこまで
225
00:34:02,267 --> 00:34:06,967
高畑さんに褒めてもらいたくて
作り続けた映画。
226
00:34:09,474 --> 00:34:11,476
パクさん。
227
00:34:11,476 --> 00:34:13,478
パクさん。
228
00:34:13,478 --> 00:34:17,216
奇妙な 共通項がある。
229
00:34:17,216 --> 00:34:19,818
40秒で支度しな。
230
00:34:19,818 --> 00:34:24,957
必ずと言っていいほど
旅立ちのシーンから始まるのだ。
231
00:34:24,957 --> 00:34:29,795
♬~
232
00:34:29,795 --> 00:34:31,795
お乗り コロ!
233
00:34:33,665 --> 00:34:38,065
高畑さんと初めて一緒に作った
映画のように。
234
00:34:41,206 --> 00:34:44,306
ずっと 片思い。
235
00:34:46,912 --> 00:34:48,914
はっきり終わったんだ。
236
00:34:48,914 --> 00:34:51,914
あの引退騒動もしかり。
237
00:35:03,061 --> 00:35:08,461
引退撤回。
そこへと駆り立てたのは高畑さんだった。
238
00:35:10,469 --> 00:35:12,469
ハハハッ。
239
00:35:39,097 --> 00:35:42,634
高畑さんを 超えるために。
240
00:35:42,634 --> 00:35:46,334
宮さんは再び 旅に出る。
241
00:35:48,507 --> 00:35:52,007
主人公・眞人として。
242
00:35:54,313 --> 00:35:58,213
行く手には ジブリのような 塔。
243
00:36:03,855 --> 00:36:07,355
そこに 高畑さんはいる。
244
00:36:10,162 --> 00:36:13,031
でも ひとりは怖い。
245
00:36:13,031 --> 00:36:15,767
あ コーヒーをいただけますか。
コーヒーもらいます。
246
00:36:15,767 --> 00:36:18,767
だから 鈴木さんを道連れに。
247
00:36:21,473 --> 00:36:25,473
先に逝った仲間たちに
見守られながら。
248
00:36:34,920 --> 00:36:40,492
それは 高畑さんに導かれるように
この世界に分け入り➡
249
00:36:40,492 --> 00:36:46,231
弱さを脱ぎ捨てていった
宮さんの人生そのもの。
250
00:36:46,231 --> 00:36:48,834
宮さんは言った。
251
00:36:48,834 --> 00:36:52,934
「これが 最後の旅になる」。
252
00:36:57,609 --> 00:37:00,312
映画を作り始めて2年余り。
253
00:37:00,312 --> 00:37:03,048
感じるよ 俺だって。
254
00:37:03,048 --> 00:37:07,886
宮の引退で
一度は火が消えかけたスタジオに➡
255
00:37:07,886 --> 00:37:11,286
かつての活気が戻りつつあった。
256
00:37:18,263 --> 00:37:22,134
しかし 高畑と向き合うのが
よほど怖いのか➡
257
00:37:22,134 --> 00:37:26,934
絵コンテは進めども
大伯父が一向に出てこない。
258
00:37:29,474 --> 00:37:31,474
≪宮さん。
ん?
259
00:37:40,118 --> 00:37:46,892
それどころか 高畑には似ても似つかない
悪意に満ちたキャラクター像。
260
00:37:46,892 --> 00:37:48,992
いわく…
261
00:37:53,064 --> 00:37:57,302
(雷鳴)
262
00:37:57,302 --> 00:37:59,237
≪ご夕食のお時間は…。
263
00:37:59,237 --> 00:38:04,042
高畑を書けないまま
恒例の社員旅行に出た。
264
00:38:04,042 --> 00:38:07,042
いただきます。
(一同)いただきま~す!
265
00:38:10,348 --> 00:38:12,284
≪おお~!
266
00:38:12,284 --> 00:38:15,484
(歓声や笑い声)
267
00:38:21,059 --> 00:38:24,496
(笑い声)
268
00:38:24,496 --> 00:38:26,596
≪はい ゲームセット!
269
00:38:28,800 --> 00:38:31,503
よ~いしょ。 はぁ…。
270
00:38:31,503 --> 00:38:41,503
(話し声や笑い声)
271
00:39:08,106 --> 00:39:10,206
いや 僕は あの…
272
00:39:13,445 --> 00:39:19,317
こんなとき 傍らにはいつも 高畑がいた。
273
00:39:19,317 --> 00:39:26,217
♬ 事件の起きたときなのさ
274
00:39:30,862 --> 00:39:32,862
はい。
275
00:39:40,071 --> 00:39:42,974
よいしょ。
276
00:39:42,974 --> 00:39:45,277
まあ…。
277
00:39:45,277 --> 00:39:48,077
ちょっと 何で…
278
00:40:00,759 --> 00:40:03,261
ふへへっ。
279
00:40:03,261 --> 00:40:13,738
♬~
280
00:40:13,738 --> 00:40:15,738
まあ…
281
00:40:27,218 --> 00:40:42,734
♬~
282
00:40:42,734 --> 00:40:48,334
(マルコ)気が付いたら 海面すれすれを
俺だけひとりで飛んでいた。
283
00:40:51,242 --> 00:40:53,842
神様が まだ来るなって言ったのね。
284
00:40:56,014 --> 00:41:00,414
俺には 「お前はずっとそうして ひとりで
飛んでいろ」って言われた気がしたがね。
285
00:41:11,296 --> 00:41:15,496
旅先から 戻った後のことだった。
286
00:41:26,745 --> 00:41:28,745
≪なかったと思いますけど。
287
00:41:30,615 --> 00:41:34,715
社員旅行で 不可解な事件が起きていた。
288
00:41:39,324 --> 00:41:41,259
はい。
289
00:41:41,259 --> 00:41:43,762
飲み部屋を出て。
290
00:41:43,762 --> 00:41:47,862
宮の部屋に行った際には
見当たらなかったものが…。
291
00:41:50,368 --> 00:41:53,668
翌朝起きると あったという。
292
00:42:19,297 --> 00:42:21,297
≪困りますね。
293
00:42:28,006 --> 00:42:34,006
ある領域に足を踏み入れようとするときの
予兆と思われた。
294
00:42:39,150 --> 00:42:43,755
創作に没頭し
その世界に入り込もうとするとき➡
295
00:42:43,755 --> 00:42:48,155
宮は 記憶を突然失うことがあるという。
296
00:43:45,984 --> 00:43:47,984
う~ん。
297
00:43:51,723 --> 00:43:55,023
高畑の もとへ。
298
00:44:01,399 --> 00:44:04,769
会いに 行く。
299
00:44:04,769 --> 00:44:47,769
♬~
300
00:45:51,042 --> 00:45:52,977
あ~ 燃えてる。
301
00:45:52,977 --> 00:45:54,977
餅が燃えてる。
302
00:46:38,990 --> 00:46:41,390
♬ チャンチャンチャン…
303
00:46:47,131 --> 00:46:49,231
しかし。
304
00:46:52,937 --> 00:46:54,937
≪ふっ はははっ。
305
00:47:00,278 --> 00:47:03,648
≪うふふふっ。
306
00:47:03,648 --> 00:47:06,384
≪はははっ。
307
00:47:06,384 --> 00:47:08,584
≪ふははっ。
308
00:47:16,761 --> 00:47:18,861
≪絵コンテは宮さん…
309
00:47:24,135 --> 00:47:29,035
高畑に会えないまま
時間だけが過ぎていった。
310
00:47:44,922 --> 00:47:47,258
≪どうも ありがとうございました。
311
00:47:47,258 --> 00:47:49,358
いやいや… ハハハッ。
312
00:47:55,633 --> 00:47:57,633
≪これ すごいですね。
(宮)うん。
313
00:48:00,405 --> 00:48:05,505
宮を畏れてか 妙なものが設けられた。
314
00:48:19,357 --> 00:48:21,357
≪こっち側から見ると…
315
00:48:50,121 --> 00:48:53,157
(電子音)
(音声)「キーを操作して下さい」。
316
00:48:53,157 --> 00:48:55,457
(電子音)
(音声)「ただいま解除中です」。
317
00:49:29,594 --> 00:49:32,594
(咆哮)
318
00:49:41,772 --> 00:49:43,872
(鈴木)まさにさ…
319
00:50:20,478 --> 00:50:22,678
(笑い声)
320
00:50:32,823 --> 00:50:38,123
このころ 映画冒頭のカットが
ようやく上がり始めた。
321
00:50:40,631 --> 00:50:44,531
感情を内に秘めた これまでにない主人公。
322
00:50:50,041 --> 00:50:54,341
本田によって 宮アニメは一新された。
323
00:51:20,404 --> 00:51:22,340
はい。
324
00:51:22,340 --> 00:51:24,340
はい。
325
00:51:29,847 --> 00:51:31,847
はい。
326
00:51:34,418 --> 00:51:36,418
違いますからね。
はい。
327
00:51:44,161 --> 00:51:46,261
(鈴木)はい。 へっ…。
328
00:51:50,434 --> 00:51:52,734
(鈴木)はい よろしくお願いします。
はははっ。
329
00:52:06,284 --> 00:52:11,584
居場所はもう
映画の中にしか なくなりつつあった。
330
00:52:14,792 --> 00:52:17,592
(マルコ)行くな! 俺がかわりに行く!
331
00:52:26,203 --> 00:52:28,403
当たり前だよね。
332
00:52:30,641 --> 00:52:34,341
♬ むすんで ひらいて
333
00:52:47,758 --> 00:52:51,358
高畑のいる世界へ。
334
00:52:53,698 --> 00:52:58,698
宮はもう 映画の中の人だった。
335
00:53:02,740 --> 00:53:06,340
死を やけに語る。
336
00:53:22,193 --> 00:53:24,628
≪宮さん 最近お話ししてて…。
337
00:53:24,628 --> 00:53:26,628
うん。
338
00:53:38,976 --> 00:53:41,476
(呼び出し音)
339
00:53:43,814 --> 00:53:46,814
そして 大みそか。
340
00:53:48,552 --> 00:53:51,552
見てはいけない ものを見た。
341
00:54:00,064 --> 00:54:05,870
高畑と向き合うシーンを
描き始めたときのこと。
342
00:54:05,870 --> 00:54:24,088
♬~
343
00:54:24,088 --> 00:54:27,088
≪あ タバコ?
いやいや そうじゃない。
タバコは口にくわえてる。
344
00:55:01,892 --> 00:55:07,892
高畑の死から8か月が過ぎてなお
その影におびえる宮。
345
00:55:16,106 --> 00:55:19,606
閉じ込めてきた 過去があった。
346
00:55:23,614 --> 00:55:27,284
ナウシカがよみがえる エンディング。
347
00:55:27,284 --> 00:55:29,353
テト。
348
00:55:29,353 --> 00:55:33,553
それは 高畑の提案によるものだった。
349
00:55:35,893 --> 00:55:40,731
引っ越しから 冒険が始まるトトロ。
350
00:55:40,731 --> 00:55:43,931
これもまた 始まりは高畑だった。
351
00:56:05,890 --> 00:56:08,692
ともに生きよう。
352
00:56:08,692 --> 00:56:10,692
あの映画も。
353
00:56:12,663 --> 00:56:14,963
好きー!
この映画も。
354
00:56:18,035 --> 00:56:21,535
付きまとう 高畑の影。
355
00:56:30,114 --> 00:56:34,285
作り続ける限り
その支配から逃れられない。
356
00:56:34,285 --> 00:56:36,885
♬ ランランランラン タララララ…
357
00:56:38,622 --> 00:56:41,992
(子どもたち)お誕生日おめでとう!
358
00:56:41,992 --> 00:56:44,295
ありがとうございます。
359
00:56:44,295 --> 00:56:47,031
≪おめでとうございます。 せ~の!
わ~ これ何が入ってんだろ。
360
00:56:47,031 --> 00:56:51,035
♬ ハッピーバースデー トゥー ユー
361
00:56:51,035 --> 00:56:55,035
♬ ハッピーバースデー トゥー ユー
(拍手)
362
00:57:02,212 --> 00:57:05,912
宮は 絵コンテに呑まれていった。
363
00:57:24,802 --> 00:57:27,171
(長)うっ ううっ う…。
364
00:57:27,171 --> 00:57:29,139
長…。
365
00:57:29,139 --> 00:57:32,439
生きることは 誠に苦しくつらい。
366
00:57:36,413 --> 00:57:39,613
(長)世を呪い 人を呪い…。
367
00:57:41,719 --> 00:57:44,488
それでも生きたい。
それでも 生きたい。
368
00:57:44,488 --> 00:57:46,488
作りたい。
369
00:57:58,836 --> 00:58:01,936
高畑の死から1年。
ふはははっ。
370
00:58:04,108 --> 00:58:07,008
絵コンテは完成した。
371
00:58:18,155 --> 00:58:20,155
似てるでしょ?
372
00:58:26,296 --> 00:58:28,896
映画の
クライマックス。
373
00:58:30,567 --> 00:58:33,570
宮は 主人公・眞人として➡
374
00:58:33,570 --> 00:58:37,970
大伯父である高畑を訪ね
再会する。
375
00:58:44,415 --> 00:58:46,415
来たようだね。
376
00:58:49,720 --> 00:58:51,689
眞人といいます。
377
00:58:51,689 --> 00:58:55,526
あなたは塔の主の大伯父様ですか?
378
00:58:55,526 --> 00:58:58,195
おいで。
379
00:58:58,195 --> 00:59:03,295
すると高畑は 宮に
最後の頼みごとをする。
380
00:59:08,205 --> 00:59:10,140
私の世界。
381
00:59:10,140 --> 00:59:16,346
私の力は 全て
この石がもたらしてくれたものだ。
382
00:59:16,346 --> 00:59:21,018
眞人 私の仕事を継いでくれぬか。
383
00:59:21,018 --> 00:59:22,953
僕が?
384
00:59:22,953 --> 00:59:28,258
この世界が 美しい世界になるか
醜い世界になるかは➡
385
00:59:28,258 --> 00:59:30,258
全て君にかかるんだ。
386
00:59:44,174 --> 00:59:48,874
(大伯父)はるかに遠いときと場所を旅して
見つけてきたものたちだ。
387
00:59:50,948 --> 00:59:53,584
全部で13個ある。
388
00:59:53,584 --> 00:59:57,154
3日に1つずつ積みなさい。
389
00:59:57,154 --> 00:59:59,957
君の塔を築くのだ。
390
00:59:59,957 --> 01:00:04,261
悪意から自由な王国を。
391
01:00:04,261 --> 01:00:08,966
豊かで平和な 美しい世界を作りたまえ。
392
01:00:08,966 --> 01:00:17,708
♬~
393
01:00:17,708 --> 01:00:21,411
宮は 拒む。
394
01:00:21,411 --> 01:00:24,648
この傷は自分で付けました。
395
01:00:24,648 --> 01:00:27,048
僕の悪意の印です。
396
01:00:29,186 --> 01:00:31,989
僕は その石には触れません。
397
01:00:31,989 --> 01:00:35,726
夏子母さんと自分の世界に戻ります。
398
01:00:35,726 --> 01:00:41,532
殺し合い 奪い合う
愚かな世界に戻るというのかね。➡
399
01:00:41,532 --> 01:00:44,434
じきに火の海となる世界だ。
400
01:00:44,434 --> 01:00:46,837
友だちを見つけます。
401
01:00:46,837 --> 01:00:49,439
ヒミやキリコさんや
青サギのような。
402
01:00:49,439 --> 01:00:51,508
え?
403
01:00:51,508 --> 01:00:55,179
友だちを作るのもよい。 戻るのもよい。
404
01:00:55,179 --> 01:00:57,781
とにかく この石を積むのだ。
405
01:00:57,781 --> 01:01:00,050
時間がない。
406
01:01:00,050 --> 01:01:03,050
私の塔は もはや支えきれぬ。
407
01:01:12,930 --> 01:01:14,865
なんという裏切りだ!
408
01:01:14,865 --> 01:01:18,365
閣下は こんな石ころに
帝国の運命を預けるおつもりか!
409
01:01:21,638 --> 01:01:23,907
ぐっ…!
410
01:01:23,907 --> 01:01:25,943
うっ… コラ…。
411
01:01:25,943 --> 01:01:28,445
と 止まれ
止まれ 止ま…。
412
01:01:28,445 --> 01:01:30,545
ツエェイ!
413
01:01:38,455 --> 01:01:41,859
あぁっ… くっ…!
(鳴き声)
414
01:01:41,859 --> 01:01:43,794
ヒミ! 眞人!
415
01:01:43,794 --> 01:01:48,232
高畑は 力を失い 崩れ去る。
416
01:01:48,232 --> 01:01:50,232
大伯父様!
417
01:01:58,041 --> 01:02:00,677
ひぃぃっ! うぅっ!
418
01:02:00,677 --> 01:02:03,977
星が割れた! つかまれ!
419
01:02:05,515 --> 01:02:08,085
ひっ おおお重いぃぃ!
420
01:02:08,085 --> 01:02:12,185
高畑の築き上げた世界も 崩壊する。
421
01:02:17,761 --> 01:02:19,830
それは 宮からの。
422
01:02:19,830 --> 01:02:21,999
あっ!
423
01:02:21,999 --> 01:02:24,601
さようなら。
424
01:02:24,601 --> 01:02:27,804
大伯父様 ありがとう。
425
01:02:27,804 --> 01:02:30,104
行こう!
426
01:02:31,675 --> 01:02:37,581
宮は映画の中で 高畑と完全に決別した。
427
01:02:37,581 --> 01:02:45,981
♬~
428
01:02:50,093 --> 01:02:52,193
しかし。
429
01:03:02,205 --> 01:03:06,705
高畑を葬った代償は 少なくなかった。
430
01:03:13,383 --> 01:03:16,153
≪ははっ。
431
01:03:16,153 --> 01:03:19,790
ふふふっ。
(宮)あぁ よくやったねとか言いながら。
432
01:03:19,790 --> 01:03:24,090
宮は 糸が切れたかのようだった。
433
01:03:36,006 --> 01:03:42,406
絵コンテが終われば アニメーターの
描いた絵を徹底的に直すのが 宮の常。
434
01:03:47,918 --> 01:03:51,318
だが 鉛筆が走らない。
435
01:03:57,294 --> 01:03:59,294
≪宮さん 今のは…
436
01:04:01,765 --> 01:04:03,865
ん? う~ん。
437
01:04:08,872 --> 01:04:13,243
高畑の呪縛が解けたことで
宮の魔法もまた➡
438
01:04:13,243 --> 01:04:16,943
消えつつあるのかもしれなかった。
439
01:04:19,049 --> 01:04:23,449
「死は解放だよ」。 宮は言った。
440
01:04:49,046 --> 01:04:51,046
≪絶対ないです それは。
441
01:05:15,072 --> 01:05:17,172
(鈴木)ちょっと俺…
442
01:05:28,085 --> 01:05:33,285
鈴木に そう問われた日。
思いがけないことが起きた。
443
01:05:43,400 --> 01:05:45,500
えぇ?
444
01:05:57,314 --> 01:06:01,651
数日前に行われた「ラッシュ」。
445
01:06:01,651 --> 01:06:04,454
完成したカットを見るはずの場で➡
446
01:06:04,454 --> 01:06:09,254
宮のチェックしていないカットが
上映されたという。
447
01:06:11,094 --> 01:06:13,094
だが。
448
01:06:20,370 --> 01:06:24,470
幻?
(鈴木)うん。 そういうことありますよね。
449
01:06:30,380 --> 01:06:35,680
宮は 映画の中から
戻れずにいるようだった。
450
01:06:39,389 --> 01:06:43,489
はい 分かりました はい。
納得しました。 納得しましょう。
451
01:07:09,386 --> 01:07:11,486
って気がしてるけどね。
452
01:07:26,803 --> 01:07:35,003
(セミの鳴き声)
453
01:08:08,245 --> 01:08:10,845
≪宮さん 車が。
あっ。
454
01:09:02,432 --> 01:09:07,132
一日に
何度も屋上に行くようになっていた。
455
01:09:08,972 --> 01:09:11,772
いや~。 ふふふふ。
456
01:09:35,465 --> 01:09:38,165
は~。 ふぅ。
457
01:09:51,815 --> 01:09:53,815
大丈夫だ。
458
01:09:59,189 --> 01:10:01,189
よいしょ。
459
01:10:10,266 --> 01:10:12,266
あぁ!
460
01:10:33,523 --> 01:10:38,523
鉛筆を手放さなかったのは
高畑が いたから。
461
01:10:47,170 --> 01:10:50,774
高畑が教えてくれた映画。
462
01:10:50,774 --> 01:10:54,274
宮を つなぎとめていた。
463
01:10:58,047 --> 01:11:01,347
≪おはようございます。
今日ちょっとお邪魔します。
464
01:11:15,098 --> 01:11:38,421
♬~
465
01:11:38,421 --> 01:11:45,528
♬「僕が生まれた日の空は」
466
01:11:45,528 --> 01:11:53,636
♬「高く遠く晴れ渡っていた」
467
01:11:53,636 --> 01:12:00,543
♬「行っておいでと背中を撫でる」
468
01:12:00,543 --> 01:12:05,843
♬「声を聞いたあの日」
469
01:12:10,587 --> 01:12:12,522
「押せー!」
470
01:12:12,522 --> 01:12:14,522
「たべな」。
471
01:12:23,833 --> 01:12:25,933
はい。
472
01:12:28,404 --> 01:12:30,807
「ワーーアーーー」。
473
01:12:30,807 --> 01:12:32,742
「ポポポポポ…」。
474
01:12:32,742 --> 01:12:35,712
「わしらは ワラワラを喰う」。
475
01:12:35,712 --> 01:12:38,948
「眞人 さよなら」。
476
01:12:38,948 --> 01:12:41,618
ちょっとリラックスして。
すいません。
477
01:12:41,618 --> 01:12:44,821
≪すごいもう肩肘が。
はい すいません。
478
01:12:44,821 --> 01:12:46,821
「母さん!」
479
01:12:56,533 --> 01:12:59,933
「マヒト 助けて! マヒト!」
480
01:13:05,141 --> 01:13:07,143
(菅田)あ 全然それは大丈夫です。
481
01:13:07,143 --> 01:13:09,143
マヒト!
482
01:13:19,289 --> 01:13:22,191
よろしくお願いします。
483
01:13:22,191 --> 01:13:24,991
「眞人がセキセイインコになっちまった」。
484
01:13:30,400 --> 01:13:33,169
「おのれ バケモノー!」
485
01:13:33,169 --> 01:13:35,169
(笑い声)
すばらしい。
486
01:13:41,744 --> 01:13:44,147
≪(笑い声)
487
01:13:44,147 --> 01:13:46,182
(鈴木)何を言いだすかと。
(木村)いや ほんとに。
488
01:13:46,182 --> 01:13:48,182
(鈴木)まあまあ 確かにね。
489
01:13:51,754 --> 01:13:54,691
(木村)アハハッ 入んないですよ。
490
01:13:54,691 --> 01:13:56,693
「君たちはどう生きるかの」。
491
01:13:56,693 --> 01:13:59,329
≪(笑い声)
かの!?
492
01:13:59,329 --> 01:14:05,134
♬「雨を受け歌い出す 人目も構わず」
493
01:14:05,134 --> 01:14:11,307
♬「この道が続くのは 続けと願ったから」
494
01:14:11,307 --> 01:14:18,507
♬「また出会う夢を見る いつまでも」
495
01:14:20,516 --> 01:14:22,516
もう…
496
01:14:28,825 --> 01:14:30,825
自分にとって。
497
01:14:35,498 --> 01:14:37,834
はい もしもし。
498
01:14:37,834 --> 01:14:40,336
はいはい。
499
01:14:40,336 --> 01:14:43,973
いいすよ 全然いいすよ。
500
01:14:43,973 --> 01:14:46,273
そうですか。
501
01:14:55,952 --> 01:14:59,352
はい。 いえいえ とんでもないで~す。
502
01:15:14,103 --> 01:15:16,103
アハハハハッ。
503
01:15:18,941 --> 01:15:21,941
アハハハハッ。
≪本田さん
そう思ってらっしゃるんですね。
504
01:15:27,483 --> 01:15:29,483
≪アハハッ。
505
01:15:36,959 --> 01:15:45,159
♬~
506
01:15:49,172 --> 01:15:51,172
あ~。
507
01:15:56,345 --> 01:15:58,345
ああ やんなきゃいけない。
508
01:16:14,363 --> 01:16:17,863
高畑に 再び会う。
509
01:16:19,569 --> 01:16:22,472
大伯父の アフレコ。
510
01:16:22,472 --> 01:16:26,976
「眞人~」って 悲痛な声で
叫んでいただきたいんですよね。
511
01:16:26,976 --> 01:16:28,911
「時間が無い」。
512
01:16:28,911 --> 01:16:34,784
執着したのは 高畑最後のセリフだった。
513
01:16:34,784 --> 01:16:38,287
「眞人 時の回廊へ行け。➡
514
01:16:38,287 --> 01:16:41,287
自分の時代に戻れ」。
「大伯父様!」
515
01:16:45,628 --> 01:16:48,228
「自分の時代に戻れ」。
「大伯父様!」
516
01:16:50,967 --> 01:16:52,902
「自分の時代に戻れ」。
517
01:16:52,902 --> 01:16:54,937
「自分の時代に戻れ」。
518
01:16:54,937 --> 01:16:57,073
「自分の時代に戻れ!」
519
01:16:57,073 --> 01:16:59,473
「自分の時代に戻れ!」
「大伯父様!」
520
01:17:06,749 --> 01:17:08,849
バイバーイ。
じゃあ7時半ね。
521
01:17:25,468 --> 01:17:30,268
(鉛筆の音)
522
01:17:32,809 --> 01:17:35,678
あ~ クソ。 面白くない。
523
01:17:35,678 --> 01:17:37,678
は~。
524
01:17:47,356 --> 01:17:49,356
≪え?
525
01:17:53,729 --> 01:17:56,029
冗談じゃないよ 全く。
526
01:17:57,600 --> 01:18:00,600
♬ チャカチャン
チャカチャカ チャカチャーン
40781