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(歓声と拍手) お~ すごい! 72 00:08:47,988 --> 00:08:52,888 映画完成の頃には 80歳をこえる。 73 00:09:11,044 --> 00:09:13,044 あ~。 74 00:09:15,348 --> 00:09:19,686 そこで鈴木は 恐ろしい手に出た。 75 00:09:19,686 --> 00:09:22,986 宮に 刺客を差し向けたのだ。 76 00:09:39,372 --> 00:09:45,172 庵野秀明率いる スタジオカラーの 天才アニメーター 本田 雄。 77 00:09:46,980 --> 00:09:50,780 鈴木が庵野に直談判し 引き抜いた。 78 00:09:55,489 --> 00:09:57,489 はぁ…。 79 00:09:59,493 --> 00:10:03,693 本田の登場が 宮を追い詰めていく。 80 00:10:07,834 --> 00:10:10,334 ≪いやいや 今の宮さんを。 81 00:10:16,276 --> 00:10:18,276 ≪ハハハハッ。 82 00:10:35,529 --> 00:10:39,029 つらい渡世は 続いた。 83 00:10:41,268 --> 00:10:43,737 (音声)「ただいま警備中です」。 (電子音) 84 00:10:43,737 --> 00:10:45,737 (音声)「警備を解除します」。 85 00:10:50,277 --> 00:10:54,677 「パクさん」こと 高畑 勲が亡くなった。 86 00:10:57,450 --> 00:11:02,656 ジブリを共に立ち上げ 競い合うように映画を作り続けてきた➡ 87 00:11:02,656 --> 00:11:06,256 宮にとって無二の存在。 88 00:11:10,263 --> 00:11:12,265 人間を追い出せ! 89 00:11:12,265 --> 00:11:19,306 「人間と自然」という難しいテーマを エンターテインメントに昇華させた… 90 00:11:19,306 --> 00:11:22,075 ヨォーッ! 91 00:11:22,075 --> 00:11:24,811 私は今度の旅行に➡ 92 00:11:24,811 --> 00:11:28,911 小学校5年生の私を連れてくるつもりは なかった。 93 00:11:31,284 --> 00:11:34,921 ニューヨーク近代美術館の永久収蔵品に➡ 94 00:11:34,921 --> 00:11:38,221 ジブリで初めて選ばれた… 95 00:11:42,095 --> 00:11:44,531 お母ちゃんのおべべあかん! 96 00:11:44,531 --> 00:11:49,531 宮が ただひとり畏れた 映画監督だった。 97 00:12:08,622 --> 00:12:15,222 高畑の存命中 カメラの前では 決して口にしなかった 高畑批判。 98 00:12:34,648 --> 00:12:37,450 ≪すごい雪ですね 高畑さん 今日。 そうですね。 99 00:12:37,450 --> 00:12:41,950 かつて 高畑を取材したことがあった。 100 00:12:54,000 --> 00:12:56,100 ≪すいません はい。 101 00:12:58,338 --> 00:13:04,144 宮が畏れたわけは すぐ分かった。 102 00:13:04,144 --> 00:13:08,744 凄まじいまでの 理想を具現化する力。 103 00:13:15,855 --> 00:13:21,995 映画製作が遅れに遅れ 公開が危ぶまれる異常事態に陥っても➡ 104 00:13:21,995 --> 00:13:25,095 たじろぎもしなかった。 105 00:13:58,565 --> 00:14:03,336 妥協 迎合 一切なし。 106 00:14:03,336 --> 00:14:09,936 間に合わせるためならば 何をもいとわぬ宮とは まるで違った。 107 00:14:27,827 --> 00:14:30,530 ≪最後間に合わせる イコール質を落とすってことには➡ 108 00:14:30,530 --> 00:14:32,830 直接にはつながらないとは思いますけど。 109 00:14:40,073 --> 00:14:42,008 (ドアが閉まる音) 110 00:14:42,008 --> 00:14:45,208 (風の音) 111 00:15:19,746 --> 00:15:22,046 主人公の あのタヌキ 正吉。 112 00:15:24,384 --> 00:15:26,684 で 権太って出てくるでしょ。 113 00:15:46,506 --> 00:15:49,809 来ないね。 ≪来ないですね。 114 00:15:49,809 --> 00:15:51,809 あ 来た。 115 00:16:20,140 --> 00:16:22,240 アハハハハッ。 116 00:16:29,382 --> 00:16:34,182 高畑は 全てを教えてくれた人だった。 117 00:17:52,498 --> 00:17:55,401 ≪その映画作りの しかたって。 118 00:17:55,401 --> 00:17:57,501 ≪全くですか? 119 00:18:01,507 --> 00:18:03,507 ≪ああ。 120 00:18:07,146 --> 00:18:10,146 と 言っていたものの。 121 00:18:38,244 --> 00:18:40,344 ほんとに。 122 00:19:02,302 --> 00:19:05,204 高畑の死を受け入れられず➡ 123 00:19:05,204 --> 00:19:09,204 通夜がひとつき以上 連日繰り返された。 124 00:19:34,967 --> 00:19:37,167 ≪あ 止まってるんですか。 125 00:20:02,061 --> 00:20:04,961 (雷鳴) 126 00:20:23,349 --> 00:20:27,149 それから まもなくのことだった。 127 00:20:30,990 --> 00:20:32,990 うん。 128 00:20:39,098 --> 00:20:42,101 (雷鳴) 129 00:20:42,101 --> 00:20:45,872 高畑は 死んではいなかった。 130 00:20:45,872 --> 00:20:50,109 主人公に立ちはだかる男 「大伯父」として➡ 131 00:20:50,109 --> 00:20:53,009 映画の中に現れた。 132 00:21:22,642 --> 00:21:25,211 ≪はい。 133 00:21:25,211 --> 00:21:27,211 ≪はい。 134 00:21:30,116 --> 00:21:33,116 困ったわ この辺のはずなんだけど…。 135 00:21:46,532 --> 00:21:50,832 ごめんください! ≪はーい。 今手が離せないの。 136 00:21:53,005 --> 00:21:55,005 ≪上がってきてくれる? 137 00:21:57,643 --> 00:22:03,343 夏休み。 山小屋で絵コンテを書くという 宮を訪ねた。 138 00:22:24,537 --> 00:22:26,937 ≪はい すいません お邪魔します。 139 00:22:30,476 --> 00:22:32,576 ≪失礼します。 140 00:22:36,215 --> 00:22:41,115 いくつもの映画の絵コンテが この部屋から生まれた。 141 00:22:53,966 --> 00:22:58,166 だが 高畑のことは 書けずにいるようだった。 142 00:23:00,072 --> 00:23:04,310 こういう帆は 斜め前の風を こう受けると➡ 143 00:23:04,310 --> 00:23:07,210 これで斜め前に行けるんですよ。 144 00:23:33,906 --> 00:23:38,306 連れていかれたのは 不思議な場所だった。 145 00:23:53,259 --> 00:23:56,959 現実と映画が 交錯していく。 146 00:23:58,664 --> 00:24:02,868 (雷鳴) 147 00:24:02,868 --> 00:24:06,739 高畑を 探していた。 148 00:24:06,739 --> 00:24:09,039 (雷鳴と雨音) 149 00:24:12,645 --> 00:24:14,645 ああ そうですか。 150 00:24:19,285 --> 00:24:31,731 (雷鳴) 151 00:24:31,731 --> 00:24:35,334 「高畑は雷神になった」と宮は言った。 152 00:24:35,334 --> 00:24:37,269 (雷鳴) 153 00:24:37,269 --> 00:24:39,739 そして こうも言った。 154 00:24:39,739 --> 00:24:44,577 「もう 映画を作らなくて済む」。 155 00:24:44,577 --> 00:24:52,377 (雷鳴) 156 00:25:07,833 --> 00:25:15,141 (雨音) 157 00:25:15,141 --> 00:25:18,441 (雷鳴) 158 00:26:30,983 --> 00:26:33,252 高畑さんと出会う前。 159 00:26:33,252 --> 00:26:37,052 宮さんは まるで別人だった。 160 00:26:40,993 --> 00:26:44,430 新作の主人公・眞人のように➡ 161 00:26:44,430 --> 00:26:49,130 影があり 死の匂いをぷんぷんさせた少年。 162 00:26:51,170 --> 00:26:54,807 母が 不治の病に侵されていた。 163 00:26:54,807 --> 00:26:57,209 いらっしゃい。 164 00:26:57,209 --> 00:26:59,812 メイの髪の毛 サツキが結ってあげてるの? 165 00:26:59,812 --> 00:27:01,747 うん。 166 00:27:01,747 --> 00:27:05,217 母に心配をかけまいと振る舞う サツキの姿は➡ 167 00:27:05,217 --> 00:27:08,817 少年時代の宮さんだという。 168 00:27:28,440 --> 00:27:31,343 変えたのは 高畑さんだった。 169 00:27:31,343 --> 00:27:33,712 (雷鳴) 170 00:27:33,712 --> 00:27:38,112 東映動画の 5つ年上の先輩監督。 171 00:27:40,820 --> 00:27:46,225 ♬~ 172 00:27:46,225 --> 00:27:50,696 高畑さんは むちゃな要求を 次々繰り出してきた。 173 00:27:50,696 --> 00:27:52,631 ウゥッ! 174 00:27:52,631 --> 00:27:56,435 駆け出しのアニメーターだった 宮さんは➡ 175 00:27:56,435 --> 00:27:58,938 それに食らいつくたび 変わっていった。 176 00:27:58,938 --> 00:28:00,873 エイッ! 177 00:28:00,873 --> 00:28:03,073 ヒロイン ヒルダ。 178 00:28:06,779 --> 00:28:09,079 怒られた。 179 00:28:21,193 --> 00:28:25,593 敬愛の情が募りに募り ついには。 180 00:28:48,721 --> 00:28:53,692 ♬~ 181 00:28:53,692 --> 00:28:57,396 宮さんが 全カットを設計。 182 00:28:57,396 --> 00:29:01,267 文字どおり 高畑さんの手足となった作品は➡ 183 00:29:01,267 --> 00:29:05,967 平均視聴率20%を超える お化けアニメーションとなった。 184 00:29:07,840 --> 00:29:09,775 でも。 185 00:29:09,775 --> 00:29:14,713 ♬~ 186 00:29:14,713 --> 00:29:19,051 行き過ぎた片思いは ふたりの関係を軋ませていく。 187 00:29:19,051 --> 00:29:21,851 お母さん お母さん! あっ! マルコ! 188 00:29:35,968 --> 00:29:40,172 アイデアを出しても 受け入れてくれない高畑さんに➡ 189 00:29:40,172 --> 00:29:42,372 憎しみが湧いた。 190 00:29:50,416 --> 00:29:52,885 ターーーッ! 191 00:29:52,885 --> 00:29:56,288 高畑さんと別れ 自分も監督になった。 192 00:29:56,288 --> 00:29:58,223 エイッ! 193 00:29:58,223 --> 00:30:01,160 宮さん自ら超人的に書き続け➡ 194 00:30:01,160 --> 00:30:05,130 高畑さんとできなかったことを 描きまくった。 195 00:30:05,130 --> 00:30:07,530 ラナー! 死ぬなーっ! 196 00:30:10,402 --> 00:30:16,402 けれど 8話で早々に力尽き 絵コンテが書けなくなった。 197 00:30:21,113 --> 00:30:24,717 そのとき助けにきてくれたのは➡ 198 00:30:24,717 --> 00:30:26,719 高畑さんだった。 199 00:30:26,719 --> 00:30:30,255 コナンのやつ 助かったんだ! (ラナ)地震だわ! 200 00:30:30,255 --> 00:30:35,094 高畑さんの書いた絵コンテによって 作品の世界が広がり➡ 201 00:30:35,094 --> 00:30:37,894 「傑作」と言われた。 おじいさん! 202 00:30:45,537 --> 00:30:52,311 ♬~ 203 00:30:52,311 --> 00:30:56,849 再び 高畑さんのもとに戻った。 204 00:30:56,849 --> 00:30:58,849 でも。 205 00:31:01,020 --> 00:31:04,490 高畑さんはこのとき 宮さんではなく➡ 206 00:31:04,490 --> 00:31:08,490 近藤喜文さんに 信頼を置くようになっていた。 207 00:31:26,512 --> 00:31:29,012 そこへ現れたのが…。 208 00:31:39,658 --> 00:31:43,095 その漫画が サギのような話ながら➡ 209 00:31:43,095 --> 00:31:46,295 とんとん拍子で映画化されることに。 210 00:31:47,933 --> 00:31:50,033 そのとき宮さんは… 211 00:31:52,337 --> 00:31:54,437 …と言った。 212 00:31:58,844 --> 00:32:00,844 (鈴木)それで いきなり… 213 00:32:07,553 --> 00:32:09,553 それでさ いきなり… 214 00:32:20,732 --> 00:32:23,332 「何も返してもらってない」って。 215 00:32:36,215 --> 00:32:38,815 それでバーッ!なのよ ハハハッ。 216 00:32:52,164 --> 00:32:58,070 高畑さんへの復讐が 宮さんの人生を変えた。 217 00:32:58,070 --> 00:33:00,205 よかった。 218 00:33:00,205 --> 00:33:03,405 けれど 高畑さんは手厳しかった。 219 00:33:06,011 --> 00:33:08,111 「ナウシカは 30点」。 220 00:33:44,716 --> 00:33:46,685 むしろ。 221 00:33:46,685 --> 00:33:49,785 (拍手) 222 00:33:52,291 --> 00:33:55,294 花が見えないね ちょっと。 ≪(笑い声) 223 00:33:55,294 --> 00:33:58,096 ♬ ババンババンバン バンババン 224 00:33:58,096 --> 00:34:02,267 ♬ いつも同じ走りで どこまで 225 00:34:02,267 --> 00:34:06,967 高畑さんに褒めてもらいたくて 作り続けた映画。 226 00:34:09,474 --> 00:34:11,476 パクさん。 227 00:34:11,476 --> 00:34:13,478 パクさん。 228 00:34:13,478 --> 00:34:17,216 奇妙な 共通項がある。 229 00:34:17,216 --> 00:34:19,818 40秒で支度しな。 230 00:34:19,818 --> 00:34:24,957 必ずと言っていいほど 旅立ちのシーンから始まるのだ。 231 00:34:24,957 --> 00:34:29,795 ♬~ 232 00:34:29,795 --> 00:34:31,795 お乗り コロ! 233 00:34:33,665 --> 00:34:38,065 高畑さんと初めて一緒に作った 映画のように。 234 00:34:41,206 --> 00:34:44,306 ずっと 片思い。 235 00:34:46,912 --> 00:34:48,914 はっきり終わったんだ。 236 00:34:48,914 --> 00:34:51,914 あの引退騒動もしかり。 237 00:35:03,061 --> 00:35:08,461 引退撤回。 そこへと駆り立てたのは高畑さんだった。 238 00:35:10,469 --> 00:35:12,469 ハハハッ。 239 00:35:39,097 --> 00:35:42,634 高畑さんを 超えるために。 240 00:35:42,634 --> 00:35:46,334 宮さんは再び 旅に出る。 241 00:35:48,507 --> 00:35:52,007 主人公・眞人として。 242 00:35:54,313 --> 00:35:58,213 行く手には ジブリのような 塔。 243 00:36:03,855 --> 00:36:07,355 そこに 高畑さんはいる。 244 00:36:10,162 --> 00:36:13,031 でも ひとりは怖い。 245 00:36:13,031 --> 00:36:15,767 あ コーヒーをいただけますか。 コーヒーもらいます。 246 00:36:15,767 --> 00:36:18,767 だから 鈴木さんを道連れに。 247 00:36:21,473 --> 00:36:25,473 先に逝った仲間たちに 見守られながら。 248 00:36:34,920 --> 00:36:40,492 それは 高畑さんに導かれるように この世界に分け入り➡ 249 00:36:40,492 --> 00:36:46,231 弱さを脱ぎ捨てていった 宮さんの人生そのもの。 250 00:36:46,231 --> 00:36:48,834 宮さんは言った。 251 00:36:48,834 --> 00:36:52,934 「これが 最後の旅になる」。 252 00:36:57,609 --> 00:37:00,312 映画を作り始めて2年余り。 253 00:37:00,312 --> 00:37:03,048 感じるよ 俺だって。 254 00:37:03,048 --> 00:37:07,886 宮の引退で 一度は火が消えかけたスタジオに➡ 255 00:37:07,886 --> 00:37:11,286 かつての活気が戻りつつあった。 256 00:37:18,263 --> 00:37:22,134 しかし 高畑と向き合うのが よほど怖いのか➡ 257 00:37:22,134 --> 00:37:26,934 絵コンテは進めども 大伯父が一向に出てこない。 258 00:37:29,474 --> 00:37:31,474 ≪宮さん。 ん? 259 00:37:40,118 --> 00:37:46,892 それどころか 高畑には似ても似つかない 悪意に満ちたキャラクター像。 260 00:37:46,892 --> 00:37:48,992 いわく… 261 00:37:53,064 --> 00:37:57,302 (雷鳴) 262 00:37:57,302 --> 00:37:59,237 ≪ご夕食のお時間は…。 263 00:37:59,237 --> 00:38:04,042 高畑を書けないまま 恒例の社員旅行に出た。 264 00:38:04,042 --> 00:38:07,042 いただきます。 (一同)いただきま~す! 265 00:38:10,348 --> 00:38:12,284 ≪おお~! 266 00:38:12,284 --> 00:38:15,484 (歓声や笑い声) 267 00:38:21,059 --> 00:38:24,496 (笑い声) 268 00:38:24,496 --> 00:38:26,596 ≪はい ゲームセット! 269 00:38:28,800 --> 00:38:31,503 よ~いしょ。 はぁ…。 270 00:38:31,503 --> 00:38:41,503 (話し声や笑い声) 271 00:39:08,106 --> 00:39:10,206 いや 僕は あの… 272 00:39:13,445 --> 00:39:19,317 こんなとき 傍らにはいつも 高畑がいた。 273 00:39:19,317 --> 00:39:26,217 ♬ 事件の起きたときなのさ 274 00:39:30,862 --> 00:39:32,862 はい。 275 00:39:40,071 --> 00:39:42,974 よいしょ。 276 00:39:42,974 --> 00:39:45,277 まあ…。 277 00:39:45,277 --> 00:39:48,077 ちょっと 何で… 278 00:40:00,759 --> 00:40:03,261 ふへへっ。 279 00:40:03,261 --> 00:40:13,738 ♬~ 280 00:40:13,738 --> 00:40:15,738 まあ… 281 00:40:27,218 --> 00:40:42,734 ♬~ 282 00:40:42,734 --> 00:40:48,334 (マルコ)気が付いたら 海面すれすれを 俺だけひとりで飛んでいた。 283 00:40:51,242 --> 00:40:53,842 神様が まだ来るなって言ったのね。 284 00:40:56,014 --> 00:41:00,414 俺には 「お前はずっとそうして ひとりで 飛んでいろ」って言われた気がしたがね。 285 00:41:11,296 --> 00:41:15,496 旅先から 戻った後のことだった。 286 00:41:26,745 --> 00:41:28,745 ≪なかったと思いますけど。 287 00:41:30,615 --> 00:41:34,715 社員旅行で 不可解な事件が起きていた。 288 00:41:39,324 --> 00:41:41,259 はい。 289 00:41:41,259 --> 00:41:43,762 飲み部屋を出て。 290 00:41:43,762 --> 00:41:47,862 宮の部屋に行った際には 見当たらなかったものが…。 291 00:41:50,368 --> 00:41:53,668 翌朝起きると あったという。 292 00:42:19,297 --> 00:42:21,297 ≪困りますね。 293 00:42:28,006 --> 00:42:34,006 ある領域に足を踏み入れようとするときの 予兆と思われた。 294 00:42:39,150 --> 00:42:43,755 創作に没頭し その世界に入り込もうとするとき➡ 295 00:42:43,755 --> 00:42:48,155 宮は 記憶を突然失うことがあるという。 296 00:43:45,984 --> 00:43:47,984 う~ん。 297 00:43:51,723 --> 00:43:55,023 高畑の もとへ。 298 00:44:01,399 --> 00:44:04,769 会いに 行く。 299 00:44:04,769 --> 00:44:47,769 ♬~ 300 00:45:51,042 --> 00:45:52,977 あ~ 燃えてる。 301 00:45:52,977 --> 00:45:54,977 餅が燃えてる。 302 00:46:38,990 --> 00:46:41,390 ♬ チャンチャンチャン… 303 00:46:47,131 --> 00:46:49,231 しかし。 304 00:46:52,937 --> 00:46:54,937 ≪ふっ はははっ。 305 00:47:00,278 --> 00:47:03,648 ≪うふふふっ。 306 00:47:03,648 --> 00:47:06,384 ≪はははっ。 307 00:47:06,384 --> 00:47:08,584 ≪ふははっ。 308 00:47:16,761 --> 00:47:18,861 ≪絵コンテは宮さん… 309 00:47:24,135 --> 00:47:29,035 高畑に会えないまま 時間だけが過ぎていった。 310 00:47:44,922 --> 00:47:47,258 ≪どうも ありがとうございました。 311 00:47:47,258 --> 00:47:49,358 いやいや… ハハハッ。 312 00:47:55,633 --> 00:47:57,633 ≪これ すごいですね。 (宮)うん。 313 00:48:00,405 --> 00:48:05,505 宮を畏れてか 妙なものが設けられた。 314 00:48:19,357 --> 00:48:21,357 ≪こっち側から見ると… 315 00:48:50,121 --> 00:48:53,157 (電子音) (音声)「キーを操作して下さい」。 316 00:48:53,157 --> 00:48:55,457 (電子音) (音声)「ただいま解除中です」。 317 00:49:29,594 --> 00:49:32,594 (咆哮) 318 00:49:41,772 --> 00:49:43,872 (鈴木)まさにさ… 319 00:50:20,478 --> 00:50:22,678 (笑い声) 320 00:50:32,823 --> 00:50:38,123 このころ 映画冒頭のカットが ようやく上がり始めた。 321 00:50:40,631 --> 00:50:44,531 感情を内に秘めた これまでにない主人公。 322 00:50:50,041 --> 00:50:54,341 本田によって 宮アニメは一新された。 323 00:51:20,404 --> 00:51:22,340 はい。 324 00:51:22,340 --> 00:51:24,340 はい。 325 00:51:29,847 --> 00:51:31,847 はい。 326 00:51:34,418 --> 00:51:36,418 違いますからね。 はい。 327 00:51:44,161 --> 00:51:46,261 (鈴木)はい。 へっ…。 328 00:51:50,434 --> 00:51:52,734 (鈴木)はい よろしくお願いします。 はははっ。 329 00:52:06,284 --> 00:52:11,584 居場所はもう 映画の中にしか なくなりつつあった。 330 00:52:14,792 --> 00:52:17,592 (マルコ)行くな! 俺がかわりに行く! 331 00:52:26,203 --> 00:52:28,403 当たり前だよね。 332 00:52:30,641 --> 00:52:34,341 ♬ むすんで ひらいて 333 00:52:47,758 --> 00:52:51,358 高畑のいる世界へ。 334 00:52:53,698 --> 00:52:58,698 宮はもう 映画の中の人だった。 335 00:53:02,740 --> 00:53:06,340 死を やけに語る。 336 00:53:22,193 --> 00:53:24,628 ≪宮さん 最近お話ししてて…。 337 00:53:24,628 --> 00:53:26,628 うん。 338 00:53:38,976 --> 00:53:41,476 (呼び出し音) 339 00:53:43,814 --> 00:53:46,814 そして 大みそか。 340 00:53:48,552 --> 00:53:51,552 見てはいけない ものを見た。 341 00:54:00,064 --> 00:54:05,870 高畑と向き合うシーンを 描き始めたときのこと。 342 00:54:05,870 --> 00:54:24,088 ♬~ 343 00:54:24,088 --> 00:54:27,088 ≪あ タバコ? いやいや そうじゃない。 タバコは口にくわえてる。 344 00:55:01,892 --> 00:55:07,892 高畑の死から8か月が過ぎてなお その影におびえる宮。 345 00:55:16,106 --> 00:55:19,606 閉じ込めてきた 過去があった。 346 00:55:23,614 --> 00:55:27,284 ナウシカがよみがえる エンディング。 347 00:55:27,284 --> 00:55:29,353 テト。 348 00:55:29,353 --> 00:55:33,553 それは 高畑の提案によるものだった。 349 00:55:35,893 --> 00:55:40,731 引っ越しから 冒険が始まるトトロ。 350 00:55:40,731 --> 00:55:43,931 これもまた 始まりは高畑だった。 351 00:56:05,890 --> 00:56:08,692 ともに生きよう。 352 00:56:08,692 --> 00:56:10,692 あの映画も。 353 00:56:12,663 --> 00:56:14,963 好きー! この映画も。 354 00:56:18,035 --> 00:56:21,535 付きまとう 高畑の影。 355 00:56:30,114 --> 00:56:34,285 作り続ける限り その支配から逃れられない。 356 00:56:34,285 --> 00:56:36,885 ♬ ランランランラン タララララ… 357 00:56:38,622 --> 00:56:41,992 (子どもたち)お誕生日おめでとう! 358 00:56:41,992 --> 00:56:44,295 ありがとうございます。 359 00:56:44,295 --> 00:56:47,031 ≪おめでとうございます。 せ~の! わ~ これ何が入ってんだろ。 360 00:56:47,031 --> 00:56:51,035 ♬ ハッピーバースデー トゥー ユー 361 00:56:51,035 --> 00:56:55,035 ♬ ハッピーバースデー トゥー ユー (拍手) 362 00:57:02,212 --> 00:57:05,912 宮は 絵コンテに呑まれていった。 363 00:57:24,802 --> 00:57:27,171 (長)うっ ううっ う…。 364 00:57:27,171 --> 00:57:29,139 長…。 365 00:57:29,139 --> 00:57:32,439 生きることは 誠に苦しくつらい。 366 00:57:36,413 --> 00:57:39,613 (長)世を呪い 人を呪い…。 367 00:57:41,719 --> 00:57:44,488 それでも生きたい。 それでも 生きたい。 368 00:57:44,488 --> 00:57:46,488 作りたい。 369 00:57:58,836 --> 00:58:01,936 高畑の死から1年。 ふはははっ。 370 00:58:04,108 --> 00:58:07,008 絵コンテは完成した。 371 00:58:18,155 --> 00:58:20,155 似てるでしょ? 372 00:58:26,296 --> 00:58:28,896 映画の クライマックス。 373 00:58:30,567 --> 00:58:33,570 宮は 主人公・眞人として➡ 374 00:58:33,570 --> 00:58:37,970 大伯父である高畑を訪ね 再会する。 375 00:58:44,415 --> 00:58:46,415 来たようだね。 376 00:58:49,720 --> 00:58:51,689 眞人といいます。 377 00:58:51,689 --> 00:58:55,526 あなたは塔の主の大伯父様ですか? 378 00:58:55,526 --> 00:58:58,195 おいで。 379 00:58:58,195 --> 00:59:03,295 すると高畑は 宮に 最後の頼みごとをする。 380 00:59:08,205 --> 00:59:10,140 私の世界。 381 00:59:10,140 --> 00:59:16,346 私の力は 全て この石がもたらしてくれたものだ。 382 00:59:16,346 --> 00:59:21,018 眞人 私の仕事を継いでくれぬか。 383 00:59:21,018 --> 00:59:22,953 僕が? 384 00:59:22,953 --> 00:59:28,258 この世界が 美しい世界になるか 醜い世界になるかは➡ 385 00:59:28,258 --> 00:59:30,258 全て君にかかるんだ。 386 00:59:44,174 --> 00:59:48,874 (大伯父)はるかに遠いときと場所を旅して 見つけてきたものたちだ。 387 00:59:50,948 --> 00:59:53,584 全部で13個ある。 388 00:59:53,584 --> 00:59:57,154 3日に1つずつ積みなさい。 389 00:59:57,154 --> 00:59:59,957 君の塔を築くのだ。 390 00:59:59,957 --> 01:00:04,261 悪意から自由な王国を。 391 01:00:04,261 --> 01:00:08,966 豊かで平和な 美しい世界を作りたまえ。 392 01:00:08,966 --> 01:00:17,708 ♬~ 393 01:00:17,708 --> 01:00:21,411 宮は 拒む。 394 01:00:21,411 --> 01:00:24,648 この傷は自分で付けました。 395 01:00:24,648 --> 01:00:27,048 僕の悪意の印です。 396 01:00:29,186 --> 01:00:31,989 僕は その石には触れません。 397 01:00:31,989 --> 01:00:35,726 夏子母さんと自分の世界に戻ります。 398 01:00:35,726 --> 01:00:41,532 殺し合い 奪い合う 愚かな世界に戻るというのかね。➡ 399 01:00:41,532 --> 01:00:44,434 じきに火の海となる世界だ。 400 01:00:44,434 --> 01:00:46,837 友だちを見つけます。 401 01:00:46,837 --> 01:00:49,439 ヒミやキリコさんや 青サギのような。 402 01:00:49,439 --> 01:00:51,508 え? 403 01:00:51,508 --> 01:00:55,179 友だちを作るのもよい。 戻るのもよい。 404 01:00:55,179 --> 01:00:57,781 とにかく この石を積むのだ。 405 01:00:57,781 --> 01:01:00,050 時間がない。 406 01:01:00,050 --> 01:01:03,050 私の塔は もはや支えきれぬ。 407 01:01:12,930 --> 01:01:14,865 なんという裏切りだ! 408 01:01:14,865 --> 01:01:18,365 閣下は こんな石ころに 帝国の運命を預けるおつもりか! 409 01:01:21,638 --> 01:01:23,907 ぐっ…! 410 01:01:23,907 --> 01:01:25,943 うっ… コラ…。 411 01:01:25,943 --> 01:01:28,445 と 止まれ 止まれ 止ま…。 412 01:01:28,445 --> 01:01:30,545 ツエェイ! 413 01:01:38,455 --> 01:01:41,859 あぁっ… くっ…! (鳴き声) 414 01:01:41,859 --> 01:01:43,794 ヒミ! 眞人! 415 01:01:43,794 --> 01:01:48,232 高畑は 力を失い 崩れ去る。 416 01:01:48,232 --> 01:01:50,232 大伯父様! 417 01:01:58,041 --> 01:02:00,677 ひぃぃっ! うぅっ! 418 01:02:00,677 --> 01:02:03,977 星が割れた! つかまれ! 419 01:02:05,515 --> 01:02:08,085 ひっ おおお重いぃぃ! 420 01:02:08,085 --> 01:02:12,185 高畑の築き上げた世界も 崩壊する。 421 01:02:17,761 --> 01:02:19,830 それは 宮からの。 422 01:02:19,830 --> 01:02:21,999 あっ! 423 01:02:21,999 --> 01:02:24,601 さようなら。 424 01:02:24,601 --> 01:02:27,804 大伯父様 ありがとう。 425 01:02:27,804 --> 01:02:30,104 行こう! 426 01:02:31,675 --> 01:02:37,581 宮は映画の中で 高畑と完全に決別した。 427 01:02:37,581 --> 01:02:45,981 ♬~ 428 01:02:50,093 --> 01:02:52,193 しかし。 429 01:03:02,205 --> 01:03:06,705 高畑を葬った代償は 少なくなかった。 430 01:03:13,383 --> 01:03:16,153 ≪ははっ。 431 01:03:16,153 --> 01:03:19,790 ふふふっ。 (宮)あぁ よくやったねとか言いながら。 432 01:03:19,790 --> 01:03:24,090 宮は 糸が切れたかのようだった。 433 01:03:36,006 --> 01:03:42,406 絵コンテが終われば アニメーターの 描いた絵を徹底的に直すのが 宮の常。 434 01:03:47,918 --> 01:03:51,318 だが 鉛筆が走らない。 435 01:03:57,294 --> 01:03:59,294 ≪宮さん 今のは… 436 01:04:01,765 --> 01:04:03,865 ん? う~ん。 437 01:04:08,872 --> 01:04:13,243 高畑の呪縛が解けたことで 宮の魔法もまた➡ 438 01:04:13,243 --> 01:04:16,943 消えつつあるのかもしれなかった。 439 01:04:19,049 --> 01:04:23,449 「死は解放だよ」。 宮は言った。 440 01:04:49,046 --> 01:04:51,046 ≪絶対ないです それは。 441 01:05:15,072 --> 01:05:17,172 (鈴木)ちょっと俺… 442 01:05:28,085 --> 01:05:33,285 鈴木に そう問われた日。 思いがけないことが起きた。 443 01:05:43,400 --> 01:05:45,500 えぇ? 444 01:05:57,314 --> 01:06:01,651 数日前に行われた「ラッシュ」。 445 01:06:01,651 --> 01:06:04,454 完成したカットを見るはずの場で➡ 446 01:06:04,454 --> 01:06:09,254 宮のチェックしていないカットが 上映されたという。 447 01:06:11,094 --> 01:06:13,094 だが。 448 01:06:20,370 --> 01:06:24,470 幻? (鈴木)うん。 そういうことありますよね。 449 01:06:30,380 --> 01:06:35,680 宮は 映画の中から 戻れずにいるようだった。 450 01:06:39,389 --> 01:06:43,489 はい 分かりました はい。 納得しました。 納得しましょう。 451 01:07:09,386 --> 01:07:11,486 って気がしてるけどね。 452 01:07:26,803 --> 01:07:35,003 (セミの鳴き声) 453 01:08:08,245 --> 01:08:10,845 ≪宮さん 車が。 あっ。 454 01:09:02,432 --> 01:09:07,132 一日に 何度も屋上に行くようになっていた。 455 01:09:08,972 --> 01:09:11,772 いや~。 ふふふふ。 456 01:09:35,465 --> 01:09:38,165 は~。 ふぅ。 457 01:09:51,815 --> 01:09:53,815 大丈夫だ。 458 01:09:59,189 --> 01:10:01,189 よいしょ。 459 01:10:10,266 --> 01:10:12,266 あぁ! 460 01:10:33,523 --> 01:10:38,523 鉛筆を手放さなかったのは 高畑が いたから。 461 01:10:47,170 --> 01:10:50,774 高畑が教えてくれた映画。 462 01:10:50,774 --> 01:10:54,274 宮を つなぎとめていた。 463 01:10:58,047 --> 01:11:01,347 ≪おはようございます。 今日ちょっとお邪魔します。 464 01:11:15,098 --> 01:11:38,421 ♬~ 465 01:11:38,421 --> 01:11:45,528 ♬「僕が生まれた日の空は」 466 01:11:45,528 --> 01:11:53,636 ♬「高く遠く晴れ渡っていた」 467 01:11:53,636 --> 01:12:00,543 ♬「行っておいでと背中を撫でる」 468 01:12:00,543 --> 01:12:05,843 ♬「声を聞いたあの日」 469 01:12:10,587 --> 01:12:12,522 「押せー!」 470 01:12:12,522 --> 01:12:14,522 「たべな」。 471 01:12:23,833 --> 01:12:25,933 はい。 472 01:12:28,404 --> 01:12:30,807 「ワーーアーーー」。 473 01:12:30,807 --> 01:12:32,742 「ポポポポポ…」。 474 01:12:32,742 --> 01:12:35,712 「わしらは ワラワラを喰う」。 475 01:12:35,712 --> 01:12:38,948 「眞人 さよなら」。 476 01:12:38,948 --> 01:12:41,618 ちょっとリラックスして。 すいません。 477 01:12:41,618 --> 01:12:44,821 ≪すごいもう肩肘が。 はい すいません。 478 01:12:44,821 --> 01:12:46,821 「母さん!」 479 01:12:56,533 --> 01:12:59,933 「マヒト 助けて! マヒト!」 480 01:13:05,141 --> 01:13:07,143 (菅田)あ 全然それは大丈夫です。 481 01:13:07,143 --> 01:13:09,143 マヒト! 482 01:13:19,289 --> 01:13:22,191 よろしくお願いします。 483 01:13:22,191 --> 01:13:24,991 「眞人がセキセイインコになっちまった」。 484 01:13:30,400 --> 01:13:33,169 「おのれ バケモノー!」 485 01:13:33,169 --> 01:13:35,169 (笑い声) すばらしい。 486 01:13:41,744 --> 01:13:44,147 ≪(笑い声) 487 01:13:44,147 --> 01:13:46,182 (鈴木)何を言いだすかと。 (木村)いや ほんとに。 488 01:13:46,182 --> 01:13:48,182 (鈴木)まあまあ 確かにね。 489 01:13:51,754 --> 01:13:54,691 (木村)アハハッ 入んないですよ。 490 01:13:54,691 --> 01:13:56,693 「君たちはどう生きるかの」。 491 01:13:56,693 --> 01:13:59,329 ≪(笑い声) かの!? 492 01:13:59,329 --> 01:14:05,134 ♬「雨を受け歌い出す 人目も構わず」 493 01:14:05,134 --> 01:14:11,307 ♬「この道が続くのは 続けと願ったから」 494 01:14:11,307 --> 01:14:18,507 ♬「また出会う夢を見る いつまでも」 495 01:14:20,516 --> 01:14:22,516 もう… 496 01:14:28,825 --> 01:14:30,825 自分にとって。 497 01:14:35,498 --> 01:14:37,834 はい もしもし。 498 01:14:37,834 --> 01:14:40,336 はいはい。 499 01:14:40,336 --> 01:14:43,973 いいすよ 全然いいすよ。 500 01:14:43,973 --> 01:14:46,273 そうですか。 501 01:14:55,952 --> 01:14:59,352 はい。 いえいえ とんでもないで~す。 502 01:15:14,103 --> 01:15:16,103 アハハハハッ。 503 01:15:18,941 --> 01:15:21,941 アハハハハッ。 ≪本田さん そう思ってらっしゃるんですね。 504 01:15:27,483 --> 01:15:29,483 ≪アハハッ。 505 01:15:36,959 --> 01:15:45,159 ♬~ 506 01:15:49,172 --> 01:15:51,172 あ~。 507 01:15:56,345 --> 01:15:58,345 ああ やんなきゃいけない。 508 01:16:14,363 --> 01:16:17,863 高畑に 再び会う。 509 01:16:19,569 --> 01:16:22,472 大伯父の アフレコ。 510 01:16:22,472 --> 01:16:26,976 「眞人~」って 悲痛な声で 叫んでいただきたいんですよね。 511 01:16:26,976 --> 01:16:28,911 「時間が無い」。 512 01:16:28,911 --> 01:16:34,784 執着したのは 高畑最後のセリフだった。 513 01:16:34,784 --> 01:16:38,287 「眞人 時の回廊へ行け。➡ 514 01:16:38,287 --> 01:16:41,287 自分の時代に戻れ」。 「大伯父様!」 515 01:16:45,628 --> 01:16:48,228 「自分の時代に戻れ」。 「大伯父様!」 516 01:16:50,967 --> 01:16:52,902 「自分の時代に戻れ」。 517 01:16:52,902 --> 01:16:54,937 「自分の時代に戻れ」。 518 01:16:54,937 --> 01:16:57,073 「自分の時代に戻れ!」 519 01:16:57,073 --> 01:16:59,473 「自分の時代に戻れ!」 「大伯父様!」 520 01:17:06,749 --> 01:17:08,849 バイバーイ。 じゃあ7時半ね。 521 01:17:25,468 --> 01:17:30,268 (鉛筆の音) 522 01:17:32,809 --> 01:17:35,678 あ~ クソ。 面白くない。 523 01:17:35,678 --> 01:17:37,678 は~。 524 01:17:47,356 --> 01:17:49,356 ≪え? 525 01:17:53,729 --> 01:17:56,029 冗談じゃないよ 全く。 526 01:17:57,600 --> 01:18:00,600 ♬ チャカチャン チャカチャカ チャカチャーン 40781

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