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♬~
♬~
♬~
(早苗)
(真治)大丈夫か!?
熱は?
頭 痛い?
コンペ 今日だったんだよね。
うん。
そうか…。
さっき 部長から 留守電 入ってて➡
後輩が なんとかしてくれたって…。
ねえ…。
私 どうなってる?
早苗 大潟村に行こう。
え。 おふくろから 電話があったんだ。
先週 親父が倒れたらしい。 心配かけたくなくて連絡しなかったって。
そうなの…。
大潟村に帰ろう。
そこで 早苗は休もう。
♬~
この櫓 俺が小さい頃 親父がつくってくれたんだ。
へぇ~。 親父と おふくろが 農作業してるのを いつもここから見てた。
はぁ~! 広い…。
この木は 入植するとき じいさんが 北海道から持ってきたんだ。
くるみの木。 入植?
この村は 1960年代につくられたんだ。 だから じいさんが一代目。
そうなの。 ここは 昔 湖だったんだ。
え?
埋め立てたってこと?
干拓。 干拓?
水を全部 外に出したってこと。
すごい…。
この村は 本当は湖の底なんだよ。
♬~
(目覚まし時計の音)
おはようございます。 (亜矢子)早苗ちゃん おはよう。
(和子)おはよう。 よく眠れたか?
はい。 だ。 父さんの でっけえ。
それしかねえんだ。 ああ 真治 田んぼの水 見に行くよ。 ああ うん。
早苗ちゃんは まんず おばあちゃんと 一緒に 家のこと お願いね。
あっ はい。 行ってきます!
いってらっしゃい。 (和子)はい。 いってらっしゃい。
(ラジオ)「なんと このバンド 大潟村で 50年以上も活動を続けているそうでして➡
村では ちょっとした 有名なバンドなんだそうです。➡
では ここで1曲 お聴きください。 ハチロウボーイズで『A列車で行こう』」。
♬~(「A列車で行こう」)
♬~
早苗ちゃんは 生まれた時から ずっと東京?
はい。 じゃあ 生っ粋の東京っ子だな。
う~ん 親が2人とも九州の出身なので➡
東京が ふるさとって感じじゃ ないんですけど。
じゃあ ここが ふるさとになるといいな。
え? 私と お父さんは 北海道から 来たけど 今では ここが ふるさと。
ねぇ お父さん。
♬~
行ってきます。
♬~
♬~(カセットテープの再生音)
(女性)いってらっしゃい。 行ってきます。
♬~
こんたふうに。 やってみっか。
♬~
ふ~ん。 うん。
フフフフッ。
いただきます。
うん。 おいしい! うめえな。
♬~
うん。 あまっ。 おいしい! おばあちゃん 塩 要る?
ううん。 おばあちゃん 要らねえな。
ねえ 寝ないで。
洗濯したいから。
ああ。 ありがとう。
うん。 じゃ これ。 これ 洗濯したいの。 ああ もう これ やる。 うん。
♬~
≪(亜矢子)おお! 早苗ちゃん。
お弁当 持ってきました。 ああ ありがとう。
お父さん。 ああ 違った。
真治。 親父じゃねえよ。 真治 ごはん。
よいしょ。 早く食べよ。 うん。
(達彦)ああ。 久しぶりの我が家。 フフッ。
あっ。 ああ なんも なんも なんも。 大丈夫だ。
人の手は 絶対 借りねえって きかねえんだ。
(達彦)さあ もうすぐ 稲刈りだぞ! いやいや その体じゃ 無理でしょ。
(達彦)やかましい。 真治 おめえに稲刈りできるんだが?
はいはい。 (達彦)よいしょ。 よいしょ。
ねえ 真治。 最近 私 元気になってきた気がしない?
うん。
やっぱり 人間 暗くなったら 寝て➡
明るくなったら 起きるのが 一番なんだよね。
うん。
ねえ 真治。 ん?
子ども つくらない。 え 何 突然?
ここで しっかり根を下ろそうかなって…。 ああ。
駄目かな?
う~ん。 そうだね。
何見てるの? ああ。
先輩が独立して ウェブメディアの会社 つくったんだよ。 そのサイト。
ふ~ん。 見る?
ううん。
ああ 疲れた。 おやすみ。
≪(トロンボーンの音 「A列車で行こう」のメロディー)
≪(達彦)なっ。 抜いとくか?➡
まだ 田んぼの水 抜いてねえって バカでねえか!
田んぼ ぬかるべや。 こんなんで コンバイン 入れられるわけねえべや!
(亜矢子)ああ 早苗ちゃん。 お弁当 持ってきました。
(亜矢子)ありがとう。
♬~
(草刈り機のエンジン音)
♬~
え? 東京? うん。
帰るって どういう意味?
だから もう一回 東京に引っ越すのは どうかな…。
え どういうこと? お父さんに怒られたから?
♬~
やっぱり 編集の仕事に戻ろうかなと 思って。
でも…。
先輩が うちで働かないかって。
え? リモートでも いけるんだけど➡
やっぱり 東京で 取材とか 打ち合わせとかあるし。
やるからにはさ。
勝手なこと言わないでよ。
勝手なこと? 勝手でしょ。
早苗。 何。
俺は 早苗が そのほうがいいと思って こっちに来たんだよ。
早苗は もう元気になったんでしょ。
真治が自分で決めたんでしょ。
自分で実家を継ごうって。
それは 早苗が疲れてたから。
なに それ。
俺だって 自分の意志で来たよ。
でも… やっぱり違うなって思ったんだよ。
違うなって…。 私は どうなるの?
一緒に戻る。
え いやだ。
もう いい。
≪(達彦)どこさ行ったんだ! ああ?
(亜矢子)もう一回 かけてみる。
どうかしたんですか? ああ 早苗ちゃん 真治 知らねえか? 車がなくて。
≪(達彦)やあ 早苗ちゃん なんか 聞いてねえか?
東京って あのバカけが。 来週から稲刈りだぞ!
(亜矢子)ああ ごちゃごちゃ言ってねえで。 ほら 田んぼさ 行くよ!
ごちゃごちゃなんて言ってねえべや。 置いてくか。
待て待て。 行く行く行く。
すみません…。
早苗ちゃんが謝ることでないよ。
どんな時でも 心穏やかに。
いつもどおり。
♬~
(留守電)ただいま 電話に出ることができません。➡
メッセージをお入れください。
♬~
≪(達彦)稲刈り なんとするんだ!
≪(亜矢子)自分でやるって言ってたべ。
(達彦)なして こんな時に! だから わからねえって!
あの子の事情があるんだべえ。 おめえがな 甘やかすから調子に乗ら…。
すいません。 お弁当 持ってきました。 (亜矢子)ああ。 (達彦)ああ。
早苗ちゃん 何か気づかなかったか?➡
なあ。 真治出て行く気配とか わからねかったんだか!
何 バカなこと言ってんの! バカなことでねえべや。 2人は夫婦だぞ。
わかるべや。 すいません…。
(亜矢子)早苗ちゃん 謝ることでねえ。 コンバインは私が乗るから。 文句ねえべ!
もう ええや。 俺が乗るわ。
何 乗れねえって。
乗れねえべ。 やめとけって!
ほら! ≪(達彦)いいから。
(亜矢子)いいから やめろって。
(車の止まる音)
(祐也)どうした?
あれ? えっと~。
すいません。 ああ あれだ 橋田の。
え。 真治だろ? おめえも大変だな。
真治 稲刈り ほっぽり出して 東京さ 行ったんだべ。
なんで そんなこと知ってるんですか?
この村の噂の速度は 5Gだからな。 ヘヘヘッ。
(車のドアをたたく音) ちょっと つきあってよ。
え?
おいで。
≪(「A列車で行こう」のメロディー)
ほれ。
(楽器の音)
入れ入れ。 ちょっと! お疲れさん。
(源二郎)祐也! 遅いべ。 わりい。
ああ これ うちのじいちゃん。 よう!
ああ。 ≪(仁)その子は なんとした。
見学。 (拓三)見学! (誠)まさが!
(実可子)どうぞ! どうぞ! いや 私は…。
座ってれ。 (仁)よし じゃあ 練習始めるべ。➡
今日から クリスマス会の練習だ。 (源二郎)へば 1曲目から やるべ。
(一同)よし! ワン ツー スリー フォー!
♬~(「北酒場」)
♬~
(拍手)
やっぱり オープニングは「北酒場」だべ。
(一同)んだんだ。 (拓三)何ができるの?
え? 入団希望だべ。 違います。
(仁)でも これ… これなら できるべ。 いや…。
(源二郎)ああ いがった いがった。 鈴が いねがったんだ。
(実可子)んだ。 鈴がいないと クリスマスが始まらねえべ。 な。
しゃんしゃんしゃん しゃんしゃんしゃん。 な。
は? せ~の!
(源二郎)あれ? (仁)あら。
こうこう こうだべ。 しゃんしゃんしゃん しゃんしゃんしゃん。
はい。 (源二郎)いくべ。
(拓三) ワン ツー ワンツースリーフォー!
♬~(「ジングルベル」)
♬~
♬~
≪(実可子)お疲れさまで~す! (一同)乾杯!
ギョーザ…。 ああ…。 今日は ありがとな。
あの… 名前?
橋田です。 (拓三)ああ。 あんた 橋田さんの。
で 下の名前は? 早苗です。
さなえちゃんか。 どういう字 書くんだ?
早いに苗で 早苗です。 お~ いい名前だな。➡
この村に ぴったりだべ。 俺は 八木 源二郎だ。
こいつは 孫の祐也。 はい。 (仁)橋田っていえば 三郎のところか?
三郎。 あっ おじいちゃん。
和子さんは元気だか? はい。 おばあちゃんは元気です。
俺たちは 三郎と同じ 入植仲間だや。 なあ。
(源二郎)ああ。 この村は 俺たちがつくったんだ。
(拓三)バカけえ。 つくったのは国だべ。
(仁)つくった つくったってな もともと ここさ なんも なかったみたいに➡
言うんでねえ。 知ってるか?➡
この村はよ 八郎潟っつう 琵琶湖の次に でっけえ湖だったんだや。
ワカサギ ゴリ フナ エビ シラウオ…。
(源二郎)また始まったなや。 (仁)恵みの湖なんて言われてらった。
俺の親父はよ 八郎潟で漁をしてたんだ。
ほれ 見れ。 当然 漁師たちは 干拓には反対だ。
だども 国の決定を覆すことは できねがった。
で おめえは農家になったんだべ。
(仁)そりゃあ 日本中が注目する 一大事業だや。➡
俺は なんとしてでも 新しくできる村さ 入植するべと思ってた。
で 源二郎たちに出会ったんだ。
ほいで ハチロウボーイズを 結成したんだ。➡
今じゃ 二代目の実可子や誠 三代目の祐也も入って➡
ハハハッ いつまで続ける気だか? (笑い声)
≪拓三さん ビール。
♬~(「風よ とどけよ ふるさとへ」)
♬~
(実可子)よっ! (拍手)
早苗ちゃんは東京から来たんだよね。
ああ はい。 結婚して…。
噂は聞いてますよね。 ごめん。 知ってる。
うう…。
私ね 25年前に結婚して 村 離れたんだけど➡
去年 離婚して戻ってきたんだよ。
一瞬 噂になったけど➡
稲刈りが終わる頃には み~んな 忘れてたわ。➡
お~い! 酔っ払い! 帰るぞ~! ああ はい。
♬~
大丈夫。 大丈夫 大丈夫。 大丈夫だって。
(拓三)では 早苗ちゃん また来週。 え?
(誠)へば 水曜日 夜7時な。 え? (仁)ついに 鈴担当が見つかった!
しゃんしゃんしゃん! (仁 実可子 誠)しゃんしゃんしゃん!
♬~
源二郎さんの家は 三代で農業やってるんですか?
いや 祐也の両親は 村の外さ 住んでる。
こいつが 突然 継ぎてえって 戻ってきたんだよ。
うちは 俺の代で 終わりだと 思ったんだけどなぁ。
バンドにも参加してえって言いだして。
変わったやつだよ。 へぇ~!
ここにいれば 安泰だからな。 田んぼも でけえし。
まったく おめえはよ。
早苗ちゃんは 米作り手伝ってんのか? いえ。 私は家事をしてます。
そうか。 家事も 大事な仕事だ。 だども 農業もいいぞ。
いえ 私には とても…。 そうかな。
農業は いいよ。 冬の間は 好きなことできるしな。
おめえは釣りばっかりしてるべ。 アハハハッ。
ちょっとは うちの発展のために 勉強でもしたら どうだ。
俺のテーマは 現状維持なの。
俺 意識低い系だから。 ハハハッ。
何 言ってんだが。 現状維持が どんだけ大変な時代か➡
じいちゃん わかってねえんだ。 なぁ。 え? あっ はい。
アハハハッ。
こっちだから。 はい。 じゃあ またな。
また おやすみなさい。 (2人)おやすみ~。
(楽器の音)
≪(誠)早苗さん。 おお 待ってた 待ってた。
ああ もう ある。
♬~
早苗ちゃん。 ああ 仁さん。
これ 俺が作ったやつ。 ああ。 ホントだ。
食べてみて。 なぁ。
いいから いいから いいから。
♬~
こんにちは。 ああ こんちは。 よう。
こんにちは~。 早苗ちゃん サボりに来たんだべ。
ああ バレました?
♬~
(誠)親父が ほら 動けねえからよ。
そこ ケンカしないで仲よくやれって。 (誠)だって 飲んでばっかで…。
♬~
≪(和子)何か いいことあったべ?
実は 友達ができたんです。
そうか。
おばあちゃんと同じ時に 入植してきたって言ってました。
うん? 誰だべ?
源二郎さんと ハチロウボーイズの 皆さんです。
そうか。 でも 随分 年の離れた友達だなや。
実は 私 ハチロウボーイズに 参加することになったんです。
うん?
そうか。
でも 源二郎とは 久しく会ってねえなあ。
何か あったんですか。
これはね 訓練所の写真。 訓練所?
私たちはね 日本中から集まって 1年間 米作りの勉強をすることから始まったの。
へぇ~!
これが おじいちゃん。
こっちが 源二郎さん。 うはぁ~ 若い!
フフフッ。 このころは よかった。
どういうことですか。
このあと すぐに 減反政策が始まったんだや。
減反? フン… 減反。
わかんないべ? すいません。
戦争の終わったあと 米が足りないからって➡
国は この村をつくったんだ。
でも すぐに 米が余りだしたんで 今度は 田んぼを畑に変えろって。
それが減反。
余分に育てると 収穫前に むりやり 刈り取らされたりして。
へぇ~!
うちらは ふるさとを離れ 借金までして この土地を買ったのによ。
おじいちゃんは。
おじいちゃんは真面目な人だった。
国の方針には従うって。
でも そんなの おかしいって 源二郎は 米だけを作り続けた。
で いっとき うちのじいちゃんとは 対立してたんだ。
そうだったんですか。
どっちが正しいなんてことは ないんだけどね。
おじいちゃんは ハチロウボーイズの演奏は 聴かねえってもんで 私も聴かなくなった。
♬~
≪ふ~ん。
♬~
(源二郎)そうか。 和子さんから聞いたか。
全然 知りませんでした。 まあ 昔の話だや。
バンドのメンバーは 大丈夫だったんですか。
みんな 源二郎さんと同じ? いやいや みんな バラバラよ。
そうなんですか。 でも バンドはバンドだ。
♬~
音楽なんて 米作りの役には な~んも立たんが➡
でも 役に立たねえから よかったんだな。
これが 農業だけのつながりだったら 今頃 大変なことになってたと思うよ。
そうかあ。
みんなが ここが湖だったことだけは 絶対に忘れちゃいけねえって➡
思ってたんだよ。
その土地をもらって 俺たちは 農業をやってたんだって。
だから 簡単に 村を諦めたりしちゃいけねえって。
だったら 俺も 国の命令に 従うべきだったかもしれねえけど…。
矛盾だらけだよ。
≪(達彦)ふざけるな!
≪(達彦)おめえにはな…➡
おめえには 責任っていう言葉はねえのか! ああ!
(亜矢子)やめて! やめて。 ああ。 (達彦)あっ 痛。
(亜矢子)わりい。
≪(和子)早苗ちゃん。
(雨の音)
ごめん。
黙って 出て行っちゃって。
うん。
私も 真治のこと わかってなかった。
こっち帰ってきたら それなりに やりがい持って 農業できるかも…➡
なんて思ってた。
早苗が元気になったのは うれしかったし こっちに来れて よかったなって。
うん…。
でも どっかで まだ未練があった。
自分のやりたいことが だんだん わかってきた。
で… それは ここじゃできない。
早苗が前の生活に戻りたくないのは わかってる。
ついてきてとは言わない。
早苗を もう苦しめたくない。
♬~
もう 苦しいよ。
♬~
ごめん。
♬~
別れるってこと?
♬~
そうは言ってないけど。
じゃあ…。
でも 俺…➡
そのほうが お互いのために いいのかなとも思う…。
♬~
(発車ベル)
♬~
≪(トロンボーンの音)
♬~(トロンボーン)
♬~
真治 帰ってきたの。
噂が はやい。 フフフフフフッ。
また 東京 行っちゃった。
そうか。
離婚したら ここ出てかなくちゃ。
ちょっと 時間ある?
はい。 持って持って。
何 これ。
ここって。 残存湖。
ああ。
俺の場所。
よいしょ。
あっ。 ありがとう。
俺さ 4年前まで 仙台で サラリーマンやってたんだよね。
そうなの。 うん。
でも あるとき 思ったのね。
ああ 俺 大潟村 行きたいって。
本能?
ああ…。 うん。
で? それだけ。
何 それ。 フフフフッ。
どこにいるとかって 別に 理由とか いらないんだよ。
ただ そこにいたら 仲間もできるし いる意味は出てくる。
ただ 体が向かうほうに 行けばいいんじゃねえの。
理由なんて あとでつくれる。
それ いいの?
俺 適当だから。
ハハハッ。
おっ! よっしゃ よっしゃ~!
あっ。 これ持って。 これこれ。
ほれ。 これに。 これに入れて これに入れて。
よいしょ。 おお! こんなか 入れて。
そうそう そうそう。 いくよ。
これこれこれ。 これ。 そうそうそう。 よし! フナ。
はい。 よいしょ。
そっか。
う~ん でも そうだよね。 ん?
私たちが この地球に生まれた理由なんて 別にないもんね。
でかく 考えすぎじゃね。
あっ。 (2人の笑い声)
笑った。 笑ってない。 笑ってるじゃん。
そっか。
それで いいんだ。
♬~
どうした。
♬~
≪(亜矢子)今日 私 コンバインさ 乗るから。
≪(達彦)待て待て。 おめえが乗るとな がたがたになるんだ。
≪(亜矢子)おめえは 自分で 乗り降りもできねえけ。
≪(達彦)はい。
あの…。 何? 早苗ちゃん。
私も コンバイン乗ってみたいです。
♬~
(達彦)無理すんな。 な。 替わるど。
私が替わるべ。
♬~
早苗ちゃん 大丈夫! 落ち着いて!
♬~
[ 回想 ] ここは 昔 湖だったんだ。
♬~
海…。 ≪(達彦)なした?
海です!
♬~
急に ごめん。
いや…。
これ… 書いてきた…。
私ね コンバインに乗ったの。
え。
1日かけて 1枚刈れなかった。
そうか。
でも 超面白かった。
うん。
あとね 最近 バンドに入ったんだ。 バンド?
ハチロウボーイズ。 え… なんで?
楽器とか できたっけ。 鈴担当。
鈴か。 すごいよ。 なんと1曲しか演奏しません!
1曲って。
真治。
何。
私ね 真治と別れたら…➡
ここにいられないって思ってた。
でもね 大事なのは 自分が どうしたいかなんだよね。
私は今 大潟村で暮らしたい。
真治は 東京で編集の仕事がしたい。
うん。
それは大事にしよう。
で 私たちは これから どうする?
え…。 ホントの気持ち 教えて。
本当は…➡
一緒にいたい。
うん。
私も そうしたい。
離れてても 一緒にいれるかな?
う~ん… でも 離れてても 一緒って思えたら うれしいな。
そうか。
そうだね。 うん。
ありがとう。 え。
ここに連れてきてくれて。
♬~
フフフッ。 フフフフッ。
♬~
(達彦)今日中に 全部刈らねば 台風 来るど。➡
できるか。
やれます。 (達彦)よし! ああ ここは 気合い入れるど。
(亜矢子)はい。 うん。 よいしょ。
おい。 手。 手。 はい。
こわ~い…。 橋田家…。
ファイ! (3人)お~!
♬~
ああ これにて 今年の稲刈り 終了!
(拍手)
終わったど~! 終わったど~!
(4人)いただきます!
(和子)今日は 早苗ちゃんが収穫した お米だよ。
え! (和子)食べて食べて。
≪(亜矢子) どう? 自分で収穫したお米は?
おいしいです! ≪(達彦)おお うんだか。➡
だどもな 俺が収穫したほうが もっと うめえど。
バカ!
う~ん。 父さんが収穫したのより うめえわな。
≪(達彦)また。
あの。 ≪(亜矢子)どうした?
ありがとうございました!
なした。
稲刈りやらせてもらえて うれしかったです。
な~んも 早苗ちゃんは よくやってくれた。
うん んだんだ。 だのに ほんとに あいつは。
お母さん お父さん おばあちゃん。
来年は 田植えから参加させてください。
≪(亜矢子)早苗ちゃん。
私 もうちょっと 真治と頑張ります。
♬~
よし へば 来年も頑張るど!
はい。 ≪(達彦)まあ 田植えの前に いろいろ➡
やることが いっぱいあるけどな。 すいません。 ちゃんと勉強します!
(亜矢子)そしたら 今度 トラクターで田おこしするべ。
怖そう。 大丈夫 大丈夫! コンバイン あれだけ 乗れたんだからや。
≪(亜矢子)んだんだ。 ≪(達彦)ばあちゃんにも見せたかった。➡
早苗ちゃん コンバインで まっすぐ。 タタタタタッ。➡
まあ たまげた。 ≪(亜矢子)んだんだ。
(太鼓の音)
(和子)早苗ちゃん。 おばあちゃん。
頑張って。
和子さん。 はい。
あっ。 ありがとう。 久しぶりに聴かせてもらいます。
感動して 泣いてしまうど。
アハハハッ。 だね。 アハハハッ。
いただいたど。 (一同)ありがとうございます!
(司会者)大潟村 百姓踊りの皆さん ありがとうございました。
次は ハチロウボーイズの登場です!
いえ~い!
(拍手)
(拓三)ワン ツー ワンツースリーフォー!
♬~(「北酒場」)
♬~
♬~(「A列車で行こう」)
♬~
♬~(「ジングルベル」)
♬~
≪(達彦)早苗ちゃん。
はい いい調子 いい調子。 ハハッ。
♬~
(拍手)
え~ うちの早苗です。
♬~
♬~
よし。
♬~
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