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（妹尾槙雄せのお まきお）何してたん？

（高木美枝子たかぎ みえこ）走ってた

元気やな

あんな

（美枝子）うん

俺 永慈えいじとつきあうことにしたわ

そうか

（槙雄）うん

（福長ふくなが永慈・槙雄）おはよう

（美枝子）おはよう

（永慈）２人とも早いな

（美枝子）聞いたで

（槙雄）昨日 激しかったなあ

（美枝子）え？
（永慈）は？

いや してへん してへん

何もしてへんやろ

（美枝子）どっちでもええわ

（永慈）美枝ちゃん

いろいろ ありがとうな

これからも ３人 仲良くやろうな

（美枝子）うん

何やねん フフッ

（物音）

帰ってきたわ

（槙雄）誰？

親

（福長洋介ようすけ・福長令奈）よいしょ

（福長安寧あんな）おかえり

（洋介）おお

いやあ もう
白浜しらはま 大雨で帰ってきちゃったよ

釣りするはずだったのに

（永慈）あ… バイト仲間の
美枝子とマッキー

（令奈）あっ はじめまして

（美枝子）よろしくお願いします
（槙雄）よろしく

よろしく　永慈の父の洋介でーす

（安寧）ねえ 恥ずい
（令奈）もう

（槙雄）おもろい おっちゃんやなあ
（洋介）よーし

（美枝子）そやな
（洋介）みんな お土産 配るから集合

（槙雄）えっ もらえるん？
（安寧）いえーい

（洋介）はいはい　これ
有田ありだミカンジャム トロトロ

（槙雄）ええの？
（洋介）うん　南州…

なっ 梅に…
ほら カツオ節でしょ

ほら せっかくだから温泉

（槙雄）温泉？

（洋介）
ほら 白浜の温泉 和歌山で…

（槙雄）和歌山なん？
（安寧）渋いやん

（洋介）これ ちょっと
みんなで食べようよ

（安寧）食べよ 食べよ
（洋介）ユズなんだよ

（槙雄）えっ そうなん？
（洋介）開けて

（安寧）朝イチ 違くない？
（洋介）え？

あ… じゃあ じゃあ じゃあ
よし よし よし よし

（洋介）食べる 食べる
（安寧）ごはん 食べたい

（洋介）えっ ちょっと これ
た… 試してみようよ

おいしそうなんだよ
うん まずはな

（美枝子）永ちゃん はよして
（永慈）待って

（永慈）待って
（安寧）はい いけた

（永慈）もうすぐできる
（美枝子）キツい

（永慈）はい はい
はい はい はい できた はい

（安寧）わあ
（知佐ちさ）わあ お酒だあ

（令奈）まだでしょ？
（安寧）フフフッ

（安寧）いける
（令奈）もう

（槙雄）…ってか おっちゃんの帽子
むっちゃカッコええなあ

（洋介）おっ さすが槙雄君

（槙雄）
それ カウボーイとかのやつやろ？

（洋介）えっ？　そうだよ

（槙雄）アハハハハッ

こんなん 日本で
マジにかぶってる人 初めて見たわ

（洋介）うん　アメリカにいた時ね
親友から もらったんだよ

（槙雄）へえ すご

（洋介）うん
いや まだ学生だったんだけど

あの時は よく
バーベキューしたんだよ

（槙雄）へえ そうなんや
（洋介）おう

（槙雄）永慈も手際よかったで

（洋介）えっ バーベキュー？
（槙雄）うん

（槙雄）琵琶びわ湖でな
（洋介）うん

永慈と美枝子と３人で遊んでん

うん 楽しかったで

（洋介）へえ

（美枝子）ちゃうなあ
（永慈）ひもや ひも

（美枝子）ああ これか
（永慈）うん

（美枝子）えー… こっち？
（永慈）かな？

（美枝子）うん
（永慈）ほんまや

（美枝子）はい　そして…
（永慈）おっ おっ おっ

（槙雄）よし でけた

（美枝子）いや 半焼けちゃう？
（洋介）おお

（美枝子）大丈夫か？

（安寧）フフフッ かわいい
（知佐）フフフッ

（安寧）フフフッ ウフフフッ

ちょっと得意げ

（美枝子たちの笑い声）

（安寧）かわいい フフッ
（永慈）よし 俺も手伝おうかな

（槙雄）えっ ほんまに？
やってくれるん？

（永慈）おお ええ感じやん これ
（安寧）仲良し

（美枝子）なあ 永ちゃんって
どうするつもりなんかな

（安寧）カミングアウト的な？

（美枝子）うん

（安寧）
自分のタイミングで言うって

うちの親なら
絶対 大丈夫だと思うんだけどね

（知佐）確かに
（安寧）うん

（安寧）フフフフッ フフフフッ
（知佐）フフッ

（知佐）でも 私 勘違いしてたよ

（知佐）美枝子 マッキーのこと好きって
（美枝子）ああ

（安寧）そうじゃないから
３人 バランス 取れてんじゃない？

（知佐）うん

でも 寂しくないの？

（美枝子）
うーん… まあ 寂しくはないかな

うん

あー 楽しかったな
肉もうまかったし　なっ

そやな

（槙雄）なあ
（美枝子）うん

おっちゃん おもろい帽子
かぶっとったな カウボーイの

ほんまやな

（美枝子）あれ カウボーイだったん？
（槙雄）そやで

（美枝子）へえ

（槙雄）変なやつやったな あの帽子
（美枝子）いや でも―

永ちゃんと 永ちゃんのお父さんって
何か やっぱ 雰囲気 似とったな

（槙雄）そやな
（美枝子）うん

永慈にも かぶせてみたいわ
あの帽子

カウボーイハット？

絶対 似合うやろ

いやあ どうやろなあ

永慈と美枝子ちゃんって
仲いいよね

（永慈）ああ まあ
マッキーと３人でよく…

パパ お似合いだと思うんだけど
そういう予感とかないの？

ウフフフフフフフフフフッ

（安寧）何？　パパ ウザい

（安寧）早く寝れば？
（洋介）いや 大丈夫 大丈夫

…で？　あっ

ちなみに安寧の彼氏とか
言わないでね

（洋介）聞きたくないから
（安寧）キモ

（令奈）もう　フフッ

…で 実際のとこ どうなの？

いやあ まあ

ほら やっぱり何かあるじゃん
教えてよ

（安寧）パパ
永慈 つきあってる人いるから

（令奈）
えっ いるの？　ママも興味あるな

（永慈）いや…

ちょっ… ちょっと
まだ つきあいたてなんで

そっか そっか そっか
ハハハハッ

じゃあ そのうち
その子 うち 呼びなよ

パパ 歓迎するから

（洋介）ねっ ママ
（令奈）うん

（洋介）うん アハハハッ

そっか そっか そっか そっか
うん うん

今はいい うん うん うん　うん

いつでも
ウエルカムだからね うん

（安寧）
紹介したくないよね パパに

何？

（安寧）恥ずかしいもん
私だって嫌だもん 絶対

（洋介）いや 安寧はいいよ
（令奈・永慈）ハハハッ

（洋介）言わなくていい
（安寧）なんで？

（店員）お待たせしました

ラーメンの２辛と
はい ４辛ですね

（２人）ありがとうございます
（店員）よく混ぜて お召し上がりください

（榊さかきみちる）はい
（美枝子）はーい

急がな 混ぜるの

（美枝子）ああ そやな

（男性客）ごちそうさまです

（店員）ありがとうございまーす

何回やったっけ？　20回

よいしょ

（２人）いただきます

（みちる）熱い

（美枝子）うん

うん

おいしいな

（みちる）おいしい
（美枝子）うん

なあ 榊

（みちる）ん？

マッキーのこと まだ好き？

（みちる）うーん…

何か もうええかなって

（美枝子）え？

（みちる）だって…

妹尾君 うちに全然
興味 持ってくれなそうなんやもん

（美枝子のせき込み）

自分の幸せ 一番に考えるなら
女の子は やっぱ―

好きになってくれた人と
一緒にいるんが―

正解やって思うんよね

そうなんかな？

（みちる）うん
（店員）お待たせしました

（店員）ライスですね
（みちる）はい

でな

（美枝子）うん

この前 Ｃ組の伊地知いじち君に
告られてん

何や ずっと前から
うちのこと 好きやったみたいで

（美枝子）
えっ それ どうすんの？

うん　つきあってみようと
思ってんねん

（美枝子）そうなんや

（２人のはしゃぎ声）

（永慈）ハハッ
（槙雄）ヤバい ハハッ

（永慈）ハハッ あっ
（槙雄）いえーい

（永慈）あっ
（槙雄）ああっ

あっ ヤバい

休憩しよ

（槙雄）わわっ
（永慈）あっ

（２人）あっ

（永慈）あっ
（槙雄）いえーい

（永慈）待ってくれ

（槙雄）弱いって

ああっ うまい

（永慈）ああ ヤバい
（槙雄）汗 ヤバいな

要るかい？

（永慈）ああ ありがとう

うん

暑い　ヤバい

（槙雄）弱いな
（永慈）何が？

（槙雄）バスケ 弱いな
（永慈）フフフッ

よわ… 調子 悪かった 今日

調子… とかないやろ

調子 悪かったわ　ハア…

（解錠音）

（永慈）アッツ

（槙雄）
暑い 暑い 暑い 暑い 暑い

（槙雄）イテッ
（永慈）ごめん

（槙雄）風呂 使ってええ？

（永慈）おお ええよ

（槙雄）ありがとう

（永慈）Ｔシャツか…

（ノック）

（永慈）マッキー

マッキー

（槙雄）ん？

（永慈）でかいかもやけど
替えのＴシャツと―

（永慈）タオル 置いとくで
（槙雄）うん

ありがとう

（ドアの開閉音）

（槙雄）さっぱりしたわあ
（永慈）おお

えっ ドライヤーなかった？

（槙雄）えっ あった？
（永慈）あったよ

（槙雄）えっ
（永慈）おい

乾かしたるから ここ 座っとき

（槙雄）おっ ありがとう

（ドアの開閉音）

（永慈のせきばらい）

（永慈）熱くない？

（槙雄）うん

なあ

（永慈）ん？

俺 大丈夫やで

（永慈）ん？

♪～

（永慈）あっ
（槙雄）フッ

（２人）フフフッ

（永慈）マッキー ちょお
パン 焼いといてくれへん？

（槙雄）うん ええで

（永慈）うん

アチチチチッ…
はい はい はい はい はい

（槙雄）ありがとう

（槙雄）んっ
（永慈）んっ ありがとう

（永慈）要る？
（槙雄）要らん

（槙雄）ハハッ
（永慈）フフフフッ

（槙雄）要らん　ジャム 塗ったことない
（永慈）うまいのに　ハハッ

つけすぎた…

んっ 先に食べてもうた

（永慈）いいよ 別に フフフフッ
（槙雄）ハハハッ

（２人）ういっ

ういっ

（槙雄）まだ いく？　おお

（永慈）フフフフッ

あーっす

（槙雄）うまい
（永慈）うまいわ

要る？　お代わり

（槙雄）うん 要る

（永慈・槙雄のはしゃぎ声）

（槙雄）
永慈 ヤバいで これ　ヤバいで

（永慈）ああ あ… おお
（美枝子）コーヒーできたで

（永慈・槙雄のはしゃぎ声）

（永慈）
無双されてる　ハハハハッ

（美枝子）どっち 勝った？

永ちゃん 頑張れ

（永慈）あれやない？
（槙雄）えっ ないで

勝ちじゃね？

また それ あるやん

（美枝子）これ 出していかな

（永慈）ああ 重い

（槙雄）でかいな 声が

（永慈）持って
～♪

～♪

～♪
（永慈）持ってって ちゃんと
（槙雄）重い

～♪

～♪
（永慈）うわっ

～♪

（槙雄）ああ 重い
（永慈）アハハッ

（槙雄）やめえや
（永慈）ああ

（永慈）うわあ
（槙雄）重い

（永慈）車で来ればよかったわ

（槙雄）
ほんまや　ランクルやろ ここ

（永慈）ランクルやったな

（美枝子）お邪魔します

おう 美枝子
ちょうどええとこ来た

（永慈）そこ 座って 美枝ちゃん

（永慈・美枝子）うん

ああ おなか 減った

（槙雄）なっ
（美枝子）うん

（永慈）もうすぐ できんで

（槙雄）よーし

（永慈）よし

（槙雄）おっ 来た

（美枝子・槙雄）おお

（永慈）うい～

（美枝子）うわっ アハハハハハハッ
（槙雄）うわっ

うまそうやな

（美枝子）うん すき焼きなんか久しぶりや
（槙雄）なっ

あっ 卵は？

（永慈）
あ… 冷蔵庫 あるから 取っといて

（槙雄）んっ
（永慈）美枝ちゃん ごはん 要る？

欲しい

（槙雄）大盛りな
（永慈）はい

（槙雄）美枝子 置いとくで

（美枝子）うん ありがとう

（美枝子）これ 殻入れな
（槙雄）うん

あっ ヤバい

（美枝子）失敗した？
（槙雄）いや

（槙雄）ええ感じやわ
（美枝子）うん

（永慈）ほい
（美枝子・槙雄）ありがとう

（美枝子）あっ これ うちの？
（永慈）うん

（槙雄）よし

（槙雄）えっ もうええの？
（永慈）ええよ

（永慈・槙雄）いただきます

（美枝子）
いただきます　ウフフッ

（槙雄）はよしいや
（美枝子）エヘヘッ すまん すまん

（槙雄）ほな

（槙雄）肉 肉 肉
（美枝子）うん

（美枝子）肉のほう いこう
（永慈）フフフッ

（美枝子）うわっ でかいな
（槙雄）でかい でかい でかい でかい

（永慈）うまい？　うまい？
（槙雄）うん うまい うん

（槙雄）うまい
（美枝子）うん うまい うまい

（槙雄）うーん
（美枝子）うん

ちょっと待ってな

（永慈）ん？

（槙雄）うん

（美枝子）写真 撮るで

（槙雄）ん？
（美枝子）はい ポーズ

（シャッター音）

（美枝子）
ちゃんとポーズ 取りいや

（槙雄）何？
（美枝子）はい

（美枝子）ポーズ

（シャッター音）

（永慈）ハハッ
（美枝子）よし

（槙雄）何やねん

（美枝子）安寧に送ったんねん

（永慈）仲ええねんな

（美枝子）うん 何か最近
美容のこととかも教えてくれんねん

（槙雄）ふーん
（永慈）へえ

（槙雄）前髪 前とちゃうもんな

（美枝子）うん

今のと前の どっちがええ？

（槙雄）うーん… 前の髪… かな

（永慈）うん 似合ってた

（槙雄）うん

あ… 今の前髪も かわいいで

なっ

うん せやな

（美枝子）なんでやろ

急に泣きそうになった

（永慈）まだ野菜 全然あるから

（ゲームの音楽）

（踏切の警報音）

（美枝子）
２人には２人だけの世界があって

私は そこには入れない

それを寂しいかって言われたら…

寂しくなくはない

けど それだけやない

欲しかったもんを
見つけたような気持ちになるのは―

なんでなんやろ

クリスマス 何するん？

クリスマス 何するん？
（音声ガイド）
メイク オッケー？

ああ ３人で過ごすんやないかな

ああ ３人で過ごすんやないかな
前髪 オッケー？

ああ ３人で過ごすんやないかな

ああ ３人で過ごすんやないかな
もっと くっついて

マッキーと永ちゃんと

マッキーと永ちゃんと
撮影 スタート

ほんまに仲ええねんな

ほんまに仲ええねんな
３ ２ 1

３ ２ 1

３ ２ 1
（美枝子）あっ

（美枝子）あっ

（シャッター音）

私 クリスマス
彼氏んち 行くんよ

私 クリスマス
彼氏んち 行くんよ
かわいい

私 クリスマス
彼氏んち 行くんよ

家の人 おらんみたいで

家の人 おらんみたいで
さあ
もう一度 いくよ

さあ
もう一度 いくよ

さあ
もう一度 いくよ
えっ　…ってことは お泊まり？

えっ　…ってことは お泊まり？

えっ　…ってことは お泊まり？
３ ２ １

３ ２ １

３ ２ １
（みちる）お泊まりになるんじゃないん？
（美枝子）榊 榊 あっ

（みちる）お泊まりになるんじゃないん？
（美枝子）榊 榊 あっ

（みちる）お泊まりになるんじゃないん？
（美枝子）榊 榊 あっ
（シャッター音）

ああっ

（音声ガイド）
こんな感じ

（音声ガイド）
こんな感じ
まあ ええんちゃう

まあ ええんちゃう

興味 ゼロやん

もう一度 いくよ
ああ ごめん
そういうつもりちゃうねんけど

ああ ごめん
そういうつもりちゃうねんけど

ああ ごめん
そういうつもりちゃうねんけど
３ ２ １

３ ２ １

３ ２ １
（みちる）ふーん

（シャッター音）

（音声ガイド）かわいい

うち そういうことしたいって
気持ちが よう分からへんねん

うち そういうことしたいって
気持ちが よう分からへんねん
（音声ガイド）
もう一度 いくよ

うち そういうことしたいって
気持ちが よう分からへんねん

３ ２ １

３ ２ １
好きな人とも？

（シャッター音）

どうなんやろな
まあ よう分からんけど

（みちる）エヘヘッ
（美枝子）フフッ

ういっ

（槙雄）ありがと
（美枝子）はい

（槙雄）よいしょ

あっ 永ちゃん
何時頃 こっち来るって？

（槙雄）あ… ６時頃 言うてたな

（美枝子）ほな 来るまでに
全部 飾りつけして 驚かせようや

（槙雄）せやな
（美枝子）うん

（槙雄）よし

（美枝子）あ… ケーキ
（槙雄）うん

（美枝子）ケーキ
（槙雄）ありがとう

よいしょ　ああ 絡まっとる

どこ？

ここでええんかな？

（美枝子）ああ ええんちゃう

（槙雄）おお ええなあ

（美枝子）いや もうちょい
きれいに飾りつけしいや

（槙雄）ええな ええな

どどーん

（美枝子）何やねん それ
（槙雄）やっちゃうよな

（美枝子）ねえ 見て 見て

（槙雄）おお
（美枝子）かわいい

（槙雄）かわいいな
（美枝子）うん

アハハッ 何やねん それ

（槙雄）分からん
（美枝子）ハハハッ

（槙雄）何か やってみた

（美枝子）あ… これ ついてるんやな
（槙雄）おお

（槙雄）何？
（美枝子）これ

（美枝子）飾りつけのやつ
（槙雄）ああ そりゃ ついてるやろ

（美枝子）うん
（槙雄）これ ただの木やん

（包丁で野菜を切る音）

（令奈）
永慈 夜ごはん 食べてく？

（永慈）いや 今日
家で友達と集まるから大丈夫

（令奈）誰と？

（安寧）
美枝子とマッキーでしょ どうせ

（永慈）うん

（安寧）ねえ

これ 何 買ったの？
え… 見せてよ

（永慈）ちょっ… 包装 崩すなよ

（安寧）えっ 何 これ かわいい

（安寧）イニシャル ついてんじゃん
（洋介）ああ 美枝子ちゃんのＭか

（永慈）
いや そういうことじゃなくて

（安寧）３人で仲良くて
よく集まってるんだよね

（洋介）ああ そっか そっか
いいじゃない

（洋介）ねっ ママ
（令奈）うん

（令奈）今度 また うちに連れてきたら？
（洋介）ああ そうだな

お正月とか どうだ？
初詣 一緒に行こうよ

（令奈）パパったら
（洋介）え？

そういうのは
若い２人で行くのがいいんでしょ

ねっ 永慈

違う

（洋介）え？

いや

違くて

俺が つきあってんのは―

美枝子ちゃんじゃなくて―

マッキー

（槙雄）プシュー プシュー
（美枝子）何 それ ヤバ

（槙雄）プシュー

（美枝子）ああ でけた
（槙雄）でけた

（美枝子）アハハッ
（槙雄）でけた

（美枝子）あ… ライト つける？
（槙雄）つけて

おお おおっ

（２人）ええなあ

（槙雄）ええなあ
これ 夜やったら―

きれいやろな

（美枝子）
クリスマスって
感じやな

（槙雄）せやな
赤 青 緑

（美枝子）緑
（槙雄）ええなあ

（槙雄）デン デン デン デン デン デン
（美枝子）これも つける？

（槙雄）ああ
（美枝子）これ つけれんかな

（槙雄）いけんちゃう？　おっ

（美枝子）
無理やったわ

あっ いけた
いけた いけた

（槙雄）
あれや あれや

（美枝子）ん？
（槙雄）あれや

（槙雄）
これ ええやんな
使ってええやんな

（美枝子）何？

（槙雄）
サンタさんにお願い 書こうや

（美枝子）サンタさんに？
（槙雄）せや

（美枝子）
願い事 書くん？

（槙雄）
ああ 書こうや

ペン 取って

（美枝子）
えっ どこ？

ああ

はよ はよ はよ
サンタさん 逃げてまうで

（美枝子）はい

（美枝子）ああ
（槙雄）ああ ええね

（美枝子）よいしょ

えっ 何 書こ

（槙雄）俺 もう決まってんねん

（槙雄）見んといてや 見んといてや
（美枝子）何？　何？

（美枝子）何やねん
（槙雄）ほんまに

（美枝子）はあ？
（槙雄）すぐ見る

えっ 何しよ　サンタさんやろ？

（槙雄）サンタさんやで

（美枝子）物やろ？
（槙雄）物やで

（美枝子）ええっ

（美枝子）何やねん それ
（槙雄）見んといてや

（美枝子）何やねん それ
（槙雄）まだ完成してへんねんから

ヤバッ どうやって
書くん？　これ

（美枝子）えっ うーん…

（槙雄）ヤバい ヤバい

（美枝子）何やろなあ

（美枝子）いや これでええわ
（槙雄）何 これ 何 これ

何なん これ

何なん これ　何なん？

（槙雄）ヤバい ヤバい
（美枝子）欲しいですって―

書いたほうがいいかな？

（美枝子）欲しいです
（槙雄）丁寧に書かな サンタは来んで

（美枝子）はい でけた

（槙雄）待ってや 終わってへんねん
（美枝子）でけた でけた

まだ終わってへんの？

何やねん

（槙雄）ヤバいんやけど

自分の画力に
ショックを隠しきれへん

（美枝子）それ 何？
（槙雄）ランクルや

（美枝子）ランクルなん？
（槙雄）ランクルや

（美枝子）
ランクルちゃうやろ こんなん

（槙雄）ショックやねんけど
ショックやねんけど

（美枝子）
えっ 目からビーム 出てるよ

（槙雄）
ちゃう 目ちゃうわ　ライトや

（美枝子）あっ これ ライトなん
（槙雄）ああ あとな

あと… あとな

（美枝子）まだあんの？
（槙雄）まだあんねん

ヤバいねんけど
ショックやねんけど

（美枝子）囲っといた

（槙雄）
もっと うまいはずやねんけどな

（美枝子）は？

（槙雄）免許や

（美枝子）
いや そんなん 自分で取りいや

（槙雄）サンタやで
（美枝子）いや サンタは無理やて

（槙雄）頼んだもん勝ちやろ

（美枝子）
あ… うち もう喉 渇いたわ

（槙雄）
槙雄のサイン
書いとくわ

サイン 要る？
サイン 要る？

（美枝子）いや 要らんわ
（槙雄）槙雄サイン 要る？

（美枝子）
マッキー
何か飲む？

（槙雄）ん？

（美枝子）
マッキー
何か飲む？

（槙雄）
書いといたで 槙雄サイン

（美枝子）要らんわ

（槙雄）何か？
（美枝子）うん

（槙雄）
うまい うまい…
うまいの 飲む

（美枝子）はい

（槙雄）んっ ありがとう

なんで マグカップに入れんねや

（美枝子）えっ いっつも
それで飲んでるやん

（槙雄）グラスやろ あったかいのは

（美枝子）だって ないやん
（槙雄）変なやつやわ ほんまに

（美枝子）だって ないんやもん

（槙雄）柿ピー 欲しいんか

（美枝子）柿ピー

（槙雄）謙虚やな